超次元ゲイムネプテューヌ~嵐の仮面ライダー~《season SECOND》   作:白銀の嵐Mk.2

4 / 5
新年明けましておめでとうございます!(今更かよ

新年始まって本編最初の投稿!

フリーズに苦戦するクロス・ヴィクトリーの元にストームが駆け付け、共に彼を倒さんと決意を込める二人!

この(色んな意味で)長く続いた戦いに終焉が近づいて行く…。



TIME12 CHAIN LINK ~繋がり合う"心"~

TIME12 CHAIN LINK ~繋がり合う"心"~

 

 

 

遂に辿り着いた自分達とは絶望的なまでに力の差を見せつけた強敵…。

 

その者は"時"と"空間"を司る"神をも殺す"存在…。

 

加えて、自分達の攻撃をものともしない程までに強固で、決して怯む事もない鎧を持ち、1度は自分達を打ち負かした……まさに最強の敵と言っても過言ではない実力者。

だが、それでもなお…彼らは挑む……己が守りたいものの為、譲れない決意の為、揺るがぬ信念の為、そして何よりも…。

 

 

 

 

それぞれが叶えたい"夢"の為に……。

 

 

 

 

その想いを胸にそんな最強の敵に挑む二人組…。

 

 

 

 

絶対零度などと言う言葉すらも生温い程の冷気を全身に漂わせ、漆黒の複眼を向けて仁王立ちに佇む"停止する氷結"と言う異名を持つ戦士、仮面ライダーフリーズ。

そしてそのフリーズと対峙するように向き合い、片や拳、片や剣をそれぞれ握り締めて構えるは不思議な縁で共に戦い、誰よりも深い"絆"で繋がった異世界同士の戦士。

敵の策略により、この世界に集い、共にこの危機を乗り越えらんと誓かった……奇遇にも以前この世界に起きた2つの世界の危機に立ち上がり、そして守り抜いた二人組。

 

 

 

1度は"闇"の策略によって世界から異分子として扱われ、絶望のドン底に陥り、"光"を見失ったが、このゲイムギョウ界に突如飛ばされ、そこで出会った女神達を初めとする仲間達によって立ち上がり、さらには異世界にて様々な戦士達との共闘にて強き"覚悟"、"信念"を生み出しその中で繋がり合った何よりも勝る強き"絆"を掴み、今もなおフリーズと言った存在を生み出す組織と戦う"白銀の嵐"と言う異名を持つ仮面の戦士……仮面ライダーストーム。

 

 

誰よりも"HERO(英雄)"に憧れ、さながらも大切な人を失って深き絶望に陥り、ひょんな事でこことは別のゲイムギョウ界に飛ばされ、そこで強き"繋がり"を手に入れ、"最愛の人"を得て、誰よりも友との絆、仲間との繋がりを力の糧として、如何なる困難に直面しても絶望を断固拒否し、何度でも立ち上がって仲間達と共に前へ突き進む事を誓う赤き勝利の勇者……クロス・ヴィクトリー。

 

 

拳を握るストームと剣を握り締めるクロス・ヴィクトリーはそれぞれ、何時でも迎え打てるように身構え、眼前に映るフリーズを見据える。

メテオの世界のプラネテューヌとラステイションの国境境目にあるとある廃工場の入り口にて、全てを超越せんと己が掲げる信念を掛けた戦いが始まろうとしていた。

 

「ふん……はぁぁぁああああ!!」

 

その始まりは唐突であった。

彼らから距離を開けていたフリーズが彼らを葬らんと両腕を広げて走り出し、その距離を一気に詰めていたのである。

 

「宗谷!」

 

「おう!」

 

それを見たストームは直ぐ様クロス・ヴィクトリーに声を掛け、それに反応した彼はストームから離れるように横へ飛ぶ。

一人残ったストームは敢えて迎え打つと言わんばかりに真正面から両腕を広げて身構える。

 

「ぬぅん!」

 

「うっ!…ぐぅぅぅううう……!」

 

フリーズはそのままストームとぶつかり合うように両手を突きだすと、ストームはその両手を繋ぐようにして掴む…所謂力比べの体勢になる。

嘗て戦った"業火の愚者"程とは行かずとも、自身をも上回るパワーを誇るフリーズにストームは苦し気な声をあげる。

 

「…ぉぉぉおおおおお!!」

 

だがそれがストームの狙い…。

敢えて力負けして後ろに倒れつつ、同時に自身の足をフリーズの腹に当て、地面と背中がくっ付く瞬間にストームはその足に力を入れてフリーズを蹴り飛ばす、柔道等で言う"巴投げ"である。

 

《Skill Chain! kateikyousi Hittman Riborn!Mario!》

 

「フリィィィィィィズぅぅぅぅううううう!!」

 

投げ飛ばされ、宙に放り出されたフリーズを待っていたかのようにクロス・ヴィクトリーは2つのスキルを組み合わせ、両手両足に装備し、炎を纏わせて火力を集中し、その炎の拳で殴る必殺技"ビッグバン・アクセレート"で宙を舞うフリーズの顔面を殴る。

 

「……温い!」

 

「チッ!……うごぉお!?」

 

……が、フリーズはまともにその拳を顔面に受けてもなお、何事もなかったかのようにダメージがなく、彼は体勢が不安定な空中の中、殴ったクロス・ヴィクトリーの頭を掴み、彼の腹部に膝蹴りを入れ、そのまま彼の頭を掴んでそれを地面に向けて重力に従って落下し…。

