I S-釣りバカ日誌-   作:ソーダガツオ

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遅れてご免なさい
そしてただいま帰りました


第22話 激闘!沖縄諸島〜テナガエビ編〜

     

 

     〜那覇空港〜

 

『ご搭乗の皆様、本機は沖縄那覇空港に到着しました。外の気温は33度で今日1日よい天気になるでしょう。皆様と再びお会い出来る事を心から楽しみにしています』

 

「ふぅ〜!漸く沖縄に到着ね!」

 

「やっと着いたか。思った以上に本州から遠いんだな⋯⋯⋯⋯」

 

 8月某日、誰もが夏の暑さに浮かれるこの時期、俺達はハイビスカスの赤い花が咲き誇る地元沖縄へとやってきた。

 

「⋯⋯⋯⋯zzzz」

 

「ほら、お兄ちゃん起きて、空港についたよ」

 

「⋯⋯⋯⋯ん、もうついたか」

 

『ええ、ぐっすりと眠られてましたね。お疲れだったのですか』

 

「あぁ、なんだか昨日寝付けなくてな」

 

「へぇ〜、啓吾君でもそういった時があるのね」

 

  そう楯無から茶化す様に言われた。恥ずかしい話ではあるが、久方ぶりの故郷で興奮して寝付けなかったのである。

 

「そういえば啓吾、昨日はずっと釣具の整備をしてたもんな」

 

「ああ、でももう大丈夫だ。さ、早く実家に向かおうか」

 

 

 

 

  

 

 

 

 

  〜那覇空港ロビー〜

 

「啓吾!」

 

「親父か!元気そうだな」

 

「伯父さん、ご無沙汰してます」

 

  飛行機を降りてまず出迎えてくれたのは何を隠そう俺の親父であった。恐らく長い間待ってくれていたのであろう。額から汗が流れている。

 

「おう、啓吾もシャルもよう帰ってきたな。あぁ、それから織斑先生、ご無沙汰しております」

 

「はい、金城さんもお元気そうでなによりです」

 

「ハッハッハ!元気だけが取り柄みたいなもんですから!さ、皆さんが沖縄に着いたなら長話は無用!私どもの家へ向かいましょうか!」

 

 豪快でサッパリとした親父のこと、俺たちはその一言で直に実家へと向かうことにした。

 

 

 

 

 

    〜金城家前〜

 

「あらまぁ啓吾、久しぶりね〜」

 

「ああ、お袋も相変わらず元気そうだな!」

 

 車を走らせること早1時間、ようやく着いた実家の前にはお袋が今や遅しと待っていた。

 

「それで、これから家族になる子達は〜?」

 

「ははは、お袋もせっかちだな。シャル、ラウラ、これがウチのお袋だ」

 

 そう言って二人を紹介した。

 

「初めまして、シャルロットです。伯母さん、これからよろしくお願いします!」

 

「ら、ラウラです⋯⋯⋯」

 

「まぁ!二人とも、とっても可愛いわ〜!」

 

 何を隠そう。今まで男所帯だった我が家に娘とも呼べる存在が二人も来たのだ。我が母上殿の喜びも天上知らずであろうことは理解するに難しくはない。

 

「喜ぶのは良いがね母さん。皆暑い中わざわざ来てくれたんだ。お通ししなきゃ失礼だろう」

 

「あら〜、そうだったわね。さぁ皆さん、むさ苦しい所ですけど、どうぞ上がってください♪」

 

(⋯⋯⋯ねぇ啓吾)

 

(ん、どうしたんだ鈴?)

 

(アンタも大概だけど、お母さんの方も結構マイペースね)

 

(まぁ⋯⋯⋯確かにマイペースな人だけど、悪い人じゃないんだ。勘弁してやってくれ)

 

 

 

   *

 

 

「男子生徒諸君、ここが君たちの部屋だ。少し狭いかもしれないがゆっくりしていってくれ」

 

「まぁ言っても俺の自室だけどな」

 

 案内されたのはそう、いつも使っている自分の部屋だった。ちなみに女性陣たちは道場近くの客人用の部屋を使っている。

 

「そう言うな息子よ。一夏君も何かあったらすぐに声を掛けてくれよ」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

「ははは、それじゃあ男同士ゆっくりと語らい合ってくれたまえ!」

 

「あ、そうだ親父」

 

「ん?どうしたんだ啓吾?」

 

「物置にあるタナゴ竿、何本か貸してもらっても良いかな」

 

「ああ、ということはお前、『テナガエビ』を狙うつもりだな。いいとも、持っていくと良い」

 

「ありがとう、少し休憩したら行ってくるよ」

 

「あんまり遅くならない様にな。気をつけて行ってくるんだぞ」

 

 それだけ言って親父は部屋から出て行った。

 

「ん⋯⋯⋯?啓吾、今から狙うのはテナガエビなのか?」

 

「そうだ、泥抜きしたら明日の晩飯にもなるからな。さてと、一息ついたらシャル達と合流しようか」

 

『熱中症にならない様に、水分とタオルは忘れないでくださいね』

 

「分かってるさ海神、それじゃあ台所でさんぴん茶でも貰ってこようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     *

 

 

「さてと、これで全員か?先生達はどうしたんだ?」

 

「うむ、教官達は今日はゆっくりすると言っていたぞ。布仏姉も家に泊まるんだそうだ」

 

「そっか、じゃあこのメンバーで釣りに行こうか」

 

「えっと⋯⋯お兄ちゃん、これから一体何を釣るの?」

 

「ああ、さっき一夏とも話していたけど、テナガエビを釣ろうと思う」

 

 

