「………(ザッザッザッ)」
「…………」
――この惑星の河童と呼ばれる種族は、水と生きているらしい。
「…………」
――しかも実際に水辺に居ながら、機械技術への高い関心も併せ持っているらしい。
「……おやおや、帰ってみれば面白い客人だね」
「ねえにとり、本当に見てるだけで済ますつもり? 勝手に入り込まれてるのに……」
「だからこそ、さ。一人とはいえ徒歩なのに、天狗様達も気付いてない」
「……確かに妙ね」
「取り敢えず見張ってみよう。アジトに入れなかったのは今に始まった事じゃないし」
――ここ幻想郷の水は、『外』と何かが違うのだろうか。
「…………(ドドドドドドドドド)」
――私も三日三晩、水と生きてみた。
「うわあ、何か合掌して滝行を始めた…」
「仙人、て感じでもないね。そうだとしても修行にしちゃ古典的過ぎるけどさ」
「でも大丈夫かな、私達ならともかく」
「多分大丈夫さ、人間の見た目で人間じゃない奴なんてたくさん居るし」
「……いざとなったら私が行くね」
※ ※ ※一日経過※ ※ ※
「…………(ドドドドドドドドド)」
「凄い……ずっと立ったまま両手まで広げてる」
「そういや見てて思ったんだけどさ」
「うん?」
「あのポーズ、何か見覚えがある気がする」
「えっと…『聖者は十字架に磔られました』みたいな?」
「『人類は十進法を採用しました』にも見えるな」
※ ※ ※二日経過※ ※ ※
「いやあしかし、タフだねえ。本当に人間じゃなさそう」
「うん……」
「両手までゆっくり回し始めて、余裕の……って、大丈夫かい?」
「ふあああ…ちょっと寝ていい?」
「仕方ないなあ、後で交代ね」
「zzz…zzz…」
※ ※ ※三日経過※ ※ ※
「…………(プカプカ)」
――何も分からなかった。
「滝壺で浮いてる……本当に大丈夫かな」
「大丈夫そうだな、顔は水から出てるし息もしてる。それに顔色も悪くない」
「何者なんだろ、あの人……」
「…………(パチッ)」
「あ、目を開けた」
「しかも岸に上がって来るね……こっちの方向に」
――水と生きる、この不思議な種族に、
「げっ……目が合った」
「にとり、光学迷彩のバッテリーはまだ持つはずよね?」
「いや、あの目つきは間違いない。もうバレてる」
「嘘…!」
「こうなったら仕方ないね、私が話をつけてみるよ」
「うん…気を付けて」
「…………(ザッザッザッ)」
「ハローヤーヤー、盟友よ、私達のアジトに何か用かい?」
「…………」
――私は、加わってみる事にした。
構成:CM サントリー入社前篇
後編に続く!