君の名を忘れない。   作:ばんなそかな

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四話 再び

窓から差す光にまぶたの裏が赤くなるのを感じる。

意識が浮上してきて、まず感じたのは嗅覚だった。

女物の香水と化粧が混じり合ったような、不快ではないけど、胸の奥が一杯になるかおりだ。

その心地よさを出来るだけ留めようと、胸一杯に息を吸おうとして気づいた。

 

(んん?)

 

吸い込める空気の量がいつもより少なく何かに邪魔される。いや、そんな問題はどうでもいい。それよりも何か物理的な重さあるものが胸の上に存在しているのだ。

俺はぱっと目を開けて、胸元を見てあってはならない胸の谷間を見つけてしまった。

それから震える両手を体の前に持ってくると、華奢で小さな手が目に入る。

俺は自然な動きで、そのまま胸元に手をやるとおもむろにもんだ。

パジャマごしとはいえ、ほどよい弾力をもった胸に指が沈んでいく。

 

……ふむ、間違いない三葉のだ。しかも間違いなく大きくなってる。

 

毎回入れ替わるたびにもんでいた俺がいうのだから間違いない。

決して急成長したってわけではないが、ぷにんぷにんが、ぽにんぽにんに変化した程度のものだが、はっきりと俺にはわかった。

なんだか何度ももみほぐしていると、昨夜悩んでいた事が頭から抜け落ちて、ほどよい心地よさに包まれる。現実の事などほっといていつまでもこうしていたくなる。

ああ、ふむ、おお、だの女の体に驚嘆しながら、なんだか肉付きがよくなり柔らかくなった三葉の身体を感じて、俺はちゃんと育っているんだなと感心した。

 

「お姉ちゃん、ひとりでおっぱいに話しかけてなにしとん……?」

 

そこで思いっきり不審げな声色の声が天から降ってきた。

しかし、それは決して人の体を好き勝手にしている瀧に対して、天から戒める声が降ってきたとかではない。

見上げるとベットの淵から、宮水四葉が長い髪を顔の両脇に垂らしてじとーと見つめていた。

どうやら俺は、思いっきり声に出して三葉の胸をもんでいたらしい。

 

「げっ……四葉ちゃん?」

「ちゃん?」

 

女の子にあるまじき声を出したところで、さらに四葉が話しかけてくる。

のそっと自分の身を守る様に体を起こして四葉は、眉を不審げに曲げる。

おいおい、この幼女成長してるじゃないか。中学生ぐらいか?

 

「また変になっとるや。最近、治まった思っとったのに」

「いや、違うから!ええと……いたっ!!」

 

身を乗り出してこっちの熱を測ろうとしたのだろうが、妹の以前にはなかった膨らんだ胸元が見え掛けて、俺はようやくもんでる手を止めた。

慌てて後ろに下がる。俺にそっちの趣味はない。

しかしその際、テーブルの脚に手をぶつけてしまった。

どうやら三葉は、妹をベットに寝かせて自分は、床にマットを敷いて寝てたようだ。

俺は慌てて立ち上がって、さらに小指の先をベットの角にぶつける。

 

「あいってっ!くそっ!!」

 

片足でけんけんしながら、俺は部屋に立ててある姿見の前に立った。

やはり三葉がそこにいて、それは少し成長した姿だった。

下した髪は以前よりも長く、首筋をくすぐる感触が懐かしく感じる。

でも、俺が昨日見た20歳の三葉なのかどうか、確認する必要があるな。

 

「時に妹よ。私は何歳だったっけ?」

「はい?……一か月前に20なったばかりやない。はっ!まさかもうお酒飲んだんちゃうん?昨日私が寝た後飲んだんやろ!うわーん!お姉ちゃんがアル中になってもうた!」

「いやいや、飲んでないから」

「その方がもっと心配や。自分の年齢わからんようなるなんて本当に大丈夫なん?やっぱ、東京のストレス社会で、お姉ちゃんおかしゅうなったんや。一度岐阜のおばあちゃんとこ帰ろ」

 

ヒートアップする四葉に、ずいぶん慕われているんだなと思いながら俺は首をひねった。

卓上カレンダーを確認するとやはり、日付は八月×日。

なんで俺は、一か月先じゃなくて、しかも三年前の三葉じゃないのに入れ替わってんだ?

