超次元ゲイムネプテューヌ~嵐の仮面ライダー~《season SECOND》   作:白銀の嵐Mk.2

3 / 5
………………待たせたな!←待たせ過ぎ

年末に入ってか、リアルの事情の多忙に追われて全く手付かずでした。(^^;

さてさて、今年ももうすぐ終わり……。

果たしてこのコラボは終わるのか!?←おい

では軽いあらすじとして……。

前回、ファートゥスことハイブリッド・デスサイズに敗れたメテオは、生死の狭間の世界にて嘗ての"兄"……仮面ライダーファイズこと"乾巧"と再会し、彼との会話で答えを見つけ、新たなる力"ユニコーンフォーム"へと目覚める!

そして今回はその新たに目覚めたユニコーンフォームの活躍と、ようやく始まる……"反撃"!


TIME11 UNICORN~繋がる強さ~

TIME11 UNICORN~可能性という疾走する本能~

 

 

 

 

 

 

 

……ひっぐ、えぐ…!

 

 

 

 

 

…………誰かが泣いてる…。

 

 

 

 

 

えっぐ…うえぇ……!

 

 

 

なんで泣いてるんだろう…。

 

 

 

 

 

 

……お兄ちゃんが泣かないから…。

 

 

 

 

 

 

………………え?

 

 

 

どんなに辛いことがあっても、お兄ちゃんが泣こうとしないから……僕が代わりに泣いてるの…。

 

 

 

どうして………。

 

 

 

だって……僕はお兄ちゃん"そのもの"だから…。

 

 

 

……俺、"そのもの"……?

 

 

 

うん……僕はお兄ちゃんと出会ってからずっと…お兄ちゃんと一緒に色んな事をしてきたんだよ?

 

 

 

…俺と一緒に?

 

 

 

うん……。

 

 

 

……ひょっとしてお前…。

 

 

 

……お兄ちゃんは…どうして"泣かないの"?

 

 

 

………え?

 

 

 

……お兄ちゃんは"好きだったかもしれない人"を殺して、"一億もの人々"を殺して……お兄ちゃんのお兄さん達に"絶縁されられた"のに……どうして泣かないの?どうしてこんな理不尽な目にたくさん逢ったのに怒ることも何もしないで……"受け入れる"の…?

 

 

 

どうしてって……それは……俺が悪いから…。

 

 

 

………………それだよ。

 

 

 

え…………?

 

 

 

どうしてそんなに自分を責めるのお兄ちゃんは!?どうしてそんなに自分を"犠牲にする事を選ぶの"!?……どうして…。

 

 

 

 

 

 

 

ー"自分の幸せ"を見付けられないの!?ー

 

 

 

 

 

 

 

…………もう"選んだ"からだよ…。

 

 

 

……"選んだ"…?

 

 

 

自己犠牲の強いバカな奴だとか、自己満足な奴だとか言われても……俺は目の前にある"今"に手を伸ばす事を選んだから…。

 

 

 

……その為に周りの人を悲しませる事になったとしても…?

 

 

 

確かに俺の決めた"答え"はそうなるかもしれない……けど、そんな事言って目の前の"今"を見捨てたら…ダメだろ?

 

 

 

兄さん達からもよく『自分を大切にしろ』とか言われてるけど、それを気にして目の前で苦しむ奴を見捨てたくないんだよ俺は…。

 

 

 

お兄ちゃん………。

 

 

 

兄さん達や周りの奴らが自分を大切にして目の前の奴を蔑ろにするのが"正しい選択"なら……俺は敢えて自分を犠牲にしてでも目の前の奴を助ける"間違った選択"を選ぶ……自分を犠牲にする事を恐れて目の前の奴を救えなくなるなったら……俺は俺を許せなくなる…。

 

 

 

どうしてそこまでして…。

 

 

 

それが俺の"信念"だからだ…誰かの夢や幸せを守るために…見過ごせない"今"を救う為なら……俺は喜んで"バケモノ"にだってなってやる…それが間違いだとしても……。

 

 

 

 

 

"仮面ライダー"としての道から外れる事になったとしても。

 

 

 

 

 

………………。

 

 

 

それが俺の"揺るがぬ信念"、俺の"選択"だ……誰にも理解されなくても、俺はやる……それで全てでなくても、救えるものがあるならな。

 

 

 

……怖く、ないの?

 

 

 

…………死ぬことよりも怖いものがある……それは……。

 

 

 

 

 

 

 

ー"自分の事を惜しんで何も救えない、守れない事だ"ー

 

 

 

 

 

 

……わかったよ、お兄ちゃん。

 

 

 

……ん?

 

 

 

今だけ僕の力……その一端を貸してあげる………今だけお兄ちゃんの支えになってあげる…!

 

 

 

……お前…………。

 

 

 

……"光ある所影はあり、影ある限り光は曇る"……お兄ちゃんがその"影"を消し、みんなの"光"を守る役を担うなら……誰かが……僕が今だけその支えになるよ!

 

 

 

…………ありがとう…。

 

 

 

気にしないで、それがお兄ちゃんが選ぶ答えなんでしょ?

 

 

 

ああ…けど、ちょっとだけ間違ってるぜ?

 

 

 

…………え?

 

 

 

……選ぶんじゃねぇ、"選んだ"んだよ俺は…。

 

 

 

 

 

 

ー『守りたいものがあるなら守り抜け!何に変えても!』ー

 

 

 

 

 

 

……あの時、"本郷 猛(おやっさん)"にそう言われた時から俺は……こうなる"覚悟"をしてたからな。

 

 

 

……あの人らしいね。

 

 

 

ああ、だからこそ俺はあの人の事を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーあんたは俺の最高の………"親父"でした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

……最高の"親父"として尊敬してるんだ。

 

 

 

…いい"親父"さんだね……。

 

 

 

ああ……もう行こうぜ?待ってる人達がいる。

 

 

 

うん、そうだね……行こう、お兄ちゃん!

 

 

 

ああ、一緒に行くぞ!

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー"ストーム"!!

