前みたいにすぐ終わるようなオリ連載はしません!
絶対に頑張って続けます。
では、その最初の一歩をどうぞ。
叫び声が響く。
絶叫とも言える叫びが。
辺りを緋く染め上げる。
「諦めるな! まだ希望はある!」
突如として響く一つの声。
それは汚れた地に降り注ぐ光のようで。
相対するものへの死の宣告。
「大切なものを守るために戦うんだ」
辺りは黒く染まる。
***
嫌いだ。
少年の頭に浮かぶ言葉はそればかり。
周りにあるもの、いる人、風を切る飛行機や地を駆ける車も。
みんなみんな、嫌いだ。
執拗に軽蔑と畏怖の感情を撒き散らす同級生も。
へらへらとした顔で頭を下げる偉い役人や研究者も。
「みんな……大っ嫌いだ」
少年には、全てが異物に見えた。
こんな世界に希望なんてない。
自分と目先の利益だけを求めて、誰かの利益は無視する。
世界は反映する一方、歪な心を持つものが現れ、次第に世界を蝕んでゆく。
そんな世界。
希望なんて……ない。
だけど。
「どうしたー? 朝から暗い顔してさ」
「…何でもないよ」
「何でもないなら、ほら笑う!」
そう言って、いきなり現れた少女が少年の頬を引っ張る。びろーんと面白いように伸び、少女が笑いながらそれを続ける。
「ひはいほ…」
「んー? 何だってー?」
「…だから、痛いって」
やけになにながら少女の手を引き剥がす。
すんなりと離してくれたので大事には至らず、しかしまだ微かにヒリヒリする頬を摩った。
「笑わないのが駄目なんだよ。人生つまんなくても、笑ってれば何とか成るのさ!」
「……それ極論」
握り拳を作りながら言う少女に対して、少年はきっぱりと言い放つ。
少女は肩を落としながら、むうっとした顔で少年を睨む。
「そんなこと言わないでよ。要は、気持ちの問題」
「だって事実だし」
「全くもう……でもわたしは、自論を曲げる気はないよ」
真っ直ぐに少年を見つめる少女。
その目を受けて少し顔を逸らせ、仄かの頬を赤らめながら、小さく呟く。
「………でも、利香はそれでいいと思うよ」
少年は目線を戻さず、でも思ったことをそのまま言う。
それが分かっている少女―――松嶋利香は、にっこりと微笑みながら。
「ノブも、そうなれたらいいね。わたしは、ずっとノブの友達だから!」
僕は、周りの人を信じられない。
親も、友達も、動物も、ものも。
何もかも。
僕のせいで全て変わってしまったから。
でも、あの人たちは違う。
日本のとある街の片隅で。
そんな二人の会話が通学路に響いていた。
何の変哲もない、でも少しだけ違った空気を纏った会話。
風が吹き抜け、二人の髪を揺らす。
少年―――黒川伸彦の物語が、静かに始まろうとしていた。