 

「……ハァ!」

 

「がぶぉ……!?」

 

その頭を地面に叩き付けた。

仮面をしてるとは言え、顔面から地面に叩き付けられてとてつもない痛みを受けたクロス・ヴィクトリーは地面の上を転がるように悶える。

そこをフリーズは容赦なく、彼の横腹を蹴ろうと足を後ろに引くが…。

 

「させるか!」

 

フリーズの後ろからストームが羽交い締めしてそれを阻止する。

 

「……ぬん!おぉ!」

 

「ぐっ!おぐぁ!?」

 

するとフリーズは標的をストームに変え、羽交い締めする彼の顔に肘打ちを叩き込み、怯んだ所で羽交い締めを振りほどき、彼の片腕を掴み、その腕を……"へし折った"。

 

「…ぁ……ぐぅ…!」

 

「やはり何処まで言ってもストームと言う存在は神殺し最弱だな……ハァ!」

 

「うぉぉぉぉおおおおお!?」

 

腕を折られた痛みに悶えるストームにそう言ってフリーズはへし折ってもなお未だに掴んでいるストームの腕を持って一本背負いの如く投げ飛ばす。

投げ飛ばされたストームは放物線を描くように宙に舞い、そのままクロス・ヴィクトリーの隣の所に背中から叩き付けられる。

 

「がっ……ぁ…はぁ……!」

 

「メテオ…!」

 

投げ飛ばされ、地面に叩きつけられた痛みで立ち上がれないストームにクロス・ヴィクトリーは駆け寄る。

 

「戦場で友情ごっこか勝利の勇者よ、迂闊だな」

 

「ッ!?うわぁぁぁぁああああ!!」

 

「がぁぁぁぁぁあああ!!」

 

そこに追撃を掛けるようにフリーズは両手の指を前に突きだし、その指から無数の氷弾を飛ばし、二人を襲う。

ガトリング砲の如く飛んでくる氷弾が次々と彼らに直撃し、彼らの体から火花が飛び散る。

さらには外れて地面に着弾した氷弾が爆発し、その爆風でクロス・ヴィクトリーとストームは吹き飛び、地面の上を転がる。

 

「くそ…!」

 

「くっ、ぅ…ぬぅ!……やっぱりまともにやってもダメか…連携で行くぞ宗谷!」

 

「ああ!」

 

悔しそうに苛立ちながらも何とか立ち上がるクロス・ヴィクトリーに折れた腕を無理矢理治し、立ち上がるストームがそう言い、彼も頷く。

 

「……来い!」

 

「行くぞ!」

 

「おう!」

 

手招きをするフリーズにクロス・ヴィクトリーは正面から突撃し、ストームはその場で片膝を着けて拳を振り上げる。

 

「…ヒートエクスプロージョン!」

 

「ぬっ!」

 

「おらぁぁぁああああ!!」

 

「むっ、ぬぁ!」

 

「でらぁ!」

 

ストームはその拳で地面を殴り、フリーズの足元から火柱を出現させて攻撃し、その火柱に飲まれたフリーズが怯んで後ろに下がった所を背後に回り込んだクロス・ヴィクトリーが彼の後頭部目掛けて飛び回し蹴りを当て、反撃に出ようとしたフリーズの裏拳をクロス・ヴィクトリーは膝を曲げて姿勢を低くしてそれを回避すると 同時に彼の鳩尾に拳を叩き込む。

それを受けて少し下がったフリーズの先には先程ストームが放った火柱があり、フリーズは再びその火柱に飲み込まれる。

 

「……小癪な!!」

 

「「チェインリンク・オン!」」

 

「むっ!?」

 

それでも効かないとフリーズはその火柱を腕で払うようにして消す、するといつの間にか合流して隣り合わせたストームとクロス・ヴィクトリーの二人が掛け声を合わせ、お互いの間に出来た"白い線"を繋いで互いに"リンク"した。

そしてその白い線は"赤い"光を放ち、ストームとクロス・ヴィクトリーの間を繋ぐ線が赤色に変化した。

 

「こっから全身全霊の本気で行くぞ、フリーズ!」

 

「覚悟しやがれ!!」

 

ストームの能力……絆を繋いだ者と"力と技を共有する"…絆そのものを体現した力"チェインリンク"で互いに同調し、お互いの力と技、そして思考をリンクした二人は同時に地面を蹴って駆け出し、フリーズとの距離を一気に詰める。

 

「おのれ…!?」

 

「遅ぇよ!」

 

「スターライトマシンガン!!」

 

向かってくる二人にフリーズは拳を突きだすが、二人はそれよりも速く左右に別れてフリーズを間に挟み、クロス・ヴィクトリーはフリーズの右側からストームの必殺技の1つ、超高速でまるでマシンガンの如く何度も敵に蹴りを浴びせる"スターライトマシンガン"を叩き込む。

 

《soldir from》

 

「ダイナミック……ザンパー!!」

 

そして左側にいるストームは全身武装携帯ソルジャーフォームとなり、左腕に装備されたエクシアを剣形態にし、クロス・ヴィクトリーの必殺技の1つ"ダイナミック・ザンパー"による強烈な斬撃をお見舞いする。

 

「ぬぐ……ぐ…!」

 

「「ハァァァアアア!!」」

 

「ぬぶっ……!?」

 

流石に効いたのか、僅かに苦し気な声を上げたフリーズに二人はダメ押しにとWキックを放ち、フリーズを蹴り飛ばす。

 

「ほ…ほんの僅か程度とは言え…効いてる……!?」

 

「「このまま押し通る!!」」

 

あれほどの頑丈さを誇っていた自身の肉体に痛みが走った事に動揺するフリーズに再び両隣で走り出すストームとクロス・ヴィクトリーは再び掛け声を合わせる!

