この素晴らしい焔に祝福を!!   作:黒曜菫青香

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ようやく書き終わりました!今回は一話分。タイトルはあんまり関係ないです。ただあのキャベツが一瞬ミュウに見えてしまっただけで……うけを狙っただけです。調子にのりましたごめんなさい

なかなかのものにはなったと思いますが…見ていただけると嬉しいです



この聖なるキャベツにブタザルを!!

sideカズマ

「……と、まぁ盗賊スキルには潜伏、敵感知と色々あるけど……私がイチオシしているのはこれ!いくよ~よく見てて」

「ウッス!お願いしますクリスさん」

今俺は、盗賊のクリスさんにスキルを教えて貰っている。

先にも出たように潜伏、敵感知も教えて貰った。

そしてイチオシだと言うこのスキルは俺が使ったら良さそうだと特別に選択してくれたものだ

「スティール!」

クリスは拳を握り、言葉と共に握られた拳から光が溢れる。

俺は咄嗟に腕で顔を隠す。光は収まるが変わったら所はないように思う。

「はい、これが窃盗スキルだよ」

閉じられていた拳を開くとその手には……

「あ!俺の財布!」

「このスキルは相手の持ち物をランダムで奪うことが出来るんだ」

クリスさんは話ながら財布を俺の前に持ってくる。受けとるために手を出した。

しかし、財布が手の中に収まることはなかった。

「ねぇキミ!賭けをしようか」

「賭け?」

「そう、一等賞はこのマジックダカー」

クリスさんは自分の腰に着けているダカーを叩く。

「残念賞はこの石だ!」

「うわぁ~ずりぃ!」

クリスさんが手に持っている石は先ほど敵感知のスキルを教えて貰った時に使った物だ

ずりぃとか思ったけど待てよ?冒険者同士のこういうやり取りって憧れる!高い授業料だと思えば何て事無い!弱肉強食の世界だ、俺はこういうイベントを待っていたんだ!!

「クリスさん!やります!」

「よし!じゃあ、冒険者カードを出して?そこでスキルを選択すればこのスキルはキミのもの」

「え~と?潜伏1ポイント、敵感知1ポイント、窃盗1ポイント、花鳥風月…5ポイント……」

高!ただの宴会芸スキルなのに高すぎだろ!これは要らないな

とりあえず窃盗を選んで………

すると、俺から光が溢れスティールを習得したのだった。

「じゃあ行くぞ!スティール!!」

クリスさんと同じように手から光が溢れる

「と、とりあえず成功!中身は…どれどれ?」

俺の手の中には白い布が一枚入っていた。そのままではわからなかったために端と端を広げて持ってみた。この形は!!

「当たりも当たり、大当たりだ~!」

俺はそれをもってぐるぐると振り回したのである。

「きゃーパンツ返してー」 

クリスさんが叫んでいるがそんなのは関係ない!俺だって思春期なんだ。素直に喜びたい!

そんな俺を止めてくれたのは超スピードで走ってきたルークのキックだった。

 

 

sideルーク

とりあえずカズマやクリスと別れて広場に戻ってきたルークです。カズマに新しくスキルを覚えたらどうだと言われたのでコンタミネーションを覚えようと思います。冒険者カードてスキルを選んで……と、これで完璧だな。出したり閉まったりの速さを速くするために何度もしてたらマジックだと勘違いされたらしくなんか大変だった。そのあと俺がルークだと気づいたのかスキル教えるからもう一度!とか言われ、初級魔法や中級魔法、果てには上級もと言い出す始末でもう何を言ってるのかもうわからない状態だ。それに混じって「ターンアンデッドと浄化魔法もつけるわ!」というアクアの声が聞こえた気がする。なんでここにいるんだよ……

「わ、わかったから!俺はスキルに興味ないし教えなくていいからな!!」

「つ、ツンデレだわ!」

「遠慮するなよー」

もみくちゃにされながらも俺が路地裏へ入るとようやく皆が解散した

「私もギルドに帰ろうっと」

そう言ってアクアもギルドに向かっていったのだった

俺はカズマに合流しようとさがしていたのだが……

「きゃーパンツ返してー」

「ひーひゃっはー」

この声はクリスと……考えたくもないがカズマなのだろう……

…………とりあえず

その声が聞こえる路地まで走る。そして……

「うぉぉおお!崩襲きゃーく!!」

この時俺は涙目になっていたという(ダグネス情報)

 

 

 

sideカズマ

ギルドにて

「あ、カズマ」

「何処行ってたのよー私の華麗な芸も見ないで…ってどうしたのよその人」

アクアとめぐみんがギルドで出迎えてくれた。やっぱり持つべきものは仲間だよな

「あ、それは」

やっぱり気になるかどう説明したらいいのやら……

「うむ、彼女はカズマに盗賊スキルを教えた際、パンツを剥がれ更に有り金全てむしりとられて落ち込んでいるだけだ」

「ちょっ、あんた何口走ってんだ!」

ルークもいるんだぞ!途中から来てたから何があったのかわかってるかもしれないけどもう一度いう必要は!!

