プリズマ☆イリヤドライで援軍に来たのが美優の兄ではなく、世界を救おうとする最後のマスターと後輩たちだったら   作:Dr.クロ

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女王との闘い、その後に女王の願いを知り、誰もが無言になる。


第十四幕~ハロウィン・カムバック!超極☆大かぼちゃ村~そして冒険へ……~ with魔法少女Ⅸ~

女王のクレオパトラとの戦いが始まり、先陣したのはブレイブエリザとイリヤであった。

 

ブレイブエリザ「たあっ!」

 

イリヤ「斬撃(シュナイデン)!」

 

ズドォオオオオ!!

 

クレオパトラ「甘い!」

 

斬りかかるブレイブエリザとイリヤの魔力斬撃に対してクレオパトラは蛇を使い防いだ後にブレイブエリザを押し返す。

 

ブレイブエリザ「きゃっ!?」

 

イリヤ「うわっ!?」

 

押し返されたブレイブエリザはイリヤとぶつかる。

 

美遊「っ!」

 

ナーサリー「大きな蛇さんね!」

 

蛇に誰もが驚く中でクレオパトラは動く。

 

クレオパトラ「はあっ!」

 

キララッ

 

ポーズを取ると光が発され、危険を感じたマシュが盾を構えると光が当たった所に衝撃が迸る。

 

マシュ「くっ!」

 

刹那「えっ?なに、今の…」

 

凛「い、今、光ってただけ…よね?」

 

誰もが不明な攻撃に驚く中でクレオパトラは不敵に笑う。

 

クレオパトラ「妾の美しさから出る光は敵を攻撃できるのです!」

 

刹那「ええ!?」

 

士郎「なんでさ!?」

 

イリヤ「そんな事は普通に出来ないよ!?」

 

告げられた事に思わず士郎とイリヤはツッコミを入れる。

 

トリスタン「女王は世界三大美女の1人。その美しさは別格なのです」

 

クレオパトラ「だからこそ妾の光は攻撃です!」

 

クロ「ちょ、そんなのあり!?」

 

ロビンフッド「有りなんだろうなぁ…」

 

どや顔で言うクレオパトラのにありえないとクロは叫ぶが、ロビンフッドは眉間を揉みながらそう呟く。

 

凛「光位、私だってやってやれるわよ!」

 

ルヴィア「美しさなら負けませんわよ!」

 

エミヤ「そこ!変なところで張り合うな!」

 

士郎「くっ!」

 

それに対抗しようとする凛とルヴィアをエミヤが制す中で、士郎は謎の黒騎士に防戦一方であった。

 

謎の黒騎士「aaaaaaaaaa!!」

 

マシュ「たあっ!」

 

ガキィン!ガキィン!

 

そこにマシュが割り込み、謎の黒騎士は後ろに下がり、警戒する様に後ずさる。

 

リリィ「なんだかマシュさんを警戒していますね…」

 

エミヤ「(まあ、そうだろうな…)」

 

マシュ「皆さん、この黒騎士の相手は任せてください!」

 

その言葉に謎の黒騎士はトリスタンに助けて欲しいと言わんばかりにチラチラッと顔を向ける。

 

トリスタン「すみません、こちらもちょっとヤバイので手は貸せません」

 

謎の黒騎士「a!?」

 

必死にリリィを除いたアルトリアトリオと茨木童子の攻撃を避けながら謝るトリスタンに謎の黒騎士はジーザスと心の中で絶叫しながらマシュの攻撃を避けて行く。

 

エミヤ「(まああの二人はマシュたちに任せるか)」

 

イリヤ「ええい!」

 

ズダダダダダダダダダッ!

 

相性的に自分もマシュの援護に向かった方が良いと思うが相手が相手なのでイリヤ達のフォローに回った方が良いだろうとエミヤはそう考える間にイリヤはクレオパトラへと連続で魔力弾を放つ。

 

クレオパトラ「無駄です!」

 

蛇「シャアアア!」

 

迫る魔力弾を蛇で全て防いだ所にジャックが懐に入る。

 

ジャック「解体するよ!」

 

クレオパトラ「妾を解体するなど論外ですわ!」

 

振るわれる直前にクレオパトラは後ろに飛びのいた後に光をジャックへと向けて放ち、ジャックは慌てて避ける。

 

茨木「ええい、厄介な光だな!」

 

刹那「アレを何とかしないと…」

 

