落ちた欠片   作:半径1mm

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どうも半径1mmです。
前回の投稿から大分経ってしまって申し訳ございません。

ではよろしくお願い申し上げまする。


お父さんとお母さんと日常と

〜光陰邸 side リインフォース〜

 

私達がここに来てから2ヶ月余り経ち季節が秋になりつつある。

私以外の守護騎士達は子供の姿になり、シグナムとシャマルはおよそ3歳くらいでヴィータは2歳ちょっと、ザフィーラはよくわからない。ちなみに私は16歳と言う設定にされ、高等学校に通わされている。

プログラムだから成長しないと思っていたのだが、どうやら初期化の影響かなにかで肉体が形成されているみたいで成長するらしい、私は元々デバイスとして形成されている為初期化での記憶消失や身体的影響を受けなかったみたいだ。なので私が守護騎士達の面倒を見ているのだが主であるはやても、また子供である為やんちゃ盛りだ。護の方は大人しいが夏の日差しが無くなってからは良く屋敷を脱走するようになり真島さんと一緒に探しに出るのだ。まあ大抵は近くの山で鍛錬みたいなことしているらしく、最初は子供の戯言くらいに思っていたのだが実際に行ってみると精神統一をしていたり丸太を立てサンドバッグの代わりしていたりと鍛錬らしい鍛錬をしていたので驚いた。

 

ちなみに私達全員、光陰家の養子と言うことで受け入れてもらった。

父上と母上には感謝しているがこの地では住民登録や出生登録など必要らしくどう取り揃えたのか聞いてみたが話してくれない。どうも裏で色々やってくれたらしい。

 

「どうしたんやリインフォース、難しい顔して。」

「いえ、母上や父上には感謝しきれないと思いまして…」

 

そして休日のある日偶々家に帰って来た母上と一緒に茶を飲んでいる。

 

「そんな気にしへんのにな…まあ今までの悲しいことなんて忘れて楽しみーや。」

「…はい。」

「それにしても、随分我が家も賑やかになったもんやな。」

 

そう言って母上は庭を覗き込み外で遊んでいるシグナム、シャマル、ヴィータ、ナスカ、ザフィーラ、はやてを見る。

 

「はやてはまだ自力で立ち上がることや歩行は出来ないですがリハビリをちゃんとしているので小学校に上がるまでには歩く事も出来ますよ。」

「せやな、ホンマによかったわ…」

 

母上は嬉しそうな顔でそう言った。

 

「そや、護はいまどないしとる?」

「…まだ寝ています。」

 

現在の時刻は午前11時、普通の子ならとっくに起きているはずなのだが…

 

「あの子は相変わらずやな…」

「ええ、寝るのは子供の特権だ!とか言ってずっと寝ていますね…ホントに子供かって疑いたくなりますがね…」

「…まあそないな性格って思うとかんとね…」

 

普通の子なら子供の特権とか言わないはずだがあの子はよく子供の特権と言って色々する…いや、やらかすと言った方が良いだろう。

 

「ジェイル達も変わりあらへんのか?」

「まあ変わらないと言えば変わりないのですが…ウーノ、クアットロ、チンクは良くショッピングに行っていますね。ジェイルは変わらずといった感じだったのですが、最近は研究の合間を縫ってテレビゲームやこの家の防御プログラムなど作るようになったことでしょうかね。」

「…彼等も随分変わったもんやな…最初ん頃はどうないなことになるか心配やったけどそれなら大丈夫そうやな。」

「うわぁーーーん!!」

 

近頃の状況を話していると外からヴィータの泣き声が聞こえて来た。

私は慌てて外に出るとヴィータが地面に座り込みみんなが慌てていた。

 

「どうしたんだ!?」

「リイン!ヴィータが転んで泣いてもうたんよ。」

 

私は状況を理解したところでヴィータの元に行き抱っこしてやった。

ヴィータは私の洋服をギュッと握って抱きついてきた。

 

「ヴィータよ、怪我は無いか?」

「ヒクッ…ひざ…ヒクッ…」

 

どうやら膝を擦りむいてしまったらしく、見てみると確かに少量の血が出ていた。

今までだったらこんなものとか言って放っておいたのだろうが何しろ記憶がない完璧な子供なのだ、無理も無いだろう。

 

