※性描写あり
ってそればっかりです。恋愛回です。
負傷から丁度3日目の夜。
「ウルにぃ、もう身体拭いてあげなくていいの?」
「ああ、強いて言えば背中くらいか」
シアの持ってきた食事を摂りながら、そんな会話をする。
我ながらそう若いと胸を張っては言えない歳に足を踏み入れたのだが、ハンターってのはやはり身体が丈夫になっていくもんだ。 ちょっと常人には絶句されるレベルではあるが。
実はおれ、先日鎖骨骨折なんつー怪我を負ってしまい、こうしてシアが家に通って来てくれている。
こいつを庇ったとはいえ、滅多な事ではしない大怪我になり「看病する!」と譲らなかったのだ。
急所は死守したものの、片腕だけで届かない背中やらだけで良いと言うのも聞かず全身を熱いタオルで拭き上げられ、毎日本人かアイルーが飯を届けに来るっつー、いたれりつくせりな…
ま、何かしてないといっぱいいっぱいになっちまうんだろうなー。脳ミソの容量もさる事ながら、メンタルもあまり強くない娘なので。
「後は、何かして欲しい事はない?」
「んー、そろっとシモの事情がよろしくないくらいで、後は別に大丈夫だな」
しも…っ、とわざわざ復唱して真っ赤になるシア。恥ずかしいなら言わなくて良いのにな。
ま、からかっただけの事ですが。
「あ、あのね、ウルにぃ」
先程とは一転、いつになく真面目な顔で、シアがおれの目を見つめて切り出した。
「ウルにぃは、私の事…どう思ってるの?」
お、直球。さて、これをどうあしらうかが年長者の腕の見せ所だぜ。
シアがおれの事をひじょーーーに特別に思っているのは、本人が思っている以上に周知の事実だ。おれがそれに誠実に応えないだけで。
「スタンのタイミングしっかり読まないとデスパライズの麻痺も活きないし、自分で麻痺のタイミング調節出来る様にならんとアカンぞ」
「う、はい…て、そうじゃなくて!」
素直に頷いたと思ったら、少し怒ったような顔になり。くるくる変わる表情は嫌いではない。
「私の事、こ……あ、あ、相棒として見てくれたりはしない、かな」
うむ、踏み止まったのは評価しよう。
多分、あいつは昔おれが『面倒くさい女は嫌だ』と言ったのを覚えている。まあマークスやらと一緒に酒を飲んでいた時の話ではあるが、まあ概ね間違いではない。
狩りに出れば、遠方なら暫く会えないのは当たり前。しかもある程度の腕前のハンターなら、依頼の方が待ち構えているものだ。
『会えないのは嫌、怪我されるのも心配、でも凄腕ハンターでいろ、稼げる男であれ』
なーんて、最後には『私と狩りどっちを選ぶわけ?』って来たらまあ、面倒くさい以外の何物でもない。んなもんの存在を気にして生きるなら、毎日ハンマーブン回してた方がマシってもんだ。
…ってな話をした。シアはおれの事というか、自分のこれと思ったものに対してのエピソードや会話を非常によく覚えているので、ほぼ間違いなくこの話を思い出したんだろう。
「ま、ハンターランクに見合った腕前を見せて貰わねーとだな」
シアはおれの言葉にそうだね、頑張らなきゃ。と小さく返し、とっくに食べ終えていた食器を片付けて席を立った。
とても狡い逃げ方だと、自分でも思う。
「クソが」
ぽつりと口をついて出たのは、つまらない悪態だけだった。
―
――
―――
シアの両親が既に亡くなっている事は、出逢ってそう日も経たない内に耳にした。
アイルーだけを連れてポッケ村へ知己を頼って来たという事実は、語る者により様々な形に曲解されていて、酷いものには奴隷として買われただの、没落貴族の妾の子だの…
本人も表面上は素知らぬ振りをしているものの、とても他人を気にしているというのが見て取れた。
そんなシアが、今まさに殻を破って顔を出したヒヨコの如く、おれを特別だとインプットしたのだと気付いた時は驚いたもんだ。あいつの上位昇格クエストを手伝った初対面で、いきなり師匠呼ばわりだぜ?
