最近、仕事が忙しかったり、急遽の出張だったりなどがあり全然手がつけられませんでした!
「「はぁ……はぁ……」」
ことりと穂乃果は息を整えていた。
いや、勘違いしないでくれよ。俺は別にやましい事はしてないからな。ただ、階段ダッシュしてこうなったんだからな。本当だからな!!確信犯みたいじゃん。
まぁ、本当にさっき言ったように、俺達は神田明神の前の男坂で階段ダッシュをしていた。何故か俺まで。
「はぁ……穂乃果やことりはまだしも何故俺まで……」
「当たり前です。マネージャーをするならそれ相応の体力を持ってないと、示しがつかないでしょう。」
「いや、マネージャーは体力必要ないだろ。ほとんどが雑用みたいなのばっかだし」
「そういう訳にはいきません。しかも、男性なのですから体力がないと情けないですよ」
「うぐっ……」
それを言われると痛い。
結局、言い任されてしまった。確かに海未の言ってることは正論だしな。いい男にならないとなぁ。まぁ、絵里のためにだけどな。
「疲れたよー!」
「もう足が動かないー!」
「これからは朝と晩、毎日ここで階段ダッシュと基礎体力の練習をしてもらいます」
「「「一日2回もーーー!?」」」
「当たり前です。弓道で鍛えてる私はともかく、ことりと穂乃果は体力が無さ過ぎです。それでは、歌いながら踊ることは到底無理です。やるからにはちゃんとしたライブをします。でないと、見に来てくれた方に失礼ですから」
「まぁ、確かにそうだな」
「うぅ……分かったよぅ」
「頑張る……」
と穂乃果とことりも項垂れながら頷いた。
「よし!じゃあもう1セット!」
と海未が言うと、
「君達」
と呼ばれたので後ろを向くと、
「あ、東條先輩、どうも」
「こんにちは〜」
「「「こ、こんにちは!」」」
東條先輩が立っていた。バイト中なのか巫女服になっている。にしても、しっくりきてるよな、東條先輩の巫女服。なんか神秘を感じる。
「鈴哉くんは副会長とお知り合いなのですか?」
「あぁ、始業式の朝に散歩してたらここで偶然会ってな」
「「「へぇー」」」
「な、なんだよ?」
幼馴染み3人がジト目で見つめてきた。穂乃果は案外可愛いな。ことりは超可愛いです。海未は……正直怖い。
「鈴ちゃんってさ、案外フラグ立ててるよね?」
「うんうん」
と穂乃果とことりが話していた。うん。確かに俺だって薄々感じてはいたさ。だって仕方ないじゃん。俺だって立てたくて立ててるわけじゃないんだからさ。
「んん!ところで東條先輩、何か用ですか?」
俺は咳払いをして聞くと、
「ほんとフラグを立てすぎると、えりちが嫉妬するで〜?」
「いや、東條先輩まで便乗しないで下さい。っていうか、人がせっかく空気変えようとしたのに台無しじゃねぇか、こんちくしょう!!」
と何故か東條先輩まで加わってしまい、俺は素直に降参した。ってか、さっき東條先輩、絵里の名前を──
「「「えりち?」」」
と幼馴染み3人が声を合わせて言い、俺の方を見た。なんか嫌な予感、いやもう起きてるか。
「ねぇ、鈴ちゃん♪『えりち』ってまさか絢瀬絵里先輩のことだよねー?」
「ねぇ、鈴君と生徒会長さんってどんな関係なわけ?♪」
と穂乃果とことりは笑顔で俺には詰め寄った。だが目は笑っていない。
「いや、待て、落ち着くんだ。俺はそんな女性などしらな──」
「希ー!!」
と階段の方から声が聞こえた。まあ、大体は分かっているとは思うがその声は絢瀬絵里だ。
「あれ、鈴哉もいたの?………って、え?」
そして、俺の方を向いたと思ったら、俺に詰め寄ってきていることりと穂乃果を見て固まった。あ、やべ、これどうしよう。
その2人を見た絵里は、下を向き前髪で顔を隠しながら、
「ねぇ、鈴哉。これは一体どういうことかしら?」
と、俺に近づきながら言った。怖いよ!もう、ホラー映画だよ!!
と、とりあえず落ち着け。そうだ、御機嫌を取ればなんとか
「まぁ、落ち着くんだ、絵里さんや。別にやましいことをしていた訳ではなくてですね。俺は──」
「言い訳なんてどうでもいいのよ。私が聞いてるのは、なんで私以外の女の子と一緒にいるのかとそれがよりによってこの3人といるのかって聞いてるの。」
と俺の反論は虚しくスルーされ、絵里は俺の心にズバズバと切り裂いていく。やめてあげて!彼のHPはもうゼロよ!!