 

 

 

 

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

 

「…………行くぞ!」

 

白き"一角獣(ユニコーン)"となったストーム・ユニコーンフォームは背中に取り付いたバーニアに火を付け、眼前に映る死神(デスサイズ)に向かって飛び出す。

 

「っ!ちぃ…!来やがれ兄弟ぃ!!」

 

異形の姿となったストームが迫ってきてる事に動揺しながらも両手に持つ武器を握り締めるデスサイズは一気に目の前にまで距離を詰めてきたストームにその死神の大鎌を横一線に振るう…。

だが、猛スピードで突っ込んで来たにも関わらず最小限の動きで避け、デスサイズの脇の下を潜って後ろに回り込むという離れ業をストームはしてみせた。

 

「……なっ!?」

 

「……ぉぉぉぉおおおおお!!」

 

『…ぉぉぉぉぉおおおおおお!!』

 

一瞬にして背後を取られた事に微かに動揺したデスサイズ、そこをストームは見逃さず、気合いの咆哮と共に拳を握り締めてその死神の顔に共に聞こえてくる子供のような声と一緒に一撃を放つ。

 

「…………ッ!?」

 

顔面を捉えたストームの拳はそのままデスサイズを抉るように振り抜き、殴られた死神はその図体を大きく浮かせて遠くまで離れてる筈の廃工場の壁に衝突する。

 

 

 

桁違い……!

 

 

 

殴られた痛みと叩き付けられた衝撃の威力にデスサイズは悲鳴を上げる言葉も出なかった。

 

ただ気が付けば……自身を殴り飛ばした一角獣(ストーム)が目の前に現れてまた拳を振り抜こうとしていた事だった。

 

「う……うぉぉぉぉおおおおお!?」

 

驚愕に満ちた声と共に咄嗟に自身の武器(リッパー)を盾にするデスサイズだが、振り下ろされたストームの拳は……。

 

 

 

 

デスサイズの武器ごと"破壊"して再び彼の顔面を捉えた。

 

 

 

 

「ーーーーー!?」

 

パーフェクトデストロイヤーになったストームですらも壊す事が出来なかった自慢の武器がたった拳一つで壊され、そのまま殴られた死神は声にもならない悲鳴を上げながら廃工場の壁を貫き、自分達が戦っていた所とは反対側の草原まで吹き飛んでその上を転がる。

 

「……な、なんなんだ…なんなんだよ、ありゃ……!?」

 

廃工場からかなり離れた所で止まったデスサイズは覚束(おぼつか)ない足で何とか立ち上がり、ぶち抜かれてきた廃工場の壁の穴を歩くように通る一角獣(ストーム)を畏怖するような目で見つめる。

 

「……す、凄い…!」

 

その光景をただ見つめるだけしかなかったクロス・ヴィクトリーは、ゴクリと喉を鳴らし、吹き飛んだデスサイズが空けてきた廃工場の壁の穴を歩いて行く一角獣(ストーム)を見つめていた。

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」

 

 

 

「ッ!?いーすん!?」

 

突然、自身の最愛の人の悲鳴を聞き、クロス・ヴィクトリーがその方向へ目を向けると…。

 

「あぐ……ぅぅ…!」

 

『お"……あ" あ" あ" あ" あ" ッッッ!!』

 

ダークネスによって捕らえられ、最悪の殺戮兵器マシンデストロイヤーに乗せられたシンシアの暴走によってその巨腕に捕まったイストワールが握り締められ、苦し気な声を上げてる姿があった。

 

「いーすん…!この!離れなさいよぉ!」

 

何とかイストワールを助けようとその巨腕に攻撃するプルルートことアイリスハートが奮闘してる姿も見えるが、それも虚しくマシンデストロイヤーの巨腕はびくともせずにイストワールを握り潰さんと締め上げるだけである。

 

「くっ……!」

 

その光景にクロス・ヴィクトリーは助けようとするも、このままストームの加勢に入らなくていいのかと迷いが招じてしまう…。

 

このままじゃいーすんが…!

 

どうすればいいかとクロス・ヴィクトリーが迷っている時…。

 

 

 

「宗谷ぁ!!」

 

 

 

「ッ!?……メテオ?」

 

ストームが自身を呼ぶ声に気付き、彼はそちらへと顔を向ける。

彼を呼んだストームは、デスサイズの方へと歩みつつも、彼に顔だけ向けながら大きく叫んだ。

 

 

 

 

「守りたいものがあるなら守り抜け!何に変えても!!」

 

 

 

 

自分の事は気にせずに助けに行ってやれ……そう言うかのような言葉を残したストームはそのままデスサイズが吹き飛んで行った方向へと背中のバーニアを吹かして行った。

 

「……守りたいものがあるなら守り抜け……何に変えても…」

 

デスサイズを追いに消えて行ったストームの言葉を呟いたクロス・ヴィクトリーは一瞬、その場で考えるように顔を俯かせるも、すぐに顔を上げてイストワール達の元へ駆け出す。

 

愛する人を助ける為に…。

 

《Skill like! Dragon Ball!》

 

「こん……のぉぉぉぉおおおおおお!!」

 

咆哮と共に重い一撃を放つクロス・ヴィクトリーの拳は、イストワールを握り締めるマシンデストロイヤーの手の甲を捉え、その衝撃によりマシンデストロイヤーの手からイストワールは吹き飛ぶように離れる。

 

「いぃぃぃぃぃすぅぅぅぅぅううううん!!」

 

《Skill like!kateikyousi Hittoman Riborn!》

 

そしてクロス・ヴィクトリーはそのまま、両手両足に装備させたブースデット・フィアンマを起動させ、吹き飛んだイストワールの元へ飛び、お姫様抱っこの形でキャッチする。

 

「大丈夫かいーすん!」

 

「宗谷……さん…すみません…」

 

「気にするなって……無事でよかった…」

 

「ッ!?宗谷さん、後ろ!!」

 

「なにっ!?」

 

何とか最愛の人を救出できた事にホッとするクロス・ヴィクトリーだが、彼らを捕らえようともう片方の手で迫るマシンデストロイヤーの存在に気付いたイストワールの声でハッとするも、時既遅く、もうすぐそこまで迫ってきていたが…。

 

 

 

「32式、エクスブレイド!」

 

 

 

別の方向から飛んできた光の剣によってその巨腕が弾かれる事により、事なきを得る。

 

「……ネプテューヌ!」

 

「ネプテューヌさん!無事でしたか!」

 

「…ごめんなさいソウヤ、いーすん…少し気を失っていたわ……」

 

その光の剣を飛ばしたのはネプテューヌことパープルハートのようであり、デスサイズとの戦いに敗れて気を失っていたパープルハートだが、目を覚まし、クロス・ヴィクトリーとイストワールの二人の危機に咄嗟にエクスブレイドを放ったようであった。

 

「二人とも大丈夫ぅ!?……ねぷちゃん!?…無事のようね…」

 

「ええ、ぷるるん……メテオは?」

 

「メテオなら、お前よりも目を覚まして今ファートゥスと戦ってる」

 

「そう………メテオ……」

 

「……ネプテューヌさん…」

 

