side斉木
人間だれしも一度はやらされるだろうことがある。
それは行事参加だ。
僕の場合は立場上どうしても出なくてはならないようだが...。
「ともに出場してくださりありがとうございます...。提督」
『気にするな、僕も艦娘の作るカレーとやらに興味があったからな。
さて、そろそろ始まるようだぞ?
「マイク音量大丈夫?チェック!ワン、ツー...。
はーい!皆さんお待ちかね!鎮守府カレー大会開幕!
司会実況は
現場実況は?」
「艦隊のアイドル!那珂ちゃんでーす!それじゃあ出場者を紹介しちゃうよ?」
なるほど、霧島と那珂が実況か...。
霧島は何となくわかるが何故那珂なんだ?
「バーニングカレー!金剛さんと!比叡さん!」
「テートクのstomachを掴むのは!私達のCurryデース!」
「気合ッ!入れてッ!作ります!」
全力でご遠慮します...。
『続いて!五航戦の力を見せつける為に来ました。瑞鶴さんと翔鶴さん!』
「瑞鶴にはカレーの女神がついていてくれてるんだから!」
「一航戦の先輩方に少しでも近づけるようなカレーを作ります。」
カレーの女神?なんだそれは?おかしな女神を作り出すんじゃない...。
『ご飯も深海棲艦もお残しは許さない!一航戦の加賀さんと赤城さん!』
「五航戦のカレーなんかと一緒にしないで」
「一航戦赤城!いただk..作ります!」
それだと瑞鶴たちがカレーという事になるな。
それと赤城、お前今いただきますと言いかけたなかったか?
今は食べる側じゃなく作る側なのを忘れていないか?
《大丈夫ですよ提督。ちゃんと理解していますから》
...!?!?な、なんだ?今、赤城が返事してきたように......。
「......(ニッコリ)」
やはりだ...僕の思っていることに的確に反応している...。
『どういうことだ?赤城には超能力のことは教えていないはずだ...。
「あ、ごめんなさいおにいちゃん、あかぎせんぱいにはなしたのわたしなの...」
『なに?じゃあ赤城はこのことを知っているのか?
「うん、まえにくちがすべっちゃって...」
くつきぃぃぃぃぃーーーーーっ!!
......ふう、落ち着いたな...。
『まあ、言ってしまったものはしょうがない...來月のお仕置きはまた後で考えるとして...。
「...え?」
『そして審査員は!!世界のビックセブン!怒れる41㎝砲!鎮守府の守護神!長門さん!』
「......」
『長門、無理はするなよ?
《お心遣い感謝いたします。提督》
...まあ、長門には教えている訳だし、返事が返ってくるのは当然か。
『そしてスペシャルゲストは!!!無口だけど甘いもの大好き!斉木提督!!』
〔やめろ、紹介するんじゃない〕
『お料理ナンバーワンの名誉をかけて!!』
『鎮守府カレー大会スタートォッ!!』
≪ワァァァァァァァァァッ!!≫
やれやれ、ようやく始まったか...。
ん?金剛チームの比叡の手元に置いてあるあの物体はなんだ?
《この隠し味で金剛お姉様のカレーをもっとおいしく!》
アカンアカンアカンアカン!
あんな物体を入れられたらカレーがカレーではない別の何かへと生まれ変わってしまう!
何とかあれの投入は阻止しなければ...。
『來月、ちょっとこっちに...
「え?ちょっ!えぇ...?」
ーーーーーーーーー
「どうしたの?きゅうに...」
『僕は少し席を外す、その間僕の代わりに席に着いていてくれ...。
「え?おにいちゃん、どこかいくの?」
『ちょっとした野暮用だ...。あぁ、それと話すときはなるべく僕の声真似をして話しておいてくれ
「おにいちゃんのしゃべりかた?『やれやれ、どうしてこんなにめだたなくちゃいけないんだ...』こんなかんじでいいのかしら?」
『あぁ、十分だ。なるべく早く戻る、それまで頼んだぞ
「えぇ、わかったわ。まかせておいて!」
......よし、行ったな?
『おぉーっと!ここで提督が戻ってきました!どこに行ってらしたのでしょうか!!』
実況の声からわかる通り、今、來月は僕、斉木楠雄に誤認させたんだ。
周りには斉木來月は斉木楠雄に見えている。
さて、僕もやることをやるとしよう...。
【
ーーーーーーーーーーーーーー
さて、金剛達の机は...あれか。
「・・・・・・・」(ヒョイッ!)
