超次元ゲイムネプテューヌ~嵐の仮面ライダー~《season SECOND》 作:白銀の嵐Mk.2
お久しぶりです!そして、大変執筆が遅れて申し訳ございませんでした!!(ガチ土下座
新しい就職に就いてその環境に慣れようとしたり、そんな最中FGOなんて始めたり、さらにはTwitterにどっぷりハマったりと…色々とあって投稿してませんでした!!(ガチ土下座←二度目
終わりを迎えようとするフリーズとの激闘、その中で彼らは何を見て、何を知るのだろうか…。
TIME13 終焉の刻
夢を見ていた…。
『……将来の夢!』
まだ自分が幼かった………記憶の中から消えてしまっていた七歳の頃の自分が描き、決めた"夢"…。
『僕の将来の夢は…』
幼く、まだ世界とかそんなものも何も知らなかった未熟な子供の頃の自分がある日学校の授業の一環として出た"将来の夢"について…。
その時自分が言った、未来への希望とも言える願い…………夢……。
それは……。
『……"優しい人になりたい、優しい人でありたい事"です』
───人より人一倍に"優しい人"になりたかった事…。
『僕は喧嘩とかの争い事が嫌で、目の前で誰かが泣いているのを見ているのも嫌です、だから僕は"優しい人"になって、喧嘩を止めたり、泣いている人を助けられる人になりたいです!』
特にこれといった具体性がなく、ざっくりとした表現で言った自分の夢……"優しい人"。
それを聞いた当時の先生は困ったように苦笑いを浮かべ、クラスメイトの子供達はポカンっと一瞬した後に自分を馬鹿にするかのようにドッと笑いをあげた。
何時も内気で人見知りのお前ができる訳がない。
なら、警察官とかでいいじゃないか。
それは"夢"と言えるのか。
席を立って堂々と"夢"を発表した自分のあらゆる方向からそんな声が聞こえ、馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに笑いや野次を飛ばしてくる。
けど、そんな中………幼き自分はそれを誇らしげに胸を張っていた。
クラスの皆に笑われ、馬鹿にされてるにも関わらず、むしろ"それがどうした?"とばかりに幼き自分は誇らしげな顔で真っ直ぐな瞳で胸を張っていた。
それを見た先生やクラスメイト達は微かに不気味さを感じ、学校中に響く程の笑いが徐々に収まって行く。
どうしたんだこいつ?
頭がおかしいんじゃないか?
変な食べ物でも食べたのか?
あるものは興味を抱き、あるものは恐怖を感じる目で幼き自分に注目を注いだ。
『僕、テレビでよく見る喧嘩とか政治とかに必要な力や権力は持ってないし、いらないけど……誰かに手を差し伸べる"勇気"が欲しいんだ』
──誰かに……手を、差し伸べる…"勇気"…。
それを聞いた自分は不思議と胸を打たれた。
力も何もない、けど何かをしたいと言う願い。
端から見れば強欲とか、エゴとか言われるかもしれない。
でも………。
それでも………。
─────────────
「終わりにするぞフリーズ……お前も、俺も…お互いにコンティニューは効かないけどな」
プラネテューヌとラステイションの国境境目にある廃工場。その入り口前にて起きている"激闘"。
天条宗谷ことクロス・ヴィクトリーはその視線の先にて酷く狼狽える………これまで散々苦汁を舐めさせられた強敵とも言える
たったの数日でしかない……しかしながらも長く続いたように感じたこの戦いの元凶を断つ為に…。
「………いいだろう…!貴様をここで葬り…!メテオ・ソルヒートやあの魔神をも殺して…!ここにいる者全員の希望の芽を摘み取る…!徹底的にな!!」
