勇者代理は現代兵器とともに   作:Bishop1911

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自分に前世の知識があることを明かした俺は、変に隠したり取り繕ったりせず、アマンダとともに庭で銃を撃っていた。

まだ身体が小さいため最初はAR-7を使っての射撃になるが、射撃自体は大学生の頃にエアガンを使ってよくやっていた。

 

「上手いな。死ぬ前も射撃をしてたのか?」

 

「本物は撃ったこと無かったけど、エアガn…オモチャの銃は撃ったことあるよ。」

 

召喚したAR-7は問題なく的にしていた丸太に全弾命中し、アマンダにも褒められた。

しかし、獣人の筋力だからなのか反動は限りなくゼロに近い。

なんなら改造次第ではエアガンの方が強い反動にできるだろう。

海外では10歳くらいからAR-15を撃っている子どもも居るくらいだし、今の俺の体格でも5.56mmくらいなら大丈夫そうだ。

 

「銃も使えるとなればそろそろ森に入っても良いとは思うが…」

 

アマンダの視線は俺の撃った22LR弾の薬莢を見ている。

 

「もう少し大きい弾の銃は無いのか?」

 

「あるとは思うけど…」

 

俺は頭の中のデータベースを探す。

この時代でも違和感無い見た目で狩猟にもギリギリ使える銃…

大戦期の小銃はサイズが大きい上に弾も大きい。

となると第二次世界大戦中か戦後の銃だが、M1カービンかSKSが無難なところだろうか?

できれば弾薬はこの国で手に入る物にしたいが、ちょうど良いサイズの弾が無い。同じ理由でSKSも除外。下手にマニアックな銃を召喚して頻繁に故障されたら目も当てられないのでその他諸々ほぼ全部却下。

消去法でM1カービンか…Mini-14もどうだろう?

俺はアマンダの許しを得てその2丁を召喚した。

 

「こっちはM1カービンでこっちはMini-14っていう銃だよ。」

 

「カービンということは騎兵用か。こっちのミニってどういう意味だ?これより大きいサイズがあるのか?」

 

なんだかんだでアマンダも元軍人だ。興味はあるのだろう。

最初の約束はどこへ行ったのやら、言われるがままに俺はMini-14の命名元になったM-14も召喚する。

 

「確かに大きいな…。」

 

「俺には大きくてまだ使えないよ。」

 

俺はその重さに腕を震わせながらアマンダにM-14を渡す。

受け取ったアマンダは軽々とM-14を構え、振り回している。

 

「もし良かったら使ってみて。弾は俺が召喚するしか入手方法が無いと思うけど。」

 

「良いのか?ありがとう。」

 

いつも通りの声色ではあったが、珍しくアマンダの尻尾が揺れていた。

どうやら喜んでくれたようだ。

アマンダは自動小銃自体使う事が初めてらしかったため、M-14とMini-14の使い方をひと通り教え、それぞれの銃の弾を込めた。

アマンダはM-14を構え、引き金を引く。

 

ダンッ

 

銃口から発せられた衝撃波が全身を撫で、的にしていた丸太が弾ける。

排莢口から打ち上げられた空薬莢が弧を描いて地面に落ち、雪を溶かす。

 

「かなり軽いが、魔物相手にも充分使えそうだな。」

 

アマンダはそのまま銃を構え直して連射する。

弾倉に残っていた19発を撃ち切る頃には丸太が粉々になってしまっていたが、M-14がよほど気に入ったのかアマンダは軽い足取りで次の丸太を取りに行く。

 

「ルーク、もう一度撃っていいか?」

 

俺は弾倉に5発だけ弾を入れてアマンダに手渡す。

俺は首を傾げるアマンダのM-14を操作し、セレクターレバーを回転させる。

 

「今度は連射を試して欲しいんだ。」

 

「なるほどな。それじゃあ撃つぞ。」

 

俺が耳を倒して手で抑えたのを確認すると、アマンダもM-14を構えて引き金を絞る。

 

ダダダダダッ

「……っ!」

 

1発目と2発目はなんとか反動を抑えたアマンダも3発目と4発目で銃口が上に跳ね上がった。5発目を撃つ頃には銃口が45度ほど上を向き、アマンダの身体は反動で後ろによろめいた。

 

「くっ…とんでもない反動だな…。」

 

この時代でフルサイズのライフル弾を撃てる銃と言えば、ボルトアクションの小銃や軽機関銃くらいだからだろう。

多少パワーは落ちているとは言え、いくらアマンダでも4.5kgの銃で7.62×51mm弾のフルオート射撃には難があるようだ。

もしかするとドワーフやオーガのような体格の良い種族なら扱いは容易なのかもしれない。

 

「しかし、お前の世界の銃はすごいな…。

この世界でこの威力の弾を連射できる銃と言えば機関銃くらいだ。」

 

「いや、俺の世界の基準だとこの銃はこの世界の30〜40年後に生まれた銃だからだよ。だから…」

 

そうだ…このレベルの銃はまだこの世界に存在しない。

俺が前世の武器を召喚するたびにこの世界のバランスを崩す事になる。

今さらながらアマンダに言われたことの重要性を俺は理解した。

『アマンダのアルバムに写っている銃に似た見た目の銃しか召喚しない』…つまりこの世界の文明レベルに合わせた銃に限定しろということだ。

もし俺がこれを破れば、この世界に際限なく半世紀以上先の技術で作られた銃をばら撒けることになってしまう。

これが農機具や食べ物だったらまた違ったのかもしれないが、俺が召喚できるのは“兵器”だ。銃は狩猟や護身、スポーツなど様々な用途に使われているが、どの用途にも共通して言えるのは全て破壊するだけで創造できる事はない。

 

「だから…?」

 

「だから…アマンダの言う通りあまりこの力は使っちゃダメだね…。」

 

「…そうだな。」

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