本気で心配する妹をどううまく躱すかと次に考えると、救いの電話が鳴った。

 

*****

 

私は、また夢を見ている。

あのカタワレ時の瀧くんとの別れ。ほんの一時の邂逅。

胸を刺すような悲しみと一緒に、意識が体に浮上してくる。

涙が一筋垂れて、私は両目を手で覆った。

ごわごわの手が触れて、なんでこんなに肌が荒れてるのと考えながら目をこする。

昨日の事をふと思い出す。四葉を連れて奥寺先輩と東京観光出来たのは、とても楽しかった。

瀧くんに教えてもらったカフェもばっちりおいしかった。一緒に行けなかったのは残念だけど。……あの時、一瞬三葉って呼ばれたのは気のせいだったのかな。きっとそうに違いない。

 

ーーーだって、彼は私との想い出をまだ知らないのだから。

 

それにしたって瀧くんの強情さには呆れる。三葉って呼んでいいって言ってるのにたった一回しか呼んでくれなかったし。むう、やっぱりなんだかうまくいかない。

昨日だって、折角楽しかったって色々メッセージとか送ったのに返事は来ないし。

そう思い、私はなぜか肩の下敷きにしていた携帯を取り出して見てみた。

やっぱり返事は届いてない。だって既読が……んん?なんで私の名前が表示されとるん?

くるっと体をうつ伏せに変えて、私はすぐに気づいた。

 

「あれ、胸が……ない。ってこの声!」

 

普段寝転ぶと邪魔になるアレがなく、平べったい筋肉の塊が変わりに存在している。しかも、このいきなり低くなった声だ。

おまけに極め付きは、なくなった二つの代わりに股間に強烈に感じる一つの存在。

飛び起きて股間に伸ばそうとした手を止めて、変わりに顔をべたべたと触りまくった。

 

「って私、また瀧くんになっとる!!」

 

どうしよう、大変だと思う一方で、嬉しい気持ちで胸が一杯になった。

慌てて部屋のあちこちを意味もなくうろうろする。

だってここに来るのも三年ぶりなのだから。

 

「え、でもなんで?だって瀧くんと入れ替わるのは三年前の私のはずで……大変ッ!」

 

私は慌てて瀧くんの携帯に飛びついて、変な感じだけど私自身に電話する。

とにかく、きっと瀧くんが私と入れ替わってるはずだから、事情を知らない彼はとんでもなく混乱してるはずだ。

 

「あ、もしもし?」

 

出たのは自分の声だ。確信がないのは、まるで録音した自分の声を聴く感じだからだろう。

ってなによーこの声。寝ぼけてぶっきらぼう。今度瀧くんに電話する時は気を付けよう。

 

「もしかし瀧くん!?大変な事になっちゃたよ!!」

「三葉か?あ、いや俺、じゃなくて立花瀧か?」

 

私の声が奇天烈な事を言いながら、答えてきた。

なんだか私も、三年のブランクがあるせいか、瀧くんの言葉遣いや感覚というの忘れかけている。

 

「えっと、瀧君。混乱してると思うんやけど、よく聞いてな。実は……」

「ああ、お、私たち、またあれになってるぞ!」

「うん、入れ替わり!」

 

その時、違和感に気づいた。

まず、瀧くんの私に対する言葉遣い。そして同じ部屋にいるであろう四葉に向けた、ばれないための気づかい。……入れ替わってすぐに事態把握して、こんな対応とれる人おる?

