完成した次話を投稿しようとした時。
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えっ!? 評価めっちゃ上がってる!?!?!?
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えっ!? コメントめっちゃあるんだけど!?!?
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えっ!? 何で今後の流れバレてんの!?Σ(゚д゚;)
と言ったことがありまして……次話を完全に作り直し。今後の展開を再検討しているうちにこんな時期になってしまいました。
ギリギリですが11月以内に出せたので許してください。
風鳴翼が件の現場へ向かった後、彼女がつい先程までいた僅かな光源だけの空間ではキーボードを叩く音やコンピュータ機器の読み込み音が木霊していた。 今も慌ただしいが、最初の発生時と比べると落ち着きを取り戻して各個人の役職を全うしていた。
「全ノイズの消滅を確認しました。自然消滅時間に達した模様です」
「続けて現場に翼さんの到着を確認。別衛星、別カメラからの映像を入手。スクリーン変えます」
正面に設けられた巨大スクリーンに最も近い場所にいた役員が報告をして手元のキーボードを操作。そして最後にエンターキーを押すとスクリーンの映像が切り替わる。
「映像、出ます」
最初、ガングニールの少女を発見した場所の映像から切り替わって、工業地帯の様子が映し出された。この場にいる人全ての視線がスクリーンへと集中する。
スクリーンに映し出された工業地帯の様子。そこに映し出されているのは、謎のガングニールの少女とギアをまとった風鳴翼。そして、正体不明の人型の三名だった。
「……やはりこうなってしまうか。やむを得ん状況だったとは言え、これはマズイな」
暗がりの空間の中。その中で最も高い位置に立っている男が声を上げた。赤い半袖を着ていて、体はかなりの筋肉質なその男は仁王立ちをしながらスクリーンの映像を渋い顔で見ていた。
映し出されている映像の中。翼は得物を構えて人型と対峙している。一番重要な謎のガングニールの少女が蚊帳の外にいた。
「やむを得えん、か……」
男は胸元で組んでいた腕を解いて頭を掻いた。
そして、三歩前へ前進して下を見下ろす。下を見るとコンピュータを管理している沢山の仲間の姿がよく見れた。男の視線がその中の一人を捉える。白衣を着た女性だ。他の仲間と同じく作業をこなしているが、動きは他と比べて様になっていた。
「了子君」
男に了子と呼ばれた女性は手を止めて上の方、男を見上げた。
「どしたの?」
予想しないタイミングで呼ばれたからなのか、了子はきょとんとした顔で男を見た。男はとても難しい顔をしていている。難しいことでも考えているのか、だがこれから何かをやろうとしてるのは何となく分かった。
まさか、と了子の思考に男がこれからやろうとすることが思い浮かぶ。
「ちょっと、もしかして!?」
「あぁ、そんなとこだ。ちょっくら行ってくる」
それだけ言って男は後ろを振り返って、翼が入ってきた時のと同じ扉へ足を進めた。
突然のことで二人の会話を聞いた周りが少し騒がしくなる。
「ちょ、算段とかあるの!?」
「任せてくれ。悪いようにはならないさ」
扉が開閉する音が聞こえた。それ以降、男の声は聞こえてくることがなかった。
「はぁ……」
「……うまくいくのでしょうか?」
男が今までいた場所目を離してため息をついた時、一人が疑問を口にした。それはこの場にいる全員が言葉に出さなくても思っている事だろう。彼女、櫻井 了子一人を除いては、だが。
「無策で行く人に上手くいくかいかないか言ってもねぇー」
「え?」
どこか諦めた口調で言うと、彼女は自分の席に向き直って再びキーボードを叩き初めた。
この場にいる彼女以外のメンバーは突然のことに不安を抱いていた。その内の一人が了子に問いかける。
「無策って……それが分かっていたのにどうして止めなかったんですか?」
「止めるって、あの人がやめてって言えばやめる人に見える? それに今回が初めてじゃないでしょ?」
「それは、そうですけど……」
「でしょ。確かに今回はいつもと違うかもしれないけれどあの人が任せろって言ったんだから任せていいんじゃない?」
了子は周りを見渡してみる。どうやら周りも同じことを考えている様で雰囲気があまりよろしくなかった。今言った通り、今回は今までと違ってどうなるか分からない点があまりにも多い。中でも謎の人型の存在が大きいだろう。何しろデータが無いに等しい上に現状の翼があれでは皆が不安になってしまうのも当たり前だ。
「翼ちゃんとは連絡つかないのー?」
「はい……どうやら翼さん、通信機を切っている様で」
うーん、と唸りながら了子は頭を捻った。今あの人が向かっているところだがそれまでに何も起こらないということはまず無い。現場で連絡をとれる唯一の人物が連絡拒否の姿勢を取っている今、対応できる手段は限られている。