そこにアイリスハートも合流し、気を失っていたパープルハートに現状をクロス・ヴィクトリーが伝えると、彼女は心配そうな声を上げ、影がかかった顔で少し俯く。

それに気付いたイストワールは彼女を心配するように見つめる。

 

「……いつだってそう…メテオはいつも一人で突っ走って、無茶をして…傷付いて行く…支えたくても、どれ程手を伸ばしても彼には届かない……歯痒い…ソウヤといーすんみたいに私もメテオを支えたい、助けたいのに…」

 

「……ねぷちゃん…」

 

いくら伸ばしても届かない手……それが今のメテオとネプテューヌとの開いてる"距離"…。

 

届きたい、届かせたい……そう思っても決して届くことのないその手をじっと見つめるパープルハートの顔は悲哀に満ちていた。

そんな彼女を見てアイリスハートは悲しい顔をする。

 

「………大丈夫です」

 

「いーすん?」

 

その彼女の手をイストワールは優しく包み込むように両手で握る。

 

「その想いは必ず届きます……諦めなければ…支えたいと言う気持ちを何時までも持ち続けていればきっと、メテオさんに届くと思います…私も……そうでしたから…」

 

「いーすん……」

 

優しくその手を握り締め、子をあやす母親のように諭すイストワールにパープルハートは落ち着きを取り戻したかのように表情を戻す。

 

「…私もそうでした…私も……宗谷さんを支えたい、彼を守りたいと言う思いで一緒にいて…気付けば彼に惹かれて…こ、恋人になりました…」

 

「い、いーすん……」

 

「……ふふ、羨ましいわね二人が…」

 

当時の事を振り替えるかのように頬を赤らめて言うイストワールに隣にいたクロス・ヴィクトリーも照れくさそうにする。

それを見たパープルハートは先程までの暗い顔が嘘のように明るくなり、のろける二人に苦笑の笑みを浮かべた。

 

「……なら、いーすんとソウヤの二人の関係…この戦いが終わったらゆっくりと聞かせてもらうわね?今は…」

 

「……はい、今はシンシアさんを…」

 

だがその表情を真剣な表情へと戻したパープルハートは、顔をイストワール達から、目の前にて佇む巨人…マシンデストロイヤーへと向け、それに釣られてイストワールもそちらへと顔を向け、お互いに背を合わせ、お互いの武器をマシンデストロイヤーへと向けた。

 

 

 

「「シンシア(さん)を…助ける!!」」

 

 

『あ" あ" あ" あ" あ" あ" あ" ッッッ!!』

 

 

 

目の前で助けを求めるように苦しむ"シンシア(彼女)"を助ける為に……。

 

「行くわよいーすん!」

 

「はい!ネプテューヌさん!」

 

呼吸を合わせるように叫んだパープルハートとイストワールの二人はそれぞれの武器を構え、マシンデストロイヤーに向かって駆け出した。

 

「いーすん…ネプテューヌ……」

 

ポツンっと取り残されたかのように佇むクロス・ヴィクトリーはシンシアを救わんと、駆け出した二人の背中をただ眺めていた。

 

「…あらぁ~?ねぷちゃんといーすん…凄く仲良しのように息ピッタリだったじゃないの~」

 

「……プルルート」

 

そこに同じく静観するように見ていたアイリスハートが彼に声を掛ける。

その顔は喜びのような、嫉妬しているような…そんな複雑な顔にクロス・ヴィクトリーは見えた。

 

「……あたし達があの子を何とかしとくからぁ…そーくんはぁ~…"あいつ"をお願い出来るかしら~?」

 

そんな表情を浮かべつつもアイリスハートは手にしてる蛇腹剣の剣先を……。

 

「…………フリーズ…!」

 

廃工場の入り口に付いている屋根の上で両腕を組み、この戦いが始まってからずっと静観をしている"四人目の神殺し(仮面ライダーフリーズ)"へと向けていた。

 

「……メっくんもカズくんも、絵美ちゃんにソルくん…ねぷちゃんにヒロくんにいーすん、あいちゃんにぎあちゃんもそれぞれの所で戦っている…今あいつと戦えるのはそーくん…貴方だけよぉ?」

 

「っ!…だけどあいつとは一度……」

 

「…負けたって?……それがどうしたの?一度負けたくらいで貴方は折れる程の弱虫なのかしら~?…メっくんと共に戦う人だから期待はしてたんだけど~…期待外れね…」

 

「お前……!」

 

「……メっくんやねぷちゃん達なら迷わず挑んでるわよ」

 

「え………」

 

突如クロス・ヴィクトリーを小馬鹿にする態度を止め、真剣そのものな表情で彼を見つめるアイリスハート。

不意に雰囲気が変わり、見つめる彼女の姿に不覚にもクロス・ヴィクトリーは見とれてしまった。

 

「例えどんなに力不足で……足元にも及ばないような強大な相手でも、メっくん達は戦うわ……何故だかわかるかしら?」

 

「………そこに…守りたいものがあるから?」

 

戸惑いながらも答えるクロス・ヴィクトリーの言葉にアイリスハートは頷く。

 

「そう…守りたいものが……何に変えても守りたい人達がいるから、皆戦うの…相手がどれだけ…世界を滅ぼすような……どれ程超越した力を持ってるような奴でも…例え……死ぬことになっても戦う…そこから"逃げたくない"から…」

 

「逃げたくない……から?」

 

「貴方だってそうでしょう?目の前で助けられるかもしれない人を…見捨てて、諦めたり……"逃げたり"しないでしょう?」

 

「あ……」

 

彼女の言葉に何かわかったかのような反応をするクロス・ヴィクトリー。

すると彼女は彼の肩にそっと、優しく手を置き、語り掛ける。

 

「そう言う事よ、だから……行きなさい、どれ程打ちのめされても、叩きのめされても…逃げてはダメよ」

 

妖艶で、相手を見下した態度をする何時もの雰囲気とは違い。真剣で、必死に…訴え掛けるアイリスハートの言葉にクロス・ヴィクトリーは決意を固めた。

 

「……行ってくる」

 

「宗谷さん!なら私も……」

 

私も行く……そう言おうと彼を追おうとするイストワールだが、クロス・ヴィクトリーはそれを手で制した。

 

「…いーすん、あいつとは俺一人で行ってくる」

 

「ですが!」

 

「……いつまでもいーすんにおんぶ抱っこじゃいられないよ……だから、いーすんはネプテューヌやプルルートと一緒に、シンシアを頼むよ…」

 

「宗谷さん……」

 

「いーすん!!」

 

「くっ!」

 