フリーズもまた、ここで決着を着けようとその言葉を飲む……自身が所属する組織の為に、己の野望の為に…。
「来い、勝利の勇者……天条宗谷よ!時も空間も凍てつかせる我が氷結にて、
フリーズの体から絶対零度をも越えた冷気が放たれ、地面はもちろん、廃工場の壁や近くの森の木達、さらには"空までも"が凍てつき始める。
「最早容赦はせん!貴様を確実に!絶対に!………全てを凍てつかせてやる!!」
全身から放たれる冷気が収まった頃には、フリーズとクロス・ヴィクトリーがいる廃工場の入り口一帯が氷の空間と化し、自身と彼の二人だけの世界となった。
「これは…」
「この世界事態には特に意味はないが……この世界でしか俺は"全力"を出せない…!」
全てが凍り付いた世界にクロス・ヴィクトリーが息を飲むと、フリーズは怒りを抑えたような声でそう告げる。
"世界そのものが凍てついた最果て"とも言えるような空間を、フリーズは作り上げてクロス・ヴィクトリーを閉じ込めたのだ。
ここで全てを終わらせる為に…。
「
天に向けてフリーズが手を翳すと、彼の背後、クロス・ヴィクトリーの左右前後、さらには凍り付いた天上、地面から"歪み"のようなものが現れ、そこから先が尖った氷の塊…所謂"
「………!?」
「驚いてる暇はない!……
驚くクロス・ヴィクトリーを他所に、さらにフリーズの後ろから地を走るようにクロス・ヴィクトリーに向かう"氷"が出現し、彼に向かって突き進んで行く。
「さあ、絶望の最果てに足掻いてみせろ!」
そして天に掲げた手をフリーズがクロス・ヴィクトリーに向けて振り下ろした瞬間、"歪み"から現れていた氷柱が一斉にクロス・ヴィクトリーに向かって飛んで行く。
右から、左から、前から、後ろから、上から、下から。
全方位とも言える程のありとあらゆる方向から氷柱が飛んで行き、さらには地を走るように突き進んで行く"氷"がクロス・ヴィクトリーに向かって行く。
まさに絶体絶命とも言えるこの状況……しかし、クロス・ヴィクトリーからは焦りの様子がなかった。
クロス・ヴィクトリーは赤剣に付いたブイホを操作し、スキルを解放させ、顔を"上に向けた"。
《Skill chain!Infinite stratos!Mario!》
「バーニング………ジャンプッ!!」
全身に一瞬、"炎"と見間違えてしまうくらいの熱量を纏った赤いオーラを纏い、膝を大きく屈め、勢い良く上から降り注ぐ氷柱に向けて………ジャンプした。
「っ!?」
クロス・ヴィクトリーの行動に驚いたフリーズは一瞬動きを止める。
(何をするつもりだ…?そのまま行けばあの氷柱に全身を貫かれるだけ……あんな赤いオーラを纏っただけで一体…赤いオーラ?そう言えば一瞬あれが炎のように見えたが………まさか!?)
クロス・ヴィクトリーの行動の意味を理解したフリーズが彼に向けて顔を向けると、そこには無数に降り注ぐ氷柱に貫かれるクロス・ヴィクトリー………ではなく、赤いオーラを纏ったクロス・ヴィクトリーが貫かんと降り注ぐ氷柱達をジャンプした体勢のまま逆に打ち砕いて行き、天上まで届きそうな程まで高く飛び上がっている姿があった。
「全身に炎を纏って我が氷を打ち砕いたと言うのか…!」
「避けるのがダメなら、逆に壊すまでだ!」
そう、クロス・ヴィクトリーはスキルを使って自身の体に炎を纏わせ、フリーズの攻撃を避わしたのだ。
その狙い通り、上からの攻撃は見事に体に纏わせた炎で打ち砕き、それ以外の攻撃を大きく跳ぶ事で全て回避したのである。
「己…!