呻いた後に光らせなければ良いんだけど…と考え…

 

刹那「あ、そうだ」

 

エミヤ「なにか名案を思い付いたのかマスター?」

 

あのね…とエミヤに説明し、成程とエミヤは納得した後にロビンフッドを呼びかけ、ロビンフッドに刹那から指示された事に成程なと頷いて顔のない王ので消える。

 

ジャンヌ「マスター、一体どんなアイデアを思いついたんでしょうか…」

 

イリヤ「取りあえず私達は刹那お姉さんの作戦の援護をしないと!」

 

そんな刹那の作戦成功の為にメンバーはクレオパトラを攻撃する。

 

バゼット「はぁっ!」

 

ルヴィア「せいっ!」

 

クレオパトラ「くっ!」

 

バゼットとルヴィアの攻撃にクレオパトラは蛇で防ぐが衝撃で蛇は吹き飛んでしまい、やらせはしないと光の攻撃をしようとし…

 

バサッ!

 

攻撃しようとした所を布を被せられて不発に終わる。

 

すぐさま姿を現したエミヤが叫ぶ。

 

エミヤ「今だ!」

 

ルビー「成程!あの光は女王自身が体を光らせてるからこそ出来る事!」

 

サファイヤ「それを体を覆う程ので隠せば出せない!」

 

美遊「それなら!」

 

その言葉と共に美遊とナーサリーは魔力弾を放ってクレオパトラを吹き飛ばし、クレオパトラは呻きながら布から抜け出る。

 

クレオパトラ「やってくれましたね!ならばこちらもそれ相応ので返しましょう!」

 

刹那「皆!宝具が来るよ!」

 

ブレイブエリザ「宝具が来るならこっちも宝具で対抗するわよ!」

 

イリヤ「は、はい!」

 

魔力を放出するクレオパトラの行動に刹那がすぐに言い、ブレイブエリザのにイリヤは頷いた後に前に出る。

 

クレオパトラ「対抗するつもりですね。良いでしょう。貴女達ごと焼き尽くしてあげましょう!」

 

ブレイブエリザ「行くわよイリヤ!」

 

イリヤ「はい!」

 

その言葉と共にブレイブエリザとイリヤも魔力を開放する。

 

クレオパトラ「其はエジプトの落陽、終焉を示す時の蛇」

 

紡ぐ事にクレオパトラの蛇が輝きを増していく。

 

イリヤ「行くよルビー!」

 

ルビー「筋系、神経系、血管系、リンパ系――疑似魔術回路変換、完了!」

 

ブレイブエリザ「La~♪」

 

それにイリヤも宝具の準備に入り、ブレイブエリザは捉えようと音波を発する。

 

音波がクレオパトラを捉える前に蛇の輝きが最高潮に達し…

 

クレオパトラ「最後のファラオとして命じます。暁の時を終える蛇よ、此処に(ウラエウス・アストラペ)!!」

 

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 

炎とも言える姿へと変貌してブレイブエリザとイリヤへと向かって行き、ブレイブエリザの音波とぶつかり合う。

 

ルビー「今ですよイリヤさん!」

 

イリヤ「これがわたしの全て……!多元重奏飽和砲撃(クウィンテットフォイア)!!」

 

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

 

それにイリヤが最大級の砲撃を放って、音波とぶつかり合っていた蛇を吹き飛ばす。

 

イリヤ「今ですエリザベートさん!」

 

ブレイブエリザ「鮮血竜巻魔嬢(バートリ・ブレイブ・エルジェーベト)!!」

 

ギュィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

 

合図と共にブレイブエリザは回転しながら女王へと突撃する。

 

クレオパトラ「ぐぅううううううううううう!!!?」

 

ブレイブエリザ「はぁぁぁああああああああああああ!!!」

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!

 

そのままクレオパトラへと突撃して押して行き…

 

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

 

壁へと激突する。

 

そして煙からブレイブエリザが飛び出して着地し…

 

クレオパトラ「……きゅう……」

 

煙が晴れると目を回したクレオパトラが現れる。

 

ブレイブエリザ「安心しなさい。瀕死ギリギリの峰打ちよ」

 

ロビンフッド「峰無いだろその剣」

 

美遊「無いですよね…」

 

カッコつけて言うブレイブエリザにロビンフッドはツッコミを入れて美遊も頷く。

 

トリスタン「それに回転突きじゃ峰あってもなくても意味ないのでは……」

 