 

 

 

「「リンク・ドライブ!!」」

 

 

 

究極とも言える絆の重み……"共鳴奥義(リンク・ドライブ)"を…。

 

その掛け声を上げた二人は左右に別れ、再びフリーズを間に挟む!

 

 

「切り開くんだ!」

 

 

「明日を……俺達の運命を!」

 

 

フリーズの前方からクロス・ヴィクトリーが赤剣による剣乱舞で彼を切り裂き、トドメの斬り払いで吹き飛ばし、フリーズの背後に回ったストームが怒濤の左右のパンチラッシュを叩き込む!

 

 

「導け!!」

 

 

そしてトドメにストームはアッパーでフリーズを上空に打ち上げ…。

 

 

「"勝利の交差"!!」

 

 

そこに待ち構えてたように跳躍していたクロス・ヴィクトリーが宙に舞ったフリーズを片手で握り締めた赤剣で左右に振って彼の胸部にバツ字の傷を着けて地面に向けて斬り飛ばす!

 

 

「これが俺の……!」

 

 

そしてストームは体を縮めるように屈み、勢いよく落下するフリーズに向かって跳躍し、左足を突き出してライダーキックの体勢となって急上昇し…。

 

 

 

「俺達の……!」

 

 

 

クロス・ヴィクトリーは赤剣を地面に落下するフリーズに向けて剣先を突き出して急降下する!

 

これがストームとクロス・ヴィクトリー、メテオと宗谷の二人が織り成す"絆の一撃"!!

 

 

 

 

 

 

 

「「"ヴィクトリー・クロス"!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

為す術もなく落下する停止する氷結に、白銀の嵐と勝利の勇者の"絆"が交差した。

 

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

その頃、ストームとクロス・ヴィクトリーがフリーズと激闘を繰り広げている廃工場から離れた草原では決死の救出劇が繰り広げられていた。

 

『い" や" あ" あ" あ" あ" あ" !!』

 

異世界の少女、シンシアが乗せられた最悪の殺戮破壊兵器マシンデストロイヤーが彼女の叫びと合わさるように両手を激しく振り回し、周囲の森の木を次々と薙ぎ倒していた。

 

「氷河の記憶!」

 

「32式、エクスブレイド!」

 

そんな彼女を止めて救うべく、動きを止めるように周囲を氷付かせる魔法を放ち、マシンデストロイヤーの足を凍らせるイストワールと、信仰の力を宿した巨大な剣を飛ばし、マシンデストロイヤーの頭部に当てるパープルハート。

 

「いい加減に大人しくなりなさい!ファイティングヴァイパー!!」

 

蛇のように蠢く無数に並んだ刃を激しく振るうアイリスハートが奮闘していた。

 

『い" た" い" ……!い" た" い" ぃ" ぃ" ぃ" ぃ" い" い" い" い" !!』

 

そんな彼女達の猛攻にもがき苦しむような声を上げるシンシア、するとマシンデストロイヤーはそんな彼女達を焼き払わんと口から、胸部から、腹部から、両手から、光を収束し、その光を解き放つように砲撃を放つ。

 

「くっ!」

 

「いーすん!」

 

「ッ!?」

 

それぞれバラバラに飛び、その砲撃を避けるが、パープルハートは何かに気付き、イストワールの名を叫ぶ。

その声に反応したイストワールは振り向くと、そこにはマシンデストロイヤーの"腕"があり、その腕は彼女に向けられた状態で光を溜め込んでいた。

 

「いーすん!!」

 

「しまっ……!?」

 

イストワールがその"腕"に気付いた時にはもう既に遅く、その腕から光が放たれようとした瞬間…。

 

「させないわよぉ!!」

 

アイリスハートが蛇腹剣を振るい、飛ばされた無数に並んだ刃によってその腕は弾かれ、明後日の方向を向いて光が放たれる。

明後日の方向に放たれた光は森の中で生い茂る木々を飲み込み、飲み込まれた木々は消滅し、光が通った後は跡形もなく燃え盛る浄土へと化していた。

 

「………!」

 

地平線の彼方まで直線状にあったものを消し飛ばした光の威力にイストワールは思わず息を飲む…もしアイリスハートがあそこで光を放とうとした腕を弾かなければ自分もあの光に飲み込まれ、消滅する可能性があったからである。

 

イストワールがそう思っている間に光を放ち終えた"腕"はマシンデストロイヤーの元まで戻り、いつの間にか無くなっていた左手の部分にくっ付く。

どうやらあの"腕"は分離したマシンデストロイヤーの"腕"のようである。

 

「…迂闊に近付けないわね……」

 

「何とかしてシンシアちゃんを救い出せないかしらねぇ……」

 

イストワールと合流したパープルハートがそう呟くと、同じく合流したアイリスハートが困った声を上げる。

するとイストワールが恐る恐ると手を上げた。

 

