宇宙人ジョーンズ︰幻想郷調査延長記録   作:もっちい

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宇宙人ジョーンズ:農民


滞在最終記録:農村その9

 

 

※ ※ ※村中央集会所※ ※ ※

 

 

「ムオッホン、では皆の衆。 静葉様の歓迎と、今年の無病息災を祝って、乾杯!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

「カンパーイ!」

 

 

 

 ――この惑星の住人は、多くの矛盾を抱えながらも生きている。

 

 

 

「穣子様達はともかく、やっぱりジョーンズさんも飛べたんですねえ(グビグビ)」

 

「まあ、目から光線だの高速田植えだのを見てると、不思議にも思わなくなるもんだな(グビグビ)」

 

「そういやあジョーンズさんは結局何者なんですかい? 博麗の巫女でもあるめえし(グビグビ)」

 

「…………」

 

「今更そんな事は良いじゃないか。 汗水流して一緒に働いてきたんだ、もうこの村の仲間だろ?」

 

「まあそうですねえ、少なくともおっそろしい妖怪じゃない事は確かでさあ(グビグビ)」

 

「なあお前…初っ端からちょっと飲みすぎじゃないか?」

 

「へえ、今年の芋で作った酒が旨くて、ついつい(グビッ)」

 

「…………」

 

 

 

 ――同族の似た者同士が、血で血を洗う争いをしているかと思えば、

 

 

 

「さあさあ村長さんに姉さん、私が注いであげるからね(スッ)」

 

「おお穣子様、かたじけない(コポコポ)」

 

「ありがとう、穣子(コポコポ)」

 

「ちゃんと会話に入って行かないと駄目よ。 特に今日は姉さんが主役なんだから」

 

「ごめんなさいね、こういうのは初めてですもの」

 

「しかし静葉様、妹様から話は聞いておりましたが、実際にお会いするのも初めてですなあ」

 

「ええ、いつも妹が世話になってます」

 

「そう謙遜しないで下され、世話になってるのは儂らの方ですからの」

 

「あらあら村長さん? 両手に華かと思ったら、もう鼻の下を伸ばしてない?」

 

「い、いえそんな事は」

 

「冗談よ。 ほんの子供だった頃、祭りの度に私から離れなかったのに、今更浮気も無いでしょうしね」

 

「へえ、そんな事があったのですね」

 

「……後生じゃ、勘弁して下され」

 

 

 

 ――何もかも異なる者同士が寄り添って生きている。

 

 

 

「へい穣子様、ついでにあっしの分もお願いしやす」

 

「あら、仮にも神様にお酌してって頼むつもりかしら?」

 

「あ……」

 

「冗談よ。 神だけど格はあまり高くないし、一緒に働いた仲間だもの(スッ)」

 

「いや、こっちこそ調子に乗ってすんません(コポコポ)少し酔いが回ってたようでさ」

 

「美味しいのは分かるけどあんまり飲み過ぎないでよ?」

 

「…………」

 

「ジョーンズさんは……お酒はあんまり好きじゃなかったわね」

 

 

 

 ――ただ…。

 

 

 

「…………(スッ)」

 

「あらジョーンズさん、どこに行くの?」

 

「外ニ出テキマス」

 

「吹雪は止んだけどまだ寒いから気を付けてね」

 

 

※ ※ ※集会所の外※ ※ ※

 

 

「ふむ。 儂がここまで来た途端、察知して出てくるとはの」

 

「…………」

 

「お主なら既に気付いておるとは思うが、あの姉を化けさせたのは儂じゃよ」

 

「…………」

 

「まさか、姉妹揃って頭を下げてくるとは思わなんだ。面白いからタダで引き受けたが、あんな一言でばれたのは傑作であったぞ……くっくっくっ」

 

「じゃが、あの様子では儂が手を貸すまでも無かったのかも知れないがの」

 

「…………」

 

「いや、そんな露骨にがっかりした顔をされても困るのじゃが」

 

「確かにあの頬は自信があったが、お主の好みまでは把握しておらんわい」

 

「…………」

 

「儂か? 正直な所あの集まりに混ざって飲みたい所じゃが、神々と人間の間に入るのも無粋じゃろうて」

 

「…………」

 

「さりとてここでお主と飲もうと思っても、酒は好まないじゃろ?」

 

「じゃから、ほれ(スッ)」

 

「…………!」

 

「以前は一本手に入れるのにも苦心したが、今では人里に出回っておる」

 

「はて…儂は知らないのじゃが一体誰の差し金かの、ククッ」

 

「…………」

 

「それにしても、あの時のような綺麗な星空じゃの。 夕方に吹雪いていたのが嘘のようじゃ」

 

「…………」

 

 

 

 ――宇宙には、こんな惑星が、

 

 

 

「お主はあの向こう側からやって来て(プシュ)」

 

「…………」

 

「わざわざこんな狭い場所に、少なくとも半年は留まっておるようじゃが(ゴクリ)」

 

「……お主にとってここは、どう見えておるのじゃろうな?」

 

「…………(プシュ)」

 

 

 

 ――一つくらい、あっても良い。

 

 

 




前回の補足
宇宙人ブラック:CM黒スーツの男篇より

あまり綺麗に締まってないかも知れないですが、最終回です。
殆ど自己満足で始まって、息も絶え絶えで書き終えたような感じがします…。
何かを書く事の難しさと自身の未熟さを痛感している次第です。

ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
もしも少しでも楽しんで頂けたのであれば幸いです。
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