「ねぇトウキ、エドも
「生きていくだけなら何とかなると思うけどよ、でもエドは1年の半分が
ネは商業が盛んな国である、連合以外の国々にも
さらに船長はネの国での身元引き受けまでしており、そのお陰でトウキは半年間をネの国で過ごした、その間トウキは船長と共に連合のあちこちを周り見聞を広めることが出来ていた、そのトウキの目にはどうしても
「そうならないように、僕やトウキのお
少女とトウキの家系はエドの国の代表的な
また、トウキはアピの血統が
「知ってるよ、黒人の
「僕に言わせればトウキがしようとしてることってね、
少女は腰に手を当ててトウキに1歩近づき下からトウキの顔を見上げ、一言一言に力を込めて叩き伏せる様に言葉を発した、トウキはといえば
「そ・そんなん
「ネの言葉を使うな!」
少女は目を
・・・
「…連合が滅亡した後はどうするんだよ…、次はエドが
とても言い
「トウキは僕たちが負けるって思ってるの? トウキだって必死に修行してきたじゃないか」
トウキの弱気な発言に、少女の目が悲しみの色に染まった。
「負けねえ…、けど…勝てない…」
「どういう意味さ?」
「カルルはエド以外の国を見たことがねえから分かんねんだよ…、あれだけ豊かになってる連合が
・
「それは連合が油断してるからだよ、僕たちは戦の準備をしてるんだから負ける訳ない」
「負けない自信はある、でも戦が長引いたらどーする? もし1年以上の戦になったら食料は底をつくし、冬場に戦を仕掛けるとは思えねえが冬は
・
「僕じゃ、その魔法使いに勝てないってこと?」
「違う、そーじゃなくて…、向こうにも魔法使いが居たら…真っ先に
「僕のこと心配してくれるのは嬉しいけど、僕だっていつも修行してるんだよー」
カルルはニッコリと笑う、
「でもそっかートウキの
「ほんまかー、んなら仲間集めんとなー」
トウキは長旅の間ネの方言の中で生活していたため、気を抜くとついネの言葉が出てしまう、カルルはそれが気に入らなくてトウキを
「悪かったって、そー睨むなよー」
「つぎ
この頃のカルルが使える1番強力な魔法の名前を告げた。
「でも実際にはどうするの?」
「まずは
「ちょっと、話が大き過ぎるよー、いくらトウキが忍者軍の
「そうかー? 訓練の
「
カルルはあきれ顔でトウキを
「最後のはちがくねーかー」
カルルの
「まーでも、こんな寒い大地ではトウキみたいなのも必用なんだけどね」
ため息混じりに
「なんだ?」
「なんでもないよー」
今度はトウキがカルルの顔を覗き込むが、カルルはくるりと回りトウキに背を向けた。
・・・
「カルル…シャロットを
トウキは背を向けたままのカルルに問い掛けた、その問いに
・・・
「……そっか…」
カルルは
「連絡はこまめにすっから、だから頼む」
カルルはゆっくりと顔を上げてトウキを見た、
「僕は待ち
トウキはここで初めて
「もお戦は始ってる、おれ達は曾バアの予言を変えるんだ」
トウキはカルルの両肩を
「…トウキの癖に…バカな癖に…弱虫の癖に…、いつの間にか男になってズルイよー」
カルルの目には大粒の涙が溜まり、すぅーっと頬をつたい落ちる。
「ごめんなカルル、未来を変えたら幸せに暮らそうな」
トウキはそのままカルルを抱きしめ、頭を優しく
【】
ギの社である、ヒミコによって顔を上へと向かされたトウキは
(カルル…わいの計画は順調にいっとる、あれから7年も掛っちまったがようやく足掛かりが出来たわ、やのにわいは…決心が
「エドに関してゆわなあかんよなー、わいのゆうことを信じてくれゆーんは虫がええ話や、けんどわいは…あんたらんことが好きになってしもーたんや、あんたらだけやない、ネの奴等もおんなじや! 滅亡して欲しいない」
トウキは今の自分の気持ちを正直に告白した。
『何て言うかー、ありがとう』
ヒミコに両手で顔を挟まれているトウキは、ヒミコの顔を見つめたまま
「アホかー、どないしたらそんな反応になんねん!」
本来は突っ込まれる側のトウキとしては珍しい立ち位置だった。
『やっぱりキミは優しいね』
「そんなんちゃうわ…」
ヒミコの言葉に
「滅亡とはどういう意味?」
ツクヨミが問い
「ツッキーは星を読めるんやったな、んなら気付かへんのかー」
「ツッキーって呼ぶな~!」
ツクヨミは間髪入れずに呼び名を
「ネの国が暗闇に
「なんで暗闇の事を知ってるの?」
暗闇という言葉に反応したツクヨミは、あらためてトウキの言葉を問い質す。