「あの……このままバラバラで動き回るより、連携してシンシアさんの救助に向かうのはどうですか?」

 

「……そうね、このままじゃ埒が明かないし、何よりもシンシアが危ないわね…」

 

「ならぁ……あたしが囮になるからねぷちゃんといーすんはあの子がいるコックピットに向かいなさい」

 

イストワールの提案にパープルハートとアイリスハートも賛同し、話し合いの結果、アイリスハートが囮を務め、その間にマシンデストロイヤーの鳩尾部分…コックピットの中にいるシンシアの救出をイストワールとパープルハートが務める事になった。

 

「……行くわよ!」

 

『あ" あ" あ" あ" あ" あ" !!』

 

作戦が決まり、パープルハートが掛け声を上げると同時にマシンデストロイヤーも両手を分離させ、さらには彼女達を近付けさせまいと胸部、腹部から砲撃を放ち、肩部からガトリング砲を放って弾幕を張る。

 

「ほらほら!こっちに来なさい!」

 

まずはアイリスハートが先行し、自ら囮になるべく、マシンデストロイヤーの前に踊り出る。

その狙い通り、マシンデストロイヤーはアイリスハートに標的を狙い絞り、彼女に胸部と腹部の砲撃、肩部のガトリング砲を向けて放つ。

 

「今です!」

 

「そこね……クロスコンビネーション!!」

 

そこを突くようにイストワールが細剣で右側の肩部ガトリング砲を、パープルハートが左側の肩部ガトリング砲を切り裂く。

「続けてこっちも食らいなさい!」

 

それを好機と見たアイリスハートは胸部に電撃、腹部の砲門に鞭のようにしならせて伸ばした蛇腹剣で突き刺し、マシンデストロイヤーの両腕を除く砲門を全て破壊する。

一身にそれらの攻撃を受けたマシンデストロイヤーの胸部、腹部、肩部は連鎖するように火花をあげ、爆発を起こす。

 

『あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッ!!』

 

「シンシアァァァァァアアアアアア!!」

 

シンシアの絶叫が響く中、マシンデストロイヤーは苦し紛れに口部と両腕の砲門から光を収束し、その光の奔流を放つが、パープルハートはそれを掻い潜りながら彼女の名を叫び、マシンデストロイヤーのコックピット……鳩尾部分の所に辿り着く。

 

「シンシア!今助けるわよ!」

 

パープルハートは手に持っていた刀を手放し、コックピットの蓋の両端を掴み、力任せに剥がす。

剥がされたコックピットの蓋は宙を舞い、重力に従うように地面に落下して行く。

それを見ることなくパープルハートはこの大量殺戮兵器に無理矢理乗せられ、望みもしない破壊をさせられていたシンシアを助けるべくコックピット内を覗いた。

 

「…ぁ…ヴ……ぅえぁ……が……っ」

 

マシンデストロイヤーのコックピット内、そこの操縦席に乗せられていたシンシアの状態はあまりにも悲惨なものである。

両腕、両足、腹部、胸部、肩部、頭部…体の至る所にチューブのような物を取り付けられ、そこから薬物と思わしき液体を体内に流し込まれ、あの白き肌に血管が浮き出ており、彼女の顔は汗、涙、涎で酷く濡れており、目の焦点は全くと言っていい程まで合っておらず常に右往左往に泳いでいる。

 

「もう大丈夫…もう大丈夫よシンシア……必ず貴方を助ける…もう苦しませないから…」

 

「ぅ…ぅぐ、んぐ!ェヴ…が…ゥゥゥウウウ…!」

 

一刻を争うと言ってもいい程までに危険な状態だと言うことを明らかと見たパープルハートはシンシアの体に取り付いているチューブを全て剥がし、子をあやす母親のように彼女を優しく抱き締める。

 

それと同時に…動く為の核を失ったマシンデストロイヤーは機能を停止し、不気味に輝いていた2つの目…デュアルアイは光を消し、その頭部は力なく項垂れた。

 

「大丈夫……大丈夫だから…もう泣かないで……苦しまないで…」

 

「あぅ……ぐぁ…ぁぁぁ……ぅ…」

 

だがマシンデストロイヤーが止まったからと言って万事解決と言う訳ではない……この大量殺戮兵器が止まるまでに過剰なまでに大量の薬物を投与されたシンシアが命の危機に陥っているのだから…。

マシンデストロイヤーのコックピット内でパープルハートは未だに薬物の服用で死に悶えるようにもがき苦しむシンシアを抱き締め続け、優しく背中を擦り続けている。

 

「ネプテューヌさん!」

 

「ねぷちゃん!」

 

そこにマシンデストロイヤーが機能停止した事により、戦う姿勢を解いたイストワールとアイリスハートがやって来て彼女達に駆け寄る。

「いーすん…ぷるるん…」

 

「ネプテューヌさん!シンシアさんの容態は!?」

 

「……ダークネスが過剰に投与した薬物を受け過ぎてあまりにも危険な状態よ…下手したらシンシアはもう…!」

 

「……ッ!」

 

イストワールがシンシアの状態を聞くと、パープルハートは首を左右に振り、手遅れに近い状態だと言う事を告げ、涙を浮かべる。それを聞いたアイリスハートは自身の手に持つ蛇腹剣を握る力をより一層強め、唇を噛み締める。

 

シンシアはもう助からない…。

 

誰の目を見ても明らかな彼女の状態にこの場にいる誰もが諦めかけ、悔しむように悲痛な表情を浮かべる。

 