後から男性恐怖症と聞かされた時は三回ぐれー聞き返したもんだ。
あまりに懐いて、おれに付いて回るので「おれは、お前さんの父親じゃねーんだぞ」と言った事すらある。
その時は、さっぱり意味が分からないという風情で「何言ってるの?」と聞き返された。
依存されるという事は。
彼女を思う通りに動かせる。
おれしか見えない操り人形にも出来る。
逆に、助け導く事も出来る。
面白い位に、シアは純粋で、従順だった。面付き合わせていく内、シアを産まれたばかりのヒヨコじゃなく、縋るものもなく漂泊し、襤褸布のように傷ついた渡り鳥のようだと感じるようになっていった。おれはあいつを飛び立たせてやらねばと、友人のマークスに押し付けたのだ。
認めよう。
おれは、あいつの全てを受け止めてやるのが怖かったんだ。
―
――
―――
後片付けを終えたシアが、慌てて寝室にやって来た。
ちっとばかし惨めな考え事をしていたもんで、こっそり引き上げたんだが、流石に姿が見えないと気付いたんだろう。
「ウルにぃ、体拭かないで布団入っちゃ駄目だよ」
「ん」
シアが熱い湯で濡らした温かい布を持ってきていたので、冷えても何だなと背を向けて、骨折した左側の肩を動かさないように静かにインナーの上衣を脱いだ。包帯も解き、痛々しい傷痕も顕になる。包帯の汚れ方から、出血も落ち着いたのが分かる。これなら固定の心配だけで大丈夫だな。
シアがすぐ脇に来て背中を拭い始める。温かく湿った感触が気持ちいいが、やっぱり風呂に入りてえな…浸かる位なら良いだろう、明日はユクモ村まで足を運ぼうか。
「どうした?」
ひとしきり背中と肩口、二の腕、胸元を拭き取ったシアが正面に回り、ベッドに腰掛けたおれに跨る形で座った。そのまま患部に清潔な包帯を巻いていく。
そういう事がしたい時のシアは、口下手な代わりによく行動で表してくる。余程そちらの方が恥ずかしいと思うのだが、感覚で生きているやつの考えはよく分からん。
「ん」
問い掛けに対する解答は、口も開かない吐息のようなお粗末なものだった。僅かに寄った眉、伏し目がちな様子、何を考えている?
口を開こうとした瞬間、無事な方の鎖骨に口付けられた。続けて薄く色づいた唇が開き、何故かおれは鎖骨に噛み付かれる。軽く、何度も甘噛みされ、終いには痛みを感じる程になり、唇が離れた時には僅かに歯型が残っていた。
「……何がしてーの?」
「う、分かんない」
分かんないって、お前な。
おれが再び口を開こうとすると、噛み付いていた唇がおれのそれに重ねられる。
「好きじゃなきゃ、口にキスしないっていうの、嘘なの?」
おれ、そんなこっ恥ずかしい本当の事、こいつに言っただろうか。
そんな疑問はすぐに晴れた、そうだ、武具屋で寝惚けちまったんだ。ありゃ夢じゃなかった、畜生。
「私、ただずっとウルにぃと一緒に居られれば良いって思ってたの。でも、どんどん欲張りになって、ウルにぃの特別でいたい、一番になりたいって気持ちが大きくなって、えっちして…」
最後で頬を染め、目を逸らして。今度は目が見れなくなったのか、自分が噛み付いていた鎖骨に額を付けて話し出す。唾付かねーのかと一瞬聞きたくなったが、野暮なので止めておく。
「ウルにぃの事、どんどん好きになる自分がいたの。良い子でも、真面目なハンターでも、便利なアイテムでなくても、丸ごとの私で良いんだって思えて。
だから、こんな言い方おかしいけど、ウルにぃの後ろを着いてくんじゃなくて、隣を歩きたい」
