『皆さーん! ついにお待ちかねの季節が、やって参りましたあああああ!!』
『『『『『ヒュ―ッ!!』』』』』
――この惑星では、秋と呼ばれる季節になると、
『炊き立て新米のご飯が、食べたいかあああああ!?』
『『『『『イエーッ!!!』』』』』
『ホクホクの石焼き芋に、齧りつきたいかあああああ!?』
『『『『『イヤッフーッ!!!』』』』』
――祭りと呼ばれる大騒ぎを始める。
「しかし、穣子様も例年より随分調子が良いな。 ハイ、って奴か?」
「……今年は普段の調子を見たせいか、余計に落差が大きく見えますぜ」
「ああ、いつもは祭りの時に少し話をする程度だったしな」
「…………」
――無事に食物を得た喜びを分かち合う為の、一種の儀式のようだ。
『さあ、今年は何ともう一人! スペシャルゲストまで呼んじゃいました!』
『『『『『おおーっ!!』』』』』
『幻想郷の、紅葉、彩り、秋を司る、二柱が片割れ!』
『私の姉さんこと、秋静葉です!!』
『『『『『うおおーっ!!!』』』』』
『さ、姉さん。マイクのスイッチは入ってるからね!』
『……この度は、私も呼んで頂き、誠にありがとうございます』
「へえ……静葉様自体もそうですが、綺麗なドレスですなあ」
「ああ、いつも穣子様が言ってたが、毎年自分に見せる為だけにせっせと作ってるらしいな」
「そりゃあ勿体ねえ。今みたいに前の分も披露出来ても良いと思うんですがねえ」
「まあ喋るのはここまでにしとくか、話が終わったらスイッチの準備だ」
「勿論でさあ」
「ワカリマシタ」
――全くご苦労な事だ。
『(中略)……なので、来年も皆さんが無事に秋を迎えられますよう、祈りを込めて』
『私と穣子の二人で、踊りを披露したいと思います』
『『『『『おおーっ』』』』』
『という訳で、一曲行ってみましょー!!』
「さあジョーンズさん、今ですだ!」
「ワカリマシタ……ハッパ!!(ポチッ)」
※ ※ ※BGM再生:稲田姫様に叱られるから※ ※ ※
『お二人が一緒に居る所を見たのは初めてだが……すげえ』
『ああ、目を瞑っているにも関わらず、キレッキレの動きで息もピッタリだ』
『こりゃ俺達も負けちゃいられないな、行くぞ!(スポッ)』
『『応!!(スポッ)』』
「さあ、ジョーンズさん、あんたも舞台に上がる番ですぜ」
「ハイ」
「おっといけねえ、こいつを被って下せえ」
「……コレハ?」
「『農袋』でさあ。大丈夫、前は見えるし息も通る親切設計ですだ」
「そう、毎年俺達はこいつを被って祭りを楽しむんだ」
「さあ行って来いジョーンズさん。照明は俺達二人に任せてくれ」
「……ハイ!(スポッ)」
――しかも…。
『すげえ……ジョーンズさんまで飛び込みで参加してる』
『しかもお二人に負けず劣らず鮮やか……』
『よし、これは本気を出さざるを得ないな。うおおおお!』
『ジョーンズさんに続けええええ!!』
※ ※ ※ ※
「しかし今年は特に派手だったな(ゴソゴソ)」
「へい、ついでに片付けるのも大変でさあ(ゴソゴソ)」
「…………(ゴソゴソ)」
「皆舞台まで突撃してきて、セットが倒れるのは予想外だったな」
「……舞台裏のあっし達の方向だったおかげで、怪我人が無かったのは幸いでさあ」
「…ジョーンズさんさっきはすまなかった、おかげで助かった」
「……イエ(ゴソゴソ)」
――この惑星の神々は、
「あら三人共、設営と片付けありがとうね」
「おお穣子様、さっきはお疲れ様です」
「……あれ? そういや静葉様は?」
「もう帰っちゃったわ。自分は人里に長居すべきじゃない、って」
「……そういうもんですかねえ」
「姉さんは元々人前に出たがらないからね。ああして連れてくるだけでも大変だったもの」
「……何なら穣子様と一緒に居て下されば嬉しいんだけどな」
「そうそう、この農村にも華が増え「調子に乗るな」痛てっ!」
「……ふふ、伝えておくわ。 そうそう飲み物を用意したから休憩しましょ」
「おお、ありがとうございます(グビグビ)」
「ありがてえありがてえ(グビグビ)」
「ほらジョーンズさんにはこれね」
「アリガトウゴザイマス(プシュ)」
――人間と変わらず、繊細だ。
構成:CM空港篇
踊りのイメージ:ニコニコより↓
【東方手書き劇場】踊る秋姉妹。【稲田姫様に叱られるから】
秋姉妹(というかほぼ穣子)シリーズをここまでに何本も書いていますが、正直このシリーズを始めた最大の理由だったりします。
住処の妖怪の山が本編登場済み? 逆に考えるんだ、農村にお越し頂けば良いさと。
ただ正直な所、姉妹のうち姉の方のイメージが少なく、こんな形になりました。反省……。