 

もっと早く助けられたら…。

 

 

そもそも彼女がダークネスに捕まるような事がなければ…。

 

 

彼女達の顔はそう訴えているかのように、後悔するように見える。

 

「……お願い、この子を…シンシアを……メテオの大切な人を……助けて…!」

 

涙を浮かべ、必死に、懇願するようにシンシアを抱き締めるパープルハートは強く祈る。

 

「この子はあの人に……メテオに必要なの…!私なんかよりも…ずっと……メテオを支えられる人だから…!もし私の命を…この子に与えられるなら…与えたい…!こんなダメな私なんかよりもずっと…!メテオを支えられる子を…!」

 

「ねぷちゃん…」

 

「…………ネプテューヌさん?それはどういう…」

 

「凄く短い間だったけど…この子とメテオが一緒にいた時にわかってたの……二人がお互いを見る目が…"恋"をしてるって……"両想いの目"だって…!」

 

「……えぇ!?め、メテオさんとシンシアさんの二人が……"恋"!?」

 

酷く懇願するパープルハートの言葉にイストワールが首を傾げていると、パープルハートがポツリポツリと教え、彼女は場違いながらも思わず驚いてしまった。

 

「だから……私なんかじゃダメなの…私なんかがメテオの傍にいても…彼を支えられないから……だから…だから…!!」

 

涙で顔をぐしゃぐしゃに濡らしながらも、自分なんかよりもずっとメテオに相応しい人と思っているシンシアを助けたいと祈るパープルハートだが…。

 

 

 

 

「……ダメ、だよ…」

 

 

 

「ッ!?…………シンシア?」

 

「…『私なんか』じゃ…ないよ……貴方がいたから…メテオは…メテオでいられたんだよ…?……貴方がいるから…メテオは誰よりも強く…優しくいられるんだよ…?」

 

「私が……?」

 

突然の、弱々しく、掠れながらのシンシアの声にパープルハートは抱き締める力を弱め、彼女の顔を覗く。

 

「メテオはぶっきらぼうで……素直じゃない人…だけど……貴方がわたしと…メテオをそう見てたように…わたしも…貴方とメテオがお互いを見る時の目が……"恋"してる…目……だったよ…?」

 

「…えっ……」

 

「きっと……メテオがわたしを見る目よりも…メテオが貴方を見る時の目が……一番、"恋"を…してるよ…」

 

「…………」

 

力なく、弱々しい感じの表情だが、とても優しく、慈愛に満ちた目でそう告げるシンシアの言葉にパープルハートは言葉を失った。

 

 

 

ー……メテオが自分に…"恋"をしてる?

 

 

 

今まで一緒に彼と共に過ごし、誰よりも彼を見てたつもりだったパープルハートことネプテューヌであったが、彼が一度もそんな素振りを見せた事がなく、それに今まで気付く事はなかった…。

 

「…………気付いて…なかったの?」

 

「……え?ええ……そんな事は一度も……」

 

「……多分、メテオも…貴方が"恋"してる事に気付いてないと思う…」

 

「…………そう」

 

気付かなかった事を指摘され、呆けた顔をするパープルハートにキョトンとした顔をするシンシアは薬物の服用による苦しみに耐えながらも微笑みを浮かべる。

 

「……なら、気付かせないと…」

 

「……え?」

 

「メテオは…誰よりも素直に生きれない人……だから、気付かせて…素直にさせないと…ダメ……きっと、後悔…する、から……」

 

「…………ええ」

 

メテオに"好き"と言う気持ちに素直にさせると言うシンシアの言葉にパープルハートは頷き、「だから…」と口を開く。

 

「まずはシンシア……貴方を助けないとね?」

 

「…………え?」

 

彼女のその言葉に今度はシンシアが首を傾げた。

 

 

 

「こんなつまらない事でメテオの事が好きなライバルが減るのは嫌よ?それに……目の前で友達を…大切な人を失うのはもう……嫌だから…」

 

 

そう言うパープルハートの脳裏には、幾つもの目の前で"失った"ものと"後悔"が過った。

 

 

 

───とある戦いに望み、に必ず帰ってくると言う"約束"を受けてそのまま帰らぬ人となった"姉"…。

 

 

 

───その"姉"に変わって女神の座に就くも、失敗ばかりを繰り返し、数々の"失望"の目をして自分から離れていった"国民"…。

 

 

 

───ズーネ地区にて囚われた自分達を救うべく、1度は捨てた"仮面ライダー(英雄)"の名を取り戻し、そして自分達を救い出すも、目の前で殺され1度死んでしまった"最愛の彼"…。

 

 

 

 

他にも上げればキリがない程の"喪失"と"後悔"を繰り返して来た彼女はもう2度と繰り返すまいと誓い、何が何でも自身の腕の中にいる少女を救おうと決意を込めた。

「だから助ける……貴方を、シンシアを…何が何でも…」

 

改めて祈るように強くシンシアを抱き締め、パープルハートは瞳を閉じた。

 

 

 

するとその時…"不思議な事が起きた"。

 

 

 

 

シンシアを抱き締めるパープルハートの体から淡い緑の"光"が溢れ出し、ダークネスによって大量の薬物を投与されて苦しむシンシアを包み込んだ。

 

「なっ……!?」

 

「これは……"シェア"の…いえ、それとは違う……けど暖かい"光"…」

 

