かませ君がちゃんとかませしてくれるか心配・・・
「何で二人を引き離そうとするんですか!?」
夕暮れの放課後、ほのかが大声を上げていた。
「深雪さんと一緒に帰りたいなら、貴方たちも一緒に帰ればいいじゃないですか!!何で彼女と達哉さんを引き離す必要があるんですか!?」
数名の一科生と言い争っている。
原因は、達哉が深雪と帰ろうとしたところ、後から来た彼らがそれを引き留め深雪を連れて行こうとした時だった。
彼らの失礼な態度に達哉も口を出そうとしたが、それよりも先に勢い込んでいたのは誰でもない、ほのかだったのだ。
「はっ!ブルーム崩れの出来損ないじゃねーかそいつ!!」
「そんな奴とつるんでるから、お前までウィードになっちまったんじゃねーの?」
違いない、と達哉やほのか達に嘲笑を浴びせる一科生たち。
まるで小学生並みの思考だな、と呆れながらも口を挟もうとする。
しかし、黙っていなかったのはほのかだけではない。
「・・・入学したばかりで、そんなに差がついているわけ?」
静かな口調だが、確かに怒りを込めた雫の声。
「そんなに貴方たちが優れている?」
その迫力に呑まれた数人は思わず口ごもるが、粋がった一人が声を荒げて威嚇する。
「だったら教えてやるよ!!
選ばれた優等種たるブルームと、その他一般のウィードとの差ってやつをな!!」
男が手元のCADを操作し、それと共に起動式が立ち上がる。。
隣にいた少年の手も拳銃型CADに手が伸びる。
その意外とも思える短絡的な行動に雫とほのかの反応が遅れる。
まさか、このような状況下で魔法を使用してくるとは思っていなかったのだ。
―――間に合わないっ
ほのかと雫は思わず身震いして目を瞑る。
魔法式が立ち上がり、その効果が発動しようとした時、
べきり
何か、硬い物がへし折れる音がした。
「ぎ、
ぎやあああああああああああああああああっっっ!!!!」
魔法の発動対象となっていたほのかと雫が恐る恐る目を開けると、
「あらら、随分と大げさな悲鳴を上げるじゃないの、オタク?」
髪の長い小柄な少年が、拳銃型CADを手から零してうずくまる少年を見下ろしながら、皮肉の聞いた口調で言い捨てた。
「おっ、お前・・・っ!!」
それを見たもう一人の少年も青ざめた顔で、蓮を見る。
「どうした、随分声が震えてるぜ、ダンナ?」
ケラケラ嗤いながら返す。
「ちっ、違う!!俺は確かに魔法であいつらをブッ飛ばした!!
なのに何で!?」
確かに少年の魔法はほのかと雫を捉えていた。そのまま二人は数メートル先まで吹っ飛ばされる筈だった。
なのに、何故二人が何事もなく立っているのだ。
「――――そんなの決まってるだろ」
面倒臭そうに答えようとした達哉。彼がため息をついた、その動作に反応して残りの数人も携えていたCADで魔法を発動させようとした時、
「止めなさい!自衛行為以外の魔法の発動は犯罪行為よ!!」
展開されていた魔法式はサイオン粒子塊の弾丸によって打ち砕かれていく。
展開された魔法式を打ち砕くも、術者になんの影響も出さない精緻な射撃。
並の魔法師など遥かに凌ぐ、活性化されたサイオンのベールを纏う。
七草真由美――――彼女こそが魔法科高校第一高校の生徒会長その人だった。