「中々やるじゃない、死神の癖に(ギィン!)」
「こっちは実行部隊だからな、そうでなきゃ飯の食い上げだ(ギャン!)」
――この惑星の住人は、暇を持て余すと、
「あなたの精神攻撃とやら、中々斬新で良いじゃない」
「お褒め頂けて光栄だな。こっちは剣以外に特技は無くてね(スッ)」
「つまりあれよね、”精神世界の闘技場”って奴?(ダッ)」
「しかしっ! 流石は天人だ、単純な早さがこれほど厄介とは!」
「褒め合うってのも悪い気は、しないわねっ!」
――大抵は碌な事にならない。
「やるな天人……緋想の剣無しでここまでとは」
「それより良かったの? 精神世界とは言え私にまで同じ剣を貸すなんて」
「言ったろう? 私に合うのは剣しか無かった。鎌なんて振るってられるか」
「随分変わった死神ね。私達、似てるような気がしない?」
「同感だ。立場さえ違わなければな」
――全く、本当に理解出来ない。
「それより、早く決着をつけた方が良いんじゃないか?」
「何を言ってるの? 私なら時間はたっぷりあるし、まだまだ楽しめるじゃない」
「……いつまでそう言っていられるか見物だな(ニヤリ)」
(おかしい……今までの死神と何か違う、何を企んでる?)
※ ※ ※天界:天子の部屋の外の廊下※ ※ ※
「そろーり、そろーりと……」
「…………」
「よし、誰にも見つかってないね」
「…………」
「この初任務を成功させて、お姉様に認めて貰うんだ……!(スッ)」
「お姉様から頂いたこのダガーナイフがあればイチコロ、の筈!」
「…………」
※ ※ ※以下回想※ ※ ※
(今回は初の任務だが過酷なものになる。説明するからよく聞くんだ)
(これから討伐しに行く相手は天人、生半可な武器では傷をつけるのも難しい)
(だから、重要な役目を任せよう)
(まず私が奴を精神世界に引き込んで戦う。だが私もそれで倒せるとは思っていない)
(そこで出番って訳だ、だからこのナイフを預けておく)
(こいつは対天人用に特別に鍛えた一級品だ。だがただ斬りつける程度では駄目だ)
(精神世界に居る間、私も相手も無防備だ。そこで天人にバレずに近づき)
(心臓目掛けて、思い切り突き立てろ)
※ ※ ※以上回想※ ※ ※
「はうー、お姉様があたしを頼ってくれるなんて、やっとこの日が来たのね」
「…………」
「この扉の向こうがターゲットの部屋ね…さあ頑張らなくっちゃ!」
「…………」
――ただ…。
「……無防備ダナ」
「っ!?」
「…………」
「うそ……何であたしが見えるの? ターゲット以外には見えないはずじゃ」
「……(スッ)」
「えっ」
「……」
「か、返して! お姉様がくれた大事な…!」
「……(バキンッ)」
「あ……」
※ ※ ※精神世界※ ※ ※
「ぜえ、ぜえ……あなたも結構しぶといわね、過去最高じゃないかしら?」
「フ―、フー……またもお褒め頂き、光栄だな」
(遅い……あいつはまだなのか)
「(ピーッピーッピーッ)っ! 緊急チャンネルだ、失礼!」
「何よ、私を向こうに回しておいて待たせる気?」
「待てと言っている……私だ、どうした!」
『お姉様……ごめんなさい』
『ナイフ、壊されちゃった』
――この惑星の死神は、
※ ※ ※天界:天子の部屋※ ※ ※
「成程ね……私を足止めしてゆっくり止めを刺す作戦、か。死神の癖に考えたわね」
「…………」
「お姉様……ごめんなさい…ごめんなさい!!」
「さて、この不届き者はどうしてくれようかしら」
「や、やめろ! 全て私の責任だ! 手を出すんじゃあない!!」
「冗談。二度と来ないなら……と言いたいけど、あなた達だってそうもいかないでしょ」
「ぐっ……!」
「…………」
「ひとまず今日の所は帰って頂戴。それで開放してあげるわ」
「お姉様…」
「気にするな、無事だっただけでも良いさ。 ……いつか必ず、勝って見せる(ヒュンッ)」
「…………」
「あーあ、退屈は紛れたけど疲れちゃった」
「…………」
「しかし死神を見破る、あまつさえ制圧するなんてやるわね。私より天人の素質あるんじゃない?」
「……ドウゾ」
「あら、丁度飲み物が欲しかったのよ、気が利くわね(プシュ)」
「……(プシュ)」
「外の世界の飲み物、ね。何度飲んでみても不思議な味」
――ほろ苦い。
構成:ほぼオリジナル、というか突貫
死神実行部隊二名:オリキャラ(但しまたもモブ)
恐らく本作タグの「独自解釈」「独自設定」が最も荒ぶったであろう回。
天人は死神を撃退しているとは言うのですが、死神の攻撃方法が精神攻撃であったり、「具体的な話」を見つける事が出来なかったのが主な原因です。
死神というと小野塚小町が居ますが、こちらは三途の川の案内役である事、実行部隊が別に居るという設定からこんな話が飛び出しました。
あと天子ちゃんがどうにも悪役みたいになってしまって辛い…。