Ψ会の睦月型
side長門
私は驚いていた。
それはつい先日、第8艦隊が報告してきたことだった。
海域を航行中、敵艦隊と遭遇、遭遇戦になるも…なんとか勝利した。
しかしその後、海面で浮かぶ如月を発見したという…。
最初に聞いたとき、私は耳を疑った。
それはそうだ、これは提督と私、そして本人しか知らないが、如月はあの時既に提督に助けられているからだ…。
だが、その疑問は如月が報告に来たときに吹き飛んだ。
如月の腕には深海棲艦のものと思われる後が見えていたのだから……。
この場には私と陸奥、金剛に比叡、そして一航戦の赤城と加賀が待機している。
「睦月型駆逐艦、如月。ただいま帰投しました…。」
「…………」
「うむ、生憎、提督は北方艦隊や中部海域の作戦を指揮していてな…。私から報告しておく」
「ありがとうございます」
「良かったデスネ」
「聞きたいことはあるが、とりあえず、今日のところは休んでくれ…」
「はい、ありがとうございます。失礼します…」
そう言うと如月は出ていった。
『…………』
それを見送った後に陸奥が口を開く。
「……間違いないようね」
私は一つ頷いてから話し出す。
「本日、当時刻をもって本案件をD事案と認定…。以後、別名あるまで本件に関わる一切を第一級軍規とする」
「でもどうするんデス?ブッキー達は何も知らないのデスよ?」
「かといって隔離するわけにも……」
「難しいことになったわね…」
「…………」
提督、貴方ならこの案件、どう動く?
私は遠く離れた提督に思いを馳せるのだった……。
side斉木
僕の名前は斉木楠雄、超能力者である…。
MI作戦以降、僕が超能力者であることをここの鎮守府の艦娘達に知れわたってしまった…。
おかげで毎日見世物状態である……。
そんなある日のことだ…。
「おにいちゃん、ソロモン海域を攻略中の長門さんから通達よ?」
そうにこやかに微笑むのは斉木來月…。
僕の妹であり元艦娘である娘だ。
元の名前は睦月型駆逐艦の二番艦である如月だ。
以前のW島攻略作戦の時に敵の爆撃を受け死にかけたところを僕が助けた…。
以来、如月は僕の妹、斉木來月として生活している。
なんでも一度、睦月にバレかけたそうだがなんとかごまかしたとか……。
数ヵ月前までは拙いしゃべり方であったが今では少し成長し、流暢に話しかけてくるようになった。
僕を呼ぶときだけは相変わらず子供口調なのだが……。
『通達?何かあったのか?
「えぇ、それが…私が見つかったとか…」
『お前が見つかった?何を言ってるんだお前は……。
「言わなくても心を読めばすぐわかるでしょ?」
(如月が見つかるなんて…いったいどういうことなのかしら?)
…………。
『なるほど、そういうことか…。だが確かに変だな、如月なら僕があの時に助けているはずだ……。
「えぇ、そこが不思議なのよね…。けど、この如月は腕に深海棲艦の一部分が出来ていたそうよ?」
腕に深海棲艦の一部分……。
深海棲艦が如月に似た何かを作ったとでも言うのだろうか……。
『分かった、これは僕が直々に調べてみよう…。如月、悪いが艦隊の指揮は任せたぞ?
「えぇ、任せておいて♪おにいちゃんの直伝の指揮能力を見せてあげる!」
『便りにしてるぞ…。
【瞬間移動!】
『楠雄は瞬間移動でショートランド泊地へとむかうのであった……』