考えてみれば、至極当然の事だった。
黒崎一護の中には、昔のユーハバッハが
黒崎一護が真っ先に覚醒させた力は、
霊力を覚醒させた一護は、その力の核を「斬月」と名乗ったユーハバッハの力に置き、その力が死神と
井上織姫、茶渡泰虎の内に眠る力を呼び覚ましたのも、一護の霊力によるもの。そこに力を与えるユーハバッハの力の一端が影響していた可能性は否定しきれない
一護が
「怖いかよ?」
「なに?」
静かに相対し、思案を巡らせていたユーハバッハの耳に、一護の声が届く
「あんたには、未来を見る力がある。だから、ずっと
剣気を宿した切っ先を向けたまま言う一護に、ユーハバッハは口端を吊り上げる
「随分と饒舌になったな。私の
挑発するように問いかけたユーハバッハは、その能力だけが自分の力ではないのだと語り、鷹のような意匠を施された自身の剣を引き抜く
「能力を無効化するということは、つまり
一護の能力「
現に、その言葉に応じて構えに緊張感を宿した一護の反応は、それが誤りでないこと如実に物語っていた
「見よ」
そう言って懐から
「残火の太刀」
「っ!」
瞬間、膨大な熱が生じ、一護と織姫はその力の圧に目を瞠る
その視界には、その身体に燃えるような紅蓮を纏い、まるで
「驚いたか!? これが護廷十三隊先代総隊長・山本元柳斎重國の卍解。この絶対的な破壊力の前では、
その身に全てを焼き尽くす炎を纏う〝残日獄衣〟の形で卍解を纏ったユーハバッハは、勝ち誇ったような言葉と共に振り上げた剣を薙ぎ払う
「っ!」
瞬間、その軌道の延長が一瞬にして消滅し、咄嗟に回避をした一護の腕――その肘から下を完全に消滅させていた
一護は一瞬たりとも気を抜いていない。だが、振り抜かれた無炎の獄炎は、全ての防御をあざ笑うかのような威力でその軌道上にある全てをこの世から焼失させ、消失させていた
「双天帰盾!」
瞬間、織姫から放たれた力が切断されていた一護の腕を覆い、即座に失われた部分を〝回帰〟させて復元させる
「ほう。今、お前の未来が見えたぞ。なるほど。その女に直してもらうために、能力を閉じたな?」
「――ッ!」
口端を吊り上げて笑うユーハバッハの言葉に一護は息を呑む
煉獄の衣を纏ったユーハバッハがその力を放出し、更に天空に出現させた巨大な弓から無数の矢を放つ
そのすべてに纏わされる残火の太刀の力は、全ての防御を容易く貫く力を持った最強の一撃だ
「く……ッ!」
「己だけを守っていていいのか一護!? ここにはもう一人いるはずだ!」
一撃でも急所に喰らえば即命を落とすであろう煉獄の攻撃を必死の表情で回避する一護の姿を滑稽と嘲笑い、ユーハバッハはその攻撃の矛先を織姫へと向ける
「!」
「井上!」
全てを焼き尽くす煉獄の炎に狙われた織姫に駆け寄ろうとする一護だが、当然そんなことをユーハバッハが許すはずはない
「卑怯だとは言うなよ? 戦場にいるということはそういうことだ」
炎の攻撃で足止めされた一護は、ユーハバッハの嘲笑を聞きながら斬月の刃を自身の前で十字に重ね合わせる
「くそ……ッ、させるかよ」
「大丈夫だよ、黒崎くん」
しかし、それを織姫の覚悟を帯びた清廉な声が遮る
「
決意の込められたその声に視線を向ける一護が重ねた斬月の刃を緩めた瞬間、織姫の力である六つの花が天を舞い、その身体に絡みつく
『私は、拒絶する!!!』
その力の神髄たる言霊の発動と共に、織姫の身体から膨大な霊力が放出され、そして煉獄の炎に呑み込まれる
だがその煉獄が解けた先には、長い髪を揺らめかせ、六枚の花弁を持つ花思わせる天輪を頭上に輝かせた織姫が、凛とした存在感を纏って佇んでいた
その身に纏う衣も白を基調としたドレスのようなものになっており、まるでたおやかでしなやかな一輪の花を思わせる
「……姿が、変わった!?」
(いや、それだけじゃねぇ……あの姿は……)
織姫の変身した姿を見た一護は、驚愕を隠しきれない様子で目を見開く
だが、一護が驚いたのは、全く知らなかった織姫の新しい力と高まった霊圧によるものだけではなく、変化したその姿だった
「