side斉木
僕の名前は斉木楠雄。超能力者だ。
長門からの報告を聞き、僕は長門率いる主力艦隊が停泊しているショートランド前進泊地に来ていた。
因に今は夜だ、なにせ来たのが夕方頃だったからな。
今日はこの基地で祭りが開かれるらしい。
というか、開かれている……。
僕の前には基地に集まる艦娘が一ヶ所に集まっている。
そのなかで長門が目の前の台に上がり艦娘達に呼び掛け始めた。
「秘書艦の長門だ!皆、最前線ソロモンを臨むこのショートランド前進泊地によく集まってくれた。そして、第八艦隊の皆。ソロモン敵泊地の夜間突入、敵輸送船団の撃滅、よくやってくれた、感謝する」
長門の労いに第八艦隊の旗艦である鳥海が話す。
「六戦隊や、艦隊の皆さんのお陰です」
「うむ、今日は皆、よく食べ、そして飲んでくれ!乾杯!」
『『『かんぱーい!!』』』
長門の奴。中々の演説だったな……。
さて、折角お祭りが開かれているんだ、僕も楽しませてもらうとしよう。だが、その前に……。
【スッ…】
…………。
よし、これで問題はないだろう。
さて、間宮の餡蜜でも頂くとするか……。
_______
『餡蜜を一つ頼む……。
「あら、提督。いらっしゃい、はい、どうぞ」
よし、難なくゲットできたぞ……。
読者の皆は不思議に思っていることだろう。なぜここにいないはずの僕に間宮はなにも思わないのか?と。
僕がさっきやったことは簡単だ。一時的に制御装置を外してマインドコントロールをしたというだけのこと……。
しかし、マインドコントロールと言っても人を思うがままに操るだとかそんなものじゃない。僕の場合、相手の考えを少し変えることが出来るのだ。例えるなら不自然なことが自然なことのように思わせるくらいのものだ。
僕はさっきそれをやって艦娘達にマインドコントロールを掛けたのだ。
〔ショートランド前進泊地に斉木楠雄がいるのは不自然じゃない〕……とな。
「あ!司令官!お疲れ様です!」
「提督さんも餡蜜食べてるっぽい?」
「美味しいもんね♪間宮さんの餡蜜」
なんだ、誰かと思えばいつもの駆逐三人組か…。
『お前達も食べたのか?
「はい!とても美味しかったです!」
「何個でもいけそうだよ」
「下がとろけるっぽ~い♪」
『まあ、楽しんでるならそれでいい。また頑張ってもらわなければならないからな。
「はい!頑張っちゃうわ!」
「司令官のご期待に応えられるよう頑張ります!」
「私も頑張っちゃいます!」
『あぁ、期待してるぞ……
さて、そろそろ僕は本題に入らないといけないな……。
「ホテルじゃありません!」
ん?この声は……。
『やっぱりお前か、大和……。
「あら、提督。お久しぶりです」
『あぁ、そうだな、こうして話すのはお前を建造したとき以来か。
「そうですよ、誰かさんがFS作戦の時に来てくれなかったので……」
『仕方ないだろ……僕にも事情があったんだ。それより、ラムネを一本貰えるか?
「え?あ!はい、どうぞ」
『ありがとう、流石は大和ホテルだな……。
「だからホテルじゃありません!でも…提督にだったら…特別に相手してあげても……」
『ご遠慮します……。
「……もう!相変わらず連れないですね」
『僕は恋愛には興味はないからな。それじゃ、頑張ってくれ……。
さて、今度こそ本題に入らないとな……。
如月は今どこにいるんだ?
【千里眼!(ヨリメ)】
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如月は……いた!
「スゥ……スゥ……」
なるほど、休んでいるのか。
それなら話は早いな……。
【瞬間移動!】
_________
……さて、本題に入ろう。如月、お前の正体、調べさせてもらうぞ。(キュッ…)
【サイコメトリー】
『説明しよう。斉木は素手で物や人を触るとそのものの記憶を読み取ることが出来るのだ』
ナレーションの言う通り、僕は素手で触るとなんでもサイコメトリーしてしまう。
この能力はテレパシー同様、制御が効かない……。
なので普段は肉眼では分からないほど薄い透明な手袋をしていると言うわけだ
しかし、お陰で分かったぞ。お前の正体がな……。
【ガチャッ…】
「如月ちゃん…?え?提督!?どうしてここにいるの?」
『……睦月か、如月の様子を見に来ただけだ。ついでに多少身体検査もしておいた……
「そう…だったんだ…。ねえ、提督。如月ちゃん、大丈夫なんですよね?」
………………。
これは本当の事を言うべきか…いや、止めておいた方がいいだろうな……。
『あぁ、大丈夫だ。心配はいらない……。
「……良かったぁ……良かったよぉ……」
崩れ落ちるほど心配だったのか?
まあ、居なくなった姉妹が戻ってきたとなれば当然か……。
『僕はこれで失礼する。如月の面倒をちゃんとみてやるんだぞ?お前は姉なんだからな
「うん、任せて!提督」
これなら大丈夫そうだな……。一度、來月にこの事を報告しておいた方が良さそうだな……。