忌々しげにクロス・ヴィクトリーを睨むフリーズは、最大限の力を持って葬らんと、再び天に手を翳す。
すると、氷で覆われた天上がガラスのように砕け散り、そこからは……一瞬、隕石と見間違えてしまうかのような大きさを誇る巨大な氷の塊が現れ、着地したクロス・ヴィクトリーを潰さんと降下して行く。
「……もう一度力を貸してくれ、メテオ!!」
《Skill Link!Kamenrider Storm!》
迎え討つとばかりに、クロス・ヴィクトリーは再度、ブイホを操作し、スキルを選択し、解放する。
"白銀の嵐"の力を──
《Skill Arms!ストーム!白銀の嵐、腹ぁ……括れぇい!!》
スキルアームズ・仮面ライダーストームを選択したクロス・ヴィクトリーは左手に持つ専用武器であるエクシアを投げ捨て、ブイホからフィニッシュスキルアプリと呼ばれる……所謂、必殺技を放つ為のアプリをタッチし、迫り来る氷の塊に目掛けて跳躍する。
跳躍したクロス・ヴィクトリーはそのまま右足を氷の塊へと向け、急上昇する。その時、彼の左隣にはストームが、右隣には通常形態のクロス・ヴィクトリーの残像が現れ、その二つの残像がクロス・ヴィクトリー自身と重なった瞬間、彼の右足から赤と白銀のオーラが宿り、そこから激しい渦を巻く。
「決めるぜ…!………ストーム!ライダァァァァアアア……キィィィィィィィィック!!」
ストームアームズとなったクロス・ヴィクトリーの必殺技"
力が互角故なのか、互いに一歩も譲らずの状態。
しかし、僅かながらフリーズの方が力が上なのか徐々に氷の塊がクロス・ヴィクトリーを押して行く。
「勝つ!我が勝つ!勝って……奴らの希望の芽を摘み取り、ストームを…メテオ・ソルヒートを…"メテオ"をおぉぉぉぉおおおお!!」
「………っ!」
異常なまでの勝利への執着を見せるフリーズに気押され、仮面の下で苦悶の表情を浮かべるクロス・ヴィクトリー、だが…。
「俺だって、負けられない…!負けたくない…!失いたくない人達がいるから…!今度こそ、守りたい人達がいるから!俺は……俺は…!前へ進む!進む事を……止めるもんかぁぁぁぁぁああああ!!」
内に秘めし己の覚悟、己の意思、己の決意をありったけに込めた叫びを上げたクロス・ヴィクトリーは氷の塊にぶつける己の右足に力を込める。
押し込まれそうであった氷の塊を徐々に押し返して行き、遂に…。
「ライダー………
自身の体を横へと捻り、ドリルと化した回転でそのまま己の右足を前へと押し出した。
強大とも言えた氷の塊にヒビが入り、そして…。
「ハアァァァアアアアアア!!」
「バカな……!?」
目の前に迫っていた巨大な氷の塊を打ち砕いた。
その光景に、自身の放った最大の攻撃が破られた事に、フリーズは信じられないと言った顔で、あり得ないものを見た顔で驚いた。
「フリィィィィィィィズ!!」
そうしてる間にも、クロス・ヴィクトリーはその勢いのまま、激しいドリル回転をした飛び蹴りをフリーズに向けて急降下した。
「ちぃ…!
舌打ちをしつつ、フリーズも迎え討たんと跳躍し、ドリル回転をして急降下するクロス・ヴィクトリーに向けて右足を向けて飛び蹴りを放つ!
両者、そのまま氷に閉ざされた世界の上空にてお互いの右足がぶつかり、鳥籠のように閉ざされたこの空間にヒビを入れて行く。
「自分の私利私欲の為に、その力を振るうお前に"仮面ライダー"の名を名乗る資格はない!!」
「黙れ!我は神殺しであり、仮面ライダー!時も空間をも凍てつかせる我が氷にて、今度こそ貴様の息の根を止めてやる!!」
互いに譲らぬ意思をぶつけ、自身の足に力を入れる。
1分1秒……呼吸するのも忘れてしまう程の緊迫した状況。
───だが、それももう終わりである。
「ぐあぁぁぁああああ!!」
「ぬうぅぅぅうううう!!」
お互いの威力が互角だった為か、二人は磁場の反発を受けたかのように弾き飛ばされ、地面の上に転がる。
「……まだ、だ…!」
何とか立ち上がり、フラフラと覚束ない足取りでフリーズを睨むクロス・ヴィクトリー。
「ぬうぅぅぅ…………くっ!?」
フリーズも同じく立ち上がるが、先程の衝撃でのダメージか、右足がスパークしたように火花が飛び散り、右膝を地面に着ける。
「決着だフリーズ…!覚悟!!」
足に力を入れ、しっかりと2本の足で立つクロス・ヴィクトリーは赤剣の液晶画面のフィニッシュブレイクアプリをゆっくりとタップし、赤剣を両手で握り締めて腰を低く落として構えた。
───この戦いの権現たるフリーズを討つ為に、己の持つ最大限の技をぶつける為に。
再度、クロス・ヴィクトリーは跳躍し、両手にしっかりと握らせた赤剣をフリーズ目掛けて思いっきり振り下ろす!