彼の言葉に動揺しつつも、後を追おうとするイストワールだが、マシンデストロイヤーの砲撃がそれを阻み、パープルハートの叫びで何とか回避したものの、気付けばクロス・ヴィクトリーは彼女の手に届かない所まで歩を進めていた。

 

「……宗谷…さん…!」

 

イストワールはその彼の背中を黙って見つめる事しか出来なかった。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

「がぶらぁ!!」

 

ユニコーンフォームとなったストームによって廃工場から離れた草原まで転がるデスサイズは、木が生い茂る森の一歩手前の所まで来てようやく止まり、痛む体に鞭を打ち、足腰に力を込めて立ち上がる。

 

「……決着を着けようぜ…ファートゥス」

 

そこに追い掛けて来たストームがやって来る。

ストームの言う"決着"……ストーム…メテオとデスサイズことファートゥスの二人の因縁。

彼らの元の世界、"地球"にいた時から続く彼らの戦い。

それを今ここで着けようと言う事である。

「……へっ、上等よ兄弟ぃ…!テメェを殺して、あの女神どもをこの手で八つ裂き…いや、あの綺麗な体を徹底的なまでに傷物にするくらいに犯して、じわじわをなぶり殺してやらぁ!」

 

立ち上がったデスサイズは右手から…嘗てメテオ達の前に立ちはだかった、"ハイブリッド・クリーチャー"の時に使った禍々しい形をした白いドクロの装飾が施された黒い大剣"聖邪剣マガイノヒカリ"を握り締め、ストームに目掛けて走り出す。

ストームは両腕に搭載され、折り畳まれてるように収用されている…神話に登場する獣"ユニコーン"の角を連想させるような美しき形状をした白い刀身"ユニコーントンファー"を起動させ、その美しき刃を起こし、その両腕を交差させて走り出す。

 

「…ぉぉぉおおおおおおおお!!」

「あぎゃぁぁぁああああああ!!」

 

辺り広がる草原の中で響き渡る二つの咆哮。

 

お互いに距離を詰め、振るったお互いの武器は甲高い金属音を響かせ、周囲を凪ぎ払う突風となって衝撃を生み出す。

 

「ハァァァァアアアアア!!」

 

「おっせぇぁあ!!」

 

大きく振るわれたストームの右払い切りはデスサイズが宙を"浮遊"する事によって空振りに終わる。

デスサイズとなったファートゥスの新能力である"亡霊のように浮遊する"能力である。

 

「のろま亀になれ!」

 

「っ!……ふっ!」

そのままデスサイズの全身に放たれる"波動"……それにより周囲が"スローモーション"のように遅くなるファートゥスの新たな能力の一つだが、あらゆる"概念"が聞かない神殺しの…ましてや"救世主(ディセンダー)"となった今のストームには全く通用せず、何事もないようにそのまま戦いは継続される。

 

「………行けぇ!!」

 

「……なっ!なんじゃあ…ありゃあ!?」

 

今度はストームが正面に手を翳すと、彼の後ろから3つの空間の"揺らぎ"が起き、そこから……ストームことメテオが愛用している盾"Dシールド"が3つも出現し、一体どういう原理なのか、動力もなにもなく自律するように飛び回り、動揺するデスサイズを撹乱する。

 

「"シールド・ファンネル"……これが今の俺の新たな力だ!」

 

動力もなく、だからといって魔力と言った力も使われてる訳でもない……物理学そのものを無視する謎の力により、自ら意思を持つかのように飛び回る"シールド・ファンネル"。

それらには、ビーム・ガトリングガンと呼ばれる光の弾丸を打ち出すガトリング砲が2挺ずつ付けられており、3つのシールドの計6挺のビーム・ガトリングガンが一斉に打ち出され、デスサイズに襲い掛かる!

 

「なっ!?ぐぉぉぉおおおおお!?」

 

「まだだ!」

 

突然のシールドの出現と同時に打ち出された光弾に蜂の巣にされるデスサイズにストームはさらに追撃を掛けるべく、両腕のユニコーントンファーを構え、脱兎の如く駆け出す。

 

「……ざけんじゃねぇ!!」

 

しかしながらもデスサイズもやられてばかりではなく、右手から紫の破壊光線"ストレインドゥーム"をこちらに突撃してくるストームに目掛けて打ち出すが……。

 

 

 

《Share・Drive:OVER》

 

 

 

ストームの眼前に迫った所で…その光線は"見えない壁"によって阻まれた。

 

「なん……だ…とおぉ!?」

 

「トォア!!」

 

「ぐぎぇあ!」

 

デスサイズが自身の攻撃が防がれた事に驚いた隙に彼の元に辿り着いたストームが左のユニコーントンファーを振り下ろして切り裂き、デスサイズはカエルが潰れたような声を上げて吹き飛び、さらにストームは右手を切り飛ばしたデスサイズに向けると、そこから……"見えない弾丸"が打ち出され、デスサイズを大きく吹き飛ばした。

 

「なん……だぁぁああ!?」

 

"見えない弾丸"に飲み込まれ、まるで暴風に飲み込まれた如く派手に吹き飛ぶデスサイズは草原の中に紛れる森へ、何本も木を薙ぎ倒しながら入って行った。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

「むぅん!はぁあ!」

 

「ハッ!小賢しい!!」

 

生い茂る木々が燃え盛る森の中、激闘を繰り広げるバニシングハートと仮面ライダーデューク・魔王。

自身の愛刀である爆炎丸を握り締めて振るうバニシングハートと、メリケンサックと拳銃が一体化した紫の武器"ブレイクガンナー"を振り回すデューク・魔王がぶつかり合う。

 

「……まさか鎧武系列の武器ならず、ドライブ系列の武器まで使うとはな貴様…!」

 

「……フン、これもダーク・トゥ・ダークネスの技術の賜物だと言っておこう…!」

 

ギギギ…と金属と金属が擦れ合う音を聞かせてぶつかる両者、互いに譲らぬ緊迫状態に入るが…。

 

「……せぇぇぇらぁぁぁぁああああ!!」

 

「ぬっ!」

 

「くっ!……惜しかった…!」

 

「絵美!」

 

そこにデッドヒートマッハがデューク・魔王の背後をゼンリンストライカーで奇襲するも、左手から呼び出した拳銃と剣を一体化させた武器"ブレードガンナー"によって防がれ、マッハは内心舌打ちを溢す。

 

「……ほぅ…この魔神を葬ってからじっくりと探そうと思っていたが…手間が省けたな」

 

「絵美…どうして……」

 

「ヒーくんばかり戦わせる訳にいかないからね!それに、もう十分休んだよ!だから……あたしも戦うよ!」

 