「財布返すだけじゃダメだって、じゃあいくらでも払うからパンツ返してって頼んだら自分のパンツの値段くらい自分で決めろって」

「おいまて!ほんとのことだけどルークが怖すぎるからちょっとまて!」

クリスさんの隣でよしよしと頭を撫でているルークの顔がなんかとんでもなく、下を向いているにも関わらず目がこっち向いてる気がして、俺と目があった(のだろう)瞬間にキランと光った(気がした)。隣でクリスさんが「てへっ」と言っているが冗談にならない……。周りのギルドにいる女性達よりルークの方が怖いってどういうことだ。そりゃ、この空気的に嫌ではあるけれど

「ところで、カズマはなんのスキルを習得したんですか?」

ナイスだめぐみん!ここで軌道修正すれば……

「まぁ、見てろよ?スティール!!…ぐはっ」

俺は意気揚々と窃盗スキルを発動させた。光が溢れた瞬間にルークだと思われる(が反応速度的に絶対ルークだと俺は思った)人から蹴られた。普通聞かれたら見せたいと思うだろ

「あ、成功した」

「ちっ、遅かったか。気を付けてたってーのに」

俺の手の中には何かが入っていた。運のステータスは本当に高いんだな、俺って……。ランダムで奪えるってクリスさんに言われたし変なものではないだろう。今回は。それにしてもルークが舌打ちしたよ。ルークの今の表情である『ぶすっ』とした顔はかわいいけど、俺の人生に危険を感じるんだが…………。と、とりあえず盗ったものを見てみる。あれ?

「なんだこれ」

それは布らしく、布の両端を持って伸ばしてみた。なんかさっきも見たような形なんだが……なあ、俺の運はどうなってんだよ。

「カズマ、レベルが上がって冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか。あの、スースーするので早く返してください」

めぐみんの指摘に反論するしかない!

「あ、あれー?おかしいな。ランダムなはずなのに……」

「カズマ……」

ルークに名前を呼ばれただけなのに……怖い。ルークってこんなに低い声だった?

「は、はい」

気が動転している俺は反射的に返事をしていた。

「とりあえず、もう一発……殴っとく」

ルークはそういいながら俺を遠慮なく殴って吹っ飛ばしたのだった。

殴っとくと言いながらもうすでに殴られたあとなのだが……

俺は綺麗な弧を描いて床に激突した。吹っ飛ばされた時に手に持っていたそれはルークによりめぐみんへと返されている。ルークに皆で何か言っているようだが俺には聞こえない聞こえない。

そして俺は意識を失った。

 

 

 

sideルーク

「ルーク、ありがとうございます。その……」

「トイレにでも行ってこいよ?とりあえず杖は持ってやるから」

めぐみんから杖を受け取り、そのままトイレの位置を指差す。めぐみんは小走りで向かった。

「ほんとルークって格好いいわね。女性達には誰にでも優しいし」

「当たり前なんじゃねーのか?優しくするのって。そういうもんだと思ってたんだけど」

カズマは周り(特に女性冒険者)から冷たい目で見られていたが、俺にはキラキラとした目を向けられる。なんか反応に困るんだけど……

「こんな公衆の面前であんなことをするなんて、真の鬼畜が許さない!」

「ダグネス、落ち着きなよ。それにルークもやり過ぎ。パーティーの仲が悪くなったらどうすんの?」

「わ、悪くなるってあれか!?『失った信用は簡単には取り戻せない』って俺の言葉は後回しにされるやつか?」

俺の大声でカズマは起きたみたいだ。いててと言いながら起き上がる。

「そんなことしないよルーク。あいつらとは同じようにしないから。それに俺はルークの事信用してるんだぞ?一度信用したらし続けるものだし、失う事の方がほんとは難しいんだ。」