「痛かったな、では洗いに行くか。」

「…ヒクッ…うん…」

 

そう言って私はヴィータの頭を撫でる。

 

「良い子だ、みんな遊んでていいぞ。」

「で、でも…」

「…誰の所為でもないのだ、気にすることはない…遊んでる以上怪我は付き物だ、気を付けて遊べ。」

 

そう言い残し私はヴィータを抱っこして屋敷に戻る。

 

「ふふ、すっかりお姉さんになってもうてるな。」

「は、母上…仕方がないですよ、子供なのですから。」

 

私は一度ヴィータを見てから笑顔でそう言い、風呂場へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side ウーノ〜

 

ショッピングに来たついでに外食を取ると言うことになり、ファミレスに来ている。

 

「しかし、今日はいっぱい買ってしまいましたわね…」

「そうだな…」

「そうですね…」

 

私達は4人掛けのテーブル席の一角を見てそう言った。

大きな紙袋4つにそこそこ大きいビニール袋2つ。

中は多種多様だが主に服…子供服だ。

 

「まあ仕方がないです、子供達の為なのだから。」

「うむ、確かにあれくらいの子達を見ているとこちらも楽しく感じるな。」

「…私達、だいぶ変わりましたわね…」

「どうしたの、急に。」

「子供達の笑顔を見て可愛いとか、楽しいなんて考えることがなかったのに…それにショッピングや服装、食べ物などもきにしたことなんてありませんでしたのに…」

 

クアットロは若干俯きながら言った。

 

「そうね…でもヴィータにクア姉って呼ばれて抱きつかれた時のあなたの表情は凄い事になってたわよ。」

「や、やめて下さい。」

「確かにあんな無垢な笑顔で抱きつかれたら堕ちるかもしれないな。」

 

チンクはそう言いうんうんと頷いた。

 

「確かにそうね…これでクアットロの性癖が元に戻ればいいのだけど…」

「いや姉よ、最近は子供服のカタログや育児本などを買っているから少しは元に戻ったのかもしれないぞ。」

「へぇ〜貴女がねぇ〜」

 

私はニコニコしながらクアットロの方を向く。クアットロは頰を赤くし完全に俯いてしまった。

そして急に顔を上げ口を開いた。

 

「いいですわ!チンクちゃんまでそんな事言うならこの前あの子達と一緒に寝ていたチンクちゃんの画像をネットばら撒きますわ!」

「なっ!?何故それを知っている!?」

「そりゃ夕飯の時間になっても来ないので見に行ったら偶々一緒に寝ているところを目撃したので携帯でパシャりと…あ、ちなみにみんな知っていますわよ?」

 

クアットロは写真を撮る真似をしながら言った。

まあ、確かに可愛かったので私も写真に収めてしまったが…

 

「さ、それよりも早く注文して帰りますよ。」

「そ、そんなことって…」

「う、ウーノお姉様が振ってきたのに…」

 

そう言いながらも渋々メニュー表を見始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

「ふう、食べましたわ。」

「やはりこうゆうところの料理も侮れんな。」

「今度は違うところにでも行きたいですね。」

『ピロロリン』

「メール?」

 

ファミレスを出た直後、携帯にメールを受信したので確認をする。

 

「どなたからですの?」

「旦那様からだわ、今どこにいる?近くにいるなら迎えに行くよって…取り敢えずいつものショッピングモールって送っておきましょう。」

「そうですわ…」

「あれ、ウーノちゃん?」

 

名前を呼ばれ振り返るとそこにはメールの送り主である光陰家の当主がいた…紙袋を2つほど持って…

 

「旦那様もこちらに来ていたのですね。」

「まあね、家族が増えたことだし色々と買え揃えておこうかなって思ってね…そういう君達も…」

「御察しの通りですわ。」

 

クアットロがそう言い4人とも苦笑いになる。

 

「じゃ車で来てるから一緒に帰ろうか。」

「そ、その大丈夫でしょうか?」

「ん?なにが?」

「いえ、私達は一応あなたに雇われている身で雇い主であるあなたの車に乗らせてもらうなんて…」

「…そゆことね、別に僕は気にしないしそれに今はオフだ、上下関係なんて関係ないさ…それに一緒に住んでいるんだし家族同然でしょ?」

「「「家族…」」」

「うん、ほら行くよ。」

 