謎の黒騎士「(確かにな;)」

 

同じ様にツッコミを入れた後にボロボロなトリスタンは空気を換える為に咳払いする。

 

トリスタン「……お見事。これは先程とは違う、完璧なる敗北……フッ……実によろしい。胸のすく、晴れやかな敗北でした」

 

謎の黒騎士「( そうだろうか……私はどうも殴られ損な気がするのだが……!)」

 

そう評するトリスタンに謎の黒騎士はマシュの視線から逃れたいが逃れないのでそわそわしながら心の中で呟く。

 

その後にクレオパトラが呻きながら起き上がる。

 

クレオパトラ「……まさか、私が敗北するなんて……」

 

よろよろとなりながら立ち上がったクレオパトラにブレイブエリザはズンズン近づく。

 

ブレイブエリザ「勝負ありよ!チェイテ城は返してもらうわ!あと、ピラミッド何とかして!というか、こんなモノ持ち込まないでよね!?」

 

そんなブレイブエリザのにクレオパトラは困った顔をする。

 

クレオパトラ「…………それは……難しいですわね……」

 

ブレイブエリザ「はい?」

 

イリヤ「なんで難しいんですか?あのピラミッドはクレオパトラさんの物なんじゃ…」

 

出て来た言葉に誰もが呆気に取られる中で、イリヤのにクレオパトラは指をツンツンする。

 

クレオパトラ「……その、このピラミッドは妾が持ち込んだものではないので

 

凛「はあ!?」

 

ブレイブエリザ「じゃ、誰がこんなはた迷惑な代物を、アタシの城に落としたワケ!?」

 

続けての言葉に誰もが驚いてクレオパトラが言おうとした時…

 

???「それは余だ!!」

 

美遊「!?」

 

ニトクリス「こ、このお声は!?」

 

突如響いた声に知ってる者達は驚く。

 

青アルトリア「あ、貴方は!」

 

イリヤ「え、皆さん誰か知っているんですか!?」

 

ニトクリス「まさか!?まさか、まさかの、まさか!?」

 

狼狽するニトクリスの後にその人物は現れた。

 

???→オジマンディアス「誰かと問われれば答えよう。我が名は太陽を統べる王、オジマンディアス!」

 

イリヤ「オジマンディアスって……ニトクリスさんにスフィンクスを貸したファラオさん!?」

 

名乗りあげたオジマンディアスにイリヤは洞窟の時に聞いたのを思い出して言う。

 

オジマンディアス「フハハハハ!クレオパトラ!いや、なめし革如く、完膚なきまでにのされたな!」

 

愉快そうに笑うオジマンディアスにクレオパトラは恥ずかしさで顔を赤くする。

 

クレオパトラ「お、お恥ずかしいところを!ファラオの名を冠しながら、この体たらく……!これ以上の羞恥は耐えられませぬ。この素っ首、切り落としてもよろしいでしょうか!?」

 

イリヤ「ええええ!?首を切り落とすって?!」

 

ブレイブエリザ「え、ちょっとここでそういう血生臭いのは止めてね!?今からハロウィンの飾り付けをするんだし!」

 

オジマンディアス「良い、そこの痩せ細った娘の言う通り。この城は今から飾り付けなければならぬ。その血は、祭りを穢すもの。そこで耐えるが何よりの罰と知れ!」

 

出て来た言葉に驚くイリヤと止めようとするブレイブエリザの後にオジマンディアスがそう言い、クレオパトラはハハッ!と頭を下げる。

 

ロマン『オジマンディアス……つまり、ラムセス二世!そんな大物がこんなおかしい特異点に現れるのか……!」

 

バゼット「……もしやアレキサンダーに頼んだのも…」

 

アレキサンダー「うん、彼だよ」

 

驚きの声をあげるロマンの隣で呟いたバゼットのにアレキサンダーは肯定する。

 

ロマン『でもこれって子供の喧嘩(イベント)に大人が出てくるようなものじゃないかなぁ!」

 

オジマンディアス「大人とて遊ぶときは遊ぶ。大きなお友達とはそう言う意味だと聞いたが?」

 

刹那「いやそれはちょっと意味がね……;」

 

そう返すオジマンディアスに刹那は頬をポリポリ掻いて訂正するが似てればよいではないかと返される。

 

オジマンディアス「しかし、だからこそ安心するがいい。余が戦う事はない。このピラミッドではクレオパトラが女王として君臨し、そしてお前たちに破れたのだ」

 