そうだ。カズマは俺の事情を全部知ってるんだったな。知ってて優しくして貰えるなんて思ってもなかった。そしてカズマに続き、アクアが言葉を繋げた。

「そうよ!私なんかルークの事、好きなくらいよ!ルークに信用を失うなんてありえないわ。ま、まさかあったんじゃないでしょうね。ねぇ、カズマさん!」

アクアはカズマに詰め寄り前後に揺らし続ける。その横でめぐみんが俺の手を取った。

「ルーク…私達がそんな薄情なことすると思ってるんですか。そんな人達私の爆裂魔法で微塵に砕いてやります!」

「それなら私が盾となり足止めしよう。なのでぜひパーティーに加えさせて欲しい!」

「いらない」

ダグネスが加入したいと言うとカズマは即断した。カズマにも思うところはあるんだろうけど、結局パーティーに加わるやつじゃないのかな。ダグネスは即断されて落ち込んでるかと思いきや何故か喜んでいた(ように俺には見える)。

「ルーク、この人が昨日言ってた面接に来たって人?」

「そう。俺はカズマにすぐ寝ろって言われたから良くは知らないんだけどな」

「これはやばいな……どう断るか」

まずいこと言ったかな……アクアやめぐみんにテーブルへと押しやられ話をすることになってしまったようだ

 

 

 

sideカズマ

よし、こうなったら……

「皆、聞いてくれ。俺達はまじで魔王を倒そうと思っている。そこでだ。女騎士なんてすぐに捕まって、あれやこれやをされてしまうかもしれない。」

「むしろのぞむところだ!」

は?なんか捕まって辺りで『のぞむところだ』と聞こえたのは気のせいじゃなかったのか?待って、どうしよう。とりあえずめぐみんの説得を……

「めぐみんも聞いてくれ、相手は魔王。世界で最強の存在に喧嘩を売ろうってんだよ?無理してこのパーティに残る必要も……」

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操りし者!我を差し置き最強を名乗る存在は我が最強魔法でうち飛ばして見せましょう!!」

あー駄目だ。痛い子二人がやる気に……

「ねーカズマ、なんかあたしが怖くなってきたんですけど…」

「お前が一番やる気出せ。一番の関係者だろうに」

「ところで、ルークは良いのですか?」

ん?ルーク?とりあえずパーティにって入って貰ったんだっけ

「俺か?俺は……」

「ルーク、無理しなくても、やりたいことをして良いんだぞ。」

俺はいいようにルークを使いたくなかった。人を殺すのなんて普通に怖いし、無理して大丈夫なんて言われた日には俺が泣き出すかもしれない。ここなら人と戦うことなんてないだろうし、ルークの事をわかってくれるクリスやギルドの皆がいる。

「俺はこの町、この世界のためにクエストを頑張ろうと思う。まだやりたいことは無いけど…」

「そうか」

「でも、カズマ達と一緒にクエストもやりたいんだ。だからよろしくな」

結局、ルークは魔王に対してはどうするか決まってはいないが、ルークがたまに入るということになった。やはりルーク一人でクエストをやりたいみたいだったので……

『緊急クエスト、緊急クエスト!冒険者の皆さんは直ちに正門に集まってください。繰り返します…………』

「こ、今度はなんだ!」

町に警報音が響き渡り町の人達は急いで家へと帰っていく。『子供を外へ出すな』だとか『今日だなんて聞いてない』だとか聞こえる。……え?聞いてない?毎年あるってことなのか?俺は正門へと向かいながら不穏な空気を感じていたのだった。

「なんだ、何が来るんだ!?」

「皆は私が守る。カズマ、ルークも私から離れないように」

「緊急クエストってなんだ?魔物の襲撃こなにかか?」

俺の気持ちを代弁したようにルークが聞く。でも、それにしてはルークは落ち着きすぎだ。まぁ、ルークはそんなこと普通にあったところで育ったんだもんな

「あ、言ってなかったわね。キャベツよ、キャベツ」

「はぁ?」

アクアが変なことを言っている。キャベツは畑で採れるものだろ?害をなせるものじゃ……

すると道のむこうにある山から何かが帯のように流れてきている。

キャベキャベキャベツー!

「なんじゃこりゃー!」

「なんかうざいな。あ、ブタザル元気にしてっかな……」

そこぉ!何故驚かない!!ルークのとこでもキャベツはとばねーだろ!只、現実逃避してるだけかも知れないけど!