その光景にイストワールは驚き、アイリスハートは一瞬その光を女神達の力の源…人々の信仰の思い、"シェア"と思うものの、それとは違うものと気付く。

 

その"光"に包まれたシンシアの顔は薬物によって苦しむ表情から徐々に穏やかで、優しい表情に和らいで行き、血管等が浮かび上がっていた体は潜め、何時もの血色の良い白き肌に戻って行く。

 

今、まさに"奇跡"とも言えるような光景が広がり、その奇跡がシンシアの命を救い出したのである。

 

「………ぅ……」

 

パープルハートから放たれる淡い緑の光が収まると、シンシアは自身の体の調子を確かめるようにペタペタと自分の体を触り、何ともないような様子だと言う事を確認して不思議そうな顔で彼女はパープルハートを見つめる。

 

「……もう大丈夫なようね」

 

「……今の…は?」

 

「…正直、自分でもわからないわ」

 

「え……?」

 

「シンシアを助けたい……その一心でいたらあんな感じになったの…シェアとは違う、何か不思議なものが…」

 

あの"光"は何だったのだろうか……その光を放ったパープルハート自身もわかっておらず、謎のままだが、わかってる事は一つ…シンシアは助かったのである。

 

「………ありがとう」

 

「……どういたしまして」

 

目を泳がし、躊躇うように口を動かしつつもシンシアはようやくの思いでパープルハートにお礼をいい、パープルハートもまた、その思いを受け止めた。

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

「だぁぁぁぁあああああ!!」

 

「やぁぁぁぁぁああああ!!」

 

一方で廃工場近くの建物にて、蟻のように群がる怪人達との戦いも終わりが見えてきた。

数が減り、この草原一面を埋め尽くす程までいた怪人や戦闘員達は今や数十人程度の小隊を両手で数えきれる程までに組むほど減って行き、そして今もなお……気合いの咆哮と共に突き出した拳の拳圧による衝撃波を放つソルと、その手に握り締める銃剣M.P.B.Lの銃口から放たれる光を放つネプギアことパープルシスターの攻撃でさらに怪人達の数は減って行く。

 

「もう残り少し……!」

 

「このまま押し切ろう、お兄ちゃん!」

 

「うん……うわっ!?」

 

そこで油断してしまったのか、ソルは死角からやって来た怪人に捕まれてしまう。

 

「お兄ちゃん!?」

 

「離せ!離せこのっ!」

 

羽交い締めされて抵抗するソルだが、いかせん怪人の力は強く、並の人間でしかないソルは振りほどく事ができずにそのまま廃工場の中に連れ込まれてしまう。

 

「お兄ちゃん?お兄ちゃぁぁぁぁぁぁん!!」

 

助けに行こうとするパープルシスターだが、次々と現れる怪人達に立ち塞がれ、必死に伸ばすその手は届くことなく虚しく空振った。

 

「お兄ちゃんが…そんな……」

 

目の前で最愛の兄が連れてかれ、最悪殺されてしまうのではと思ってしまったパープルシスターは失意に暮れ、戦意喪失してしまう。

ぺたん…とその場で内股に座り込んで俯く彼女に怪人の1体が容赦なく、その手に持つ剣を彼女の頭に振り下ろそうとしていた。

 

(お兄ちゃんが……大好きなお兄ちゃんが…)

 

半年にも満たない程度とは言え、血の繋がりもなく、それでも精一杯の優しさを持って接してくれた兄の喪失にパープルシスター…ネプギアは迫り来る"死"に目を向ける事なく、このまま受け入れようと目を瞑った。

 

 

 

「ネプギアぁぁぁぁああああ!!」

 

 

 

突如聞こえてくる自身の"姉"の叫び…。

 

それに気付いたパープルシスターは目を見開いて顔を上げ、咄嗟に握り締め直した銃剣で迫り来る死を拒むように防いだ。

 

「お姉……ちゃん…!」

 

「ハァァァァァアアアアアア!!」

 

剣を握る力を強めて防ぐパープルシスターが次に目が入ったのは次から次へとやって来る怪人達を相手に太刀を片手に握り締め、縦横無尽に振り回して切り裂く紫の女神…ネプテューヌことパープルハートであった。

 

「クロス……コンビネーション!!」

 

トドメにと力一杯に袈裟懸けに振り下ろした太刀で群がる怪人達を吹き飛ばすその姿はまさに戦神とも言え、一騎当千と言わんばかりにその手に握る太刀を振るう事をパープルハートは止めない。

 

「吹き荒べ!嵐ノ記憶!!」

 

そんな彼女の背中を守るように凄ましい旋風を巻き起こして現れるイストワールもまた、彼女に負けんと言わんばかりに獅子奮迅の戦いぶりを見せつける。

 

「少し突っ込み過ぎてはネプテューヌさん!」

 

「大切な妹と弟の危機にちょっと興奮し過ぎたかしらね!」

 

「よく言いますよ、付いて行くこっちの身にもなって欲しいです!」

 

「あら?そう言いながらもいーすんはしっかりと付いて来てるじゃない!」

 

「伊達に宗谷さんと共に行動してる訳ではありませんから!」

 

「なら、メテオの言葉を借りれば……」

 

互いに背合わせとなった状態で向かってくる怪人を切り裂き、余裕でも持たせようとしてるのか会話をしながら次々と蹴散らして行き、突然パープルハートが怪人の1体に向かって突撃し…。