「ストレイザーV!!」
決着を着けるべく振り下ろされる深紅の刃が停止する氷結の名を持つ神殺しに迫る。
「ッ!!
それに気付き、片膝の体勢のまま絶対零度をも凍てつかせる冷気を纏った拳を握りしめ、迫る深紅の刃にぶつけようとするも……。
(間に合わない……!?)
そうしようとした瞬間には既にフリーズは、深紅の刃に斬り裂かれた。
深紅の刃で捉えたクロス・ヴィクトリーはそのまま、振り下ろした刃を鋭角に、Vの字を描くように上へ跳ね上げた。
その体にVの字を刻まれ、力が抜けて行くような感覚を受けたフリーズはその拳を下ろし、ダラリと両腕を下げ、力なく項垂れた。
フリーズがやられたのをキッカケに、氷が全てを支配する世界、
「まさか我が……"私"が、負ける…なんて、ね……」
「っ!?」
クロス・ヴィクトリーに敗れ、項垂れたフリーズの声が男性の声から"女性の声"に変わり、クロス・ヴィクトリーは驚いた様子でフリーズを見つめる。
すると、フリーズの仮面に徐々にヒビが入り、そのヒビが段々大きくなり、砕け散る。
仮面が砕け散った事により、仮面の下から素顔が露となった。
「……ごめんなさい"メテオ"、私は貴方を救う事が……その運命を終わらせる事が、できな……か…た…」
素顔を露にした際に解き放たれた腰まで伸び、美しく流れる茶色の髪を後ろへと靡かせ、サファイアのような青色の瞳をしたフリーズの正体である"女性"は、ここにはいない白銀の嵐に詫びの言葉を呟き、そのまま意識を失って倒れた。
─────────
「………変な所に着地しちまった…」
《何をしてるんですか貴方は?(^_^;)》
クロス・ヴィクトリーとフリーズの激闘が終わった頃、ストームは廃工場の中で困った様子で立っていた。
フリーズとの激闘の最中、バニシングハートと共にフリーズの愛機であるブルーブリザードを蹴り飛ばした後、ストームは運悪くこの廃工場の方へと落ちてしまったのである。
《ライダー足るもの、キックを決めた後はしっかりと着地してなんぼでしょうが!》
「仕方ないだろ、蹴り飛ばしたあの飛行機の爆発に巻き込まれてここに吹き飛ばされたんだから…」
《安心と信頼の不幸体質ですか!?》
「………何で俺、何時もこんなんだろ…」
相棒であるベルト、デスティニーからの言葉に自身の運の悪さに嘆くストームは取り敢えずこの廃工場から出ようと辺りを見渡す。
「流石は廃工場ってか?異様に廃れてる」
《ノワールさん曰く、この工場は20年前に潰れたとか…》
「だからって、ここまで放置するか?」
《偉い人には色々あるんです!普通の人にはそれがわからんのです!!》
「何なんだお前は一体」
相変わらずな様子のベルトに呆れつつも、ストームは今いる場所から出られるであろう出入口を見つけ、そこへ歩もうとするが、急にその足を止める。
《どうしましたマスター?》
「………悪いが俺は急いでるんだ、そこを退いてくれ」
────"仁藤"さん
壁にもたれ掛かり、自信が愛用するマヨネーズの容器を弄ぶように宙に放り投げてはキャッチするを繰り返す男がその出入口の横にいた。
逆立った髪に茶色いジャケットを羽織る"古の魔法使い"と呼ばれし男……"仁藤 功介"。
その男がストームの前に立ち塞ぐように現れたのである。
「やっぱ戦うよなお前は……やめろって、ずっと警告してたのに無視しやがって…」
弄ぶマヨネーズの容器を見つめながら、何処か苛立った様子で言う仁藤。
「お前には何がなんでも戦うのをやめてもらう……じゃねぇと、お前も、一緒にいるあの子達も後悔する事になるぞ」
「それがどうした?俺はやるって決めたんだ………邪魔をするなら仁藤さん、あんたでも容赦はしない」
「容赦しない、ねぇ…」
