「…………(ガラガラ)」
「ねえ……」
「…………?(ピタッ)」
「あなたは取って食べても良い人類?」
――この惑星の住人は、秋という季節になると、
「……人類ジャナイ」
「そーなのかー、でもやっぱりお腹空いたわ」
「……ホレ」
「これはこれは美味しそうな焼き芋。頂きます」
「…………(ヒュンッ)」
「ごちそうさまー、ありがとう……って、あれ?」
「どこに行ったんだろ?」
※ ※ ※人里:街中※ ※ ※
「イーシヤーキイモー、オイモッ! イーシヤーキイモー、オイモッ!(ガラガラ)」
「あ、焼き芋屋さんだ!」
「一つ下さい!!」
「ハイヨッ!」
「ありがとうおじさん。じゃあ早速、頂きます!」
「もぐもぐ……お、今年のお芋は何か違うね」
「本当だ……何か優しい感じがする」
――食欲が増大する傾向にある。
「今日も今日とて誰も驚いてくれない……お腹空いたなあ」
「…………(ガラガラ)」
「む、いつかのお化けさん!(グウウ~)」
「…………(ピタッ)」
「あ……もうだめ………(グウウ~)」
「……ドウゾ」
「え、わ、私にも…ですか?」
「……ありがとう、お化けさん(モグモグ)」
「…………(ガラガラ)」
――その食性も多岐に渡り、果ては人肉どころか心を食らう者すら存在する。
※ ※ ※農村※ ※ ※
「戻リマシタ」
「あら戻るの早いじゃない。お帰りなさい」
「おおジョーンズさんお帰り! 俺のとこの焼き芋は売れたか?」
「完売デス」
「良し良し。今年は穣子様も頑張って下さったし、そうでなくっちゃあな」
「私だけじゃないわ、あなたも皆も頑張って世話したからよ」
「あっしも今戻りやした」
「お、そっちはどうだった?」
「へい、ジャガイモの方も無事完売御礼でさあ」
――ただ…。
「さて、そろそろ冬が近いけどどうしようかしら」
「……そういえば穣子様、今まではどうしてたんです?」
「そうね……実を言うとあまりよく覚えていないの。一番苦手な季節だってのもあるけれど、私以上にやる事が無い姉さんなんか不透明度50%くらいになったりしてるわね」
「ただ妖怪の山の麓で蹲ってるくらいしか記憶が無くて」
「するってえとあれですかい? 外で言う所のホームレ」
「……お願い、言わないで」
――この惑星の住人達は、
「フォッフォッフォッ、話は聞かせてもらいましたぞ」
「…………!」
「村長!いつの間に!」
「あら『村長さん』、前回よりやけに嬉しそうね」
「村長さん! 一話以来出番が無かった村長さんじゃないですかい!」
「最後だけやかましいわ阿呆!! ……おほん、それで穣子様の件についてなんじゃが」
「穣子様、もし良ければ村に住んで頂けないかの?」
「…良いのかしら、私は秋の作物以外には役立たずも良い所よ?」
「主食たる米や芋は秋の作物、それに種を播き世話をしなければ収穫には繋がらん」
「むしろ今まで目先のご利益しか見ず、祭りでしか呼ばなかったのがそもそもおかしかったのじゃ」
「……言うようになったじゃない、昔は鼻を垂れてた癖に」
「村長にもそんな頃があったのか」
「ええ、10にもなってなかった頃なんか、祭りの後『お姉ちゃん帰らないで!』って泣きついてきてね」
「へええ、今じゃ想像も出来ないですなあ」
「…すまぬ、言わないでおくれ」
――焼き芋と同じで、
「で、私が住む所はどうするの?」
「村中央の集会所を増築するつもりじゃよ、今年の豊作でようやっと資金に目途が立った」
「でもそれ村のみんなから集めたお金でしょ? そんな事に使っちゃって大丈夫なの?」
「村の皆がそれを望んでおるからじゃよ。ほれ、外に集まって来ておる」
「そうだそうだ、穣子様が居て下されば安泰だ!」
「今年も無事に冬を越せそうなんだ、これくらいはしないとな!」
「それに今更変に社を立てて祭るよりそっちの方がずっと良い!」
「そうそう、この村にも華があって良「あんた、またそんな事を!」痛っ!かあちゃん勘弁してくれ!」
「それに幻想郷に農村はここだけじゃ。…お願いします」
「そんなに頭を下げないで。私も皆に助けられたのは同じだもの」
「神の名に恥じないように頑張るから、有り難く世話になるわね」
――温かい。
前回と言い休日深夜の勢いで書いた結果がこれだよ!