現代を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を…希望に変える。
「……ん?」
俺は気がつけば、森の中に立っていた。
「な…え?…は?」
おっと、あまりの出来事に少し混乱していたようだ。状況を整理しよう。
俺の名は紅輪龍磨。
歳は17。
こう見えても魔法使いをやっている。
数ヶ月前まではファントムという化け物達と戦っていた。
戦いが終わったとはいえファントムの残党はあちこちな散らばっている。
その為の見回りから帰って来て、ドアを開けた瞬間、そこは森だった。
何を言ってるのか分からないとは思うが俺だって何が起こったか分からない。
別に誰かの精神世界、アンダーワールドに入ったわけでもないし、ファントムの幻術にかかったわけでもない。
見覚えが全くないこの場所で途方に暮れているという訳だ。
「…ま、考えても仕方ない。とりあえず周りを調べてみるかな。数は3体でいいか」
そう言って俺が取り出したのは3つの指輪。
そのうちのひとつを右手の中指にはめ、腰にある手の形をしたバックルにかざす。
[ガルーダ!!…プリーズ]
突如として声が響き、目の前に魔法陣が現れる。
魔法陣から何かのパーツが浮かび上がり、鳥の形に組み上げられる。
これは俺のもつ使い魔のプラモンスターの一体、レッドガルーダだ。
同じ要領で他の二つもバックルにかざす。
[ユニコーン!!…プリーズ][クラーケン!!…プリーズ]
レッドガルーダの時と同様に魔法陣が現れ、二体の新たなプラモンスターが姿を表す。
角の生えた馬「ユニコーン」のプラモンスター、ブルーユニコーンと、海の魔物と恐れられた伝説上の蛸「クラーケン」のプラモンスター、イエロークラーケンだ。
「辺りを調べて来てくれ」
そう言うと、プラモンスター達はわかったと言う様に首や体を上下させて、森の中に消えて行った。
「さて、気長に待つとしますか」
辺りはかなり暗くなっている。
夜更けであることは間違いないだろう。
土地勘もないこの場所で下手に動くのは危険だ。
どういうわけなのか、自分の近くに自分のバイク「マシンウィンガー」が転がっていたが、森の中で走らせるほど馬鹿じゃない。
大人しくプラモンスター達を待つことにしたのだ。
数分もしない内にプラモンスターが帰ってきたレッドガルーダだ。
「何か見つかったか?」
レッドガルーダに問いかけたが何やら妙に慌てている。
プラモンスターは言葉を喋れる訳ではないが、その小さい体で何かを伝えようとしている。
俺は長年一緒にいるので何かよからぬ事が起こっているのかはすぐに理解した。
プラモンスターは余程の事が無い限り慌てたりしないのだ。
「案内を頼む」
それだけで分かってくれたと思ったようだ。
レッドガルーダはすぐに飛び立った。
レッドガルーダを見失わないように俺は懸命に走る。
さて、鬼がでるかファントムが出るか…