第二話 「この中に一人魔法少女がいた!」「だが男だ。しかも契約せず」
「で、何すりゃいいねん」
「おまえアホか……、あ、アホやった」「俺はアホじゃねぇ!」
はぁ、と馬鹿にしたようにため息をつきながら熊さんは説明する。
「他の魔法少女を倒す、以上」「説明短かっ!?」
あんまり短いので香子さんに花束で顔面殴られたのかと思った!
「だってそれしかないんだから」
「敵がどこにおるのか、とかわからんのか?」
○ューべぇとかなら分からはずだ、とてっちゃんは聞いてみる。 司書のボスの触覚出せる人なら触覚で分かるはずなんだけどな。
「分からない、それに俺はキュー○ぇというよりはサーヴァントみたいな扱いだ」
サーヴァントなら自分から契約を迫ったりしません、とツッコミながらてっちゃんは熊さんのサポートを諦める。しかし熊さん、サーヴァントの方がかっこいいから自分のことサーヴァントって言いたかっただけだ、熊さんちょっと中二だし。
「そっか……、それならとりあえず歩き回って探すか……、」
ヒッキーなてっちゃんには辛いところだが、外を歩くしかない。大阪の中でこの戦争は起こってるらしいし無理ではなさそう。大丈夫、八幡先生だってたまには外出するんだ……、ああ、俺も犬を助けて惚れられたい。
ってかこの格好、やっぱりめっちゃ見られるな。さっきもバスケしてる小学生にガン見されたぞ、しっかり教育しろ昴。
「基本高校生が魔法少女になるんだ、おまえ友達とかに聞き回ったら楽なんじゃねーか?」
びくっ。と見てわかるくらいてっちゃんの体が反応した。
「『友達』……?」
熊さん、おまえは俺の触れてはならない所に触れたな……。ここで聖闘士○矢なら○龍が龍の逆鱗について説明するところだが、あいにく今ドラゴンはジャミールにいます。……完璧にネタチョイスの年代ミスったな。
「そう、友達だ」
びくびくっ。また禁断のワードにてっちゃんの体が反応し……、
「――俺にそんなもんおるわけないやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
天をも揺るがすシャウト。声でガラス割るとかそんなレベルじゃなくて、魔王サ○ンモードの真奥貞○さんが叫んだレベル。
「友達ィ!? 『僕○友達○少○○』とかまだましやぞォ!」
ちなみに『僕○友達○少○○』の○の中には、はがない、が入ります。
急に叫びだしたアホにビビる熊さんを置いててっちゃんは心をえぐる告白を続ける。
「俺の場合は『僕は友達が皆無』の方が正しいぐらいなんだぜェ! 三下がァ!!」
ロリコン疑惑のある○方通行(アクセ○○ータ 注・○の位置に悪意はありません)みたいな叫び方でてっちゃんは叫ぶ。
ちなみにここは天王○のど真ん中。JR○王寺もキューズ○ールの両方が見える場所で、もちろん人がいっぱい。
「クマはクマは流石に謝った方がいいかなって思ったことを呟いてみたり」
まだ叫び続きそうだったので熊さんはてっちゃんの叫びを打ち止めしておく。
てっちゃんは熊さんの対応が気にいったらしく、満足そうに話をやめる。ちなみにさっきまで悲しいことを叫んでいたことはもう忘れたらしい、アホだから。
「ん、アレなんや?」
てっちゃんはとてもとても天王○では見れないようなものを目撃した。上半身を布団でぐるぐる巻きにしてひもで縛った感じ。青春ポイントダウンの予感……。
「郷土妖怪スマ○ン?」
熊さんも気になるようでそっちに目を向ける。なんだか電波がビュンビュン飛んできている気がした。しかし中に入っているの、ほんとに男なのか? とてっちゃんは首をひねる。ス○キンもどきは、てっちゃんとほぼ同じデザインのフリフリの黄色スカートを履いているのは分かるのだが、その足はエロ本マスターてっちゃんでさえ見たことのないぐらい太くてごつい。中に藤和エリ○みたいな美少女は入ってなさそう。
「ってあれもしかして……」
熊さんが何かに気がついたように呟いた。
「あれってなんや?」
しかしスマキ○もどき、様子がおかしい。まるでなにかから逃げているように見えるのだが……、しかしよくこけないな、とてっちゃんはてっちゃんは感心してみたり。あ、打○止めの癖が移った。
「あ、こけた」やっぱり。
しかしなにから逃げてるんや……、とてっちゃんは首を巡らし、
「あれかいな……、」
○マキンを追いかけていたのはどうやら巨大ロボットのようなものらしい。ってかあれはどう見ても……、
「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオ○……!」
「よく全部言えたな」
熊さんがニカッと褒めてくれた。あやうく「山田はもっと褒められたいです」と返しそうになったが自重、だって俺は偽名で音尾さんにねだったりねぇから。
足がごつくてスカート履いたス○キンをエ○ァが追いかけるって……。
スマキ○がこけた反応で布団を外すことに成功。ついでにスカートもオープン。男物のトランクス、あれ完全に男だ。
布団が取れた男は――、
「やっと解放された! あやうく不可視境界線を越えてしまうところだった!」
中二病だった。てっちゃんと同じ服(色違い、てっちゃんはピンクでこの男は黄色)を着た魔法少女。
「おのれ化物、闇の炎に抱かれて消えろっ!!」
……マジかよ。