「今年は荒れるぞ」

「嵐が来る」

『収穫だー!』

「マヨネーズ持ってこーい!」

もうなんでも良いよ……そういうもんだと割りきるさ

 

全員クエスト

町に飛来するキャベツを全て収穫せよ

 

とりあえずキャベツを採れば良いらしい。アクアの話によるとこの世界のキャベツは収穫の時期になると飛んで人里離れた秘境の地まで行き一生を終えるらしい。なら俺達が美味しいキャベツを採って食べてやろうというものみたいだ。まあ、畑から魚が採れるくらいだしなにが起きても不思議じゃないか。あ、そうそう。キャベツを食べると経験値も貰えるらしい。だから沢山の賞金が手に入るようだ。採れば経験値が貰えてお金もザクザク、食べても経験値が貰えるとか……

「みなさーん!今年もキャベツの収穫時期がやって来ました!今年は1玉のできがよく1つ一万エリスです。1つでも多く採り、ここに納めてください!」

俺、もう帰って寝てもいいかな………

「カズマちょうど良い機会だ。私のクルセイダーとしての実力、その目で確かめて欲しい」

ダグネスがすらりと剣を抜く。その姿はルークに近しいものがある。剣を持って敵に向かっていく姿は格好いい。只、相手はキャベツだけどな。ダグネスはキャベツに斬りかかる。鋭い切り裂く音が聞こえはするのだが、キャベツが落ちた様子はない

「え?」

剣が当たらないって本当だったんだ……不器用だとは知っていたけどここまでとは思ってもなかったぞ!

そのときキャベツに攻撃をくらって叫び声が次々と聞こえた。やはりクルセイダーだからかその声にすぐさま反応し、ダグネスは守るために飛び出した。剣がふっとんで突き刺さったが人をかばってキャベツの攻撃を耐え続ける。

「ダグネスー!」

「ここは私が……だから早く逃げ」

それからもキャベツのもう攻撃が続く

「あ!鎧が!」

「む、無理だ!あんただけでも逃げろ!」

「馬鹿を言うな!」

「おぉー」

男性人から声が漏れる

「ダグネス…おまえ……え"」

「倒れたものを見捨てるなど…出来るものか!」

「言ってることはまともなんだけどな」

俺もルークに同意だ。だけど、なんか嫌な予感が……

「騎士の鏡だ」

「早く逃げて騎士様ー!」

「見られている……男達が私の美しい肌を見て興奮している。なんという辱しめ、たまらん!辺りか?」

「よ、喜んでる!?というか的を得た発言そうで怖いよルーク」

ルークがこんなのりで冗談めいたことを言うなんてな……

他の人は守るために頑張ってると思ってるらしく、俺も頑張らないととか言ってるし……違うと叫びたい!

「我が必殺の爆裂魔法の前において何者も抗うこと叶わず」

ここにもややこしいやつがー!ここで撃ったら大変なことになるだろうが!

「あれほどの大群を前にして爆裂魔法を放つ衝動が抑えられようか……いや、無い!」

あるよー!守りに徹しないと……どうすれば……

「カズマ、ユリアの譜歌ならできると思う。ほら、第二譜歌のフォースフィールドだよ」

でも……

「何悩んでんだよ、元々覚えたいと思ってたし」

「わかった。爆裂魔法は威力が強すぎるから中心まで無効化出来るかはわからないけどやってみる価値はあるよな」

ルークは素早く冒険者カードを取り出しユリアの譜歌を覚えた。そしてめぐみんの詠唱とルークの詠唱が辺りに響く。力強い一本の剣のような声と周りを包み込んでいく柔らかでしかし強い意思を持つ声……

「光に覆われし漆黒よ。

夜を纏いし爆炎よ。

紅魔の名のもとに原初の崩壊を顕現す。

終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者。

我が前に統べよ!エクスプロージョン!」

「クロア リュオ トゥエ ズェ リュオ レイ ネゥ リュオ ズェ」

エクスプロージョンの放たれる中心に魔法陣が出現し、そのすぐあとには地面に譜陣が少しずつ描かれていく。円を描くようにキラキラとした蝶(のようなもの)が舞い、めぐみんの魔法陣のお陰か少し赤みがかってルークの髪に似た色にも見える。そんな幻想的な空間が出来上がった。

皆が見とれていたそんな時間もすぐに終わり、めぐみんの魔法が放たれる。守るように広がった半球は人達だけをまもり、被害はダグネスだけだった。さすが人類最大の攻撃魔法というだけに耐えきれなかったらしい。ルークが結構TP(魔力)込めたのに……と悔しがっていたのは俺たちだけの秘密だ。

 

スペシャルボーナス

キャベツ大豊作

 

あのあともキャベツを皆で採り続けたがとりあえず先に進ませて欲しい。疲れた。

ギルドに戻って食事だ。取れたてキャベツをムシャムシャと食べているがなんか納得いかねー。なんでたかだかキャベツの野菜炒めがこんなにも美味しいんだ……俺はキャベツと闘うために異世界に来た訳じゃない…そりゃあ食べ物がうまいのは嬉しいし当分野菜に困らなくて良いけどさ……

「あなた、さすがクルセイダーね。あの鉄壁の護り、見事だったわ」

「いや、私などただ固いだけの女だ。誰かの壁になって守ることしか取り柄がない」

「アクアの花鳥風月も見事なものでした。冒険者の皆さんの士気を高めつつ、収穫したキャベツの鮮度を冷水で保つとは……」

「まぁねー、皆を癒すアークプリーストとしては当然よね」

それって、大事か?