ニトクリス「まさか、貴方様が……。せめて報せを頂ければ……私もこちら側には……」

 

そう言うニトクリスにオジマンディアスは笑う。

 

オジマンディアス「フッ。そういうなニトクリス。クレオパトラに黙っていろ、と言ったのは余である」

 

ニトクリス「い、いえ、不満などあろう筈がありません!私こそ失言でございました……!」

 

慌てて謝罪するニトクリスに良い良いとオジマンディアスは笑う。

 

ブレイブエリザ「……あの。話に全然ついていけないんだけど。エジプトの人たち、結局どーゆーことなの?」

 

そこにブレイブエリザがおずおずとオジマンディアスに話しかける。

 

ニトクリス&クレオパトラ「不敬者!!」

 

ブレイブエリザ「ひゃうん!しょうがないでしょ!不敬って言ったって、こっちは全然知らないんだし!」

 

イリヤ「取りあえずはオジマンディアスさんが物凄い人って事は分かるよね…」

 

そんなブレイブエリザに対して怒鳴る2人を見ながらイリヤはそう言い、まぁ、そうだなとロビンフッドは相槌を打った後にオジマンディアスを見る。

 

ロビンフッド「そうそう、結局オタクらはこの縁もゆかりもない土地で、何をしたかって話だよ」

 

凛「そう言えばそうね…」

 

ルヴィア「何故この土地でこんなことを?」

 

オジマンディアス「……良かろう、お前たちも首を捻るだけでは面白くもあるまい。では問おう。この女、クレオパトラの最期を知っている者はいるか?」

 

イリヤ「クレオパトラさんの最期?」

 

オジマンディアスから出て来た問いかけにイリヤは首を傾げる中でマシュが恐る恐る解説する。

 

マシュ「ローマの将軍であった夫、アントニウスと対立していたアウグストゥスとの間で起きたアクティウムの海戦―――それに敗れたアントニウスが死んだ後、彼を追うようにして自殺したとされていますが……」

 

オジマンディアス「そうだ。プトレマイオス朝はすぐに滅び、国は消え去った。こやつは最期のファラオとして名を遺したのだ」

 

イリヤ「そうなんだ…」

 

士郎「クレオパトラの最期ってそうだったのか…」

 

そのマシュの説明にオジマンディアスは肯定する中でイリヤと士郎が代表で呟く。

 

オジマンディアス「故に、この女は願いを持つことを忌避し、今の今までサーヴァントとしての召喚を拒み続けた」

 

美遊「召喚を拒んだ?」

 

凛「はぁ!?なんで拒むのよ!?」

 

誰もが出て来た言葉に驚く中でオジマンディアスは理由を言う。

 

オジマンディアス「こやつは、個人的な願望を抱いている。サーヴァントとして聖杯戦争に参加しなければ叶えられぬ願いがな」

 

凛「それなら…」

 

言おうとした凛に話を最後まで聞けとオジマンディアスは遮って続ける。

 

オジマンディアス「だがな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。市井にすらありふれている、他愛もない願いよ。国を滅ぼしたという責任感に囚われ、こやつはその願いを押し込めていた。自分のように国を滅ぼしたファラオが、願いを持ってはならないとな!」

 

そう言ってからだが…とファラオは顔を伏せるクレオパトラを見る。

 

オジマンディアス「いい加減千年二千年と苦しみ続けるほどのものではあるまいと、余が機会を与えたのだ。これよりハロウィンが終わるまでの間……。この逆さまとなったピラミッドにて、滞りなく女王クレオパトラとして執政せよ。さすれば与えた聖杯で、汝の望みを叶えることを許すとな」

 

美遊「聖杯を……!?」

 

出て来た言葉に誰もが驚く。

 

と言うかまだ持っていたのかね…とエミヤは呆れる。

 

オジマンディアス「そしてお前は敗北した。異存あるまいな、クレオパトラ?」

 

クレオパトラ「……はい。やはり、私のような者が望みを持つのは間違いだったと思い知りました」

 

イリヤ「そ、それは…」

 

刹那「イリヤちゃん、ちょっとストップね」

 

言おうとするイリヤに刹那が止める。

 

なぜ?と見るイリヤにもう少し見ようと刹那はそう言う。

 

オジマンディアス「ふむ、するとお前はその願望を押し殺したまま、永遠に目を背け続けると言う訳か!」

 

