バカとテストと右脳娘   作:シュレ猫

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今回からBクラス戦が始まります。そして、原作とは異なる班編成で初戦に挑みます。そして、姫路さんはみんなが教室から出切るまで待ってからゆっくり来たので遅刻中。小隊長の腕の見せ所です。

それでは、本編始まります。


第十六話:Bクラス戦開幕!

「さて、皆、総合科目テストご苦労だった」

 

 教壇に立ったもっちーが机に手を置いて皆の方を向いています。

 

 今日も午前中はテストを行い、ついさっき全科目が終了してお昼を食べたところです。今日は春華(バカ)がいつになく大人しかったから気分も最高潮です。流石に昨日ねえさんにしばかれたから反省したんでしょうね。いやぁー、凄かったです。ボディーブローで頭を下げさせて、シャイニングウィザード。頬の痛みで動きが鈍ったところにタワーブリッジ。流石にかわいそうに思いましたもん。

 

ちなみにあっきーには今日のお弁当を少し分けてあげたので途中でスタミナが切れるということはまず無いでしょう。

 

「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、()る気は充分か?」

『おおーっ!』

 

 うーん、一向に下がらないモチベーション。これがうちのクラス最大にして唯一の武器ですね。

 

「今回の戦闘は敵を教室に押し込むことが重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけにはいかない」

『おおーっ!』

「そこで、前線部隊は姫路瑞希に指揮を取ってもらい、数学班の小隊長を島田美波、英語班の小隊長を神谷夏樹、物理班の小隊長を須川亮にまかせる。姫路は全体を見ながら不利な部隊のサポートを頼む。他の3人は姫路が他の教科のサポートに集中しているときや、近くにいないときは自分の判断で動いてできるだけ敵を削れ!」

「が、頑張ります」

「任せなさい!」

「了解!」

「わ、分かった」

 

 私を含め四者四様に答えます。

 

「っと、坂本。数学班の小隊長は島田じゃなくて神谷さんの方がいいんじゃねぇか? 今回も数学の女帝の力で蹴散らしてもらおうぜ」

 

 誰かがもっちーに進言しています。だから、『数学の女帝』はやめなさいって言ってるのに。まぁ、それはそれとしてこの提案は本当に困りものです。うぅ、どうしましょう。

 

私の内心の困惑を他所にその言葉を聞いたもっちーが大仰に溜め息をつきます。

 

「あのなぁ、確かに数学は夏樹でもBクラスレベルの島田でもいざというときにサポートできるが、英語は姫路以外だと夏樹しかサポートできねぇだろうが」

「ああ、そりゃそうか。流石に鬼の補習室送りは嫌だしな」

 

 おぉ、もっちー、ナイスです! 先ほど提案した人ももっちーの言葉に納得したようです。

 

「それじゃあ、野郎共、きっちり死んで来い!」

『うおおーっ!』

 

 なぜか異様にテンションの高い前線部隊の雄叫びが響き渡ります。

 

 今回の作戦では廊下の戦闘の勝敗が重要になるので、確実に勝つためにFクラス五十人中四十人を注ぎ込みます。私たちのクラス最強かつ学年でも三指に入る実力のひめひめがいるし、私も英語ならアレを使えますから負けはほとんど無いはずです。

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 そして、ついに昼休み終了のベルが鳴り響きます。いざ開戦。もっちーの指令が響き渡ります。

 

「よし、行って来い! 目指すはシステムデスクだ!」

『サー、イエッサー!』

 

 その叫びとともに私たちは全力で廊下を駆けました。

 

 今回の私たちの主武器は数学です。Bクラスは比較的文系が多いのでそこを突くためと、なぜか数学の長谷川先生は召喚可能範囲が広いためです。他にも同じく理数系科目である物理の木村先生と私の武器を活かすための英語の遠藤先生もいます。立会いの先生の多さで一気に畳み掛けますよ。

 

「いたぞ、Bクラスだ!」

「高橋先生を連れているぞ!」

 

