黒き声(仮)   作:舎田

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過去編が面倒になったわけではない(白目)


青年期 
4


 

「っていう感動的な過去が俺にはあったわけよ。 捻くれたのは主にお前のせいな。」

 

 

 

「は? 急に語りだしたと思ったら何言ってんの? 大体の事情は知ってるし、修行も手伝ってやったんだから感謝してほしいくらいなんですけど。」

 

 

 

 

ロウドバルト・ザナルカスの昔話はテーブルを挟み向かいに座る茶髪ロング女に一蹴される。

 

 

 

彼女はグレイス・ダルストン。

 

 

グレンの娘である彼女と依頼を終え、今はカフェで昼食をとっていた。

 

 

 

 

 

時が経つのは早いもので、俺ももう21歳である。

 

 

 

次の誕生日で25歳を迎えるグレイスの前で年の話をすると、殴られるので絶対に口には出さない。

 

 

彼女の同い年の友人が22歳の時に結婚してから年齢の話はギルド内でご法度となった。

 

 

まだ気にする程でもないと思うのだが彼女にとって20代半ばは大きな意味を持つようである。

 

 

 

 

 

年齢の話で脱線したが修行のおかげで俺はそれなりに強くなった。

 

 

完全とは言えないが力の制御もマシになっている。

 

 

気がかりなのは痣が大きくなったことくらいか。

 

 

いや、重大か。

 

 

 

 

 

修行の日々は正直思い出したくない。

 

 

ギルドに温かく迎えてもらえたのはいいが修行と一部の人間との出会いは思い出すと胃が痛くなる。

 

 

 

主にグレイス。

 

 

 

修行と称してパシリやらよくわからない上下関係を教えてきたやつもいる。

 

 

 

 

主にグレイス。

 

 

 

というかグレイス。

 

 

 

 

まぁ、それを抜きにしても修行は大変だった。

 

 

 

魔法の訓練を始める前に属性を調べるぞー、と言われ喜んだと思ったら悪い意味でレアな無属性で落ち込んだり。

 

 

 

力の制御と言っても未知だからとりあえず暴走させて無理やり発動させてみよう、とか言って瀕死→暴走→回復→瀕死のループだったり。

 

 

 

 

嫌な思い出は多々あったがもちろんいいこともあった。

 

 

 

2つ年下で真っ白な兎の獣人の女の子、ラビとの出会い。

 

 

 

天使と言われれば信じてしまうほどの可愛らしさ、否、天使である。

 

 

 

 

ラビとの出会いからその可愛さを語りだすとおそらく俺の冒険譚は打ち切りになってしまうので多くは語れない。

 

 

 

 

 

小動物のようにトコトコとついて歩き、「ニンジンいる?」と差し出せば「……ん」と言って頬張る。

 

 

性格や愛らしい見た目と反して凄まじい脚力をもち、模擬戦で受けた蹴りは意識とともに肋骨数本をもっていかれた記憶もあるが微塵も気にしていない。

 

 

むしろ蹴られたときの吐しゃ物がきれいなおみ足にかかっていないかの方が気になるくらいである。

 

 

 

ただ、グレイスも溺愛しているので悪影響を受けないか心配で夜しか眠れない。

 

 

 

それからラビの親代わりであるトトさんも大変魅力的である。

彼女は他界したラビの母親の妹であり、怒るととても怖いが普段の性格と見た目はおっとりとした優しいお姉さんだ。

 

 

うちのギルドの2人の兎は偉大である。」

 

 

 

 

「気持ち悪い内容が声に出てるんですけど。」

 

 

 

高ぶったのだからしかたない。

 

 

 

 

「食べ終わったならギルドにさっさと帰るよ。」

 

 

 

そう言いグレイスは席を立つ。

 

 

 

きっとラビに早く会いたいのだろう。よくわかるよ、うん。

 

 

そのまま会計を済ませてくれたなら過去のことを少し、ほんの少しだけ水に流してしんぜよう。

 

 

「あ、お代は連れが払うので。」

 

 

 

 

 

現実は甘くない。

 

 

 

というか厳しい。

 

 

 

 

 

 

天国のお父さんお母さん。

 

 

早く帰って癒しに会いたいです。

 




後先考えてないので展開とかすべてその時に考えるダメ人間スタイル
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