『オォーッとここで金剛お姉様達のチームに猫が乱入するというハプニングが発生です!』
「ひえーっ!机の上に猫が!」
「oh...いったいどこから迷い込んだんデース?」
審査員席からだが?
と、そんな事より例の物体は...あれか。
「ニャ・・・」
「あ、それは私の!!」
こんな有害な物質はこうだ!
(バシッ!バヒュゥゥゥゥゥン…キラン!)
『なんと猫ちゃん!比叡お姉様の用意していたナニカを空の彼方に吹っ飛ばしました!!』
『霧島さん...?』
「あぁ..私の隠し味...。」
よし、これで任務完了...じゃない!
次はあっちか!
「・・・・・・・」(ヒョイヒョイッ!)
「あら?猫さん?」
「...どうしたのかしら?」
『んなぁ~んと猫ちゃん!ここで一航戦ペアの所に乱入しました!!今度は何をするのでしょうか!!』
『なんでナチュラルに実況してるの!?霧島さんなんかテンション変じゃない!?』
実況煩いな...。
さて、赤城はつまみ食いを止めさせなければ...。
「どうしたの?私に何か用かしら?」(ヒョイッ)
「ンニャッ...!?」
抱き上げられた!マズイ!早く手を施さないと!
【誤認識】
「......あら?」
「どうしたの?赤城さん」
「いえ、急にお腹が減らなくなったの...どうしてかしら?」
よし、後は逃げ出すだけだ。
『これはどうしたことでしょう!!赤城さんのつまみ食いが止まったぁ!一航戦ペアここから追い上げなるか!!』
【瞬間移動】
「・・・ニャ」
「あら?いつの間に逃げたの?」
『そして乱入猫!一瞬のうちに赤城さんの手から逃げています!!』
これで後は...。
「もうっ!どうした私ばっかり!!」
「あ、待って翔鶴姉!わざとじゃないの!」
『ありがとうございやす!こういうのを待っていました!』
『霧島さん、声も顔も冷静だけど実はテンションMaxだよね!?』
あっちはもう手遅れか...。
他の所も修正したいが長居して捕まってしまっては面倒だ。
この辺りが引き際だろう...。
「ニャ・・・ッ!」
『そしてここで乱入猫!颯爽と去っていくぅーーッ!!』
『いったい何しに来たの!?あの猫ちゃん!?』
混乱の修正だ...。
よし、なんとかなったな、後は戻るだけだ。
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『來月、変わり身助かった。もういいぞ
《あら、おかえりなさい。いまいくわね》
「はやかったのね、おつかれさまおにいちゃん」
『あぁ、さて、早く戻ろう
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『食べるのも早ッ!!というか、島風ちゃんが食べちゃダメぇ!!
もう!ツッコミは那珂ちゃんの仕事じゃないのにぃぃ~...。』
まあ、那珂、強く生きてくれ...。
さて、第六駆逐隊の様子はどうだ?
【千里眼】
「あの猫ちゃん、いったい何だったのかしら?」
「それより暁ちゃん、味見お願いなのです」
「え?うん」(ズズッ…)
「...どうだい?」
「いい!今までで一番いいわ!」
「ほんと?やったね!」
「えぇ!でもまだ油断できないわ!みんな気合入れていくわよ!」
『おぉーー!!』
ふむ、順調みたいだな。このまま何事もなく終わってくれるといいが...。
ん?暁達に近づくのは...羽黒か?
ふむ、どうやら足柄、羽黒ペアのカレーを試食させているもようだな。
「な、ナニコレ!?
「でも、すごくおいしいのです!」
「痺れるほどの辛さなのにどこかまろやかでこれは後を引く味だわ!」
「ハ、xopowo!」
「な、なんで?なんで暁たちのカレーとこんなに違うの!?」
そりゃ作る者によって辛さは違ってくるからな。
それにしても足柄のカレーは辛すぎるのか、これは絶対選べそうにないな...。
「これまでの知識と経験。そして数えきれないほどの試行錯誤を繰り返して生み出された黄金配合スパイス!