「衛星と周囲のカメラ。使えるもの全部使って情報収集をお願い。それとあのガングニールの子のことも調べてちょうだい」
画面に映るガングニールの奏者。どういった経路でそれを手に入れたかは分からないが彼女の身元が分かれば見えてくるかもしれない。人型の時と同じ何も得られないなんてことは無いと願いたい。
「あとはあの人型かぁ……」
姿を現したのは今回で三回目。その全てにはノイズに敵対する形で登場しているが、未だにまともな情報が全くないのが現状である。唯一分かっていることと言えば──
(いや、それは今後分かることか)
なんにせよ、今この現状に役立てられるものは一切ない。まともなサポートができない今、できることと言えばできる限り多くの情報を記録することくらいである。
当たり前だが、工業地帯である向こうの現場は危険物が他と比べて多い。万が一、大きな衝突があれば大惨事になりかねない。その手の人員も用意しておくべきだろう。
「そんなことならないと思いたいところだけど。今の翼ちゃん、どれだけ自分を抑えられるかしらねぇ」
メディカルチェックで、風鳴翼の状態に特に問題ないという結果に終わったのだが精神状態に関しては少なからず問題がある筈なのだ。そうでなければ通信機を自らの意思で切るなんてことはしない。
「もしかしたら人型より翼ちゃんの方が問題ありありかもね〜」
昨日のギアをまとった翼と人型との接触を思い返す。翼も最初の方は人型と対話での接触を試みていたが、ものの数分後には実力行使に移ってしまっていた。今考えてもあの時の彼女の行動には疑問を感じてしまうのだが、今の考えるべきはそこではない。
「現状の展開は人型の行動によるって感じね。昨日のことから考えてノイズ以外には好戦的でないような気もするけど、アレのまともな判断に願うしかないか。逃げられちゃったら困っちゃうけど」
結局、考えても今やれることが増えたり変わったりすることはなかった。今後の展開が好転するには第三者の介入がなくては期待出来ないのが現状である。
少しの間考えている内に、気づけば周りの皆は自分の出した指示に従って各々作業を再開していた。指示を出した自分が何もやらないのは良くないと彼女もキーボードへ手を伸ばすが、その前に。
「んーと」
喉が乾いた。
キーボードの側に置いておいたマグカップに手を伸ばす。確かコーヒーを入れてそのままにしていた筈。既に冷めているだろうが、喉を潤わせられるのならどうでも良かった。手に取って口元まで運んで飲もうとした時、
「あら、空っぽだったか」
どうやら飲みきっていたらしい。切迫した状況下で、なんとも間の抜けた声を彼女は漏らすのだった。
◆
夜の工業地帯の一角。ある程度破壊さているそこ一帯は、火災は起きていないものの小規模の煙が立ち込めていた。
その中で謎の人型、魔進チェイサーと葵い髪の少女、風鳴翼が対立していた。空から飛来した翼は地面からそびえる巨大大剣の上から彼を見下ろし、対してチェイサーは立ち込める煙の中で彼女を見上げていた。
翼が大剣の上から降りる。十メートルは確実にあるであろう高さから、まるで段差から降りるような感じで降りてみせた。スタッ、と高い所から降りたとは思えない軽やかな着地をして、姿勢を構える。
「………昨日の様には行きません」
向けられた切先がチェイサーを捉える。この後に流れる結末は考えるまでもなかった。
「覚悟──」
「待ってくださいっ!」
そこへ、予想しなかった人物が翼とチェイサーの間に割って入る。ノイズと遭遇して、子供と逃げていたあの少女だ。しかし彼女の服装はあんなものだったろうか。今の彼女の身なりは、形状が異なっているも特徴が翼の衣装と似た物に見えた。
チェイサーに背を向け、少女は翼と対峙する。すると、両手を横に伸して後ろのチェイサーを庇う姿勢を取り始めた。
「翼さん、この人は私たちを助けてくれました! だから悪い人じゃないんです!」
後ろのチェイサーを庇って翼に訴えかける少女。目の前で襲われかけているのを見せられた彼女は自分を助けてくれた人がどうしてそうなるのか納得できなかったのだ。その言葉に嘘はない。
だが、感情を限りなく殺した目の前の女にその言葉は届かなった。
「……どきなさい。貴方が何者なのかは知らないけど、そこの人型と仲間なら──」
「顔も名前もなんにも知りません。だけど、この人は私を、私と一緒に逃げてた子供を助けてくれたんです。たくさんのノイズと戦ってくれてたんです! なのにどーしてこうなっちゃうんですか!」
今まで鉄の仮面をかぶっていた翼の顔がついに歪む。不愉快、邪魔。そんな感情が彼女から滲み出てきていた。
「あなたの私情は聞いてません。これはこちらの問題。部外者は──いえ、そう言えばそうですね……」
「……え?」
否定を口ずさんできた翼だが、ひと思い出したかの様に口調を変えた。彼女の冷たい目線が少女を捉える。先程まであった歪みが無くなって、また鉄のような冷たいものに変わっていた。