クレオパトラ「それが国を滅ぼした私の、せめても贖(あがな)いです」

 

問いに対して答えたクレオパトラのに誰もが無言になる中、聞いたオジマンディアスは口を吊り上げ…

 

オジマンディアス「……フ」

 

クレオパトラ「?」

 

オジマンディアス「フハハハハ!フハハハハハハ!!それがお前の答えか!?笑止千万!アヌビスも腹を抱えて笑い出すだろう!聞いたか、そこな細い小娘!」

 

大声で笑いだした後にブレイブエリザへとそう言う。

 

ブレイブエリザ「だから、ちゃんとエリザベートかもしくは親しみを込めてエリちゃんと呼びなさいよ!」

 

オジマンディアス「む。そうか、では改めてエリチャンとやら!なにか言いたいことがあれば、言ってやるがいい!その突拍子もない傲慢さを、余は買っているのでな!」

 

イリヤ「(そっちの方で呼ぶんだ!?)」

 

それに対して文句を言うブレイブエリザに後者を選んで言ったオジマンディアスにイリヤは思わずド驚く。

 

ブレイブエリザ「じゃあ、言うわよ。えーっと……あのね、クレオパトラ。アンタ、バカじゃないの?」

 

クレオパトラ「なっ……!?」

 

出て来た言葉にクレオパトラが驚く間にブレイブエリザは矢継ぎ早に言う。

 

ブレイブエリザ「アタシが言ったでしょ!アイドルと執政、どちらも取るって!アンタだって、ふぁ、ふぁらお?の立場と、個人的な願望、両方持ってていいじゃない!バンバン聖杯戦争に召喚されて、願いを叶えるために努力すればいいじゃない!アタシがやれることを、どうしてアンタがやれないの?やれるでしょ?アンタなら、華麗に躍りながらでもこなせるでしょ?」

 

クレオパトラ「それは……!」

 

その言葉に目を見開くクレオパトラにブレイブエリザはもどかしそうに口を開く。

 

ブレイブエリザ「その、言いたくないけど。アイドルに浮かれてハロウィンを疎かにしていたアタシより、アンタの方が執政者としては、ちょっぴり上……かもだし。個人の願望を持ったって大丈夫よ!」

 

イリヤ「そうですよ!願いを持つことは悪い事じゃないですし!」

 

クレオパトラ「……いいのかしら……私がそんな――――」

 

まだ戸惑うクレオパトラにブレイブエリザは刹那を見る。

 

ブレイブエリザ「だーいーじょーぶー!ね、子ジカもそう思うでしょ?」

 

オジマンディアス「人類最後のマスター、刹那よ!貴様も何か言いたそうだな。よいぞ、トドメをくれてやれ!遠慮なしにこの小娘に告げるがいい!」

 

話を振られたのでんじゃあと刹那はクレオパトラの目を見ながら言う。

 

刹那「私はクレオパトラらしくすればいいと思うよ?」

 

クレオパトラ「クレオパトラ……らしく。……そう、ですね。ずっとそうあろうと思っていたのに――――いつしか私は、ファラオとしての側面しか見せられないようになっていた……。太陽王、オジマンディアス様。ホルスの化身、ニトクリス様。お許し下さい、私は今日よりファラオとしてだけではなく、クレオパトラとしての自分を受け入れます」

 

刹那の言葉を聞き、クレオパトラは決意を固め、2人に王ではなく、一個人として願いを持つことに頭を下げる。

 

ニトクリス「許します。歴史に刻まれたその名を以て、後ろで歩む者たちの力となりなさい」

 

オジマンディアス「許す。どこまでも高慢に、傲慢に、クレオパトラという名を輝かせるがいい!」

 

2人の言葉にありがとうございますとクレオパトラは礼を述べた後に刹那を見る。

 

クレオパトラ「……刹那。我が名はクレオパトラ七世。かつてファラオであった者。これより、私は人の歴史を紡ぎ続けるための護り手として、英霊召喚に応じます。その暁には、アサシンのサーヴァントとしてこの体、この声、この美貌を存分に振るいましょう。つまり――――アナタには勿体ない栄光を、諦めて甘受しなさいというコトよ!」

 

刹那「いつでも歓迎するよ!」

 

ルビー「もし来たらさらに騒がしくなりそうですね!」

 

凛「確かにそうなりそうね」

 