ちくり、とマークスに押し付けた時を思い出し胸が痛む。
というか、素直な言葉が非常に刺さる、沁みる。
おれはこんな風に想われて良い人間だろうか。
「だから私、きっとウルの事をまた好きになったの。惚れ直したんだよ」
シアが顔を上げ、首にその唇が触れる。首に回そうとした手が止まり、躊躇いがちに脇腹辺りに下りていき、抱き締められる。
「離れて分かったの。私、ウルにおんぶに抱っこで、ちゃんと自分で立ててなかった。居てくれるのが当たり前になってて、ウルがそれを受け入れてくれてるのに感謝出来てなかった」
シアの手が、先日ざんばらになって彼女に切られた髪へ伸びた。
「いっぱい迷惑かけて怪我させて、やっと気付いたの、バカでごめんね」
首筋に雫が落ち、濡れた。
その温さの意味を解さぬ訳がなく、おれも痛まぬ右手で彼女の細い腰を更に引き寄せた。
もう、降参。それも全面降伏ってやつだ。
―
――
―――
「っあ、や、まだ…!」
「まだ何? まだ準備出来てないとは言わせないぜ」
「ひぁっ! や、優しくしてってば…」
ベッドの上で、おれが足を開いた中へ跪き、腰を高く上げたシアが鳴く。
咥えていたおれ自身に添えた手はそのままに、何度も口付けた唇は快感を表す声を発したまま端に唾液が伝っていた。
可愛い小娘の告白の後は、しっかり求められた側として、シアがイクまで口で奉仕してやった。
おれ側への口淫の間も、ひたすら髪を撫で、背中を指で辿り局部に触れていた所為か、シアの頬は色付き、尻が揺れている。
ベッドのヘッドボードに体を預け、顎にまで伝ったシアの唾液を掬い、先程散々口で可愛がってやった小さめな花芯に塗り付けてやる。そこはとても素直に、咥えさせる前にヘロヘロにさせた、ぬるつく舌の優しい愛撫から一転、ダイレクトにおれの指から快感を引き出されていく。
「あぁあ、ふぁ、あっ! しょこ、らめぇっ、ウルぅ」
「お前さんが優しくして欲しいって言ったんだろ? こんなに気持ちよがって、感謝の一つもしてくれよ」
「らって、敏感なりすぎて、変なの、っ」
言葉通りシアは悪戯に胸の頂きを弾いたり、脇腹に指を滑らすだけで小さく体を跳ねさせ悦ぶ。
確かに、シアは比較する必要を感じない位に敏感だと思う。まあそう多いとは言えないが、おれが抱いた女の内では正直ダントツだ。
濡れ方こそ癖があり、下着を濡らしていてもいざ脱がすと、表には湿り気があまりない。中は潤い準備万端でも、入口が滲みるらしく顔をしかめていたり…という事はあるが、ヘタクソでも童貞でもないので、おれは特に問題を感じてはいない。外からも濡らしてやれば良いだけだからな。
むしろ、中から滲み出てくる前に濡らした指を突き入れて、どんなにか潤っておれを待ち望んでいたか確かめるのも悪くないのだ。
痛めつけるより、快楽に我を忘れる寸前の、理性と欲望の狭間に揺れる貌が堪らなくおれを刺激する。
「あっあっ! ゆびっ、増やしたらぁ、ぃ、くぅ…!」
「一本でもイったろ。もう中が小刻みに締め付けてるぜ」
「いやっ、意地悪、ゆわにゃっ、ぁー!」
腹側の僅かにざらつく突起のある部分を指の腹で擦ると、とぷりと溢れた液体が指を伝う。今度は少し強めに抜き差しを繰り返し、好きらしい奥側の愛撫に入ったのだが、軽くイってしまったのでシアの体を起こしておれの右半身に抱きつかせた。いや、流石にうつ伏せ四つん這いの相手は、痛む体がついてかなくてね。
「も、ひれてくらしゃい…」
はい?