 

ーーーそして三葉と呼んだこと。

 

その瞬間、全身がぞわっとする感覚が走り、私ははっと息を飲んだ。

 

「たき……くん?あの瀧くん……やの?」

「やっぱり三葉なんだよな。まったく、何がどうなってるのやら。……でもまた三葉と会えた」

 

瀧くんの言葉を聞いて、私は嗚咽が漏れて涙がこぼれだした。

その事を聞き届けたのだろう。瀧くんが息を少し吐いて、とても優しい声を掛けてきた。

 

「あのカタワレ時、言えなかった言葉があるんだ。お前が世界のどこにいっても必ず逢いに行くって!……三葉の方が俺を先に見つけてくれたんだな。やっぱすげえよお前」

「ったき…くん……!!私もあの時言えなかった事があるの!だから絶対瀧くんに生きて会いに行くって決めたの!」

 

涙ながらに言葉を絞りだして私は、自分の体を抱いた。

今すぐ瀧くんに会いに行きたい。

けど、突然瀧くんの言葉に妹の四葉の、無遠慮でこれでもかというぐらい不審な声が重なった。

 

「あ、こら!勝手に携帯とるな!」

「いいから、ちょっと貸しや!……あの瀧さん。お姉ちゃんがすみません。ちょっと今日調子悪そうで、三年前の持病が起こったようやって。あ、気にしないでください。一日寝てれば前は回復しよったから」

「四葉?……今、わた、えっと三葉と一緒なんやな」

「瀧さん、なまっとるよ?」

 

四葉を無視して、持病じゃなくて……三年前の事が私の頭をよぎった。

私が瀧くんに入れ替わってた間の奇行を。……そして今、瀧くんは私の体におる!

 

「ああーっ!!四葉!私、じゃなくて三葉に!三葉に今すぐ伝えて!今すぐ体に触らず、周りも見ずに、あと、息も吸っちゃだめって!ああ、もう。こんな事なら掃除しとけばよかったよー!とにかくお願い。すぐ行くからっ!!」

「あの瀧さん?……瀧さんも持病の病気……なん?」

「あ!まさか、あいつおっぱいに触ったりしてないでしょうね!どうなん!?」

「…………」

「変っ態!三葉になんもさせんといてよ!!」

 

私は携帯を切ると、慌てて瀧くんの部屋でしばしの逡巡の後、着替え始めた。

 

*****

 

四葉は震える手で携帯を姉に返すと、これまた震える声で聞いた。

 

「お姉ちゃん。普段、瀧さんとどんな事しよるんや?」

 

俺は床にあぐらを掻いて座ると、頭の後ろを掻いて苦笑いした。

さっきから四葉ちゃんの視線が痛い。ってかめっちゃ警戒してる。

 

「瀧さんもなんかオカマっぽくて変やったし。お姉ちゃんさっき俺って言わんかった?」

 

東京って恐ろしや、とつぶやいて本気で部屋の片隅に避難しようとする。

俺はこれ以上、俺と三葉を変に思われないために弁明を考え付く。

これならなんとか大丈夫だろ。後で三葉と口裏を合わせよう。

 

「いや、あれは演劇なん…やよ。そう、演劇」

「お姉ちゃんも瀧さんも、演劇部ちゃうやん」

「えっと、大学の演劇部に頼まれちゃってな。もしかし代役で出るかもしれないんよ。それも、男女の心と体入れ替わっちゃうやつ。それで、毎朝瀧……くんと練習するようにしてるの」

「ふーーーん」

 

やばい、アイス買ってやるじゃもうごまかせない年齢に育っちゃったか?

てか、今気づいた。自分で自分の名前君付けするの、マジで言いにくい。

 

「お姉ちゃん、瀧さん変やったけど、すぐ来るゆうとったよ。はよ着替え」

「いやー、でもあいつに何もするなっていわれたしな」

「瀧さん、もしかして悪い人なん?お姉ちゃん騙されとるん?もしやDV!?そんなんダメや!今すぐ別れ!」

「いや、たぶん付き合ってないし」

「あの関係で!?」

 

妹の追撃をのらりくらりとかわしながら、俺は三葉の言葉通り何もせず座して待つ事にした。

その間に妹がカバンを取り出して着替え始めたので、慌ててトイレに駆け込んだ。

決めた。とりあえずお腹の調子が悪い事にして、三葉が来るまで籠っていよう。

しばらくしてチャイムの音がなる。

 

