シンデレラガールズ×鉄道シリーズ   作:京城香龍

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私(P)が綾瀬穂乃香と出会うとしたら、をイメージしたSSになります。
出会うとしたらそれは、年に数回ばんえつ物語の客車を使って信越本線高崎~横川で運転される臨時列車「DL&SL碓氷物語」号です。
横川行きはディーゼル機関車、高崎行きは蒸気機関車がけん引します。
Pの一人称となっていますが、Pの目線でDL&SL碓氷物語号の旅を楽しんでいただければ幸いです。


アイドルとの出会い
綾瀬穂乃香と出会った日(DL&SL碓氷物語号)


9:30のJR高崎駅。

俺はこの日運転する臨時列車「DL&SL碓氷物語」に乗るために今高崎駅にいる。

普段は福島県と新潟県を結ぶ磐越西線の「SLばんえつ物語」に使用される客車12系だが、時折群馬県に来ては上越線や信越線をSLやDLにけん引されている。

今日は信越本線の日だ。

先頭にDD51、後方にC61を連結して待機している碓氷物語号。

DLとSLには黒山の人だかり。

みんな写真撮影に夢中だ。

俺も写真撮影を終え、ばんえつ物語客車に連結されているグリーン車に座った。

グリーン車の真ん前にはDD51が見える。

グリーン車の展望デッキから見るとDD51は大迫力だ。

高崎から終点の横川まではこのDD51がけん引する「DL碓氷物語」として運転する。

9:47高崎発車

 

―ピィー

 

汽笛を鳴らしてDD51がばんえつ物語客車とC61をけん引して走行する。

力強いDD51の様子はグリーンの車に座っていると目の前で座りながら見ることができる。

横川までたった1時間の小旅行だ。

 

―プシュー

 

俺は売店で買ったビールでのどを潤しながら引っ張るDD51を座席から眺めていた。

時々展望デッキにも移動してDD51を目の前で見ながら。

DL碓氷物語号は途中安中、磯部と停車しながら中山道に沿って横川を目指していく。

深い山間に入り、山がだんだん険しくなっていき、

10:49終点横川に着いた。

横川でも碓氷物語号の撮影会が行われていた。

俺も少しばかり撮影したのち、横川駅を出た。

そして碓氷峠鉄道文化むらの脇にある碓氷関所跡からアプトの道を歩き始める。

ペタペタ歩く。

ただひたすら歩く。

EF63の体験運転が横を走り、旧丸山変電所を脇に見ながらアプトの道をペタペタ…

峠の湯にたどり着いた時には全身汗でびっしょりだった。

峠の湯で俺は汗を流し、疲れをとった。

いいお湯だった。

温泉から上がって館内の休憩室で少し横になった。

横になって休憩したのち、そこでラーメンを食べて腹を満たした。

その後、俺は峠の湯を出て碓氷峠鉄道文化むらのトロッコ列車に乗って峠の湯から横川駅に戻ってきた。

帰りもまた汗だくになって歩くのはごめんだからな。

 

横川駅ではいまだなお冷めやまぬ撮影会。

俺は横川駅名物「峠の釜めし」を購入した。

別の場所でお茶も買い、SL碓氷物語に乗り込む。

帰りもグリーン車だ。

帰りはSLC61のけん引となる、「SL碓氷物語」号となる。

つまり帰りのSLが真打。

行きのDLは前座みたいなものだ。

とは言え、帰りも展望デッキにDD51が連結されていてグリーン車からはダダ見えだがな。

指定された座席に座り、発車を待つ。

そこへ、

「ここ私の指定座席なんで失礼しますね」

「ああ、どうぞ」

セミショートのややパーマがかかった女の子が隣の座席に座った。

女の子には何やらブサイクなキャラのTシャツを着ていた。

 

―ボォオオオオ

 

15:10分横川発車

 

―ゴッゴッゴッ

―バシューッ

 

C61は力強く蒸気のピストン力で鉄の動輪を動かし、横川駅を後にする。

「はぁ……」

女の子は何やら悩んでいそうだった。

思い切って話しかけてみた。

「何か悩みでもあるんですか?」

「え?なんですかいきなり?」

「これは失礼、深いため息をしていたものでつい…」

「お話……ですか?面白いことは言えませんよ。私、幼い時からバレェ一筋で過ごしてきたもので。同世代の人たちの好みや流行に、いまいち疎いんです。そう、将来の夢は一流のプリマドンナになることで。そのために、子供のころから一日も欠かさず練習を続けてきました。……でも」

「でも?」

「最近、レッスンが上手くいかないんです。いえ、“上手くいかない”というのは少し違う……なんだか、“楽しくない”んです。なぜでしょう……大好きだったバレェは憧れの夢のはずなのに。昔は楽しかったのに、最近は、トゥシューズを履くのもつらくなってしまって。きっと私に才能がないからでしょう。自分の表現力に限界を感じてしまって、理想通りに踊れない。そんな自分が嫌で、レッスンも嫌いになってしまって。それで気分転換に珍しい列車が出るっていうので横川まで来て温泉まで入ってすっきりしようとしたんですが、ダメでした……」

「なるほど」

「す、すみません…初対面の人にこんな悩みを打ち明けるなんて」

「とんでもございません。申し遅れましたが、私はこういうものです」

少女に会社の名刺を差し出した。

「芸能事務所…ですか?」

「はい、単刀直入に申します。アイドルになりませんか?」

「アイドル…?テレビで歌ったり踊ったりする人たちですか?……確かに、一度バレェから離れて、自分を見つめなおすのも息抜きになるかもしれませんね。あ、すみません“息抜き”だなんて失礼ですね」

「とんでもありません」

「よろしかったら、お話を聞かせていただけますか?アイドル…少し興味が出てきましたから」

「ありがとうございます。ではお名前は…」

「私は綾瀬、綾瀬穂乃香といいます」

「では穂乃香さん、アイドルについてお話ししますよ」

「はい!よろしくお願いします!」

こうして俺と綾瀬穂乃香はSL碓氷物語号のグリーン車で出会った。

その後穂乃香とSL碓氷物語に乗っていた1時間でアイドルの事を一通り教えた。

SL碓氷物語が磯部、安中と停車していても俺は熱心に穂乃香にアイドルについて語った。

16:13分高崎着

高崎で俺と穂乃香は別れることになった。

「では、事務所に連絡お待ちしております」

「はい!両親ともちゃんと話してきます」

その笑顔は最初に車内ですれ違った時とは思えないほどに光り輝いていた。

俺はホームから穂乃香とDL&SL碓氷物語号を見送った。

 

後日、事務所に一本の電話が。

―トゥルルルル

「もしもし、綾瀬穂乃香です、先日SL碓氷物語号のグリーン車でお会いした!私、そちらの事務所にお世話になることにしました!両親も納得してくれたし、名刺をくれたPさんなら安心してプロデュースお任せできると信じました!!是非ともアイドルよろしくお願いします!!」

 




スターライトステージの綾瀬穂乃香のコミュをそのままSL碓氷物語号に持ってきた感じです。
自分だったら列車の車内でこうやってスカウトしただろうな、と。
DL&SL碓氷物語号は1年に数回運転されますので、JR東日本高崎支社のHPか最新の時刻表でチェックしてぜひ乗ってみてくださいね。
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