『…………(シュババババババ)』
「なあ、俺達は何しに来たんだったっけか?」
「そりゃあおめえ、お前んとこの田植えだよ」
「嘘つけ、もうジョーンズさんが殆どやっちまってるじゃねえか」
――この惑星の住人は、古来より伝わる農業と呼ばれる方法で食物を作り出している。
「いや、経験があるって言うんで苗を持たせたら思ったより早いんでさ」
「それにしたってあれは……」
「そういや聞いた事があるぞ、なんでも外の世界には『タウエキ』とか言う奇怪…いや機械があるらしいな。唐傘やお面の付喪神が居るくれえだ、もしかしたらあの人も…?」
「流石に神という言葉まで出てきて、黙っているのも我慢出来ないものね」
「うおっ!?」
「み、穣子様じゃあないですかい! まだ五月ですぜ!」
「まだって何、秋より前に呼んでくれないと豊穣の約束は出来ないって言ったでしょ」
「それより穣子様、それにしたってどうしてわざわざ来て下さったんです?」
「まだ降りてくるつもりは無かったんだけど、期待の新人が来たって噂がね」
――以前調査した時の田植えは、その一部分に過ぎない。
「ほら、ぼさっとしてないで苗を貸して。 それとも彼にだけ働かせて自分達は休むつもり?」
「そんな滅相もない! と言うか待って下せえ、穣子様もやるんで?」
「当たり前じゃない、外から来た人に任せきりじゃ豊穣の神の名が廃るもの」
「……分かりました。俺も付いて行きます」
「そ、それなら俺っちも手伝いますだ!」
――外と変わらず、かなりの重労働だ。
「いや~驚いた、まさかジョーンズ様と穣子様で全部一日で終わるなんてなあ」
「流石にちょっと本気を出し過ぎたわね……」
「オ疲レ様デス」
「張り切る気持ちは分かるけど、ペース配分てものがあるでしょ」
「まあまあ穣子様、飲み物を持ってきましたから」
「あら悪いわね」
「ほらジョーンズさんも、これ好きだったろう?」
「…!」
――ただ…。
「おっ、そいつは外の世界にある缶コーヒーって奴ですかい?」
「ああ、誰が仕入れたかは知らないが、街で売ってたのを家内が買ってきたんだ」
「へえ……最近じゃ飲み物まで見た目が派手になってるのね」
――ここ幻想郷の農村も…。
「すまない、ジョーンズさんはおるかの?」
「…………」
「あ、村長さんじゃないですかい!」
「おお穣子様、もう来て下さっているのですか。 ありがたやありがたや」
「前回の祭り以来ね、こっちこそ挨拶も無しでごめんなさいね」
「いやいやお陰様で今年も……おっと、本題が別にあるのでした。ジョーンズさん」
「……?」
「突然ですまぬが……これからもこの村に住んで貰えませんかの?」
「………」
※ ※ ※以下ジョーンズの脳内※ ※ ※
(調査)
↓
(調査) 【(村に定住)】
↓
(調査) 【(村に定住)】
↓
(調査)☆【(村に定住)】
↓
(調査) 【(村に定住)】
↓
査) 【(村に定住)】
※ ※ ※以上ジョーンズの脳内※ ※ ※
――沁みる。
構成:CM農家篇より
初投稿作品です。
街を外れた所にある農村をイメージして書きました。
ジョーンズと穣子を除く三人はオリジナルキャラクターですが農民なのでモブです。
あと最後の場面ですが、環境によっては見づらいかも知れないです。