しかし、その口もとだけは笑っているように少女には見えた。ゾクり……、と背筋に悪寒が通り過ぎる。
「翼さん……?」
「人型もそうですが、カングニール。それを何故貴方が所持しているのかも知る必要がありましたね。なら、」
チェイサーへ向けられていた剣の切先が、ゆっくりと少女へ向いた。
そして
「貴方と私が闘うのも必然です」
瞬間、翼の足元で小規模の爆発音が鳴ってコンクリートの破片や粉塵が舞い上がる。
それに少女が気づいた時、彼女の目の前には剣を掲げた翼の姿があった。襲い来る殺意。だが、恐怖が芽生えてくれることはなかった。あまりにも早すぎたそれに気づくことが出来なかったのだ。
そして、何の躊躇いもなく翼は剣を振り下ろした。
上から来るそれを見ているだけの少女。完全に判断が追いついていなかった。少女に向けられた剣が悲劇をもたらそうと迫り来る。しかし、刃が届くより先に少女の体が不自然に外側へと逸れた。
「ウぇっ!?」
突然訪れた感覚で変な声が上がる。肩を何者かに掴まれた。冷たく冷やされた鉄の様な冷たさが肩から伝わってくる。先ほどとはまた違う感覚が彼女を襲い、背筋が凍りつく。しかし、肩に痛みはなかった。突然襲ってきた感覚で我に帰った少女は後ろを見る。そこにいたのは、助けてくれた人型の姿だった。
それに彼女が気づいた時、さっきとは違う別の感覚が彼女に訪れた。
「ぇ……?」
変な方向に重力がかかって、足が地面から離れる。身体が宙に浮く感覚を覚えて、やっと自分が投げ飛ばされたと知った。
引っ張られるように後ろへ飛ばされていく少女。人型の隣を過ぎ、後ろの方で軽くバウンドしながら尻餅をついた。短い悲鳴をあげるが、同時に起きた轟音で掻き消されてしまった。
◆
チェイスに人間の心情を理解することは出来ない。それは玩具に愛情を注ぐことにとても良く似ている。どんなに愛情を捧げても玩具がそれに答えてくれることは決してない。物には、感情も命も無いのだから。
「待ってください!」
チェイサーと蒼い髪の少女の間に少女が割って入ってきた。今の状況が分からない程、少女は幼くない筈だ。危険を承知の上でその行動をとっているのか。それこそありえない。ただでさえノイズに追われて体力の無い少女が危険を冒して何を得られるというのか。
果たしてそれは何のために。何が目の前の少女を動かしているのか。その行動原理をチェイサーは全く分からなかった。
理解、不能だ。
「──この人は私を助けてくれました! だから悪い人じゃないんです!」
それでも少女の行動原理を模索する。動機が必ずある筈だ。
何故危険に手を出すのか。理解不能。
得られる利益は何か。理解不能。
自分を庇う理解は何なのか。理解不能。
本能? 有り得ない。
理由、理解不能。
行動原理、模索不能。
理解不能、理解不能、理解不能───
「……どきなさい。貴方が何者なのかは知れないけど、そこの人型と仲間なら──」
この状況で得られる少女の利益を模索する。
理解不能、理解不能、理解不能──
「顔も名前もなんにも知りません。だけど、この人は私を、私と一緒に逃げてた子供を助けてくれたんです──」
理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解不能。理解───……
「──なのにどーしてこうなっちゃうんですか!」
ERROR_…
「あなたの私情は聞いてません。これはこちらの問題。部外者は──いえ、そう言えばそうですね……」
人間は──
「……翼さん?」
愚かで──
「人型もそうですが、カングニール。それを何故貴方が所持しているのかも知る必要がありましたね」
醜く──
「貴方と私が闘うのも必然です」
愛しい──
『そうは思いませんか?』
突然、暗闇で響き渡る轟音。煙が立ち込んで、中から蒼い髪の少女が弾き出される。まるで車に弾かれたように吹き飛んで、後ろにあった壁に背中を打ち付けた。
「あ……ぐぁ───ッ!?」
背中がコンクリートの壁にめり込む。目や口が大きく開かれて、少量の吐血をする。呼吸器官が麻痺して、苦しみと痛みが腹の中で混じり合う。壁がミシミシと悲鳴を上げながら亀裂とクレーターを生み出して、そこでやっと勢いが死んだ。力無く、少女は仰向けに倒れ込む。
「ぁ……う、ぁ………」
辛うじて意識はあったが、支脚が痺れまともな呼吸も取れずにいた。這いつくばる格好のまま顔を上げる。目の前にあった光景には、暗闇で迸る紫電の閃光と──
「敵対対象を排除する」
死神が立っていた。
たくさんのコメント。たくさんの誤字報告ありがとうございます。色々とありまして、次話の投降を優先させていただきました。返信、修正に関しては間を置いてゆっくり返させていただきます。申し訳ございません。
お気に入り登録が100を超え、多くの評価を頂いたので、話しの長さを今までよりも長くしてより面白い物を目指すことにしました。今後は月1投降になるかと思いますが、面白いと思って頂ける作品になるよう努力いたしますので今後もよろしくお願いします。
長文失礼しました。