死が無き者の鎮魂曲 凍結中   作:鴉紋to零

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新年、あけましておめでとうございます!!

(一週間近く時間が空きましたが)本年もよろしくお願いします!!

そして、早速すみません!遅れました!!




自己紹介といざ箱庭へ

あの後、下山して箱庭を案内することで話がついた彼等は人が踏み固めた獣道を通って下山している

 

その間、彼は質問責めにあっていたが…………言いたくないとのことなので割合させてほしい

 

流石に女扱いされて喜ぶ性癖など持ち合わせていないとのことだ

 

とまあ、紆余曲折ありながらも下山した彼等一行

 

箱庭に入るための門だろうか、その門の前の階段に一人の少年が座っていた

 

ダボダボのローブを着た緑の髪をした少年に対して、黒ウサギは叫ぶ

 

「ジン坊っちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

まるで新しい友達を親類に紹介するような調子で、黒ウサギは軽やかな声で叫んだ

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性三人が?」

 

彼は居たたまれないようにさっと視線を少年からそらし、街路樹とおぼしきものを見た

 

「はいな、こちらの御四名様がーーーー」

 

言いかけて、言葉を止める

 

三人?いいや、記憶違いでなければ四人のはず…………

 

「………え、あれ?もう一人いませんでしたっけ?ちょっと目付きが悪くて、かなり口が悪くて、全身から゙俺問題児!゙ってオーラを放っている殿方が」

 

感覚で分かってはいる。だが、僅かながらの可能性を信じて黒ウサギは彼等に声をかけた

 

だが、現実は無慈悲なものである

 

「ああ、十六夜君のこと?彼なら゙ちょっと世界の果てを見てくるぜ!゙と言って駆け出して行ったわ。あっちの方に」

 

澄ました顔で、当然のことのように告げる彼女(飛鳥)

 

「な、何で止めてくれなかったんですか!」

 

荒ぶる黒ウサギ。ご立腹なのは誰がどう見ても分かるだろう、しかし……

 

「゙止めてくれるなよ゙と言われたんだもの」

 

彼女は怖いもの知らずなのだろうか?そう思わせるほど澄ました顔をしていた

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

嘆きと怒りを込めて、虚しさと共に黒ウサギは叫ぶ

 

だが……

 

「"黒ウサギには言うなよ"と言われたから」

 

ここにも猛者が居たようだ

 

二人揃って(逆廻)の言葉に従っただけという。しかし、魂胆は直ぐに露見された

 

「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

鋭い勘?で、二人の魂胆を見抜く黒ウサギ

 

ここまで清々しく答えられた回答の裏は案外読みやすいもので問題児ということを前提に考えられた推理は無論

 

「「うん」」

 

的中する他ないのであった

 

「あ、あの、黒ウサギ。そちらの方は…………いいの?」

 

場の雰囲気に当てられたのか、気後れしながら少年が控え目に意見を主張する

 

「すみません。私は…………」

 

彼は閉じていた口を開き、言い訳染みているが心なしかの弁明と謝罪をしようとする

 

流石にあんなに質問されたのでは、彼でも気付けなかったのが事実なのだ

 

だが…………現実は思ったように動かない。無慈悲なものであることと同じ法則である

 

「「「琥珀(さん)がそんな事するわけない(のですよ!)」」」

 

声色は三種共々違えど、伝えている内容は同一

 

予想の既知にない返答に、彼は眉を少しばかり上げるという心ばかりの驚きと共に、ちょっとした感動をした

 

そして、先程の驚きなど無かったように苦笑いを浮かべる

 

流石に会って間もないのに信用され過ぎではと、僅かばかりの警戒心を忘却し、特に理由もなくまあいいかと理解した時だった

 

「た、大変です!"世界の果て"にはギフトゲームのため野放しにされてる幻獣が」

 

ジンの常時浮かべるような表情ではないことを察し、春日部耀は問う

 

「幻獣?」

 

興味無さげなように見えるその姿、だが、瞳の奥には炎がついているに違いない

 

「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に"世界の果て"付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

尋常じゃないほど焦った様子で、早口で説明するジン

 

だが、二人の反応はいまいちだった

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」

 

事の規模を認識できていないのか、

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?……斬新?」

 

はたまた、逆廻の実力を看破しているのかは定かではない

 

「冗談を言っている場合では……」

 

「二人とも」

 

ジンが発言を言い切る前に、彼は少年の発言を遮った

 

「仲間が危険な状態にあるのに、不吉な発言はよくありませんよ」

 

彼の雰囲気は、怒気が混ざっているわけではない。どちらかというと、父性が混ざっているくらいである

 

それ故に、だろうか、罪悪感と思われる感覚が込み上がってきて、ついつい彼女達は彼から目を逸らした

 

そんな光景を見て落ち着きを取り戻したのか、黒ウサギは憂鬱とも冷静とも判断できる声で自身の行動を伝える

 

「はあ……ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

目配せをしながら、黒ウサギはジンに問う

 

ジンの返答は軽く頷くという簡単なものと

 

そして、一言

 

「分かった。黒ウサギはどうする?」

 

その言葉を聞き、返答を確認した黒ウサギの髪は柔らかな青色から変色していた

 

「問題児を捕まえに参ります。事のついでに_______"箱庭の貴族"と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

怒気と共に髪を鮮やかな緋色に染め上げる

 

夜の暗闇によく栄える色合いの赤だなと、彼は思った

 

 

 

「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能くださいませ!」

 

そう叫ぶと黒ウサギは緋色の髪をたなびかせながら垂直に飛び上がる

 

跳躍の際の衝撃で門柱にひびが入っていたが、彼女は知るよしもないだろう

 

あっ、と彼は声をあげそうになった

 

跳躍の高さについてではない。彼はこの程度見慣れているし、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

なら、その声の意味するところはと言うと、失態への恥と悲哀であった

 

自分も行けば早かったのではないか、そんな考えが少し、脳裏を過った

 

「………。箱庭の兎は随分速く跳べるのね。素直に感心するわ。」

 

旋風と言える風から髪を庇っていた飛鳥が呟くように言った

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り、大丈夫だと思うのですが………」

 

飛鳥の空返事が響く

 

自信無さげな発言からも分かる通り、眉をひそめ、心配そうにしているジン

 

そんなジンに飛鳥は正面に向き直る

 

「黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、御言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」

 

「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。三人の名前は?」

 

心配していたからであろうか、心ここにあらずと言える様な生返事が最初に聞こえた

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えてるのが」

 

目線で貴女の番だと知らせた彼女

 

「春日部耀」

 

一言だけそう告げるて、彼女は門の方を見た

 

「月盛琥珀です。よろしくお願いしますね、ジン君」

 

彼は軽く低頭して、ジンもそれを真似るように低頭する、そしてまた、それを見ていた彼女達も低頭した

 

彼は誰に対してでも腰を低くする

 

例えそれが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…………

 

「さ、それじゃ箱庭に入りましょう。まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 

ジンの手を取り、新しい玩具を貰う子供のような笑みを浮かべ飛鳥は入っていった

 

それを見た彼は優しく笑い、春日部と共に中に入っていった

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