 テナガエビは日本では本州と四国、九州、沖縄まで広く見られる甲殻類だ。また水の汚れにも強くて都心を流れる川でも普通に見ることができるぞ。テナガエビの特徴は何と言っても大きく前に伸びた鋏。この大きな鋏を持つのはオスのみで、産卵時期のメスを守るために大きく発達したと言われているんだ。初夏~秋口にかけての繁殖期には岸沿いの浅場で盛んに釣れるようになるテナガエビは、「江戸前の小物釣り」として、タナゴやハゼ釣りとともに親しまれてきた生き物なんだとか。

 

 

 

「でも、私たちにエビなんか釣れるのか?なんだか難しそうなイメージがあるぞ」

 

「それについては大丈夫だ。テナガエビ釣りはそんなに敷居の高いもんじゃないさ。その気になればペットボトルで捕れるからな」

 

「あ⋯⋯⋯⋯それは何処かで見たことあるかも⋯⋯」

 

「まぁ、今回は皆初めてだからな。タナゴ竿と玉ウキを使ってやるぞ」

 

 

 

 

    〜テナガエビのウキ釣り〜

 

 竿の長さは釣り場に応じて判断していくと良い。今回はテトラ帯で足元に近いポイントだから1.5m程度のタナゴ竿をつかう。もしこれがゴロタ石が敷かれた場所ならだいたい2.7mから3.6mぐらいのヘラ竿を使うと良いだろう。

 ウキは玉ウキのほうが見やすいが、これも釣り場によって使い分けることを考えると、小さな棒ウキも持っていっても損にはならないだろう。最近では竿を用意するだけでOKな『手長エビ専用仕掛け』も売っているぞ。

 

 

「普通なら餌は赤虫が良いんだけど、今回はカニカマを1cm台に切ったものを使うぞ」

 

「でも、それだとテナガビの食いつきが悪いんじゃないか?」

 

「いや大丈夫、確かに食いは悪くなるけど、あくまで誤差の範囲内だからな。ポイントを決めたら、エサを付けて振り込んで、まずはウキ下の調整をしよう。オモリが着底し、ウキが5cmくらい沈むように調節するんだ」

 

 

 この時、持っていくと便利なアイテムを幾つか紹介しよう。まず第一に必要なのが『偏光グラス』、これがあるだけで何処に仕掛けを投入すれば良いか分かりやすくなるぞ。

 

「あ、お兄ちゃん!ピクピクッてウキが動いてるよ。掛かったんじゃないかな」

 

「いや、これはエビが鋏で餌を掴んでるだけだ。この状態で上げると、ピクンという抵抗があっても、釣れないだけなんだ。。ウキが留まったら、とてもゆっくりとした合わせをおこなえば⋯⋯⋯⋯⋯⋯ほら!」

 

「おぉ〜!ケイケイすご〜い!」

 

「それにしても鋏が小さいわねぇ⋯⋯⋯違う種類のエビかしら?」

 

「いや、これはメスのテナガエビだ。オスはもっと迫力があるぞ」

 

「啓吾さん!ワタクシ達もやってみたいですわ!」

 

「そうだな、竿は人数分あるから皆糸を絡ませない様に始めてくれ!」

 

「「「「は〜い!」」」」

 

 そうそう、この時エビの口に刺さったハリを乱暴に外そうとすると、繊細なテナガエビはすぐにダウンしてしまう。でもピンセットを使えば、いともたやすくエビの口からハリを外すことができるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   〜1時間後〜

 

「わ〜い!また釣れたよ〜!」

 

「わ、ワタシも!」

 

「ボクも釣れたよ!中々大きいんじゃないかな?」

 

 

 釣りを始めてから早1時間、全員が程よい数のテナガエビを釣り上げていた。

 

 

「みんな楽しんでいるみたいだな啓吾」

 

「あぁ、そうだな一夏。俺も連れてきたかいがあったよ」

 

「そういえば啓吾さん、何故バケツにポンプを入れてるんですの?」

 

「ん?それはな⋯⋯⋯⋯⋯」

 

 通常釣り上げたテナガエビは一日掛けてゆっくり泥抜きしたら美味しく食べることができる。その際にポンプを持っていったら、多少弱ったテナガエビでも生かすことができるのだ。

 

「ほえ〜⋯⋯⋯やはり博識ですのね」

 

 

「別に釣りに対して少し詳しいだけだよ。さぁ、数もそろったし帰ろうか」

 

「ええ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      *

 

 

「ただいまー!」

 

『ただいま帰りました⋯⋯⋯⋯おや?」

 

「ん、どうしたの海神?」

 

『新しい靴があります。どうやら客人がいるみたいですね』

 

 海神が言った通り玄関には見知らぬ人の靴があった。

 

「ああ啓吾、帰ってきてたのか」

 

「親父、お客さんかい?」

 

「それがお前への客らしいぞ」

 

「俺の?はて⋯⋯⋯⋯他に知人がいただろうか?」

 

 頭に?マークを浮かべながら俺はリビングへと入った。

 

 

 

  するとそこには⋯⋯⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜啓くん!待ちくたびれたよ〜!」

 

 

 

「え⋯⋯⋯⋯篠ノ之⋯⋯⋯⋯博士?」

 

 

 

 

 そう、人懐っこい顔でソファーに鎮座している天災、『篠ノ之束』の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 




「死ぬ前に辞世の句を聞いておこうか」

「やめて!ソーダガツオのライフはもうゼロよ!」

「えっと〜、とりあえずどうしてこんなに投稿が遅れたの?」

「理由は色々あるけど・・・リアルの忙しさが一番です・・。あ、でも一通り落ち着いたのでこれからボチボチ投稿はしていこうかなと思ってます」

「まぁ、なんだ。読者の諸兄姉方には申し訳ないことをしたが、これからも応援してくれるとうれしい」

「ペースはまだ分からないけど、出来るだけ早く投稿できる様にするね」
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