「……実に愚かな…俺の実力はもう身を持って知っているはずなのだがな…」

 

「そんなの関係ない!あたしは…あんたを越えてもっと強くなるんだから!」

 

「ごは……むぅ!?」

 

敢えてぶつかり合いの体勢を崩したマッハはがら空きになったデュークの横腹に蹴りを入れ、デュークが怯んだ所をバニシングハートは逃さずにその背中を切り裂く。

 

「……絵美…無茶はするなよ?」

 

「ヒーくん、ハッタリとて無茶してもだよ!」

 

攻撃を受けて大きくデュークがよろけてる隙に体勢を立て直し、並び立つバニシングハートとマッハはそれぞれの武器を構え、駆け出そうとするが…。

 

 

 

「ぬがぁぁぁぁぁああああああ!!」

 

 

「ぬっ!?おぁぁぁぁあああああああ!?」

 

 

 

 

「え!?」

 

「なんだ……?」

 

突然、何処からか吹き飛んで来たデスサイズが現れ、そのまま何が起きたかわからないデュークまでも巻き込んで森の奥まで吹き飛んで行った。

 

「ヒロム!絵美!」

 

「メテオ?……なっ!?」

 

「メテ兄!?何その姿!?」

 

突如の出来事に驚く二人の後ろから二人をメテオの呼ぶ声が聞こえ、振り向くと"白き一角獣(ユニコーン)"がいる事に二人は驚きの声を上げる。

 

「……説明は後だ…今は……」

 

「ざっけんじゃねぇぞぉ!!」

 

二人の元に駆け付けたストームが何か言おうとすると、吹き飛んで行ったデスサイズが怒りの雰囲気を纏って彼に突撃してくる。

ストームは慌てる事なくシールド・ファンネルを呼び出し、デスサイズの目の前に出させる。

それによりデスサイズは壁にぶつかったかのようにシールドと衝突して大きく後ろへ転倒する。

 

「……今はこいつらの相手が優先だ」

 

そう言ってストームは両腕のユニコーントンファーを構え、よろよろと立ち上がるデスサイズに身構える。

 

「……ざけてんじゃねぇぞ仮面ライダー(英雄)気取りがぁ…!所詮テメェはどう足掻いても1億もの人間を殺し……元の世界がとんだ大殺戮者ぁ…」

 

「……ああ、そうだ…その運命からは逃れられない……逃れるつもりもない…」

 

凄ましい怒りを見せるデスサイズとは裏腹に、ストームは酷く落ち着いた様子で構えを解き、まっすぐにデスサイズを見据える。

 

「俺がやって来た事は決していい事じゃない……正当化されない……ましてや人を殺した事が正当化される時代もない」

 

だから……と、ストームはそこで言葉を止めて顔を俯かせ、一呼吸を置いた後に顔を上げて言い放った。

 

 

 

 

 

「俺は仮面ライダー(英雄)なんかじゃない、これまでも、そしてこれからも……俺は仮面ライダー(英雄)なんて呼ばれる事もない…ただの"名も無き戦士(ノーネーム)"だ」

 

 

 

 

それでいい、それだけでもいい……ただ大切なものを守り続け、やがて朽ち果てるだけの存在になろうとも…。

 

 

 

「だから俺は戦い続ける…人として、ストームとして」

 

 

 

 

 

誰かの夢や幸せの為に、見過ごせない"今"を守る為に……俺は戦い続ける!

 

 

 

 

 

白き装甲から除かせる緑の複眼から見せる"覚悟"の眼差しが眼前に映るデスサイズを逃がす事なく捉えた。

 

「……何をカッコ付けた事を言ってんだテメェェェェェェエエエエエエ!!」

 

激情に駆られ、マガイノヒカリを握り締めたデスサイズは突撃する。

 

「………………押し通る!!」

 

「んがぁ……っ…!!」

 

だがそれよりも早く、ストームは右腕のユニコーントンファーをデスサイズの腹部に突き刺したまま突撃し、そのまま背中のバーニアを吹かして宙を駆ける!

 

「ウォァァァァアアアアアアア!!」

 

『いっけぇぇぇぇぇええええええ!!』

 

そのまま青い軌道線を描きながら宙へと飛んだストームは左腕のユニコーントンファーをストームの意思と共に咆哮を上げながらデスサイズの股間から頭のてっぺんまで縦一線に切り上げる!

 

「……概念、輪廻、理…全てを超越する"心"……ストーム!その"可能性"をここに示せ!!」

 

『超越せよ!具現せし"心の力"!解き放て!!』

 

「繋がる"心"……繋がる"絆"……ユニコーン!交差せしこの"世界"に"可能性"をもたらせ!!」

 

切り上げて天高々と掲げる左腕のユニコーントンファーと、下ろしている右腕のユニコーントンファーから淡い緑の"光"が収束され、超特大級の"光の翼"と化す!

 

 

 

 

 

『クロス……』

 

 

 

「……ワァァァァァァァァァァァルドッッ!!」

 

 

 

 

 

そしてそのまま"光の翼"と化した両腕のユニコーントンファーを下から上へとバツ字に切り裂き、その威力はデスサイズは愚か、その後ろの空にまでバツ字に"切り裂いた"。

 

「え……えぇぇぇぇえええええ!?」

 

「空に……"傷痕"が…!?」

 

デスサイズだけでなく、空にまでバツ字の"傷痕"を付けたストーム・ユニコーンの必殺技"クロス・ワールド"の威力を目の当たりにしてマッハとバニシングハートはそれぞれ仮面の下で驚愕、開いた口が塞がらない状態になった。

 

ストームが付けたバツ字の"傷痕"はこの世界のみならず、"全ての世界"にも影響を及ぼしていた。

宗谷の世界、ヒロムの世界、そしてメテオや絵美の元の世界"地球"、他にも様々な世界の空にもそのバツ字の"傷痕"がしっかりと刻まれているのだから……。

 

「き、きょ……兄弟ぃい……!」

 

そんな技を直接食らったデスサイズは身体がバツ字に刻まれた後の如く4つに別れており、苦し紛れな声でストームを呼ぶ。

 

「……俺は過去を…俺達に振り掛かる運命全てを断ち切る」

 

くるりっとデスサイズに背を向け、そう吐き捨てるストームはゆっくりと背中のバーニアを吹かしながら地上へと降りて行く。

 

「て、テメェは……テメェは何処まで俺達に…神や全ての世界の連中に喧嘩を売る気だ…!?」

 

 

 

 

 

 

「……守りたい人達やダチ公の為なら…何処まででもだ」

 

 

 

 

 

 

 