そう言い残し歩き始めた雇い主の後ろを私達3人は追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side 護〜

おはようございます、現在昼の12時40分でござる…かれこれ12時間以上は寝ていましたよ。

起き上がり部屋のカーテンを開けて外を覗くとはやてちゃんたちが外で遊んでいた。

歯磨きしたいし髪の毛整えたいし洗面所に向かいますかね…

そう思いながら軽く手櫛で整えながら扉を開ける。

 

「おそようございます。」

「うん、おそよう。」

 

なんと田島が出待ちしておりました。

そして何も無かったかのように歩き始めるとその後ろを田島が付いてくる。

 

「随分寝ておりましたね。」

「寝る子は育つとも言うし寝てられるのは子供の特権だろ?」

「はあ、その様にご理解できる方が子供とは思えませんがね。」

「うん、よく言われる…ところで田島。」

「なんでしょうか?」

「あんたも闇の書については知ってたんだよな?」

「…はい…」

 

俺が唐突に質問を投げると普通に返してきた。

 

「もう察しておるかもしれませんが私達使用人は全員魔道士でここの世界の名前も偽名です…それと過去、闇の書に大切な物を奪われた者達です。」

「そこまで察してた通り、俺が気になるのはそこではなく、何故復讐に走らないのかというところだ。」

「…私と中島は旦那様に言われたのです。」

「言われた?」

「はい、現実を受け入れ現実をその目に焼き付けろと…私達も当初は忌々しい闇の書、及び主に復讐をと思いここに来ましたが…闇の書によって苦しんでいるのは私達だけでなく、また主も苦しんでいると言う事実…過去の主には非道を尽くした者もいるかもしれませんが今回は違う…あんなにも幼い子が辛い現実を受け入れ一生懸命生きているのに我々は現実を受け入れられずに復讐に走ろうとした…単に言ってしまえば彼女に感化されたというところですね。」

「そっか、じゃやっと現実を受け入れ現実を見ることが出来たんだな。」

「はい…」

 

田島は静かに答えた…真島は強いね…

そして、少し歩き進むとヴィータを抱っこしたリインが歩いているのが見えた。

 

「あれ、リイン?どしたの?」

「護に真島か、いやヴィータが庭で転んでしまって膝を擦りむいてしまったので洗ってやろうと思ってな。」

 

そう言ってリインフォースは軽く溜息を吐き一緒に歩き始める。

 

「しかし本当に子供になってしまったのですね。」

「ああ、私以外全員子供になってしまった…最初こそ戸惑ったが今ではただただ可愛い子供達だ、この幸せが長く続いてほしい者だ…」

 

リインフォースはどこか遠くを見るようにそう言った。

 

「違うぞリイン、これからはこれが現実でこの生活が続くんだ…お前はもう自由なんだからそんな考えを持つな。」

「…そうです、貴女達は永遠に近い時間を呪いを背負い生きて来た…死んでいった人達も居ます…でもそれはそれ、しっかりと今までの分生きることが死者への弔いです、しっかりと生きてください。」

「…はい。」

 

リインは静かに返事をした。

 

「それにしてもヴィータは泣き虫だな。」

「グス…痛ーもんは痛ーんだよ…グス…」

 

ヴィータはリインにしがみつきながらそう言う。

 

「俺なんかそんなことで泣いたこと無いけどな。」

「貴方が異常なだけですよ。」

「え?」

「え、じゃないですよ…勝手に木登りして落ちて骨折した時さえも泣かなかったと真島が言っていましたよ、それに普通の子なら鍛錬なんて言葉すら知らないはずなのに常に鍛錬している貴方はやはり異常です。」

「そ、そんなに泣かないものなのか護は?」

「まあ泣かなかったの確かだけどあんなの気にしなければタダの怪我だからそのうち治るだろうって考えてるから痛くても気にしないって言った方がいいのかな?」

 

ちょっと可愛子ぶって首を傾げながら言ったが田島は呆れ顔でリインはちょっと驚いた顔をしている。

 

「…やっぱり異常なのか…」

「い、いや異常では無いとは思うが…それはもう少し大きくなってからの感性であってまだまだ成長期にすら入って無い君が考える事では無いとは思うが…」

「いえ、そこはしっかり異常と言ってやって下さい。」

 