男は追いかけてくるエヴ○に向かって炎を放つ! ……モーションをとるのだがもちろん不発。この世界の魔法少女が、ただのキモコスプレなアホな事はてっちゃんが一番知っている。
「……デジャブか? あいつ見たことあるぞ」主にテレビの中で。
「同感だ、しかしテレビの中であいつは既に中二病を卒業したはずだが……、」
熊さんはそこまで言って何かに気付いたようにはっとする。
「はっ、もしや……! やつは運命の扉(シュ○インズ・ゲート)を超えてきたというのか!?」
携帯(熊さんサイズの超小型、ってかおもちゃ)をどこからからか取り出し、
「機関のエージェントに見つかった、うん、わかった。エル、プサイ、コング」「最後まで言わせねぇからな!」
そういえば熊さんもバリバリの中二病だった。ってか一人芝居長いんだよ。それに運命の扉(シュタイン○・ゲート)を超えてきたのか機関のエージェントなのかよくわからない設定だ。隣人部の羽瀬川○鳩みたいなことになってるぞ。
「最後まで言わせろ、ダル」「俺はダルじゃねぇ!」
確かにこもりでずっとパソコンにくっついてるってとこは共通してるけど、あいつはハッキングできるし……、って俺よりあいつの方が俺よりハイスペックじゃね? 何より嫁が美人。そういえば両刀使いの(別に男も行けるって意味じゃない)桐ヶ○くんって、何が一番チートかって言ったら、ネトゲオタクのくせにあんなにモテるのがムカつくよね。
「おのれクソデブがぁぁぁ!」(全国のダルファンの方、ごめんなさい)
「おいアホ、そんなことよりもあいつだ」
「あ、そうだった。さっきの魔法少女は?」
あ、いたよ。○ヴァ初号機にがっちり捕まってます。
「おい、初号機のエントリー・プラグから誰か出てきたぞ」
そっちにめをやりながらてっちゃんは、辞書に〈エントリープラグ射出スイッチ〉意味・シン○が乗ってる時、絶対に言うことを聞かないスイッチ。とか載ってないかな、とか考えていた。
「あれ、シ○ジじゃないぞ」
かといって綾波○イでもなさそうだ。綾波レ○だったらすぐさま抱きつくのにねっ。で、出てきたのは……、
「可愛いピンクの豚?」
書いて字のごとく、ピンクの豚が出てきたのだ。豚って……、
「はっ、離せ!」
初号機の手に捕まった、中二病魔法少女コス少年〈以降は冨樫勇○〉が暴れていた。ピンク豚は手を伝って少年の所にただり着く。
「お願いだから契約してください・じゃないと○雪姫が……、」
そのピンク豚の言葉でてっちゃんははっと気がついた。豚に○雪姫って……、
あ、もちろん○に入る文字は『白』じゃない。
「あれは……、加速能力者(バーストリンカー)……、」
またパクリかよ! っとつっこむ気も失せたよ、もう俺どうでもいいわ。てっちゃんは諦めモード。黒○姫が出てくるならともかく、なんで豚の方が出てくるんだよ……。俺がカンピ○ーネなら確実に出てくるのは女の子だった。くそっ、俺も「ハーレム王に、俺はなる!」って言いてぇよ! そんでモザイクのかわりにDに羽が生えて飛んでるんだよ!
しかし豚はしばらく話したあと、冨樫を開放して諦めたようにエントリープラグに帰ろうと……、「ってまてぃ!」
突然てっちゃんが呼び止めたので、ピンクの豚がこっちを向いた。てっちゃんの格好を見て驚いたようにこっちに向かって走ってきた。……通常の十倍の速さで。こんなとことでポイント使わなくていいのに。
「あっ、熊さん! 僕です、ハルユ○です」
どうやらこの豚(これ以降はシルバー・クロ○)は熊さんと知り合いらしい。
「よっ、○ルユキ! 首尾はどうだ?」
「実はまだ契約できてなくて……、さっきの人にも逃げられました」
シ○バー・クロウは肩を落とす。
「そっか、頑張れよ」
「ってことは熊さん、」
ひとつ疑問が浮かんできたのでてっちゃんは口を開いた。
「熊さんみたいな人も六人いるんですか?」
「そうだよ」
代わりにシルバー・ク○ウが答えた。
「でも早く契約しなきゃ……、黒雪○先輩がオヤジギャグを飛ばしまくってくる……」
「あくちぇる・わー○どの方かよ!」
つっこまないと決めていたてっちゃんだったが、あまりにも予想外の展開に体が勝手に突っ込んでいた。うん、流石関西人。まさか原作の黒雪○がオヤジギャグを言うはずもなく、四コマの方だろう。でもオヤジギャグを言う女の子もなかなか属性カウントしてもいいのでは……? グッシッシ……。
とりあえず契約させる側も大変らしい。
「それなら、もう契約した魔法少女って何人おるん?」
「えっ? あなただけですよ?」
「え? まじ? 一番乗りじゃん。……ってんなわけあるかあああああああ!」
どうりで敵がいないわけだ。
「あ、でもその服は戦いが終わるまで脱いじゃダメだぞ」
「まじかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ああ、ほんとに泣きそう、社会的に死んじゃうよ、俺。ってか魔法少女とか、普通素性隠すでしょうが……。
「安心しろ、アホ」
熊さんはにかっと笑う、人形なのに。嘘だけど。だからみーまーじゃねぇ。
「もう死んでる、社会的に」
そりゃそうだわな、こんな街中で人形持って魔法少女コスして豚と話して……。
「アビバっ!」
てっちゃんは死んだ。ケンシロ○に秘孔を突かれたわけでもないのに、そんな声出して。
つづく(のか?)