「もう来ちゃったんや。もうはよ着替えーて!おばあちゃんが泣くよ」

「ちゃんと着替えるって。大丈夫、大丈夫」

「これは……お父さんに報告せんといけんとちゃうん。うーん、私が瀧さんにびしっと言っちゃる」

 

ぶつぶつ言いながら見慣れた髪型になった四葉ちゃんは、三葉……いや俺の対応に出る。

俺は何もしてませんよと、ポーズをとるために正座をして目を閉じた。

 

「ちょっと、瀧さん!もう、なんやの!お姉ちゃーーん!」

 

どたどたと慌ただしい音がしたと思うと、目の前に何かが滑り込む感覚がした。

目を開けると、真っ赤に目を腫らした俺の顔がある。あ、いや三葉か。

 

「瀧くん。やっと会えた……長かったよう」

「……そうだな。悪かったな。まだ知り合う前で、すげえ苦労したんだよな」

「……うん。うん」

 

すすりながら涙を拭く三葉の頭を俺は、よしよしとなでた。三年間、ずっと我慢してたんだな。きっとこいつの事だから言いたい事もはっきり言わなかったに違いない。

 

「三葉……もう泣くなよ。俺たちもう一度会えたんだから」

「うん、瀧くんが思い出してくれた。もう、全然悲しくないよ」

 

涙を拭いて泣き笑いという高等なな俺の表情を見せてくれたところで、四葉が言い放つ。

 

「まだ、その三文芝居続くん?はあ……」

「これにておしまい!どうだった、男女の心が入れ替わった演劇は?」

 

どきっとした俺は三葉に顎で合図をして、気持ちを女に切り替えて四葉の弁明に回る。

ってか、もう妹ならばらしてもいいんじゃないかな。どうなんだろ。

 

「演劇?……そっか。あと、どうやったわた、俺たちの演技は?」

「脚本は三流やったけど、演技は一流で本当かと思ったやん。……まさか本当に入れ替わっとんやないん?」

「「そんなわけないでしょ!」だろ!」

「ま、それもそうや。瀧さんは終わったんなら早く出てって下さい!それとお姉ちゃんも今度こそ着替えや。しょうがないから私が朝食、作ったる」

「あ、それなら俺が」

「瀧さんは、はよ出!!」

「わかってるわよ」

 

まだ、なよっとしてる声を出した俺を見て、四葉ちゃんはうへえ、とした顔をした。

そして背中を押されて出ていく三葉は、携帯に手を当てて合図を送ってきた。どうやら、なんとかなりそうだ。

 

変態

 

三葉が一言だけ、送ってきた後、俺はなにもしてないと返信しようと思ったがやめた。あの妹めに見られた限り言い逃れは無理か。

全く、少しくらいいいじゃないか、折角こうやって出会えたんだから。……だめか。

その後、箇条書きで色々と服の場所と、目をつむってうまく着替える方法を教えてくれた。

従わなきゃ今すぐ、瀧くんを社会的に殺すという文を添えて。

ち、俺は舌打ちをしてからしょうがなく三葉の言葉に従う事にした。

 

*****

 

目玉焼きとトーストにサラダと、簡単な食事を前に三人でテーブルを囲む。お腹が減った表情をしている三葉を見かねて、四葉ちゃんが中に入れたのだ。

そういや、俺昨日の夜、まかないも食べてなかったな。

しらばく静かにトーストをかじっていると、三葉が話掛けてきた。

 

「そうそう、四葉はお父さんと一緒にテレビ番組の収録のために来てたんだよね」

 

突然、モノローグのような事を言い出す。おいおい、大根役者すぎるぞ。

 

「呼び捨て……?すでにお義兄さん気取り……ですか……」

「へ、いや、そんなぁ」

「…………」

 