酷い言われようである。

そんなこんなで洗面所に着き各々の事を始める、俺は顔を洗い田島は俺の髪を整えリインはヴィータの膝を洗いヴィータは大人しく洗われてる。

 

「しかし、護様の髪の毛は相変わらず長く綺麗ですね。」

「それなあ、切ろうと思うと真島が泣きながら止めてくるし最近はそれにクアトロも加わってくるし。」

「確かに、護は女の子みたいに可愛く感じる。」

 

リインまでもが俺を女の子扱いしてきやがる始末である。

 

「まあ確かにリインに最初、主の姉か妹か、って言われたしな。」

「そ、そう見えてしまったのだから仕方がないだろう、見た目が本当に女の子の様にしか見えないのだから。」

『そうですよますたー、貴方は女の子みたいなんだから間違えられたって仕方がないの!』

 

ここで突然のガイアさんが参戦だ!

 

『ガイアよ、お坊ちゃまはそれをお気になされているのだ、口にする事ではないぞ。』

『違うわよジェイド!ますたーのあの見た目は男を欺く為になるのよ、この前のドラマでもやってたでしょ?」

『…なるほど、悪い男を欺き悪行を明白にする為に女の子のような見た目をしているのだな。』

「お前ら…好き放題言いやがって…」

 

て言うかドラマってなにさ、貴方達はちょっと人間味が増しすぎじゃなくて?

 

「なあなあ護にい。」

 

突然ヴィータが話しかけてきた。

 

「なんだい?」

「護にいは男なのか?それとも女なのか?」

「…歴とした男でございまするよ…」

「そうなのか…でもそうすると家族に護にいと田島さんしか男がいないんだな…」

「「「『『んん?』』」」」

 

ヴィータ以外の全員がハモり疑問符を浮かべた。

 

「ちょっと待てヴィータ、お父様はどうした?」

「ん?パパは女じゃねーのか?」

 

そして突然のカミングアウトヴィータさん。

 

「……お父様は男性だ、ヴィータ…」

「え?だって男って田島さんみたいにカッコいい人のこと言うんじゃねーのか?パパは髪の毛長くて女みたいに後ろで縛ってるぞ?」

「俺も後ろで縛ってるぞ…」

「あ、そう言えばそうだな…じゃパパも男なのか……」

 

ヴィータはふーんと言いながら足をブラブラさせる。

 

「ヴ、ヴィータ、取り敢えずリビングに行って消毒して絆創膏を貼るぞ。」

「うん。」

「では、先に行ってる。」

 

そう言って2人は先に洗面所を出て行った。

 

「田島…」

「…なんでしょうか…」

「あのままじゃ不味くない?」

「左様ですね。」

「そろそろあいつら買い物とかさせて外の事見せなきゃだな。」

「そうですね、ではウーノあたりに頼んだらどうでしょうか?彼女達は暇さえあれば買い物に行っていますから…」

「そうだな、それともう1人護衛を付けさせれば十分か。」

「はい、それは真島にでもやらせます。」

「…あいつで大丈夫なのか?」

「…ちょっとだけお小遣いをあげれば安心と安全の護衛になりますよ。」

「…あいつそんなに金ないのか?ここでの給与悪くないはずだろ。」

「ええ、一般の会社よりも3、4倍は良いですけど彼女はお金遣い荒いので…」

「…まじか…」

 

真島の事がすごく心配になってきた…

まさか俺が真島を心配に思う時がくるとはな…

 

「それと別件になるのですが旦那様と奥様が護様とはやて様にお話があると言う事ですので身支度が整ったらお顔を見せに行ってあげて下さいね。」

「はいよ。」

 

俺は返事をして部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side はやて〜

リインがヴィータを連れて行った後私はお母さんに呼び出されいまはお父さんの書斎にいる。

 

「ここでの生活はどうや?」

「はい、大分よーしても貰ってるんで凄く過ごしやすいです。」

「そりゃ良かった、まあ急に家族が増えた事には驚いとったけど。」

 

お母さんはいそう言った後ハハっと笑った。

 

