シンデレラガールズ×鉄道シリーズ   作:京城香龍

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Pが真岡鉄道のSLで氏家むつみに出会ったら、をイメージしました。


氏家むつみと出会った日(SLもおか)

10時の下館駅。

下館駅の真岡鉄道ホームに3両の客車とタンク式の蒸気機関車C11がディーゼル機関車DE10に率いられて入線してくる。

C11とDE10をカメラに収める人たちが黒山の人だかりを作る。

真岡鉄道の目玉列車「SLもおか」号だ。

SL真岡号は下館駅と茂木駅を結ぶ真岡鉄道真岡線41.9㎞を走るSL列車で、線内の多くの駅に停車する。

乗車する際は自由席だが500円で整理券を買う必要がある。

特筆すべきは使用している客車が「原形を留めている50系客車」である事だろう。

ただし外観は茶色と赤帯に塗装し直されているが、内部の座席のつくりや配置・仕様は国鉄→JR時代のまんまである。

かつてレッドトレインと呼ばれ、北海道から九州まで日本各地のローカル線で活躍した50系客車。

一部は観光列車用に改造され残されているが、外観の塗装以外一切手を加えず純然たる50系客車として営業しているのはこのSL真岡だけである。

その希少性が全国各地から鉄道ファンを真岡鉄道に呼ぶ一因となっている。

まさに悪魔的懐かしさ…っ!!悪魔的生きる国鉄…っ!!

 

さて、俺は日野茜と茂木駅で合流するためSL真岡に乗りに来た。

茜は故郷栃木県茂木町で仕事だ。

懐かしいな。俺の故郷、東北地方も俺が小学校に上がるくらいまでは赤い客車(レッドトレイン)が東北本線の主役だった。

家族に何回か乗せられたことはあったが今ではぼんやりとしか覚えていない。

ただこの50系に何回か乗ったことと家族に暇つぶしに何回か過ぎ去っていく50系客車を見に連れてこられたことから、気が付いた時には俺は鉄になっていた。

三つ子の魂百までも、とはこのことだろう。

つまりこの50系客車こそ、当時とは少し異なるが俺にとっての“原点”なのだ!

茜と合流するまでの1時間半その原点に浸りつつ芳賀路を堪能しよう。

50系客車の車内はデッキのついたロングとボックスのセミクロスシートだ。

車内を見ただけではローカル線でよく走る気動車と全く同じ車内構造だ。

 

10:35下館発車

 

―ポォォー

―ゴッゴッゴッ

―バシューッ

 

C11のかわいい汽笛がなり、煙を吐いて力強く動き出す。

50系客車の窓を全開にして外の空気を入れる…っ!

―プシュー

50系客車にテーブルはないため、ビールは窓の下にある暖房装置の上に置く。

外の風に乗ってC11の煙と塵が車内に入ってくるがこれがいい。

まさに悪魔的心地よさ…っ!!

折本、久下田、寺内と停車して、真岡鉄道の本社と車両基地のある真岡に11:20に到着。

ここで10分間停車する。

停車中もSLを撮影する人たちが黒山の人だかりとなる。

そこへ、

「あの、こちらよろしいでしょうか?」

「あ、どうぞ」

俺の向かいの席に少女が座ってきた。

艶やかな黒髪の三つ編み。

濃緑の洋服や赤地タータンチェックのスカートがより一層似合う。

なかなかお目にかかれない美少女だ。

俺のP眼が光る。

 

11:13真岡発車

 

―ポォォー

―ゴッゴッゴッ

―バシューッ

 

茂木に向かって力強く真岡を出発するSLもおか号。

俺は本を開きかけた少女に話しかけた。

「あの、お話してもよろしいでしょうか?」

「お話…ですか?冒険のお話でしょうか?」

「はい?冒険?」

「私、冒険が大好きなんです。冒険にあこがれていて、今日SLに乗ったのも冒険が始まるみたいでワクワクするからです!SLの旅って冒険じゃないですか!?」

「なるほど、黄金勇者ゴルドランみたいなセリフですね…」

「ゴルドランって、冒険ですか?」

「ええ、まぁ…ところで私はこういうものです」

俺は名刺を差し出した。

「芸能事務所…アイドルのプロデューサーですか…その、アイドルって冒険ですか?」

「はい、冒険です」

「アイドルになれば、いろいろ冒険できますよね?」

「そうです、冒険が始まります。ドキドキが始まります」

「すごい、アイドルってすごい!私にもなれるかな?」

「なりたいものや知らない場所は胸の奥の宝物であり、未来です」

「なりたいですっ…!アイドルっ…!冒険も夢見ます。情熱も夢見ます!」

「その気になってくれましたか。ゴールも終着駅も遠いほどやる気になります」

「アイドルに、よろしくお願いします!」

「こちらこそ決意くださってありがとうございます。茂木に着くまでアイドルについて詳しくお話ししましょう。あ、お名前は?」

「むつみ、氏家むつみです」

「氏家むつみさん、よろしくお願いします」

俺はSLもおか号の車内で氏家むつみをスカウトした。

SLもおか号は西田井、益子、七井、多田羅、市塙と停車していたが、その間むつみにアイドルについて事詳しく説明した。

そして12:06終点の茂木に到着した。

「さぁ、むつみさん、いきましょう、私たちの冒険(アドベンチャー)へ!」

「はいっ!!」

俺はむつみを茜のお仕事に同席させることにした。

アイドルとは何たるかを学び取るには手っ取り早いからだ。

それに同郷同士ウマも合うだろう。

 

俺とむつみは茂木駅を後にし、駅前で待機していた茜のロケバスにむつみを連れて合流した。

撮影が盛り上がり、茜の士気が上がったのは言うまでもあるまい。




前半は50系客車の説明に割かれ、後半は黄金勇者ゴルドランのパロディがさく裂してしまいました。
黄金勇者ゴルドランも冒険をテーマとしているので、氏家むつみちゃんと相性がいいと思います。
是非ともむつみちゃんと一緒に乗っているところをイメージして真岡鉄道のSLもおか号に乗ってみてくださいね。
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