ハッキリと自身の意思を告げるストームに、仁藤は何処か呆れたような声で、しかしながらも声も、表情も冷たい雰囲気を纏わせ、マヨネーズの容器を弄ぶのをやめる。
「………お前、俺や晴人を初めとした色んなライダーにあんだけ徹底的にしごかれた分際で、勝てると思ってんのかよ」
そして仁藤は酷く、冷たい目線をストームに向けて言い放った。常人ならまず怯むか、鋤くんでしまうような威圧を込めた目線にストームは押される事なく、言い返す。
「さぁな……やれるだけの足掻きは、してみせるさ」
「………そうかよ」
失望したかのような声で言う仁藤はズボンのポケットから、一つの指輪を取りだし、左手の中指に嵌め込んだ。
それは、自身の魔法の力を遺憾なく発揮させる指輪。
そして、その力をより強く引き出させる指輪。
そして、それは己の体内に宿す"怪物"の力をこの現実世界に引き出させる指輪。
「………変身」
《ハイパー!》
酷く冷たい声で、何時もやっている"変身の構え"をせずに自身の腰に巻き付けるベルトの左側にある窪みに差し込む。
………己の持つ、"最大の力"を使って、目の前の嵐を止めるために───
《ハイパー!GO!ハィハィ、ハィ、ハイパー!》
ベルトから流れる音声と共に、ベルトから飛び出した"獣"が仁藤の体を包み込み、彼の姿を変えて行く。
青色のアンダースーツが体を包み、頭部にはライオンを模した青と金の仮面、その仮面の複眼は赤く、胸部には……ギリシャ神話に出てくる怪物"キマイラ"の頭部が目立つ金色のアーマー、両腕には無数の金色の紐が垂れ下がり、右手には青と金の拳銃が持たされる。
仁藤の変身するライダー、"仮面ライダービースト"の強化形態───
"仮面ライダービーストハイパー"がストームの目の前に姿を現した。
「………本気、なんだな?」
「……ああ、本気の本気さ…お前を止める……例え"喰ってでも"…」
「…俺はここで止まる訳にはいかない……ここまで来るのに、たくさんの事を背負っちまったからな…」
「………なら、俺はそれを踏みにじる…これから起きる悲しみを止める為に…お前を助ける為に…」
両腕を大きく広げ、腰を低く構えるビーストと両拳を握り締め、何時でも殴れるように構えるストーム。
各場所にて繰り広げられる激闘、その激しさは音となってこの廃工場内に響き渡る。
だが、この二人にとっては騒音にもならず、まるでそこだけが静寂に包まれたかのように静かに睨み合う。
「仁藤さん……行くぞぉ!」
「メテオ……来い!!」
───────
工場の近くにある建物……そこでもまた、激闘は続いていた。
「ぬうぅぅぅりゃあぁぁぁああああ!!」
「くっ……ぬぅ…!」
漆黒の騎士団、仮面ライダーナイツと
大きな声を上げ、ナイツはフランケンを持ち上げる。
「カズマ!」
「おお!行ったれぇ!!」
そして、ナイツと合流し、共にフランケンに挑むアイエフ……いや、仮面ライダー龍華が声を掛けると、それに察したナイツはフランケンを上空へ投げ飛ばす。
「激龍……滅爪!!」
宙に放られ、無防備な姿を晒すフランケンを追い掛けるように龍華は跳躍し、両手に持つカギ爪…龍果激爪で切り刻み、トドメに地面へ蹴り飛ばす。
「ちったぁ効いたろ!!」
龍華の猛攻を受け、地面に叩き付けられるフランケンにナイツはそう言うも──
「全然、効かない!」
フランケンは全く効いてる様子もなく、立ち上がる。
「ちっ…!"強い"…」
「と言うより最早"辛い"わよ!何なのあいつの頑丈さとタフさ!」
ナイツが呟いた言葉に龍華は腹立たしげにそう叫ぶ。
実力そのものは大した事はないものの、いかせん硬い、そしてタフ………アイエフの言う通り、強いと言うよりも辛い。
「さっきからずっと何度も叩きのめしてるのに、あいつ何回立ち上がるのよ!」
