久々の更新。
午前6時30分……沼津……某所……
「異常なし」
カタカタカタカタ
パソコンのモニターに次々と写る場所を見ながら刻々と異常が起きていないか確認をする少年がいた。
その隣には同い年と思わしき少女が少年と同様の行動をしている。
灼場剛と凍花鳴二人は小さい時より組織によって育てられ現在恋仲である。
そして彼等は組織の実験材料として幼少の頃から頻繁にウイルスを摂取しており、とある力を身に付けていた。
「あー、私本当にデスクワーク嫌い……しかもこんな朝早くから……剛君はどう思う?」
「同感……だけど仕事だからな……鳴も愚痴らずやるんだ……給料貰えないぜ?」
剛の台詞に鳴は苦笑した。
「そんな事言ったって私達まだ高一だよ。あーあ、どうせだったら飯野先輩や巌撤先輩の元で働きたいよね~私達の事コキ使わないし……あんなおっさんの元で働いてたら20になる前に過労死するかも。唯一の救いは好きな貴方と働ける事だけ」
剛の腕をグッと自分へと引き寄せる。
「大袈裟だな。ま、確かにあの二人の方がマシだけどさ。10代で幹部クラスの仕事に就けるなんて俺達孤児院組の誇りだよ」
「……うん、本当に懐かしいね。お父さんやお母さん達元気かな……伝えたいね。私達の兄さんが凄く立派になったよって……」
「そうだね。俺らの成長も見てほしいな」
ガチャン
昔の思い出に浸かっている二人の元に上司が来た。
「随分楽しそうな様子だが仕事はしているのか?」
「勿論しています。今のところ異常はありません」
剛が答えた。
「うむ、お前達が監視している区域は特に問題が無いようだ。だが他の区域で二人の娘が不審な集団に連れさわられる事件が起きた」
「え……」
「この写真を見てもらえば分かると思うが、犯行を働いたのは株式会社 ローゼンソーンの社員達だ……何故このような蛮行に出たか理解しかねるが……外部からの圧力があった事は明白だ。調査員を派遣した所、プラーガと思わしき寄生虫が確認出来た」
「う、そ……!?」
「なんでプラーガがこんな所に……?」
「我々と敵対する組織がごまんとある事を忘れたか。我々は一致してこの敵共を滅ぼさなければならない。かの『脱走者』も奴等の手引きがあったかもしれんのだ!」
「すいません博士……あのクリムゾン・ヘッドは『脱走者』よりもたらされたものなのでしょうか……?」
おそるおそる鳴が聞いた。
「分からぬ……だが一つだけ言えるのはこの施設の管理力は万全と言う事だ……万が一にもこの町の住人を化け物に変える事はない……町の人々は何も知らぬのだからな」
汗を拭いながら博士が指令を出した。
「凍花、灼場。君達に指令を出す二人の娘を拐ったこのならず者達に罰を下しかつ娘共も救えこれだけ事が大きくなってしまっては消しても無意味だ。どんな手を使っても構わん私が言いに来たのはそれだけだ」
博士は去って行った。
「何よ!あの人!……消しても無意味だなんて人の命を何だと思ってるのかしら!?」
「……だがいずれ俺達もやらなきゃいけない時が来るんだろうな……俺達は人間である前にこの組織のマスコット(実験材料)なんだからな……」
二人はまだ人間を材料とした実験はしたことが無いが、 暴徒化した感染者等を殺して来た事はあった。
「そうだね……でも今回の任務は命を救う事何だから頑張ろ?……剛」
「あぁ」
二人は抱きしめあい不安を軽減させる。
感染者が元人間だったとしても自分達に牙を剥いて来る以上殺らなきゃ殺られるのだ
……
…………
………………
……………………
尋常ではない。
ドグシャ……ミキミキミキ……
「はぁ、はぁはぁ……」
ダイヤは思わず後ろを振り返ると、ベソを掻き疲れながら必死に走る我が妹がその背面に迫り来るリフトより伸びた二つの刃がルビィに当たらんとしているばかりだ。
私達が一直線に(リフト)と並んでいるこの通路から待避出来る場所は……?
このままではルビィが殺されるのは時間の問題だ、 残された少ない時間で必死に辺りを見回し考えた。
前方は薄暗く脇にそれる通路があるか分かったもんじゃない
後方は論外である……ならば残されたのは右側か左側に他の部署に通じる道があるかどうかだ。
早く見つけなくてはルビィの命が危なかった。
「あった!」
暗いが僅かに壁の途中に隔てる物が無い内部へと通ずる道を発見した。
後はそこに飛び込むだけだ。
「ルビィ!あと少しよ!頑張って!」
ルビィを激励しダイヤは抜け道へ駆け込んだ。
「はぁ、はぁ!……逃れられた!……後は貴女だけですわ。ルビィ!」
ヘロヘロと必死に走るルビィ。
ダイヤが抜け道へと入った場所でグイッと思いっ切り引っ張った。
直後にダイヤは入口から数m後方に下がる。
ギギギギィ……ガァァァァン!
フォークリフトが勢い良く突っ込んで来たが幸いにもダイヤの行動が実を結び二人共怪我を負うことはなかった。
「お姉ちゃん……私、生きてるの?……」
「生きてますわよ。まだまだ何があるか分かりません慎重に出口を探しましょう」
現在フォークリフトが激突した方の出口意外にも他の部屋へと移動出来る道は有るようだ。
先ずはその出口の数と先程見つけた地図を頭で照らし合わせるしかない……。
「通じる出口の数は……」
少し外の光が射し込んでいるのか明確に工場内に設置してある物が肉眼で充分確認出来るようになっていた。
「間違いありませんわね……ここはA区……港側の海に近い作業区域……出口迄約150mだそうよ!」
二人の顔に希望が籠った……だがまだ油断は出来ない……この場所に更にリフトを運転していた男の仲間が待ち伏せている可能性があるのだから。
案の定予感は的中した。
「いたな!」
理性を失った男がダイヤの元へ走って来る。
「く、またですの!?」
その時異変が起きた。
ヒィン……
不思議な音と共に急激に温度が下がる。
「どうなってるの……」
「分かりませんわ。でも急に温度が……なっ!」
ダイヤ達に迫ろうとしていた男は凍り付いていた。
「一体何がどうなっているんですの……?」
不思議に思うダイヤに
「やっと見つけた!貴女達が拐われた人達ですね」
救出に来ました!
と身体に氷を纏い可愛らしい笑顔を振り向く女子の姿があった。
剛の方の能力も名字やらでだいたい検討が付いたと思います。