 部隊の人たちの声で前を向くとBクラスがゆったりとした足取りで歩いてきます。その数は十人程度と少なめであくまで様子見だというのが分かります。その人数の少なさはこの戦いを押さえたい私たちとしては嬉しいのですが、高橋先生がいるのは痛いです。私たちは総合科目ではひめひめ以外は戦力になりません。なるべく、総合科目フィールドは避けないと。

 

「生かして返すなーっ!」

 

 そんな物騒な台詞が皮切りとなり、Bクラス戦が始まりました。

 

「おい、神谷夏樹だ。いいか、絶対にあいつを数学フィールドに近づけるな! さっさと取り囲んでやっちまえ!」

 

 そんな号令とともに三人のBクラス生が私たちの部隊に近づいてきます。うーん、敵も私の対策を考えたみたいですけど、見当違いな作戦ですね。三人に使うのはもったいない気もしますけど、十人中三人と考えればなかなかの戦果ですし、一刻も早く勝ちたいですからね。飛ばしていきます。そう判断した私は他の人たちにフィールドに入らないように指示します。

 

「遠藤先生。Fクラス神谷夏樹がそこのBクラス三人に英語勝負を申し込みます」

「許可します」

 

 私は相手に申し込まれるより前に対戦を申し出ます。

 

試獣召喚(サモン)

 

 そして、私たちはほとんど同時に召喚獣を出します。

 

 相手は全員鎧に包まれており、その手には剣や槍などを持っていてなかなか強力そうです。対して私の召喚獣はいつも通りの燕尾服を着て、その手には竹笛(・・)を。

 

「姐さぁーーん! そりゃ無いですよ! 何でそんな貧弱なんすか!」

「そうだ! 成績がいいほどいい楽器なんでしょ!? だったらヴァイオリンとかホルンとかぁー!」

「おい。どうやら、あの装備はかなり弱いらしいぞ」

 

 今朝のうちに私の装備について説明していたので班員のほとんどが慌てでしました。そして、あわてるFクラス生の声を聞いてBクラス生は安心し、胸を撫で下ろします。あっ、そういえば説明を簡単に済ませただけだったんだっけ。

 

「あ、あれ? でも、あいつの召喚獣の腕……」

 

そんな中、一人のBクラス生がある事実に気づいたようです。そして、召喚に少し遅れてそれぞれの点数が現れます。

 

Fクラス 神谷夏樹 英語 464点

  VS

Bクラス 川上登  英語 165点

Bクラス 山田哲平 英語 173点

Bクラス 上岡志郎 英語 159点

 

『はぁぁぁ!? う、腕輪持ちだとぉー!?』

「姉御。一体どういうことなんですか」

「ああ、説明してなかったけど、私の楽器のバリエーションは8個だけで400点を越えたら腕輪がつく代わりに0点からと同じ扱いになるんだ。だから464点と64点は同じ楽器なの。いやぁー、うっかりしてたよ。ごめんね」

 

 私の説明で納得したFクラスと、逆に私が腕輪持ちであるというショックから抜け出せないBクラス。うん、今のうちに腕輪を発動しましょう。

 

 頭の中で腕輪の起動命令を送ると、私の召喚獣の左腕にある腕輪が光りだし、それと同時に召喚獣が演奏を始めます。基本的に腕輪の能力は強力な攻撃系か召喚獣強化系が多いので相手は攻撃に備えて身構えます。でも、私の召喚獣の通常攻撃力は0だって言うことは知っているはずなんですけどねぇ? まさか、腕輪はその対象外だとでも?

