宇宙人ジョーンズ︰幻想郷調査延長記録   作:もっちい

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宇宙人ジョーンズ:村の農民


滞在記録:農村その2

 

 ――この惑星の神々と呼ばれる者達は、人間の信仰を糧としている。

 

 

 

「………(ジュッ)」

 

 

「いやあジョーンズさんに穣子様まで居ると捗るなあ」

 

「喋ってないであんたも手を動かしてくれ、まだまだ雑草は幾らでもあるんだからな」

 

「いやあ、目から光線出して雑草を枯らすなんて、そうそう出来る事じゃないと思いますぜ」

 

「本当か? 確かに目が光ってるが……」

 

「本当ですだ、ほれこれが問題の草でさあ」

 

「何だこれ……ご丁寧に根っこまで干からびてやがる」

 

「さっきまで青々として伸びてたのが、ジョーンズさんが見た途端急に」

 

「目から光線の一つも出せなくて悪かったわね、弾幕なら出せなくもないけど」

 

「うおっ穣子様! そ、そんなつもりで言った訳じゃ……」

 

「はいはい。 手を動かして……と言いたいけどそろそろ休憩にしましょうか」

 

「分かりました、俺はジョーンズさんを呼んできます」

 

「じゃ、あっしは飲み物と菓子を準備してきますだ」

 

 

 

 ――八百万も存在する神々の全てが、信仰を得られる訳ではない。

 

 

 

「今年も俺の田畑は無事に収穫を迎えられそうです、ありがとうございます」

 

「私だけの力じゃないわ、田畑の世話をする人が居るのが前提だもの」

 

「へい、飲み物をお持ちしやした」

 

「ありがとう、こういう時は麦茶に限るわね(ゴクゴク)」

 

「しかし、こう何度も雑草が生えてくると中々手が掛かるな」

 

「言いたい事は分かるわ。 でも化学肥料や農薬はなるべく使わないで貰えると有り難いわね」

 

「ええ、分かっています」

 

「へえ、『外』にはそんなよく分からない代物が有るんですかい。 でもそりゃあ何故です?」

 

「知っての通り私は豊穣の神。 でも実際、私自身は『大地や作物が元々持っていた生命エネルギー』を引き出す手伝いをしているに過ぎないの」

 

「だから化学肥料で土地の性質を変えて、農薬で虫まで全滅させてしまうと……もう私の力は及ばないわ」

 

「それで、手を掛けてでも自然農法が良いと仰る訳でしたか」

 

「…うん? ちょっと待ってくだせえ、それじゃあ『外』は」

 

「察しが良いわね。 元々は私も姉さんも『外』に居たのだけど、あっちじゃ肥料や農薬、機械まで出来てね」

 

「天気、土地、作物の品種。 全部人間がやってしまうようになって……既にもう、居場所はここしか無いのよ」

 

「……大丈夫です穣子様、俺もこの村のみんなも、あなた様に付いて行きますから」

 

「そうそう旦那の言う通りですぜ!」

 

「ありがとう。 その言葉だけで十分よ」

 

「…………」

 

 

 

 ――ただ…。

 

 

 

「しかし、九月にもなると風も冷えてくるようになってきたな」

 

「ええ、暑くなくなってきたのは有り難いわね」

 

「さ、そろそろ再開と行きますかい?」

 

「ワカリマシタ」

 

 

 

 ――この惑星の神々には、

 

 

 

「お! 旦那、穣子様、ジョーンズさん! あの山を見てくだせえ!」

 

「どうした?」

 

「あの辺りで紅葉が見え始めましたぜ」

 

「あら、例年にしては早い方ね。 姉さんも随分と張り切ってるのかしら」

 

「ここから山全部が紅くなっていく訳だ、楽しみだな」

 

「ええ、私も負けてられないわね。 さ、続き続き!」

 

「………(プシュ)」

 

「まだ飲んでなかったんですかいジョーンズさん」

 

「スグニ行キマス」

 

 

 

 ――愛されるという、生き方もある。

 

 

 




構成:CM大相撲篇

注:秋姉妹が外出身という公式設定がある訳ではないのですが、信仰を失った神々や居場所を失った妖怪が流れ着くのが幻想郷、という話から解釈したものです。

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