名乗りあげ、宣言するクレオパトラに刹那は笑って言い、ルビーのに凛が言った事に対して君達も似た感じだと思うんだがねとエミヤは思ったが口に出したら絶対に突っかかって来るので心の中に留める。

 

クレオパトラ「―――っ。よ、よき返答です刹那!ここまで見事だったわ、まずは疲れた体を癒すコトね!」

 

ブレイブエリザ「よし、これで万事解決ね!」

 

うんうんと満足そうにブレイブエリザは頷く。

 

茨木童子「む。話が終わったのか(ばりばり)」

 

美遊「茨木さん……もう少し、落ち着いて食べましょうよ;」

 

クロ「ハロウィンが始まればお菓子なんかいっぱい食べれるでしょ」

 

話の間にロビンフッドからお菓子を貰っていた茨木童子に美遊はツッコミ、クロは呆れる。

 

茨木童子「食べておらぬ。吾はお菓子など食べておらぬ」

 

ジャック「そう言えば御菓子だ御菓子!」

 

ナーサリー「帰ったらトリックオアトリートよ!」

 

ジャンヌ「ふふ、楽しみですね」

 

ワイワイはしゃぐジャック達にジャンヌは微笑ましそうに笑う中で青アルトリアはふと気になった事があるのでクレオパトラを見る。

 

青アルトリア「そう言えばクレオパトラ、貴女の他愛もない願いとは一体なんなんですか?」

 

サンタオルタ「そう言えばそれがなんなのか言っていなかったな」

 

クレオパトラ「そ、それは……」

 

そう言えばと誰もが見る中でクレオパトラは顔を赤くしてモジモジする。

 

ニトクリス「聞いたことありませんね……。差し支えなければ、教えなさい」

 

クレオパトラ「はい、ニトクリス様がそう仰るのであれば、望みは……幾つかあるのですが。やはり、かつて愛を育んだ者との再会でしょうか。別にやり直したいという訳ではないのですが……」

 

イリヤ「愛を育んだ人との再会……!」

 

ルビー「いやー、ロマンチックな願いですね!」

 

願いにイリヤは目を輝かせ、ルビーはそう述べる。

 

クレオパトラ「今でも思い出します。ほっそりとしていながら力強い腕で抱き締められ、愛を囁かれたあの日の事を……。眉目秀麗、痩せた頬骨すら妖美で……。誠実さの塊のようなあのお方……。そう……。カエサル様に――――!」

 

茨木童子&イリヤ達6名&ジャンヌを除く一同「…………」

 

告げられた名前に事情を知らない面々を除き、思わず黙ってしまった。

 

その雰囲気には現状の彼を知らないオジマンディアスやトリスタン、謎の黒騎士も黙る。

 

茨木童子「?どうした?真の敵、登場か?」

 

イリヤ「あの、皆さん……?」

 

刹那「集合、クレオパトラ除いて全員集合」

 

その言葉と共に戸惑うジャンヌも纏めてクレオパトラを除いて全員が円陣組む。

 

ルヴィア「ちょ、ちょっとどうしたんですの?」

 

バゼット「もしかしてカエサルに会ったことがあるのですか?」

 

エミヤ「会ったことがあるというよりはカルデアに居るぞアイツは…」

 

クロ「えっ、居るのカエサル!?」

 

サファイア「ですがクレオパトラ様が言っていた人物を見かけたことがないのですが…」

 

いきなりの事に戸惑うルヴィアやバゼットへエミヤが言った事にクロは驚き、サファイアがそう言う。

 

槍オルタリア「赤い服を着た丸々太った男なら見たことあるだろ?」

 

士郎「そう言えば時折たまに見かけたことが……」

 

ネロ「それがカエサルだ……」

 

美遊「…………え?」

 

一瞬、イリヤ達はネロ達が何を言ってるのか、一瞬思考が停止した。

 

ブレイブエリザ「ねえ、これヤバくない?カエサルってあのカエサルよね?」

 

マシュ「はい、カルデアでもっとも信用してはならない三大サーヴァント、大体黒幕の誉れも高きカエサルさんです」

 

ロマン『……ちなみにカルデアにいるカエサルはこんな感じだ』

 

そう言ってロマンが見せたカエサルのにイリヤ達は噴いて…

 

オジマンディアス「……っ!」

 

カエサルを見てオジマンディアスは口を抑えて倒れた。

 

だが、どうやらカエサルの姿が本人の笑いのツボに入ったのか必死に笑わない様に堪えてる様だ。

 