 

 

 

「『上等……なら腹ぁ括って、付いて来い』…ね」

 

 

 

横一線に切り裂いた。

 

「お姉ちゃん!いーすんさん!」

 

「無事でしたかネプギアさん?」

 

「もう大丈夫よネプギア……ソルは?」

 

周りにいた怪人の数が減って行き、ようやく立ち上がれたパープルシスターの声にイストワールは安否を聞き、パープルハートはいつの間にかいなくなっているソルの存在に気付いて訪ねてくる。

その問いにパープルシスターは顔を俯かせた。

 

「……私は無事です…でも、お兄ちゃんが……」

 

「っ!ソル……!」

 

「ソルさんが…!?そんな……」

 

今にも泣きそうな声で言う彼女の言葉にパープルハートは奥歯を噛み締めて今だに現れてくる怪人達を睨み付け、イストワールは言葉を失ってしまった。

 

 

 

 

「その心配はない」

 

 

 

《レッツ・セット!レッツ・セット!》

 

 

 

 

突如聞こえてきた声と"電子音"…。

 

 

 

 

「変身!!」

 

 

 

《ダウンロード!イッツ……オレンジ!!》

 

 

 

 

いつもよく聞いている"あの言葉"に…。

 

 

 

 

 

《イ~ユメ・ミロヨ~♪》

 

 

 

 

変わった"音声"…。

 

その流れが終わると共に彼女達の前から何者かが舞い降りてくる。

 

「っ!誰!」

 

「何者ですか!」

 

「新手の敵……!?」

 

突然現れた正体不明の者に彼女達は警戒し、その者を見つめる。

彼女達を包囲するように囲んでいた怪人達もまた、得体の知れない存在の登場に少し後退りして身構える。

 

 

 

「…落ち着きたまえ、私は君達の敵ではない……助けに来た…所謂"お節介焼き"だ」

 

 

 

そんな全ての視線を浴びている中、その者は物怖じとせず、堂々とした振る舞いで佇む。

 

その者の姿は身の丈を覆い隠すかのように覆われた"布"に隠れて正確な姿形は判明できず、その後ろ姿を見ているパープルハート達もその者の"後頭部"しか姿が見えない。

その者の頭部は決して人とは言えず、何やら機械のような装甲で覆われている。

 

「……貴方は…一体……?」

 

突然の乱入者に驚き、誰もが呆然としてる中、パープルシスターがようやくの思いを絞り出した声に乱入者は反応したかのようにゆっくりと顔を向ける。

 

その者が正面を向けた事によりある程度はようやく判明されたその姿は…。

 

 

全身を白をベースとし、細部を紺と赤に施されたカラーリングの……"機械的な体"。

 

頭部から足の爪先まで全てが機械仕掛けのような体つきをしており、人……と言うよりかは"ロボット"と言う言葉がしっくりと来そうな姿をしていて…。

 

額と胸部には、己が存在を強調するかのように飾られる"ドクロ"のレリーフ。

 

そして額のレリーフの左右にはより存在感を引き出すかの如く鋭く尖る黄色い"V字アンテナ"…。

 

首元に取り付けられ、全身を覆うように纏われる布……"マント"がその姿を隠し、よりその存在を謎に包ませている。

 

腰には…形状が違うとは言え、自分達がよく知っている……あの"戦士"の存在としての証明を現す体の一部と言ってもいい"アイテム"。

クリアグレーなカラーリング、横に付いた握る式の赤いグリップレバーの…"バックル"が付いた"ベルト"。

 

 

突如姿を現し、謎に包まれたその"戦士"の名は…。

 

 

 

 

「…クロス、"仮面ライダークロス"……通りすがりのお節介焼きさ」

 

 

 

 

"交差"の意味を名を持つその戦士……"仮面ライダー・クロス"はパープルシスターにそう告げ、怪人達と対峙するかのように再び彼女達に背を向ける。

 

 

「……さぁ、飛びっきりの"夢"を見せてやるぜ…」

 

 

ボソッと呟くように言ったクロスはベタ足で、ゆっくりと怪人達に向けて歩んだ。

 

 

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

 

 

 

激しい轟音を立てる廃工場の入り口前…。

 

「ごおぉ……ぁ…!?」

 

白銀の嵐と赤き勝利の勇者の交差する勝利の"絆"を受け、地にひれ伏す停止する氷結……フリーズは這いつくばるように地面を這う。

 

「立てよフリーズ、まだ終わっちゃいねぇぞ」

 

「ここからはずっと俺達のターンだからな」

 

地に付けていた膝を浮かし、立ち上がるストームとクロス・ヴィクトリーはそんな彼を逃がさんとばかりにゆっくりと近付く。

 

「くっ……ブルーブリザード!!」

 

予想外の一撃で追い詰められる事になったフリーズは上空を見上げ、ずっと空で待機していた自身の愛機……全体を青いカラーリングに染まった戦闘機"ブルーブリザード"を呼び寄せる。

ブルーブリザードはその呼び声に答え、上空を滑空してストームとクロス・ヴィクトリーに向かって突撃する。

 

「俺は滅びん、滅びぬのだ!ダークトゥダークネスの悲願の為に…創造の審判に勝ち抜く為に!!」

 

フリーズの叫びに合わせ、ブルーブリザードは両翼に付いた……あのスカーレットハートを葬ったミサイルを彼らに向けて放つ……が…。

 

