「『宇宙人現る!? 拘束も追跡も振り切り逃走』……まーたこんな記事書いてるのね」
「そう言いながら購読してる穣子様も大概でさあ」
「仕方ないじゃない、年末寒い上に外は吹雪。 他に出来る事が無いんだもの」
「しかし炬燵にみかん、てのも居心地が良いな(モグモグ)」
「…………(モミモミ)」
「んふー(モマレモマレ)」
――この惑星の住人は、ただ流れ続ける時の流れに、一年という区切りをつける。
「(ヒュゴオオオオオオオ)……それにしても、風が強くなってきたわね」
「おかしいな。 大晦日ともなれば寒いのは例年通りだが、ちと吹雪が強すぎる(モグモグ)」
「…そう言う割に緊張感は無いのね」
「…………(スッ)」
「んー?(プヨンプヨン)」
「あらジョーンズさん、どこに行くの?」
「…………屋根ヲ見テキマス」
「ああ、すまんジョーンズさん。増々風が強くなってきたし、少し心配だったんだ(モグモグ)」
「いや思ったのなら…もう良いわ、この子は見ておくわね」
――そして、新しい一年の始まりを、訳もなくめでたがる。
※ ※ ※屋根の上※ ※ ※
「…………(ヒュゴオオオオオオオオ)」
「…………マサカ(ゴオオオオオオオオッ!)ウオーーーーーーーッ!!!」
※ ※ ※雲の上※ ※ ※
「ハッハッハッハ……」
「…………」
「まだこんな所に居たのか、ジョーンズ」
「…ヤハリオ前カ、ブラック」
「そろそろこの惑星、滅ぼすか」
「相変ワラズダナ」
「潮時だろう?」
「…………」
「…………」
「……マダダ」
「そうか…お前こそ相変わらず、甘っちょろいな」
「…………」
「む……邪魔が入るか。仕方ない、俺は先に帰るぞ」
「…………」
「好きにすれば良いさ(ヒュンッ)」
「…………」
――ただ…。
「あなたのお友達って、随分と面白い挨拶の仕方をするのね」
「…………」
「久しぶり、家政夫さん……とでも言うのが正しいのかしらね」
「…………」
「ジョーンズ……いえ、『宇宙人ジョーンズ』」
「……!」
「正直な所不覚を取ったわ。何食わぬ顔で結界に入り込んだ挙句、この私が気付けないなんて」
「…………」
「でも、ずっとここに居座ってる割には、さっきのお友達のような悪意は感じられないわね」
「…………」
「不気味だ、胡散臭いって言われるのには慣れているけど、私がそう思ったのは初めてよ」
「…………」
「あなたの目的は敢えて聞かないでおくわ。ただこれだけは覚えておいて」
「…………」
「幻想郷は全てを受け入れる場所。 少なくとも、あなたに敵意が無い以上はね」
「…………」
「出来れば、さっきのお友達にも伝えておいて頂戴。滅ぼすなんて面白くない冗談、二度と聞きたくないもの」
「…………(コクリ)」
「分かって貰えたのならこれ以上私から言える事は無いわ。あなたを待っている者達も居るみたいだし、そろそろ戻った方が良いかも知れないわね」
「…………」
「それじゃあね、月の向こう側からのお客様(スッ……)」
――この惑星にはそろそろ、
「…………見届ケタイ」
――良い年が来ても、良い頃だ。
後編に続く!
書いてて少し長くなってしまったので、視点ごとに分割しています。