「なんか、ごめんなさい…」

「別に構わへん、家族が増えればもっと楽しゅーなるしな、それに私ら夫婦はほとんど家におらへかったんやから言える義理はあらへんよ。」

「それもそうですけど、私の時と言い闇の書と言い…それにリインまで学校に入れもらうて…」

「その気持分からへんことないけどな…はやてもそうだけどな、リインちゃんも考え過ぎなんよ…人は生まれながらにして幸福を得る権利が与えられる、今が幸せならそれでよし、もっと幸せになりたいんなら頑張ればいいだけや、はやてはまだ幼いからまだしもリインちゃんなんか普通も分かっとらんのだからまずは普通に過ごさせなあかん…その後にでも幸せが分かればいいんや。」

「…はい。」

 

あまりお父さんお母さんとは話したことが無かったけど初めて会った時との印象は変わらず不思議と和み落ち着く。

 

「しかし、護は遅いな…」

「それならまだ寝とると思います、寝る事が子供の特権だとか言うてますけど…」

「はは、護らしいな。」

「お母さんはあんま驚かへんのか?」

「ん?子供らしからぬ発言にか?」

「うん。」

「そうやな…昔こそ驚いとったけど今は慣れたな、赤ん坊なのに新聞読んだり本を自分で読んだりなんてザラだったかんな、驚くにしても今更過ぎて驚けないんよ。」

 

赤ん坊時からってどうゆうこっちゃ…

 

「それって…神童とか呼ばれる…」

「いや、ちゃうと思うで…なんや生まれながらにして現実を知っとるとか生まれる前から生きとったみたいな?」

「…前世ってやつやな…」

「そうそう、それそれ…まあでも私らの息子には変わらへんから気にせーへんけどな。」

「なんやお気楽やな…」

「気楽が我が家のモットーやからな、それに今は大事な可愛い娘もおるしな」

「…ありがとうございます。」

 

私がそう返事をするとお母さんはうんうんと頷いた。

それにしても前世か…そんなのがホンマにあるもんなんかな…

 

「来たぞー。」

「ホンマに遅かったな。」

 

噂をすればなんとやらだ、護くんがやって来た。

 

「全くさ、帰って来るなら連絡してくれればいいのに。」

「仕方ないやろ、驚かせとうくて連絡無しなんやから。」

「至極くだらない理由ですね…で話って何?」

 

普通親なら仕事が忙しくてとかの理由の筈なのにな…

 

「せやな、2年後に控えた学校の話からやな…学校は海鳴大学付属小学校、ここなら多少の融通は利くから色々便利なんや。」

「でもそこって私立で高いんやないんか?」

「そうやな、一般の方々すれば高い、でも我が家からすれば信頼も出来融通も利くちゅうことでここや…お金の心配とかしとるやったらそれは場違いやではやて。」

「ご、ごめなさい…」

 

お母さんに子供がそんなこと考えるじゃないって感じの威圧をかけられ謝ってしもうた。

 

「そんでもってもう一つ報告があるんや。」

「「もう一つ?」」

「せや、そのなんちゅうか…あれだなこれからは私らもここで暮らすことになるんや。」

「…急にどしたのさ…」

 

護くんがそう言うとお母さんは顔を真っ赤にしながら口を開く。

 

「お、おめでとうございます!お兄ちゃんとお姉ちゃんになります!!」

「「……えっ?」」

 

お母さんは他人事の様にいい、私達は驚いた。

 

「…なに他人事の様に言うとんねん!!」

「いやな、なんか小っ恥ずかしくてな…」

「予定日は?」

「後二ヶ月…」

「「……」」

 

なんや急過ぎて私達は黙り込んでしまった。

 

「なあ一ついいか?」

「は、はい!」

 

護くんが妙なプレッシャーを放ちながらお母さんに尋ねる。

 

「んなギリギリまで踏ん張ってから急に戻って来んじゃねーよ!!お腹にいる子の負担とか考えなかったのか!?」

「い、いやなちゃんと報告はせなあかんなと思うて戻って来たんや…」

「…お前ら夫婦は揃いも揃って…」

 

護くんがフルフル震えだし、お説教タイムが始まった。

子が親に説教するなんて普通はありえへんかもしれないけど…まあ護くんは新しい命の心配をしてるのだから仕方ないか…

 

そう思いながら私は笑顔で窓の外を覗いた。

 




ふと思ってたんですけどA’sとstsどう纏めたらいいのかなと…
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