 

 

「バニシング……ショット!」

 

 

 

そこに現れた第3者の放った炎の介入により、それが防がれてしまった。

 

「……ヒロム!」

 

「遅ぇぞ、ヒロム!何処に行ってたんだ!」

 

「……すまない、少々雑魚の邪魔に戸惑ってしまってな…今は絵美に任せて急ぎでこっちに来た」

 

その第3者…ヒロムこと"はぐれ魔神"の異名を持つバニシングハートが遅れた事に詫び、ゆっくりとストームとクロス・ヴィクトリーの元に降りる。

 

「貴様…!シャットは!?シャットの奴は何処に行った!?」

 

「生憎だが……あの四天王は何処かへ消えたぞ?」

 

苛立つようにバニシングハートを睨み付けるフリーズが彼と戦っていたはずのダークネス四天王…シャットの存在を思い出し、叫ぶがバニシングハートの言葉にさらに怒りを募らせる。

 

「何……!?甦らせたと言う恩を忘れてあいつは…!ブルーブリザード、ブルーブリザード!奴らを殺せ!!」

 

飛ばされた指示に従うようにブルーブリザードは一旦旋回し、再び彼らに向かってミサイルを照準する。

 

「させるか!」

 

《Soldir from》

 

「あの戦闘機には一度ヒロミを殺されたお礼参りをしなくてはな!」

 

それを阻止せんとストームは全身武装携帯ソルジャーフォームとなって右肩に付いた大型の盾Dシールドを起動し、バニシングハートは天高く飛行してブルーブリザードに立ち向かいに行く。

 

「メテオ、せっかくだから俺にもやってくれないか?」

 

「ああ、わかった」

 

「「チェインリンク・オン!」」

 

ブルーブリザードに向かう中、バニシングハートの提案に乗ったストームは彼と共に息を合わせ、チェインリンクを発動して"絆"を繋げる。

 

「一気に決めるぞヒロム!」

 

「ああ!」

 

「「リンク・ドライブ!!」」

 

そして今にも放たんとする戦闘機を片付けるべく、二人は共鳴奥義(リンク・ドライブ)を放つ!

 

 

 

「行くぜヒロム!」

 

「おう!」

 

そのまま二人はブルーブリザードに突撃し、交差するように互いが持つ剣ですれ違い様に切り裂く。

 

「まだまだ!」

 

「畳み掛けるぞ!」

 

 

また交差して切り裂く!

 

 

「おら、もっと行くぞ!」

 

「守護神なれども暴れるぜ!」

 

 

さらに交差して切り裂く!

 

 

 

「「うおぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!」」

 

 

ひたすら交差して切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く切り裂く…。

 

何度も何度も交差するように切り裂き、やがて大きな"竜巻"を作り上げてブルーブリザードを微塵に切り裂いて行く!

 

 

「天翔……」

 

 

やがて切り裂くのを止め、二人は既に風前の灯火とまで言える程までにスクラップと化したブルーブリザードの真上まで上昇し、お互いに背合わせになるような状態でそれぞれの足を照準するようにブルーブリザードに向け…。

 

 

 

「「空爆殺!!」」

 

 

 

そのまま"竜巻"をも吹き飛ばすような急降下で飛び蹴りを放ち、完膚なきまで叩きのめしたブルーブリザードを地面に叩き落とした!

 

もはや飛ぶ力を失い、何とか形を保っていた程度のブルーブリザードは二人に蹴り飛ばされ、地面に激突し、完全なまでに跡形もなく爆散した。

 

「……ッッッ!?!?!?…俺の……俺のブルーブリザードがぁぁぁぁぁああああああ!?」

 

目の前で愛機を破壊され、悲鳴とも言えるようなフリーズの叫びが轟いた。

 

「フリーズ……」

 

ゆっくり、ゆっくりと目の前で破壊された愛機に激怒とも言える雰囲気を晒すフリーズに向けて赤剣を向けるクロス・ヴィクトリーは思わぬ発言をした。

 

 

 

「来い、ここからは俺とお前の……"タイマン"だ」

 

 

 

予想外とも言える彼からの1対1の申し出に、フリーズはゆっくりと顔をクロス・ヴィクトリーに向けた。

 

世界の時が止まり、融合した3つの世界から始まったこの戦い。

 

フリーズが甦らせたダークネス四天王の二人…。

 

ファートゥス・クライムはメテオに敗れ、シャット・ザ・ハードは突如敵前逃亡して何処かへ姿を消し…。

 

廃工場を中心としたこの草原を埋め尽くす程までいた怪人達はほぼ壊滅状態…。

 

さらに未だに奮闘している改造されし悪魔達(カスタム・デビルズ)の一人、キャプテン・フランケンの方もナイツの元に竜華が合流した事で流れが変わりだし初め…。

 

そして自身も…思わぬ攻撃を受け、自身の愛機をたった今失った…。

 

 

 

「クライマックスと行こうぜ?もうお前にコンティニューは効かないけどな」

 

 

 

……長く続いたこの激闘に、終わりが見えてきた。

 

 

 

 

TIME12 ~fin~

 




大いなる"絆"の前には全てが無駄、これ絶対(・ω・)

いかがでしたか?

次回は遂に決着!しかしこの戦いの展開は予想も着かない方向に向かって行く…!?

次回もお楽しみに!

感想をお待ちしています!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。