「ウルの、ほしいの」
右肩に縋る小娘は、いやらしく鎖骨を舐めだし、また噛み付いた。
唇は上へと移動し、耳朶を甘噛みし吐息をおれへ届ける。
「『はやく』だって? 上等だよ。泣いても喚いても止めねーぞ」
シアは嬉しそうにおれの言葉を聞き終わると、おれ自身へ腰を沈めた。こら、結局お前さんが耐えらんねぇんじゃないか。
「あはっ、あ、おっきいの、久し振り…」
「一気に行ったな、大丈夫か」
「すこし、待って」
力も抜けていたし、自重で予想外に全て収まってしまったんだろう。
つか、挿入自体がそういえばあの再会後の雪山振りじゃねーか…からかいはするものの、一線を超えてもまたもう一回とはならんよーに、おれがうまい事距離を置いていたからだが。
おれも、なかなかの臆病者だぁな。
「んっ、んーっ、あふっ…」
おれの大腿に手を置き、シアは膝立ちの格好で上下に動き出す。やはりと言うべきか、しっかり中は潤い、腰を上げる度にきゅうきゅうとおれを締め付ける秘所から、ぐちゅりと湿った音が聞こえる。
とうとう、シアが目を閉じ、膝からペタンと崩れてしまう。
「も、だめ、足動けない」
「全く、ひ弱だなー。それでよく怪我人に乗っかったもんだ」
「こんなに気持ちいいと、お、思わなかったんだもん!」
はいはい、とおれはがくがくしている膝をよいせと立ててやり、ザザミのような蟹類がハサミを下げた形に足を広げさせる。
よし、また一つ教えてやるとするか。
「前後に動いてみろ。膝が落ち着いたらさっきの格好に戻して良いから」
「前後…って?」
「お前さんの好きな所、擦り付けるよーにして腰を前へ。入れてるおれのをちょっと締めながら後ろへ、かな。
慣れてきたら丸を書くみてーにしてご覧」
大事な所をぱっくり広げられてるのに、シアは興味深く聞いている。この一点集中というか、視野狭窄というか…いや、まあいいや。
「ほれ」
「やぁあん! はひぃ…!」
少し強めに腰を使ってやると、中をきゅんと締め付けて、ようやっと動き出した。
「まえ、うひ、ろ…っ! まぇ、う…やあぁっ…ぁ」
「律儀すぎ、まあ頑張れ」
抜けてたモノがまた分け入ってくる感触が好きなようで、開きっぱなしの唇が言葉を成さない声を紡ぐ。
おれにはそう強い刺激にはならんものの、揺れる小振りな胸やそのツンと尖った頂きやら、眺めているだけでもなかなか楽しい。
「あんっあっ、はぁっ、ウル、ぅ!」
「…ん、なに」
「ウルの、おっきいの、すごいきもちぃ、よぉ…! いっぱい、ん…っ、してっ!」
シアが息を飲む毎に、きゅうきゅうと絞られる。イキながらおれをもっとと求める姿は、欲求に忠実なケモノのようだ。
「そんなにおれの事が好きか?」
腰を上下に使い始めたシアに顔を寄せ、囁くと小動物のようにひゃんひゃん鳴きながら抱き着いてくる。
「しゅきれすぅ、ウルしゅき!
も、ずっと一緒にいてぇ…っ!」
「…っ、バカ娘」
おれは思わず振動が響くのも忘れ、腰をがつがつと使ってシアを責め立てた。
狭い締め付けからきつさが取れ腟内が蠢き、おれを包み込みつつたっぷりと濡れた肉壁が、またきゅうきゅうと搾り上げる。
悲鳴のように高く、長い嬌声のあと、愛しの小娘は意識を手放した。
僅か残った理性が駆り立て、自身を引き抜き彼女の体へ、おれは白濁をぶち撒けた。
白い肌に、飛び散る精。
征服欲もさる事ながら、何故かおれは安堵していた。
―
――
―――
眠ってしまったシアの体を拭き清め、辺りを見回すが何処に投げたのやら衣服が無い。面倒臭いのでそのまま寝具を掛けた。おれもそこに潜り込み、狭いなと思いつつ目を閉じる。
年貢を納めさせられた、っつーやつか。
この表現だとおれがプレイボーイみたいだが、全くそんな事実は無いのはお分かり頂きたい。狩りなんてもんで生計を立てていると、季節が過ぎるのがやたら早いのだ。
シアは、確かに典型的な『可哀想な子』ってやつだ。
…お脳の中身という問題ではなく、生い立ちやらって事で。
単純明快なのは生来のものだが、それがなりを潜める程、人見知りがひでえ、初めて仲間と引き合わせた時は本当に父親から離れない赤ん坊みてーだった。
今まで何も問う気はなかったが、此処まで慕われては気にならない訳がない。
「ユクモ村での湯治は、後回しだな」
燼滅刃が戻って来ない内に、やりたい事が山程出来ちまったな。
まあ、この小娘と付き合ってると悪運が強くなるみたいなので、何とかなるだろう。
取り敢えず、柄がポッキリのツキヲイザナイの代わりを作らねーと。
修理に出したユクモ天装備は、直ってっかな。
「ウルにぃ」
先程までの色気は何処へやら、寝惚け眼で小娘がまったりした声で呼んでくる。
おれは黙って、その艷めく黒髪をくしゃくしゃとかき回した。
隣で誰か寝てるなんて、めんどくせー。なのに、睡魔がしっかりおれを誘う。
「一緒に寝よ」
言われなくても、だ。相棒。
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