イリヤ「こ、これはちょっとヤバいんじゃない…;」

 

ルビー「そうですよねー;愛する人がまさかこんな風に変わっているとは…」

 

美遊「…それにしても変わり過ぎ;」

 

ロビンフッド「そりゃあ、初めて見た時のインパクト凄いからなコイツ…」

 

流石のおちょくり好きなルビーもうーんと唸り、美遊のにロビンフッドはうんうんと頷く。

 

ホント、どうしようか…と刹那も困った顔でマシュを見る。

 

刹那「真実を伝えたほうが良いかな?」

 

マシュ「……それは止めた方が……。夢を壊すようなものですし……」

 

ブレイブエリザ「でも……いつか露呈することよ」

 

エミヤ「そうだな…あいつから来てもおかしくないぞ」

 

聞く刹那にマシュも困った顔をしてそう返すがブレイブエリザのにエミヤは肯定して予想する。

 

トリスタン「悲しい……人は変わりゆくもの……。老いは醜いものではないというのに……」

 

そう歌ってからもう一度カエサルのを見て…

 

トリスタン「……老いどころではないですね……。今の歌は忘れてください……。この方はどう見てもストレスによる過食……ああ、哀しい……。これほどの変貌を遂げるストレスなど、アグラヴェインと同格でしょうに―――――」

 

凛「にしたって太り過ぎでしょこいつ!」

 

ルヴィア「確かに、これは…酷過ぎますわ;」

 

フォウ「フォー:」

 

訂正してそう言うトリスタンのに凛は叫び、ルヴィアも顔を引き攣らせてフォウもなんとも言えない感じに鳴く。

 

クレオパトラ「そこ、何を楽しそうにやっているのかしら!?妾も混ぜてほしいのだけど!」

 

イリヤ「あ、えっと、その…」

 

ルビー「アーコマリマシタネーコレハドウハナセバヨイノカー」

 

そんなメンバーに省かれたのでやって来たクレオパトラにイリヤはどう言えば良いかと棒読みの相棒を叩いてから思案しようとして…

 

ロマン『え、どうしたキミ?私を喚ぶ声がした?その声に応じる?』

 

エミヤ「おい、まさか…」

 

アレキサンダー「噂をすれば影って奴?」

 

その言葉に誰もがまさかと思う中で慌てたメドゥーサがロマンの代わりに言う。

 

メドゥーサ『た、大変です!カエサルがそちらにレイシフトしようとしています!!』

 

士郎「な、なに!?」

 

マシュ「ほ、ホントのようです!レイシフトします!」

 

イリヤ「え、ええええ!?」

 

ブレイブエリザ「ピンチ!それってつまり……!」

 

誰もが慌てるのにクレオパトラは首を傾げる中でそれは響いた。

 

???「私は来た!」

 

クレオパトラ「……!このお声は……!!

 

リリィ「ああ、来てしまいました…」

 

誰もがあーあーと不安そうに見る。

 

???「私は見た!」

 

クレオパトラ「カエサル様……!?そんな、もう再会だなんて!か、鏡。誰か鏡を持ってきて下さらない!?」

 

クロ「はいはい…」

 

慌てて言うクレオパトラにクロは頭を抑えながら鏡を投影して慌ててチェックするクレオパトラに誰もが顔を見合わせる。

 

刹那「エミヤ、クレオパトラが卒倒した時のためにクッション用意しといて」

 

ネロ「うむ、絶対に倒れる未来が見えるから用意しといて欲しい」

 

エミヤ「その方が良いな」

 

刹那とネロのにエミヤは承諾しながらつくづく思った。

 

サーヴァントは大体全盛期の状態で呼ばれるのだが、なぜカエサルはあの図体での姿で呼ばれたのだろうな…と

 

???「ならば次は、姿を現すだけのこと!」

 

ルビー「ついに姿を見せちゃいますね」

 

サファイヤ「そうですね姉さん」

 

誰もがハラハラする中…ついに…

 

クレオパトラ「カエサ―――――――」

 

カエサル「私だ!」

 

ババーン!と姿を見せたカエサルにクレオパトラは固まった。

 

その様子に誰もがあちゃあと頭を抱えたり、抑えたり、冷や汗を流したりする。

 

クレオパトラ「え"?」

 

カエサル「はっはっは、久しいなクレオパトラ。うむ?そう言えばこの姿で会うのは初めてか」

 

