ここは私の居場所?
第一部隊の神機使いと共に、任務に赴くことになった。
私は表向きには「技術開発の為のデータ収集の為長期間極東支部に在任する神機使い」ということになった。
そして、最も変わったことは…この右腕。
赤い腕輪が付けられている。他の神機使いが付けているものと同じだ。腕輪には、居場所を把握するビーコン機能や生体認証の機能もあり、それらも必要だが小夜にとっての大きな目的は、周囲から怪しまれることを回避する為だった。
今は、作戦地点に赴くヘリの中にいる。小夜は神機ーーショートブレードに分類されるらしいーーを携え、ヘリに乗っている。
ーーまた小夜に会えて嬉しいなぁーー
神機に"幽閉"されている文人がそう言う。これが自分、敗者への罰、などというのはどうかしていると小夜は思う。
(罰なら罰らしく苦しんでいろ…)
ヘリにはあと、ユウ、アリサ、コウタが搭乗している。小夜を含めたこの四人が今回の作戦メンバーだ。
作戦地点に到着。ヘリは帰投する。
「それじゃ確認。現在、目標のコンゴウとシユウはそれぞれエリアの東と西に離れている。こちらも二手にわかれて、各個撃破しよう。俺・コウタ組とアリサ・小夜組で行こう」
隊長であるユウの指示に全員頷く。
「アリサ、小夜とは初めて組むことになるが、フォローの方頼む。小夜さん、ここまでで問題ありますか?」
「…問題ない。いつでも行ける」
ユウはそれを確認し、全員に作戦開始を伝えた。
エリアの西、シユウが単独で行動している。ユウ・コウタ組がそこに到着した。
捕喰行為を行っていた最中のシユウを、ユウが後ろから捕喰攻撃による強襲、すぐさま第二世代神機の特徴である"変形"を行い、先ほどの捕喰で得たエネルギー、「アラガミ弾受け渡し」をコウタに行う。それにより、ユウ・コウタ両者共に、「バースト状態」に移行する。
精鋭の揃う第一部隊神機使いのバースト状態である。最初の攻撃から縦横無尽、剣戟と銃撃の嵐と言った様子でシユウを圧倒し続け、シユウは逃げる間も無く活動を停止した。
「楽勝だったなー、リーダー」
「そうだな、今回は小夜さんとの初の合同任務だったから、少し軽めのミッションがアサインされたんだけどな。こんなにアッサリなのは久しぶりだ」
シユウのコアを抜き取る。
「…ま、個体が弱い分、出てくるものも大したことないか」
アリサ・小夜組はエリア東のコンゴウを目指して移動していた。
「えっと、小夜さんは第一世代・近接型の神機使いですよね」
「…ああ」
言われたことが分からず、返答が遅くなる。
「では、私は後衛で戦います。後ろは任せてくださいね」
「了解だ」
ともかく、自分は前衛で動く、とだけ意識して小夜は戦場を歩いた。
コンゴウはその強靭な腕や身体による攻撃、背中のパイプから圧縮した空気を放つ攻撃を持ち合わせている。
熟練の神機使いであれば、さほど苦戦する相手ではない。
実際、アリサはともかく小夜に関してもそれほど苦戦することはなかった。
小夜は自らの身体能力を存分に発揮して戦った。結果、ものの数分でコンゴウは力尽きてしまった。
「すごいですね…私のサポートとか要らなかったですし」
「…何度か攻撃を受けた時に回復弾で助けられた。サポートは必要だった」
アリサの謙遜を小夜は事実で返答する。
その後は、四人合流し帰投、大きな問題もなく極東支部に到着した。
正式な任務としての初任務を終え、小夜は自室に入った。今日の任務はもうない。
「…」
部屋の電気は最小にし、壁に寄りかかり休息を取る小夜。目を閉じるが、眠ってはいなかった。
(…私の…居場所…)
(ここは、私の居場所だろうか…)
そのうち小夜は、彼女には珍しく深い眠りへと落ちて行った