指輪の魔法以外の魔法を使う魔法使いは彼に何をもたらすのか
いや、驚いた。
鬼が出るか、ファントムが出るかって言ったけど、まさか鬼の方が出るなんて…
ファントムかもしれないって思ったけど、ファントムは基本的に西洋の怪物しか現れないからオーガなら兎も角、鬼がファントムとして現れるのはあり得ない。
今、俺はさっき助けた女の子といつの間にかいた渋い男、そして後からひょっこり出てきた明らかにロボットの子と一緒にここの責任者のとこに向かっている。
何でも、ここは麻帆良学園という学園都市らしい。
それなりに大きいみたいだけど、俺は麻帆良学園なんてない。
これ程大きな学園都市なら耳に入って来ない方がおかしい。
妙だな…
いきなり森に飛ばされた事といい、俺の全く知らない場所…そしてさっきの鬼…
これは最悪のパターンを考えとかなきゃいけないみたいだ。
それにしても…気まずい。
女の子とロボットの方は何もないけど、男の方はずっと俺を警戒してるし、何より会話が無い。
これなら、質問でもしてもらった方が楽なんだけど…
あ、
「そういえば…」
俺が言葉を発した途端、男の方の体が固まった。
いや、別に何もしないから、そんな身構えなくても…
「何だ?」
「いや、名前を聞いてないと思ってね」
男の方が聞いて来ないので、代わりに女の子の方が答えた。
俺の言葉を聞いて男の方がホッといてるけど、そんなに警戒されたらこっちも非常にやりにくいし、敵対とかしたくない。
俺の力はファントムを倒す為のものだから。
「何だ、そんな事か…」
「人との付き合いでは大切な事だよ。俺の名はさっき聞いてたと思うけど、紅輪龍磨」
「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ」
「…タカミチ・T・高畑だよ」
「絡操茶々丸です。よろしくお願いします」
変わった名前が多いな。
俺も人の事言えないけど
「成る程、よし全員覚えた」
そんな事をしてたら目的の場所に着いたらしい。
「着いたよ。麻帆良学園女子中等部だ。ここに学園長がいる」
へえ、ここに学園長が。
しかし妙なデザインの学校だな。
ん?ちょっと待て。
「今、女子中等部って言ったか?」
「ああ、それがどうかしたかい?」
「いや、ついでに聞くけど学園長は男?」
「?そうだよ」
…学園長はあれかロリコンなのか?
普通、小中高大が揃ってる学園都市の学園長って大学とかにいるんじゃないのか?
しかも、女子部だし。
「何をしてる?とっとと行くぞ」
考え事してたら止まってたらしい、エヴァンジェリンちゃんに呼ばれた。
そういえば何でこんな小さい子がこんな夜に?
まあ、後で聞けばいいか。
「悪い、すぐ行くよ」
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「ここが学園長室だよ」
学園長室の前に着いた俺は、気を引き締めていた。
ここの総責任者をやっているということは、駆け引きが上手いはずだ。
余計な情報を与えないように気を付けなければならない。
こんな事は思いたくないが何分ファントムと戦ってきただけに警戒心が強くなってしまった。
連中はゲートを絶望させる為ならどんな手も使うのだから。
「入りなさい」
「失礼します」
タカミチさんが戸を叩くと、中から声が聞こえた。
その応答に伴い、俺たちは中に入った。
そして、俺が一言目に発した言葉は…
「…大妖怪ぬらりひょん?」
「ふぉ!?」
やべ、言っちゃった。
でも、あんな頭を見ればきっと誰でも思うはずだ。
…本当に、人間か?
鬼がいたぐらいだ。
ぬらりひょんもいるはず。
だって、あんな頭の人間いるわけない。
俺の言葉を聞いてエヴァンジェリンちゃんは爆笑しながら「中々言うじゃないか」と言っている。
タカミチさんは笑いを堪えてる感じだ。
学園長は…何かメソメソ泣きながらいじけてた。
はっきり言って気持ち悪い。
「しょ、初対面の人間に対して、いきなり酷くないかの?」
…人間だったのか。
いや、だってあんな頭見せられたら…ねえ…
「諦めろジジイ。貴様の頭を見れば言葉に出さなくても大体そんな反応をする。こいつはズバッと言ったがな」
エヴァンジェリンちゃんにも言われて、学園長は「整形しようかの…」などとボヤいてる。
って話が全然進まない。
「そんな事より、そろそろ本題に入りましょう。学園長」
タカミチさんナイス。
「そんな事って…ごほん。初めましてワシがこの麻帆良学園の学園長、近衛近右衛門じゃ。早速じゃがお主の事を聞かせてもらえるかのう」
「…俺の名前は紅輪龍磨。一部では指輪の魔法使いとか、仮面ライダーとか呼ばれてる」
俺は語った。
ファントムの事を…
ファントムがどうやって生み出されてるのを…
俺の戦う姿から一般人が仮面ライダーという名前をつけた事を…
サバトの事を…
一部の聞かれたく無い事は隠して、俺は全てを語った。
「成る程のう…だがワシらはファントムというものなど聞いた事無いし、見た事もない。第一、生き物なら少なからず魔力を持ってるものなんじゃが…それにどうやってこの地に入ってきたのじゃ?」
「…分からない」
「は?」
「いや、本当に分からないんだ。俺の家のドアを開けたらいきなり森の中にいるし、本当訳が分からない」
何か、疑いの目が強くなったな。
俺が考えてる通りなら当然か、こいつを見せれば如何にかなるか?
「…それは?」
「免許証だ。ここに書かれてる住所を調べてくれないか?」
「…わかった。少し待つのじゃ」
俺の疑念が確信に変わるのは、すぐ後の事だった。