「………こいつぁ…出し惜しみはしない方がいいか?」
龍華の悲鳴にも似た言葉にナイツは龍華の一歩前に立つ。
「仕方ねぇ……本当ならダークネスの最後の四天王の為にとっといたもんなんだが…遠慮なく暴れさせてもらう」
そう言い、ナイツは両腕を自身の前に交差させ、腰を低く落として身構えた。
「ふぅぉぉぉおおお…!」
変身する時よりさらに独特な呼吸をして力を溜め込むように腰を落とすナイツ。
すると、何処からともなく無数の"鎖"が現れ、彼の体を包み込み初めて行く──
《KA・KA・KA!KA・TE・NA!》
「見てなアイエフちゃん……こいつが俺の…"目覚める前の姿"だ!」
《カテナ・DE!………シバラレマ~ス♪》
その言葉と共にこの緊迫した状況には似つかわしくない、気が抜けてしまいそうな音声が流れ、その瞬間───ナイツを包み込んでいた"鎖"が周囲へ飛び散る。
「さしずめ、仮面ライダーナイツ・"カテナフォーム"ってな?」
そこから姿を現したのは、両腕・両足・胴体をミイラのようにがんじがらめに巻き付いた"鎖"を纏う騎士団の姿───
その目覚めを今か今かと待ちわびるかのように沸き上がる衝動を、その"鎖"で抑え込み、いずれ来る目覚めに備えた力を持って敵を屠る漆黒の騎士団の"目覚める前"の姿。
"仮面ライダーナイツ・カテナフォーム"が姿を現した。
「そんな、姿で!」
それがどうした、こけおどしだとばかりにフランケンは走りだし、その剛腕をナイツに向けて振るおうとする。それに対してナイツは、全く動く様子を見せない。
「カズマ!」
「慌てなさんな♪」
それを見た龍華が叫ぶも、当の本人は涼しげな様子で待ち構え、その攻撃を───受けた。
フランケンが振るった剛腕はナイツの顔面を捉え、その拳を持ってそのまま殴り飛ばそうと振り抜く───が、何故か"振り抜けなかった"。
「………!?」
「なぁーに驚いてんの、それとも加減してるぅ~?」
「この、くらえ!」
その剛腕をまともに受けてもピクリとも動かない様子のナイツは仮面の下でニヤリと笑い、わかりやすい挑発をする。一瞬驚いたフランケンはもう一度その豪腕でナイツの顔面を殴るが、やはりビクともしない。
「………!?」
「ほらほらぼさっとしなさんな……それとも、まともな殴り方を知らないん?」
「う、うおおおおおお!!」
自棄を起こしたフランケンは何度も何度もその豪腕でナイツの顔面を殴るが、一向にナイツは怯む所か、動く様子もない。
「………言いかい坊やぁ…?」
「っ!?」
そこにナイツがフランケンの拳を片手で受け止める。
「殴るって言うのはよぉ…」
そして、右拳を強く握り締めてゆっくりと振りかぶり…。
「………1発で相手を殺すつもりで行くんだよ!!」
その拳をフランケンの顔面にぶつけた。
「──────!?!?!?」
顔面を捉えたナイツの拳が抉るようにフランケンの顔面をめり込み、思いっきり振り抜くとフランケンは大きく吹き飛んで地面の上を何度もバウンドし、建物の壁に背中をぶつけた。
「………へっ、壁にぶつかった"程度"かよ…」
「カズマ、今のは……?」
「あん?このカテナフォームの力、"メガボム"よ」
フランケンが吹き飛ぶ様を軽口叩いてそう言うナイツに龍華が訪ねると、ナイツはそう答えた。
"メガボム"……メテオこと仮面ライダーストームと、ブランことホワイトハートが融合した姿、仮面ライダーストーム・ホワイトフォームにも備わっている能力。
敵の攻撃を受け、その際に生じた衝撃を別空間に封じ込めて溜め込み、溜め込んだ分の倍を相手にぶつける事ができる───所謂"倍返し"である。
つまり、今のナイツは"受けた攻撃を全て倍返しする"と言う力を備えてあるのである。