「アークプリーストの水はとても清いのよ」

アクアにまでしゃべってないことを返されるし……へぇーって流したけどな

「めぐみんの魔法もすさまじかったぞ。キャベツの群れを一撃で吹き飛ばしていたではないか」

「紅魔の血の力、思い知りましたか」

「あぁ、あんな火力の直撃くらったことはない!」

やっぱり直撃だったのね。ちょっと離れていた二人には被害がなかったからどうしてかなって思ったんだけど……

「しかし、私の魔法の被害はダグネスだけでしたよね。他のかたは無傷だったみたいですが……」

「あぁ、私の足元に違う魔法陣が出ていたな。あれはきれいだった」

「ルークが無効化したんだよ。ダグネスまでは守れなかったみたいだけどな」

「あの一帯のキャベツは倒れてたみたいだけどどうして人には害がなかったの?」

ほらルーク、話してやれよという気持ちでルークの肩に手をポンとおく

「人を対象にしたからなんだ。どんな攻撃でも一定時間無効化できる魔法なんだけど…さ」

「すごいですよルーク!」

ワイワイと食事を楽しみながらルークを褒め称える。やはり誉められ慣れていないからかちょっと恥ずかしそうにしているけど、本当はルークって凄いんだから誉められても良いはずなんだ

「あ、カズマ。あなたもなかなかのものだったわよ」

「確かに、潜伏スキルで気配を消して背後からスティールで強襲する姿はまるで暗殺者の如しです」

「カズマ、私の名において華麗なるキャベツ泥棒の称号を授けてあげるわ」

「やかましいわ!あーもうどうしてこうなったー」

いらねーし!俺は頭を抱える。ルークは俺達パーティをみて優しい微笑みを見せていた。自然に出てる笑顔だ。このままそういう顔でずっといてくれよルーク

「皆にクルセイダーとしての実力を見て貰えて何よりだ。改めて、名はダグネス。一応両手剣を使っているが、戦力としては期待しないでくれ。何せ、不器用すぎて攻撃が当たらん…だが、壁になるのは大得意だ!」

「うちのパーティもなかなかの顔ぶれになってきたわね」

まあ、顔ぶれだけはな。上級職のアークプリースト、アークウィザード、クルセイダーだしな。誰かに羨ましがられそうだ。でも戦力としては冒険者のルークだろうな…俺も頑張らないと

ダグネスが捨て駒にしてもいいと言っていたが、絶対にするつもりがない。そんなことしたら世界のためにルークを犠牲にしたあいつらと同じになるしな。今日は色々あったがどれも楽しかったな

 

 

おまけ

めぐみんのエクスプロージョンのあとルークもキャベツがりを始めた。

コンタミネーションで剣をだしキャベツの群れに突っ込む。向かってくるキャベツを剣で返り討ちにし、近くにいる人のフォローをしながら動き回る。ときどき譜術で一掃し、ウィザードやアーチャーに向かったキャベツをバインドで地面に落とし、怪我をした人には回復術を唱え、ホーリーソングで士気を高めた。ルークがここまでこなせるとしらなかった町の冒険者たちは尊敬の目を向けている。しかし、そんなものを気にせずに突っ込みまくるルークは何処かの騎士様だったのではないかと翌日には噂されている。

「魔王絶炎皇!吹き飛びな、紅蓮襲脚!」

ルークは術義とFOFを上手く使いながら多くのキャベツを倒している。

アクセルの町でルークはミツルギと並び、一躍有名人となり、ファンが増えたようだった。

 

 




次回予告

アクア「魔王倒すべし、悪魔しばくべし」
ルーク「なんだそれ」
カズマ「ルーク、ああいうのには構っちゃいけない」
ダグネス「魔王の幹部にあんなことやこんなことをされるなんて…うー想像だけで武者震いが」
ベルディア「そ、そんなことはしない!」
ルーク「あんた誰だ?」
ベルディア「このパーティーの奴らはおかしすぎだー!」

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