魔法科高校の一科生(補欠)   作:komekome

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10話です
ようやくエリカ登場・・・


再会

「何故お前たちがこんなところにいる!!?」

 

 開口一番、少年の口から飛び出した言葉はそれだった。

 

「何故って、俺たちも風紀活動に参加するからだが」

 

 しれっと、なんでもない言葉で返す達哉。

 

 その言葉を受けながらも、まるで気にした様子もなく今度は風紀委員長に食って掛かる。

 

「会長!どういうことですか一体!!?」

 

 風紀委員会室に参集した風紀委員たちを代弁するような意見だが、彼女はあまり声も荒げず、

 

「二人は生徒会委員の司波達哉と瀬呂蓮だ。今回の課外活動新入生募集期間において生徒会より参加してもらった。

 

 短い期間かもしれんが、双方、問題のないように」

 

「しかし、こいつらは!!」

 

「―――出来そこないのウィードだってか?」

 

 激しい口調の少年―――、森崎のものとは打って変わって飄然とした少年の声。

 

 高く美しいソプラノは聞いているだけでその者の心を奪いそうになるが、その内容は天使のように優しくはない。

 

「何だと!?」

 

 あからさまな挑発に気色ばむ森崎だが、

 

「そこまでだ」

 

 委員長である摩利に制せられ拳を収める森崎。

 

「やれやれ、風紀委員ってのは皆こうなのかね?弱者に対しては平気で牙を剥きたがる」

 

 彼の行動を揶揄するかの蓮の言葉だが、達哉は小さく口で笑っただけだ。

 

「今日から一週間は普通の生徒にもCADの使用が許可される。それに対して事故を起こさぬよう万全の態勢で警備にあたるように」

 

 彼女の言葉に風紀委員たちが一斉に頷いた。

 

 

 今日から一週間、課外活動の新入生募集期間。その期間中はデモンストレーションなどのため、一般の生徒たちにも広くCADの使用が認められる。

 

 一方、それを用いた事件や事故も多発するということだ。

 

 それらの摘発、抑止に当たるのが風紀委員の役割ということだが、

 

「・・・しかし。生徒会に入っての初仕事がこれとは」

 

 見回りをしながら、正直、ため息を抑えられない達哉である。

 

 生徒会に入ることになったことはいいが、役職がまだ決まっていなかった。

 

 とりあえずは庶務という形で在籍することになったのだが、

 

「・・・これなら普通に風紀委員にでもなった方がよかったかもな」

 

 彼にしては珍しく愚痴を漏らす。

 

「まあ、いーじゃねぇか。あの部屋でひたすら暇してるって法もねーだろうし?」

 

 黒髪の少年が軽く笑うが、達哉としては不満が拭えない。どうせなら生徒会室で暇をしてた方がよかった気もしてくる。

 

「男二人で見回りをしながらいう言葉でもないような気がするが・・・」

 

 と、色気のない話だと思う達哉だが、周りの目はどうも違う様子だった。

 

 均整の取れた顔立ちの細身の少年が、少女と見まごう小柄な少年と談笑しながら歩いているのだ。

 

 まるで映画のワンカットを抜き出したような光景。

 

 道行く衆人の目を集めないことがない二人である。

 

「あっ、達哉君じゃない?」

 

 そこに蓮にとっては聞きなれない、しかし、達哉にとっては聞いたことがある声。

 

「・・・千葉エリカじゃないか」

 

 達哉は思わず驚きの声を上げる。

 

「ひさしぶりね、達哉君。一年ぶりかな?」

 

「そんなに立ってはいないだろ」

 

 思いもよらない知人の出現だが、蓮にとっては赤の他人。

 

「・・・こいつは?」

 

 少しむくれた声で聞いたのは蓮。

 

「あたし?あたしは、一応、千葉エリカ。二人と一緒の新入生ね」

 

 よろしく、とほほ笑む彼女に彼も、よろしくと返すが、蓮が気になったのは周りを照らすようなまぶしい彼女の笑顔ではなかった。

 

(・・・千葉、ね)

 

 その名字に一瞬気を取られた蓮だが、今度は彼女の隣の大柄な少年に目をやる。

 

「彼は?」

 

 とエリカに聞くと、

 

「ああ、コイツ。

 

 コイツは単なるゴリラよ、気にしないで」

 

「誰がゴリラだコラァァァぁ!!?」

 

 エリカにゴリラ呼ばわりされた少年が思わず大声で突っ込む。

 

「俺はゴリラじゃなくてレオっていう立派な名前が!!」

 

「そうそう、こいつは西城レオンハルトっていう、

 

 

 

 ゴリラよ」

 

「だからゴリラじゃねーって言ってんだろが!!」

 

 一通り流れる夫婦漫才のような掛け合いに、

 

「仲がいいんだな、二人とも」

 

 と達哉が正直な感想を口にする。

 

「「・・・ハァ?」」

 

 と、二人の声が仲良く重なった。

 

「やめてよ、達哉君!!」

 

「そーだよ!大体、なんでこんな奴と俺が!!?」

 

 と再び口喧嘩を繰り広げそうになる二人だが、

 

「そういや、俺の自己紹介がまだだっけ」

 

 割って入るように言ったのは蓮。

 

 その声に二人も喧嘩をやめて注目し、

 

「俺は瀬呂 蓮。新入生だ」

 

 簡単な自己紹介の後にエリカがふと気づく。

 

「あれ、その腕章って風紀委員のやつよね?達哉君もつけてるし」

 

 ほんとだ、と相槌を打つレオ。

 

「って、ことは二人とも風紀委員なのか?」

 

 と聞くと、

 

「いや、そういうわけでもないんだが・・・」

 

 となんとなく口ごもる。

 

 自身の生徒会における立場が微妙であると感じてるらしい達哉の挙動である。

 

 それを見て思わず顔を見合わせるエリカとレオ。この際、後ろで笑ってる奴の事は気にしないでおこう。

 

「そういやさ、体育館で剣道部のデモがあるみたいなんだけど」

 

 一緒に行かない、との誘いなのだが、

 

「今はまだ見回りの時間なんだ。終わったら行ってみるよ」

 

 と繕う。

 

 エリカもそれ以上追及せず、手を振って別れる。

 

 やれやれ、思わぬところでの再会だな、と思う達哉であった。

 

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