 

 まあ、その後に何の攻撃も来ないことを不審に思いながらも攻撃を仕掛けてきましたが、腕輪の効果を警戒してか精彩がありません。そんな消極的な攻撃では私を捉えるのは無理ですよ? そして、演奏開始から25秒ほどたったのを見計らって英語部隊の8人に指示を出します。

 

――5――

 

「さあ、みんな」

 

――4――

 

「全力でのしちゃいなさい!」

 

――3――

 

 私の声にみんなが慌て出します。

 

――2――

 

気を取り直したみんなが召喚フィールドの中に入り、

 

――1――

 

試獣召喚(サモン)

 

――0――

 

その言葉とともに9体の(貧弱な装備の)召喚獣が現れます。フィールドの変化はそれだけではありません。演奏を続けていた私の召喚獣の腕輪の光が一際大きくなりました。そして、訪れる変化。

 

Fクラス 神谷夏樹 英語 116点

  VS

Bクラス 川上登  英語 165点

Bクラス 山田哲平 英語 173点

Bクラス 上岡志郎 英語 159点

 

まあ、私の点数以外は変わりありません。……表面上はね。

 

「はっ! 返り討ちだ」

 

 一人のBクラス生が迎撃のために剣を上に振り上げ――たかったんでしょうね。しかし、その腕は上に上がることなく、勢いよく右に動き、隣にいた召喚獣を切りつけます。

 

「て、てめぇ! 何やってんだよぉ!」

「ち、ちげぇって。俺はちゃんと上に振り上げようと」

 

 思ってもいなかった幸運に頬が緩みます。すると、私の笑みに気づいた相手が叫びます。

 

「おい、きっとあの女の能力だ。だが、少なくとも上に振ろうとして右に行ったんなら……」

 

 そう言って言い争いに加わっていなかった生徒が右から迫っていたFクラス生に対応しようとします。うーん、なかなか冷静ですね。彼は今度は逆に上に振り上げることで、右の敵を薙ぎ払いたかったんでしょうね。ですが残念♪

 

その剣は本来の命令通り勢いよく上に上がります。そして、がら空きの胴体を三人がかりで攻撃。先ほど右の仲間を攻撃してしまった彼は唯一出方が分かっている右薙ぎで攻撃しようと左前方に向かおうとしますが、その意に反して召喚獣の足は左後方に動こうとし、その結果足をもつれさせて転んでしまいます。

 

先ほど三人に攻撃された人も必死に逃げようとするのですがその足は命令通りの方向には動きません。その混乱の隙を突いて9人のFクラス生が止めを刺していきます。

 

 ふふっ、無駄ですよ。あなたたちの召喚獣は私の腕輪によって命令系統が狂っていますからね。しかも、この命令系統の混乱には統一性が無く、どんな混乱になるのかは完全なランダムで私でも予測がつきません。そんな法則を短時間で理解できるわけも無くFクラス生に面白いように点を削られていきます。

 

 結果、Fクラス生が召喚して20秒もしないうちに英語フィールドの初戦は終了しました。幸先のいいスタートです♪

 

 

 

――おまけ――

 

本文にあった通り夏樹の召喚獣の楽器は点数で変わります。まあ、高い点数の楽器だと消費点数のレートを上げることはできますけど、楽器による大きな違いはないですね。一応、各点数域の楽器は下のようになっていて、456点みたいに400点を超えていると56点と同じ楽器と言ったように400を引いた点数の楽器となります。

 

夏樹'召喚獣の楽器

0~10:無し

11~49:リコーダー

50~99:竹笛

100~149:トランペット

150~199:フルート

200~249:ホルン

250~299:ファゴット

300~349:竪琴

350~399:ヴァイオリン

 




今回は夏樹の腕輪の能力が登場しました。今回の現象は簡単に言うとNARUT○のがツ○デ(シ○ネだっけ?)がカ○トに使った電気で神経系統を乱したアレです。夏樹の召喚獣はとにかく召喚システムに影響します。ただ、腕輪の発動条件は厳しく、30秒間演奏をし続ける必要があります。本当に護衛の壁が脆いFクラスが試召戦争をする上では戦いにくい召喚獣です。

今回は順調に進みましたが、Bクラス相手ともなると易々と勝つことはできません。次話では夏樹に戦争初のピンチが!

それでは今夜更新の次話もよろしくお願いします。
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