ストームのその言葉を最後に、デスサイズは…ファートゥスはゲイムギョウ界の空にて散った。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

 

プラネテューヌとラステイションの国境境目にある廃工場。

その入り口前にて佇む第4の神殺し、仮面ライダーフリーズは両腕を組んで待ち構えていた。

 

「……フリーズ…!」

 

全てを託され、その思いを背負ってやって来た赤き勝利の勇者(クロス・ヴィクトリー)を…。

 

「……来たか、天条宗谷…待ちくたびれたぞ」

 

「…待たせたな……決着を着けるぞ」

 

愛剣を握り締め、強い眼差しを向けるクロス・ヴィクトリーにフリーズは鼻で笑う。

 

「……出来るのか?ストームと紫の女神、そしてあの魔神の四人がかりでも傷一つ付ける事が出来なかったこの俺に?」

 

「……出来る出来ないかじゃないんだよ、やるかやらないかなんだよ…絶対に負けらんねぇ…負けるわけにはいかないんだ」

 

馬鹿にするように言うフリーズにクロス・ヴィクトリーは怯む様子もなく、勇ましく言って構える。

 

「……良かろう…この世界、そして貴様達の"時と空間"…今ここで終わらせてやろう!」

 

「……来い!」

 

ここまで来たからには負けられない、負けるわけにはいかない。

その一心のクロス・ヴィクトリーの思いに応えるようにフリーズも拳を握り締め、彼に向かって走り出す。

 

「フリィィィィイイイイズぅぅぅううう!!」

 

「……ぬぉぉぉぉおおおおお!!」

 

クロス・ヴィクトリーもまた脱兎の如く駆け出し、フリーズに向けて赤剣を振り下ろす!

フリーズはその剣を白羽取りの如く素手で掴み、反対の拳で殴り掛かるが、クロス・ヴィクトリーは顔を逸らし、彼の腹部に膝蹴りを入れるがフリーズは怯まず掴んだ赤剣を払い、払った拳でクロス・ヴィクトリーの顔面を殴る。

殴られたクロス・ヴィクトリーは少しよろけるも、すぐにフリーズが蹴りを放ってきた事に気付いて避け、避けた拍子に背を向けたフリーズの背中に赤剣の一太刀を入れるも、効いてる様子もなく、逆に裏拳を放ってきて慌てて後ろへ転がる。

 

《Skill Link! Sword art Online!》

 

「この…!」

 

「ふん!」

 

「うごぉ…!」

 

スキル・ソードアートオンラインで強化した剣で攻撃しようとするも、フリーズはその攻撃を掻い潜り、がら空きになった懐に痛烈な一撃を叩き込み、クロス・ヴィクトリーをぶっ飛ばす。

 

「この程度か!」

 

「くっ…!」

 

《Skill Link! METALGEAR SOLID!》

 

《Machinegan Mood》

 

「このおぉぉぉぉおおおお!!」

 

「……ぬるい!!」

 

吹き飛んだクロス・ヴィクトリーは体勢を立て直し、スキル・メタルギア ソリッドで装備したガンコンシューターを連射モードにしてフリーズに打ち出すが、フリーズは気合いの咆哮と共に腕を振るい、その弾丸を全て吹き飛ばす。

 

「……本当に桁違いだな…!」

 

その様子に改めて神殺しと言うものはこれまで戦ってきた敵とは別格の強さを持っている事を再認識し、内心思わず舌打ちをするクロス・ヴィクトリーだが、敵の攻撃は休む気配はない。

フリーズは右手をクロス・ヴィクトリーに向け、掌から氷柱状の氷弾を撃ちだし、追撃を掛けてくる。

 

「ちぃ…!」

 

《Skill Link! Zerudano Densetu!》

 

咄嗟にクロス・ヴィクトリーはブイホを操作し、スキル・ゼルダの伝説で盾を装備して氷弾を全て防ぐ……だが、この手段は悪手であった。

 

「……そのまま構えていろ…!」

 

「なっ!?」

 

なんとフリーズは盾を構えるクロス・ヴィクトリーに攻撃しようと目の前まで接近し、その拳を握り締めていたのである。

そしてそのままフリーズは……。

 

「……はっ!」

「……っ…づぁ!?」

 

クロス・ヴィクトリーが構える盾を殴った。

当然盾に殴ったものなのでクロス・ヴィクトリー自体にダメージはないが、殴り出された衝撃の威力は防ぐ事も出来ず、クロス・ヴィクトリーは吹き飛び、そのまま廃工場の壁に叩き付けられた。

 

「……!…どんだけ型破りなんだよ…!」

 

「ブレイズ程とは行かぬものの、なかなかの威力であろう?」

 

壁に叩き付けられ、痛む背中を抑えつつ常識破りな事を成したフリーズに驚愕するクロス・ヴィクトリーだが、フリーズはなんともない様子で言いのける。

 

「……だったら…メテオ……俺に力を貸してくれ!!」

 

ならばとクロス・ヴィクトリーは再びブイホを操作し、あるスキルを選択する。

それは彼が…クロス・ヴィクトリーが…宗谷が手に入れた"絆の証"。

今こことは離れた場所で戦う"仲間"の力。

その力を宿した"絆の力"を解き放つ為の"選択"。

 

「俺にも力を貸してくれメテオ……俺の"ダチ公"!!」

 

 

 

 

《Skill Link! Kamen Rider Storm!》

 

 

 

 

その呼び声に応えるが如く、ブイホから音声がなり、クロス・ヴィクトリーの頭上から仮面ライダーストームの顔を模した鋼鉄の塊が出現し、彼の頭を覆い被さる。

それと同時にクロス・ヴィクトリーの姿にも変化が起きる。

彼のアンダースーツがストームと同じ白銀の色へと変化し、彼の頭を覆い被さっていた鋼鉄の塊が花開くように展開し、彼の上半身を覆う。

胴体をストームの顔、両肩にストームの耳部分、背中にストームの後頭部が取り付けられる。

そして露になったクロス・ヴィクトリーの仮面は、ストームと同じくオレンジ色の複眼へとなり、額には"嵐"と刻まれたマークが刻まれる。

全ての装甲が纏い終わると同時に、彼の全身に武装が取り付けられる。

左腕にはストームと同じ銃剣エクシア、右腕に2本のビームサーベルが付いたリストバンド、両腰に付いた2本のロンクブレード、後ろ腰に備わっている2本のビームダガーピストルと、全身余す所なく全てに武器が取り付けられた。

 

この姿こそ、嘗てこの世界と自身の世界に起きた二つの世界を巻き込んだ大きな戦いの折りに手に入れた白銀の嵐の力の結晶……仮面ライダーストームの力を宿した

…。

 