「わいの故郷には魔女が居るんや、おっかないでー、そん魔女は9年も前に予言しとるんや、連合があと3年で滅亡する…てな」
おっかないと言うトウキは
「マジで言ってんのか! トウキ、エドは連合に
マキラだけじゃない、ヒミコを
「せやない、すまんな言葉が足りんて、連合を滅亡させるんはエドやない、大陸から来るんや、…黒人がな」
トウキはヒミコとツクヨミに視線で確認してから言った、失われた大陸での呼び名を。
「やっぱり…」
黒人という名称に様々な反応が出たが、1人ツクヨミだけが冷静に
「気付いとったんかー、ほんまに優秀やなツッキーは」
ツクヨミは視線だけでトウキに
「見えた訳じゃないの、暗闇の正体について考えて行き着いた答えが、黒人だった…」
「ツッキーにはほんまに悪いことした、
トウキはツクヨミに向かって頭を下げて頼む、
「もちろん知ってること全部聞かせて
ツクヨミにとって1番に気掛かりだったのは、自分の能力と魔女の能力との
「曾バアの占いは夢占いやねん、カルルに聞いた話しなんやけどなー、曾バアは眠っとる間に
ツクヨミの千里眼も原理は同様なのだが、ツクヨミは自分の意識は体に置いたまま
「そんな魔法…わたしは知らない…」
・
『ツッキーそんなの魔法じゃないよー、ほら見て見てー、どう?』
ツクヨミが頭を抱えて思い悩んでいると、ヒミコはツクヨミの前に立って自分を指さしながら見る様に
「どうって~、何が~?」
『あたしが考えてること分かるー?』
ツクヨミはヒミコの目を覗き込む、
「お腹
『アッタリー』
ヒミコは腹に手を当てて言った。
「おね~ちゃん、いったい何が言いたいのよ~」
『うーんとねー、魔女さんは特別な魔法を使ってるんじゃなくってー、千里眼の応用みたいなもんなんだよー、
ヒミコは落ち込んでいたツクヨミを
『でもね、人の意識を覗くのは絶対にダメだよ!』
ヒミコは強い視線をツクヨミに向けた。
「でもそれじゃ~…」
ツクヨミは言いかけてハッと気付く、
『ダメだからね』
ヒミコは笑顔に戻って念を押した。
「はい…」
ヒミコの体にはもう1つの人格である
『とりあえずご飯食べようよー、ねートウキー、そのぐらい問題ないよねー』
ヒミコだけ場違いな明るさで周りを見ながら言う、
「せやなー、今晩は何も動かん
『よし決まりー、腹が減っては戦は出来ぬでござるよー』
ヒミコのあっけらかんとした号令により軍議は一時中断した。
『ツッキーも休まないとダメだよ、さっきから千里眼使いっぱなしでしょー、そんなんだと大事な時に倒れちゃうからねー』
「おね~ちゃんさっきからわたしのこと心配しすぎ~、わたしはもう子供じゃないんだからね~」
『分かってるってー、いつも頼りにしてるよー』
ニコニコと笑いながら言うヒミコに対して、ツクヨミは大きなため息を付いた、
「分かりました~、ちゃんと
『ツッキー大好きー』
ヒミコはツクヨミに抱きついた、ツクヨミはなされるがまま大きな
・・・
『トウキ、ご飯が出来るまで
「うん? あぁ」
ヒミコが聖櫃だった場所へと歩いて行き、その後をトウキがついて行った、
『森が
ヒミコは背を向けたまま山の右手を指差し、落ち着いた声で言う。
「千里眼でも見えん筈やのに、分かるんかー?」
トウキの声には少し驚きの色が混じっていた、
『みーんな目で見えるモノに意識が向いちゃうからねー、聞きずらくなってるのかなー』
トウキが仲間の存在を認めたにも関わらず、ヒミコの表情は
「ギに
トウキは真顔で告げた。
『そんなことは分かってるよー、そーじゃなくってー、トウキは仲間の人に連絡しなきゃなんじゃないかと思ってー』
ヒミコがトウキと2人きりで社を抜けたのはトウキを自由に動かせる為だった。
「わいがあいつ等と会うても構わんのか?」
『どうしてそんなことを聞くんだい? キミの方こそ変な奴だなー』
ヒミコは腕を組んで首を傾げる、トウキはそんなヒミコの姿に思わず笑みがこぼれる、
『なっ…バカにしてんだろー』
「してへん、くっはははははー」
『本当に失礼なヤツだなキミはー』
ヒミコは組んでいた両腕をほどいて、握り拳を作りながら
「堪忍してー、
『もお知らない、トウキなんて
(ほんまに堪忍してーな、姫さんはカルルみたーで…ほっとかれへんやん)
『なんだい? 急に
ヒミコは唇を尖らせてトウキを
「わいは必ず帰ってくる、ヒミコがなんと言おうが、わいはヒミコの家来や!」
歯を見せて笑ったトウキはそのまま音もなく姿を消した、ヒミコは1人聖謐であった場所に残り空を見上げた。
『べーっだー』