嬉しそうに言うカエサルだがかつてのスタイルからかけ離れた姿のにクレオパトラは言葉が出ずに茫然としていた。

 

そして…

 

クレオパトラ「……きゅぅ」

 

エミヤ「おっと」

 

目を回して倒れ込んだクレオパトラをエミヤがクッションで受け止めてから寝かせる。

 

うーんうーんと唸るクレオパトラにこれは重症だな…とエミヤはやれやれと頭を振る。

 

マシュ「ああ、やっぱり……」

 

茨木童子「現実を受け入れられずに気絶することで逃避したか……」

 

バゼット「そうみたいですね……」

 

誰もがその様子に同情する中でクレオパトラから光の球が飛び出す。

 

マシュ「あ、聖杯の欠片が出ました。一応、回収します」

 

クレオパトラ「……うう……丸い……丸い何かが……。ころころころころ……うう……」

 

凛「魘されているわね…」

 

ブレイブエリザ「……今すぐピラミッドと一緒に出ていけとは言えないわね……」

 

ここでゆっくり休んでもらいましょうと魘されているクレオパトラを見てのブレイブエリザのに、それが良いと誰もが同意する。

 

マシュ「ハロウィンが始まれば少しは心も和むかもしれません。そうですね、クレオパトラさんのためにも私達で精一杯ハロウィンを盛り上げましょう!」

 

イリヤ「そうですねマシュさん!」

 

リリィ「では早速準備をしましょう!」

 

誰もがマシュの提案に同意する中でクレオパトラが倒れた元凶もうむうむと頷く。

 

カエサル「良かろう!それでは私は誰を騙――――いや、説得すればいいのかな?」

 

エミヤ「今何と言い掛けた;」

 

刹那「うん、エミヤ、しばらく縛っておいて;」

 

トリスタン「私が見張りをしときましょう」

 

イリヤ「あははははは;」

 

衛宮により捕縛されて縛られるカエサルを見ながらイリヤはもう空笑いするしかなかった。

 

最後がなんとも言えない感じだったが、なんとか立ち直ったクレオパトラと共に刹那達はハロウィンを楽しんだのであった。

 

そして…

 

クレオパトラ「ふ、絨毯にくるまっているとでも思ったかしら! ……ええ、少しだけ考えましたが召喚の挨拶なので遠慮しておきました。妾は最後のファラオ、クレオパトラ七世フィロパトル。そして控えなさいマスター、太陽より頭が高くてよ?」

 

刹那「うん。クレオパトラ、これからよろしくね!」

 

カルデアに戻り、少ししてから召喚されたクレオパトラに刹那はそう言った。

 

なお…エリザベートとハロウィンエリザが合体した事で誕生したブレイブエリザはと言うとスカサハの手により、なんとかブレイブエリザを残したまま、2人を戻したのだが…

 

エリザベート「メインボーカルはアタシよ!」

 

ハロウィンエリザ「何言ってるの!アタシに決まってるでしょ!」

 

ブレイブエリザ「どっちも違うわよ!ボーカルは勇者であるアタシよ!」

 

ネロ「否、ボーカルは皇帝である余の役目だ!」

 

歌う事での立ち位置で良くぎゃあぎゃあ騒ぎまくるのをよく見る事になった。

 

エミヤ「やれやれ、もっと騒がしくなったな」

 

刹那「そうだねー」

 

それにエミヤは呆れ、刹那も苦笑しながらまぁ、良いかと笑う。

 

こうして、ハロウィンであった出来事は終わったのであった。

 

なお、時たまカエサルをダイエットさせようと彼を追いかけるクレオパトラをイリヤ達は見かけるが些細な話である。

 

 

オマケ

 

カルデアに戻った直後の出来事

 

頼光「待ちなさいそこの2人!」

 

清姫「うふふふふふふふふ」

 

茨木「ひぃぃぃぃぃぃ!?」

 

ニトクリス「あぶない!?」

 

嘘付いてたのがバレて頼光と清姫に追い掛け回される羽目になった茨木童子とニトクリスであった。

 

刹那「ちゃんちゃん」

 

ニトクリス「ちゃんちゃんじゃないですよ~!!」

 

茨木「やっぱ愛こわいぃぃぃぃぃぃ!」




お知らせです

この作品の執筆が原作の展開待ちの状態になってしまったのでこの長編の後の時間軸でFGOの原作のイベントや特異点にイリヤ達が巻き込まれるのを別枠の長編として投稿します。

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