 

 

《Skill Arms!ストーム!白銀の嵐……腹ぁぁぁ………括れぇい!!》

 

 

 

 

"スキルアームズ・仮面ライダーストーム"

 

 

 

 

「……覚悟しろフリーズ…」

 

左腕に装備されたエクシアを握り締めるクロス・ヴィクトリー。

 

メテオ(あいつ)が諦めねぇのと同じように、俺も……諦める訳ない…」

 

その左腕の力を緩め、払うようにスナップさせた後、半開きで中腰に腰を低く落とし……。

 

 

 

「全身全霊で……腹ぁ括りやがれぇ!!」

 

 

 

まるでストームが…メテオが乗り移ったかのように大きく啖呵を切って走り出した。

 

「……面白い…!」

 

フリーズもそれを見るや、拳を握り締めて脱兎の如く駆け出す。

 

「その力……見せてもらうぞ天条宗谷ぁぁぁぁああああ!!」

 

「うぉぉぉぉおおおおお!!」

 

互いに放てば必殺の距離、フリーズは握り締めた拳をクロス・ヴィクトリーの顔面に向けて放つが、クロス・ヴィクトリーはあろう事か、走った勢いを利用してスライディングしてフリーズの足に引っ掻ける。

同じく走った勢いがあったに加え、既に拳を放つ体勢に入っていたフリーズはその勢いを止める事が出来ず、引っ掻けられた足に躓き、勢いよく前のめりに転倒する。

そこを逃さずに立ち上がったクロス・ヴィクトリーは銃形態にしたエクシアをフリーズの側頭部に数発発砲する。

大きく倒れたフリーズはそれを避ける事が出来ずに米神部分に光弾を受け、首がもぎれそうな衝撃を受けた。

 

「ぬ…ぅう…!」

 

「もらったぁ!!」

 

「舐めるな!!」

 

《TIME QUICK》

 

そこに追撃を掛けんと剣形態にしたエクシアを振り下ろそうとするクロス・ヴィクトリーだが、フリーズは彼を睨み付けると同時にベルトから電子音が流れると同時に"姿を消した"。

 

「っ!……あの能力か…!」

 

姿を消したフリーズにクロス・ヴィクトリーがそう言う。

"停止する氷結"の異名を持つ仮面ライダーフリーズの能力の一つ、"時遊び(タイム・ザ・ゲーム)"……あらゆる"時"を操り、その"時"を思うがままに振るうフリーズの脅威的な力。

以前フリーズと戦った時も、クロス・ヴィクトリーを始め、ストーム、パープルハート、スカーレットハートもこの能力を前に為す術もなく破れた事もあった。

 

「さぁ!踊れ!"時"に踊り狂うがいい!」

 

「おぐぅ…!がっ!?」

 

今使っているフリーズの能力…TIME QUICK(時速め)はその名の通り対象の"時"を速め、あらゆるスピードをも凌駕する程までに動き回っているのである。

それを利用してフリーズは高速に動き回りながらクロス・ヴィクトリーを攻撃しているのである。

 

「最早手は緩めん…!全力を持って貴様を叩き潰す!!」

 

《TIME STOP》

 

「……っ!体が…!」

 

突如体が動かなくなったクロス・ヴィクトリー、これもフリーズの能力の一つである。

TIME STOP(時止め)……対象の"時"を止め、一切の制限等なく永遠と止める事が出来る恐ろしい能力である。

現に宗谷の世界とヒロムの世界、そしてこのメテオの世界の"時"も、フリーズのこの能力によって止められているのである。

 

「我が全身全霊を持って貴様をここで……殺す!!」

 

「っ!!がぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」

 

動けなくなったクロス・ヴィクトリーの目の前に現れ、フリーズは速くなった"時"を利用して超高速に彼の体全身に何度も拳を叩き込む!

 

このままではやられる…!

 

そう思い、殴られている最中でも必死に抜け出そうと体を動かすクロス・ヴィクトリーだが、いかせん"時"を止められ、体は動いてはくれない。

 

「…ごけぇ……動いてくれぇ…!頼むからぁ…!」

 

必死に懇願するように言いながらも動かすクロス・ヴィクトリー。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー……仕方ねぇなぁ…見ちゃいらんねぇよ、本当に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

(この声は……!?)

 

突如自身の脳内に聞こえてきた"声"、クロス・ヴィクトリーは…宗谷はその"声"の主を何処かで聞いた事があるのか、仮面の下で目を見開く。

 

 

 

ーーーその代わりにあいつを……俺の"弟"を頼んだぜ?

 

 

 

「…ハァ!動いた!?…らぁ!」

 

「なに!?ぬぅ!」

 

その"声"の言葉が終わると同時に体が動くようになり、クロス・ヴィクトリーはひたすら自身を殴りまくるフリーズの腹部に蹴りを浴びせ、その状態から脱出する。

突然の事にフリーズは対応出来ずにほんの僅かに後ろへよろけるだけだが、その僅かを狙ってクロス・ヴィクトリーはフリーズから距離を取る。

 

「はぁ…はぁ…!……今のは……?」

 

「何故だ…何故動けた…?そうか!ストームか!その力は俺と同じ神殺しであるストームの力を宿している!なら俺の"時"を受けないのは当然か…!」

 

そう自己解釈をして納得付けるフリーズだが、クロス・ヴィクトリーはそうとは思わず、先程の"声"の事を考える。

 

(今の"声"の人……まさか…?)

 

「まあいい…!いくら貴様が俺の"時"を受けなくなったとはいえ、俺の勝ちに揺るぎはない!」

 

そうとは知らず、怒りの様子を見せるも、勝ち気でいる事を見せるフリーズ。

だがクロス・ヴィクトリーはその言葉を否定するように首を左右に振った。

 

「……違う…こいつはそんなものじゃない…」

 

「…………なに?」

 

「こいつは"メテオの力(これ)"を通して、俺に与えてくれた繋がり…"思いの力"だ!」

 

「……思いの…力だと…?」

 

「こいつには……メテオには色んな人の"思い"が託されている!あいつを通して得た"絆"が!俺にも力を貸してくれるんだ!!」

 

「………なんだと?」

 

「俺はずっと気になっていたんだ……あいつの…メテオの"力"ってなんだろうって…」

 

メテオの"強さ"、"力"……それがなんなのかを初めて会った時から考えていたクロス・ヴィクトリー…否、宗谷は自身の胸に手を当てて視線を下に向ける。

 

「あいつは"覚悟"とか…"信念"とか言ってた……確かにそれも凄い"強さ"で、"力"だと思う……けど、それよりももっと大きなものがあったんだ!!」

 