私とあなた達とでは年季が違うのよ!」
『!?!?』
「それに何よりも背負っている物の重さが違う!」
「...どういう、こと?」
「次の機会こそ、確実に決めるための女子力!お料理ナンバーワンという名誉が、私には必要なのよ!
もうね...後がないの...!」
・・・・・・・・・えぇ...。
『あぁっ!!一気に会場がお通夜に!!
基本みんなお祭り気分なのに、この人ガチ中のガチ!
大ガチだよぉ~...。』
『容赦なく教え子の心を檻に行きましたね?流石は飢えた狼!』
いや、そういう問題じゃないだろ...これは...。
「許してください...!私はもうヤケ酒に沈む姉さんを見たくないんです...!」
『そして羽黒さんはガチ泣き!?』
おいおい、この雰囲気どうするんだ...。
雰囲気にのまれて第六駆逐隊も膝を突いてしまっているじゃないか。
「くっ...!」
「私達には重すぎるわ...」
「ここまでなのです...?」
「あんなに…頑張ったのに…うぅ...!!」
「おにいちゃん、おにいちゃんのちからでなんとかしてあげて!」
『えぇー…無理ですけど...。
「武将にわたるなかりしか!!
お前たちは充分な努力をした。
なら、後は最後まで取り組むのみだ!」
長門、お前は...。
「長門さん...」
「どうしてそんなに私達を...」
「私だけではないさ...。そうだろう?提督」
何故そこで僕に振る!!
しかたない...。
〔あぁ、その通りだ...。敵わないとわかっていようとも最後まであきらめない、それが僕の艦隊に対するモットーだ〕
「そうだよ!頑張って!みんな!」
「負けるな!第六駆逐隊!」
「立て!立ち上がるんだっぽーい!!」
『んなぁ~んと!会場から第六駆逐隊コール!!
彼女たちの頑張りがついに会場を動かしたというのでしょうか!!』
『ただに足柄さんが作り出しこの暗い雰囲気をどうにかしてほしいだけなんじゃ...。』
まさしくそれだろうな。僕もそれに巻き込まれたからな。
主に長門に...。
「・・・・・・」【プイッ!】
・・・・・・おい...。
「オーッホッホッホ!小娘たちが私の人生の重みに耐えられて?
オーッホッホッホ!!」
「姉さん...。」
足柄のやつ、ノリノリだな...。
「...少し、軽くなった!」
「!?」
「みんなが呼んでくれるなら!」
「私達は立ち上がるのです!」
「そうよ!暁達は誓ったんだから!みんなで勝つって!!」
『がんばれー!!ファイトォ!!』
「いくわよみんな!」
『おー!!』
「死にぞこないが!どこからでもかかってくるがよいわ!!」
どこぞの魔王だお前は...。
いや、雰囲気だけならもうラスボス級だな...。
『第六駆逐隊立つ!今鎮守府の未来をかけた、運命の最終決戦が始まるのです!』
『これカレー大会だよね!?ねぇ!?』
というか、他の出場者たちが完全に空気扱いにされてるんだが...。
霧島よ、もう少し他も見て実況することを覚えてくれ...。
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『さあ!全てのカレーが出揃いました!!』
『後半空気だったけどなんだかんだで生き残った人達の分もあるからチャチャっと審査しちゃって♪』
なんだかんだで他の出場者たちもちゃっかり完成させていたようだ。
「それではこれより審査を始める…いきましょう提督」
〔あぁ〕
まずは金剛・比叡ペア
......辛口だな。
続いて一航戦ペア
......これは…中辛か。
そして足柄・羽黒ペア
......ぐっ!確かに激辛だ...。
最後に第六駆逐隊
......予想通り甘口か。
『さあ、果たして結果は!!』
「どれも甲乙つけがたい…が!」(チラリ)
[提督、お願いします]
あぁ、分かった。
〔本年度、鎮守府カレー大会優勝は…第六駆逐隊!〕
『わぁぁぁい!やったぁぁぁぁぁ!!』
『これでよかったんだろ?長門
[はい、ありがとうございます提督...]
これで僕も解放されるな...。
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「おつかれさま、おにいちゃん」
『如月、何度も言うが二人の時まで妹にならなくていい...。
「これがいいのよ♪」(ダキッ!)
勘弁してくれ...。