ロキ・ファミリアに猫がいるのは間違っているだろうか   作:ベリアル

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第1話

吾輩は猫である。

 

名前はもうある。

 

「にゃご助~」

 

もう紹介されてしまったが、自己紹介しておこう。

 

吾輩はロキ・ファミリアのにゃご助。

 

「餌やで~」

 

この寝起きの赤毛ぺったんこは我がロキ・ファミリアの長である、ロキだ。

 

挨拶に鳴きながら、足に頭をこすりつける。

 

「ニャー」

 

「ちょい待ってぇなぁ」

 

彼女は吾輩の皿にカラカラと吾輩の食事を流していき、吾輩はそれをカリカリ食する。食べている間、ロキが背中を撫でてくれた。すり寄りたいところだが、食事中なので御免。

 

食事を食べ終える頃には、ロキは既にいなくなっている。

 

腹も膨れたことだ。散歩にでも行こう。

 

むむ、あそこにいるのはアイズではないか。

 

「ニャー」

 

「あ、にゃご助。じゃが丸くん食べに行くけど来る?」

 

「ニャー」

 

返事をすると、彼女の隣をてしてしと足音を立てて歩く。もっとも吾輩なんぞの足音は数多の人間の足音にかき消されてしまう。

 

ここは迷宮都市。夢や富を巡ってダンジョンとやらに潜る為に人間がここの集まる。ただし、吾輩は猫故、ダンジョンとやらには興味がない、といえば嘘になる。

 

ロキ・ファミリアもダンジョンに潜る為に創られた組織なようなもので、みんなダンジョンに潜ってばかりだ。吾輩にとってロキ・ファミリアの人間は家族。日中は基本、人が少ない。吾輩は寂しい。

 

吾輩も人間のように冒険者になりたいと願うのは愚かなのだろうか。

 

過去に一度、遠征にこっそりついていったら、リヴェリア殿にお叱りを受けてしまった。吾輩はただみんなと一緒にいたいだけなのだ。

 

「どうしたの、にゃご助?」

 

そんなことを考えていると、じゃが丸くんのお店でアイズがじゃが丸くんを購入していたではないか。早く行かねば、置いてかれてしまう。

 

アイズがベンチに腰掛ける隣に吾輩も転がる。ロキにはツチノコみたいやなと言われたことから、吾輩はツチノコ体勢と呼んでいる。

 

「油っこいからあんまりあげられないけど」

 

そう言って、吾輩にとっての一口が彼女の手に乗せられる。一口でかじって芋の甘さが伝わる。小さくしたからか、猫舌の吾輩にはほどよい温かさだ。

 

「おいしい?」

 

「ニャー」

 

「そっか、よしよし」

 

吾輩を膝の上に乗せて、背中を撫でてくる。撫で慣れている彼女の手は気持ちよく、思わずゴロゴロなってしまう。時折、頭を撫でてきてくれるのが彼女の特徴だ。

 

「にゃー」

 

今のは吾輩の声ではない。アイズの声だ。吾輩を相手をするとき、よくこの声を出す。

 

「アイズ」

 

安らぎタイムは終わりを告げられる。

 

彼女の名前を呼んだのはロキ・ファミリアの母親、リヴェリア殿である。彼女の声色からして用があってアイズを

呼びにきたのだろう。

 

吾輩がここにいては邪魔になるであろう。早々に立ち去るべきだな。4本足でささっと立ち去る。

 

ここからは吾輩一人でお散歩だ。今日はどこに行こう。

 

「あら、にゃご助」

 

ゾワリと冷気が背筋を舐める。

 

背後から聞き覚えのある声。

 

振り向くと、美の女神フレイヤとオラリオ最強の冒険者オッタルが立っていた。

 

ば、馬鹿な!何故、彼女がこのようなところに!?

 

「ふふふ、賢い猫ちゃん。名前を呼べば反応してくれる。それ以上にあなたの魂が面白いの」

 

彼女が一歩進めば、吾輩は二歩後退する。

 

「人間に似た魂。けど、ほんの少しの野性味。私の魅了にかかるどころか反発する。なによりも……」

 

お気づきであろうか、彼女の目はギラギラとしていることに。

 

「その白くて羽毛のような毛並み!あなたが欲しい。わかるかしら?」

 

「フシャー」

 

尻尾をピンと伸ばして首を振る。

 

「人の言葉が分かる猫……」

 

オッタルがなにかいったような気がするが、今はそんな余裕はない。

 

「オッタル捕まえなさい!」

 

「御意」

 

吾輩の本能が言っている!全ての力を持って逃げださねばならぬと!

 

オッタルが一歩を踏み出す前に、道に並ぶ木箱の隙間に飛び込む。

 

「ぬッ!」

 

吾輩の眼前にはオッタルの手らしきものが飛び込んできたが、ギリギリ届かなかったようだ。

 

恐ろしい、あの一瞬でここまで詰め寄られるとは……。身体能力もオッタルの方が遥かに上だ、しかし、吾輩の方が小回りが効くのだ。

 

そのまま荷物の山の中にある迷路を進む。時折、人では入り込めないような建物と建物の隙間に入り込んで彼らを巻く。

 

ふははははは!最強なんてこんなものよ!

 

ふぅ。帰るか。これ以上、外にいたらオッタルに見つかってしまいかねない。

 

「ニャー」

 

「なんや、お散歩行っとんたやないか?」

 

「ニャー」

 

「おー、この甘えたさんめ」

 

酒瓶片手のロキの膝で丸くなる。

 

吾輩は人間になりたい。そう願うのは間違っているのだろうか?

 

 

 

 

 

「あれ、にゃご助は?」

 

「どこか行ったぞ。空気の読める奴だからな」

 

「頭いいね」

 

(頭いいじゃ済まされない気もするが……)

 

 

 

 

「申し訳ございません、フレイヤ様」

 

「ふふふ、オッタルから逃げ切るとはね。いつかモフモフするわ」

 

(他の猫じゃダメなのだろうか……)

 

 

 

「……今日は来ませんか」

 

「リュー、どうしたの?」

 

「なんでもありません」

 

(お腹ふわふわ)

 

 

 





にゃご助♂(わたあめ)

ロキに拾われて、ロキ・ファミリアに居座る。

作者は先の展開どうしようか、悩んでいる。

というか、続けるかすらも分からない。

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