四葉ちゃんが俺と三葉に、視線を素早く交互に向け、ちょっと顔が赤くなる。

何を想像したのかはわからんが、とにかく三葉。俺の身体でくねくねするな。四葉ちゃんがまた、嫌そうな顔で見ている。

おい、三葉よ。お前の妹の俺への評価がだださがりなんだが、それでいいのか。

だがまあ、ナイスアイディアだ。この場を取り繕う事は可能になる。

 

「四葉は、お父さんと一緒にいなくていいの?」

「今日は収録で一日中いないから。って昨日いったやん。だから今日買い物連れてってくれるって」

「ああ、そうだったな。うん、もちろん覚えてるよ」

「あとてっしーと、さやちんも一緒だからね」

「なんで瀧さんが、昨日決めたお姉ちゃんの予定しっとるん?……ストーカー?」

「違うわよっ!」

 

三葉がストーカーって言葉に過剰反応し、ぷりぷりと俺の身体で怒る。

 

「昨日、三葉に教えてもらったの!今日、俺も付いていくから」

「ええー?」

「なんで嫌そうな顔するん?俺の事が気に食わんってゆうん?」

「だって今日の瀧さん、いっちゃんおかしいし。いつもの誠実そうな人どこ行ったん?まるでがさつでお姉ちゃんに影響されすぎや」

「なんですって?!」

 

姉妹喧嘩するなら頼むから、元の身体に戻ってからにしてくれと思う。

それから三葉をなだめて食べていると、四葉ちゃんがサラダを指さした。

 

「お姉ちゃん。マヨネーズで食べたいんやけど、新しいのどこにあるん?」

「えっと、それなら」

 

それに反応したのは俺の身体で、立ち上がってキッチンの棚の引き出しを開けると一発で取り出す。それをじーっと見つめる俺と四葉ちゃん。

四葉ちゃんは目を閉じた後、名探偵のポーズがごとくビシッと指さした。

 

「正直に言いお姉ちゃん……こっそり瀧さんと同棲しとるやろ!」

「えぇ!!していないわよ!」

「なら、なんでマヨネーズの場所なんて知っとるん!?」

 

三葉のばか。俺も全く気付いていなかったのはとりあえず棚に上げておく。

こりゃ、三葉の奴。俺との入れ替わり生活忘れてるんじゃ……三年前の事だしな。

ってか、こうやって入れ替わった者同士が向き合ってると、余計その差異が目立つ。

 

「四葉は知らないんだよ。東京ってのは部屋も、家具も大体皆同じなんだから。だから瀧くんにもわかったんだよ」

「え、そうなん?……うーん、さすがコンクリートジャングル」

 

なんか違うがまあいい。誤魔化せたし。とりあえずなにか話題を変えないと。そう思ったところでふと、昨日の記憶を思い出した。

 

「今日、瀧くんついてくるっていったけど、確かバイトがあったよ?」

「え?嘘。なんでいれとるん!……うーん、あ、司くんに代わってもらえないかな」

(司ともやっぱ知り合いなのか……)

 

三葉は俺の携帯で、電話をかけ始める。……もしかして、中見てないよな。

変な女とか書いてる日記見たら、絶対また傷つくよなあ。

 

「司くん?」

「くん?」

「あ、いや司。今日悪いんだけどバイト変わってくれない?お願い!」

「ああ、別にいいけど……また、宮水先輩か?いいよ。それよりどうなってんだよ」

「どうって……?」

「いくら鈍感でも限度ってものがあるだろ。てか、お前も気づいてないはずがないし。そろそろ関係を進めろよ。年下でも男だろ?じゃあな、後で結果聞かせろよな」

「う、うん……」

 

何顔を赤くしてるんだ三葉!俺の身体でくねくねするなっていってるだろ!頼むからカマっぽく手を頬に当てるな!

俺はテーブルの下で足を伸ばして、俺の身体を蹴る。

だが、手遅れだったようで、四葉ちゃんは身を引いて少なくとも信頼できる姉の身体のそばに避難してきていた。

四葉ちゃんの中で俺への評価が、地の底で穴を掘っていた。

 

 




ラブコメって難しいですね。
なんとか小説何度も読み返してやってみました。
とりあえず、自分の妄想の限界って事で。
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