「そんじゃま、こっちから攻めるとしますかね?」
そう言うとナイツは右手を翳し、そこから"1本の大剣"が出現し、それを握る。
《KA・TE・NA!ブレェェェイド!!》
ナイツ・カテナフォームの専用武器……刀身に"鎖"が巻き付けられ、"斬る"よりも"殴る"と言うイメージを強く思わせる印象を持つ大剣"カテナブレイド"を右手に持たせ、肩に担いでナイツはフランケンに近付く。
「俺、負けない!」
「んなこたぁ俺も一緒だって、の!」
立ち上がり、ナイツへと飛びかかるフランケンにナイツは横へと避け、すれ違い様にカテナブレイドの刀身をフランケンの腹部に宛がい、"斬った"。
「………ッ!!」
「生憎、こんな見た目でも斬れるのよこれ?」
斬るよりも殴ると言うイメージを持たせる見た目とは裏腹に、カテナブレイドの鎖が巻き付けられた刃はしっかりとフランケンを切り裂いた。
その事実がフランケンの体に伝わり、フランケン自身は目を見開くように驚く。
「さて、そろそろ終いにするとしますか!」
そしてナイツはそんなフランケンにトドメを刺そうとカテナブレイドを両手で握り、腰を低く落として構えた。
《レイジング・スゥラッシュ!!》
「俺の"怒り"の一刀両断………食らいな!!」
ベルトから音声が発せられた瞬間、カテナブレイドの刀身が白く輝き出し、その大剣を引きずるように持ちながら走り出す。
「う、うがあああああああ!!」
このままやられて堪るかと、フランケンは破れかぶれに拳を振り上げ、ナイツを殴ろうとするも───
「遅ぇよ」
それよりも早く、ナイツはカテナブレイドでフランケンを擦れ違い様に横一線に斬った。
「がっ………ぅ…」
斬られたフランケンは力なく両腕を下げて項垂れ、そのまま爆散した。
────────
「女の………人…!?」
この戦いを引き起こした元凶であるフリーズを倒したクロス・ヴィクトリーだが、その正体が女性である事に驚愕する。
「お、おい!しっかりしてくれ!」
慌てて変身を解き、その女性を介抱する宗谷。
その女性はこれまで蓄積されたダメージが溜まり、さらにはクロス・ヴィクトリーの大技を受けたせいか目覚める様子はない。
「何でこんな人が神殺しの……フリーズの力を…」
あまりにも予想外。信じられない事に宗谷は戸惑い、目覚める気配もない女性にどうすればいいかわからずに立ち往生する。
「………ぅ……」
「ッ!フリーズ!?いや、今は違うのか?ええっと……と、取り敢えず大丈夫!?」
すると、遅れながらも女性は意識を取り戻し、その瞳を開く。それに気付いた宗谷だが、この女性を何と呼べばいいのかわからずにますます混乱し始める。
「私、は……」
「えっと……貴方は仮面ライダーフリーズとして俺達に襲い掛かり、俺に負けたんだ」
「………そう……私は彼を…メテオを救う事ができなかったのね…」
「ッ!………メテオだって?」
目を覚ました女性は宗谷から自身の身に起きた事を知ると、悲しげな表情を浮かべた。
だが、彼女の口から出た名前を聞き、宗谷は目を見開いた。
「貴方は……メテオの知り合い?」
「……知り合い、なんてもんじゃないわ…私は……」
宗谷の訪ねに女性は徐に口を開き───
「私は、メテオの……"初恋"の人だから…」
誰もが予想だにしない事を告げた。
TIME13 ~FIN~
久々の投稿が短いような感じで本当にすまない(某FGOのすまないさんっぽく
宗谷くんの手によって打たれたフリーズとの激戦!しかし戦いはまだ終わっていない!
次回、突如現れた謎のライダーの戦いぶりと、師弟関係とも言えるストームとビーストの激闘……そして、明かされる"真実"…。
次回もお楽しみに!感想、お待ちしております!!