「……なんだそれは…」

 

「……繋がる思い…"絆"だ!俺はあいつの事は話程度しか聞いてないから確かな確証とかはないけど…それでも!一緒に戦ってて伝わってくる…」

 

 

 

 

ダークネスによって滅ぼされた孤児院の人々との"絆"。

 

 

 

命からがら助けられ、居場所を与えてくれた仮面ライダーファイズ…乾巧との"絆"。

 

 

 

その乾巧によって出会った昭和から平成における全ての仮面ライダー達との"絆"。

 

 

 

ひょんな事で出会い、最後は殺し合い、殺してしまった"玲奈"と言う女性との"絆"。

 

 

 

自分を始め、ヒロムなどの異世界で出会った仲間達との"絆"。

 

 

 

そして世界から忌み嫌われ、失意に暮れながらも偶然飛ばされた先であるこのゲイムギョウ界に出会ったネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベール、ネプギア、ユニ、ロム、ラム、アイエフ、コンパ、イストワール、カズマに絵美、ソル、プルルートにピーシェの皆との"絆"。

 

 

 

 

 

「繋がる思いが作ったあいつの本当の"強さ"……ぶっきらぼうで、シスコン・ブラコンで、甘党で、素直になれなくて不器用なあいつが…あいつ自身が作り出した"絆"……あいつも俺と同じ、誰かと"繋がり合う強さ"なんだ!!」

 

 

 

 

 

視線を上げ、強く拳を握り締めて言い放ったクロス・ヴィクトリー。

フリーズはその気迫に不覚にも、飲み込まれた。

 

 

 

 

 

「……そうだ宗谷…」

 

「……っ!?バカな…貴様はファートゥスと戦って……!?」

 

「あいつはもう倒した……シャットの奴も何処かへ消えていった…後はお前を筆頭とした怪人達とあの殺戮兵器だけだ……」

 

「……メテオ!」

 

そこにメテオ……仮面ライダーストームがゆっくりと歩いて駆け付けて来る。

姿はもうユニコーンフォームではなく、いつものファイターフォームであるものの、その出で立ちは何処か勇ましく、強い気迫と威厳に満ち溢れていた。

 

「……初めて会って、共に戦ってた時も言ったよな宗谷…俺はこのゲイムギョウ界に来てたくさんの事を学んだ」

 

 

 

 

自身と同じく鋼の体に変えられつつも、その強き"正義"を見失う事なく肩を共に並べる"漆黒の騎士団"。

 

 

 

まだ幼さが目立つも、誰よりもちっぽけで…されども強い"勇気"を持って兄である自分達と共に戦う"音速の撲滅者"。

 

 

 

内気で、まだ未熟さが際立つも、何処か昔の自分と重ねてしまい、放ってはおけないが、誰よりも強い"魂"を宿す"嵐の弟"。

 

 

二度と自身の過ちを繰り返さんと言う強き"決意"を持ち、誰よりも強くあらんとする異世界の"黄金騎士"。

 

 

 

ひょんな事から神の継承者になったものの、それに嘆く事なく自身の為すべき事をやり遂げる強き"使命感"を持つ異世界の"神の後継者"。

 

 

 

世界を救った勇者となり、また別世界に飛ばされつつも、その世界の為に自ら神となって守りたき者達を守り続ける強き"信念"を宿す異世界の"魔神"。

 

 

 

そして目の前にいる…どんな強敵であろうとも救いの手を差し伸べ、愛する人と共に自身とは異なる運命に立ち向かう強き"繋がり"を持つ異世界の"勝利の勇者"。

 

 

 

こことは離れた場所で敵により、望まぬ殺戮をさせれている……酷く内気で、人見知りだが、誰よりも慈愛に満ち溢れ、途方にもなく過酷な過去と運命に身を投じる自身を愛してくれた強き"優しさ"を持つ最愛の"儚き少女"。

 

 

 

 

「……そして…」

 

 

 

 

突如この世界にやって来た自身を優しく向かい入れ、居場所を与え、過去の"(しがらみ)"で距離を置いていたこんな英雄になれ無き者(化け物)の自身を支え、実は自分も暗く、重い過去を背負っているにも関わらず、その笑顔をいつも隣で見せてくれた強き"心"を持つ誰よりも優しく、誰よりも明るい…そして自身が最も愛している"紫の女神"。

 

 

 

 

「…このゲイムギョウ界に来て多くを学び、多くの"絆"を俺は得てきた……それは何よりも変えがたく、かけがえのない"宝"…俺はそんな"宝"を……初めて心の底から"守りたい"って思えてきた」

 

自身の拳を強く握り、そのオレンジの複眼を眼前に移るフリーズに向けるストーム。

その複眼の…瞳の奥には誰よりも強く、熱いものが宿されていた。

 

「だから……俺は戦う…お前らにじゃねぇ……次々と振り掛かる"運命"そのものに…俺はもう何にも目を背けねぇ……そこから"逃げちゃ行けねぇ"って思っている…」

 

 

 

"もう逃げない"

 

 

 

ストームの……メテオの"心"は誰よりも燃えたぎっていた…。

 

 

 

「逃げずに頑張って……頑張り抜いて…残ったその道が……今の俺のやるべき事……俺は…本当の意味での"強さ"って奴を見つけた…皆との"絆"……何処までも繋がり合うこの"心"……"絆の力"が……

 

 

 

 

 

"繋がる心"が……俺の"強さ"だ!!」

 

 

 

 

 

「……面白い…つくづく面白いぞ貴様ら!ならその"繋がる心"で何処までお前達の運命に抗えるか、俺が試してやろう!!」

 

言い様のない気迫。

それに飲まれながらも負けんと自身を振るい立たせるフリーズは拳を握り締めて脱兎の如く二人に向かって駆け出す!

 

「…………だから宗谷……」

 

「……?」

 

フリーズが駆け出して迫り来る中、ストームはクロス・ヴィクトリーに顔をゆっくりと向け、静かにこう言った。

 

 

 

 

 

「また一緒に戦おう、"ダチ公"!」

 

 

 

 

 

TIME 11 ~fin~

 




本当にお待たせしてすみませんでしたぁぁぁぁぁあああああ!!(ジャンピング土下座!!

いかがでしたか?

長く続くこのコラボもいよいよ大詰め!遂に始まるフリーズとの決戦!殺戮兵器に乗せられたシンシアの救出!激闘を繰り広げるダークネス怪人達との戦い!

いずれも見逃すな!!

次回も刮目せよ!!

感想をお待ちしています!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。