「あ、いや、だから、です、ね?」
「だから、何かしら?」
「え、えーっと……すいませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!!!」
俺は耐え切れず勢いで全力の土下座をした。
「ちょっとこれはお仕置きが必要かしら?♪」
「奇遇ですね♪穂乃果もしようと思ってたんですよ♪」
「ことりのおやつにしちゃうぞ♪」
「い、いや、待て、待つんだ、早まるな、俺に近づいてくるなーーーーーー!!!ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
あ、一応生きてますよ。
◆
とりあえず一通りお仕置きされた俺は、絵里に俺達の関係とそれまでの流れを説明した。
「なるほど。つまり私以外に幼馴染みがいて、それがこの3人だったってことね」
「おう、そういうこった。だから絵里がファースト幼馴染みで、穂乃果とことりと海未がセカンド幼馴染みってことになる」
「まぁ、そこはわかったわ。でも、何で貴方がこの子達に協力してるのよ。幼馴染みだからとか関係なしに」
と絵里から素朴な疑問を言われた。
「そうだな……強いていえば思い、かな?」
「思い?」
「そう、思いだ。こいつらがスクールアイドルを始めようと言った時、凄い真剣さが伝わったからさ。確かに俺の錯覚だったのかもしれないが、こいつらの目からやりたいという思いを強く感じるんだ。だから応援してあげたいと思ったのかもしれない」
「そう。でも、私はスクールアイドルなんて認めないけどね」
「絵里……」
と絵里は穂乃果達に冷たい眼差しで見下ろしながら言った。
なんで、そんな事言うんだよ。絵里は……昔の絵里ならそんな事は言わなかったのに、なんで!
「あと、鈴哉は誰にも渡さないから((ボソッ」
「「「え?」」」
「いえ、何でもないわ。練習の邪魔して悪かったわね。それじゃあ」
と言い、絵里は去った。最後の言葉は誰も気づいてなかっただろうが、俺には微かに聞こえた。
(そんな心配しなくても俺はちゃんと絵里のこと好きなのに)
◆
そして翌日、俺達4人は一年生の教室まで来ていた。理由は前に音楽室でピアノを引いてた赤髪の女の子に作曲を頼むためである。
「皆さん、こんにちは。音ノ木坂学院スクールアイドル『μ's』です!」
ヤザワヤザワ
ヒソヒソ
穂乃果が挨拶をすると、辺りがざわめき始めた。
「あれ?あまり浸透していない?」
「当たり前です!」
そりゃあそうだろ。結成してまだ2週間くらいしか経ってないのに、人気があるどころか認識されること事態、絶望的だろ。
「アハハハ……ところで穂乃果ちゃんが言ってた歌が上手い子って?」
「えーっと……」
と穂乃果は教室中を見渡した。
すると、扉から目的の女の子が入ってきた。
「あ!貴方、ちょっといい?」
「ヴぇぇ!?」
◆
「お断りします!!」
今、俺達は屋上にいる。
そして、作曲のお願いをしたところ断られたのである。
「お願い!!どうしても必要なの!その曲で生徒が集まるかもしれないんだよ!?」
と穂乃果も負けずと粘る。
だが、彼女にとっては不快だったのか、さっきよりも顔が険しくなり、
「興味ないです!!」
と怒鳴り、去った。
まぁ、こうなる事は一応分かってはいたさ。
「お断りしますって、海未ちゃんみたい」
「あれが当然の反応です!」
と海未は呆れながら穂乃果に言った。
「まぁ、断られたんだし、また考え直そうぜ?」
と俺は慰めようと思いそう言った。
「あぁあ、折角海未ちゃんが良い歌詞作ってきてくれたのにぃ」
とポケットから紙切れを取り出して、そう言った。本気かよ、昨日今日で出来るのかよ……
「!?ダメです!!」
「なんで?どうせ皆の前で歌うんだよ〜」
「それもそうですが!うぅ」
と海未は穂乃果の持っている紙切れを奪おうとしていた。
そんなに恥ずかしがらなくてもいいのになー
と思っていると、屋上の扉が開いたので、目を向けてみると
「ちょっと、いいかしら?」
絵里だった。表情は学校では相変わらずの無愛想である(俺の時は何故かめっちゃ笑顔
◆
「逆効果、ねぇ」
俺は授業中に、窓の外を見ながらそう呟いた。
そして、屋上で絵里が言ってた言葉を思い出す。
『スクールアイドルが今までなかったこの高校でやってみたけどやっぱりダメでしたってなったら皆どう思うかしら?私だって本当になくなって欲しくない。本当にそう思っているからこそ、簡単に考えて欲しくないの!』
なんでアイツはスクールアイドルのことを簡単なんて言うんだ?
「さっぱり分からん」
「ちょっと私、簡単に考えすぎてたのかも」
昼休みになり、いつものグループで中庭にいき、昼食を取っていたら、穂乃果が突然そう言った。
「やっと気づいたのですか、もぅ」
そして海未はその穂乃果を見ながらため息を吐いた。
「でも、ふざけて言った訳じゃないよ。海未ちゃんが作った練習メニュー、ちゃんとこなしてるし。おかげで足はパンパンだけど」
「確かにちゃんとこなしているとは思いますが、生徒会長の言ってることも一理あります。それを受け止めなければなりません」
「まぁ、確かにな。ライブまであと一ヶ月もねぇしな」
「ライブをやるにしても、歌う曲くらいは決めないと」
「今から作曲者を探してる時間もありません。歌は他のアイドルの曲でするしかないと思います」
「まぁ、そうだよな」
正直、他のアイドルの曲を使うのは釈然としないが、作曲者がいないんじゃあ仕方ないか。
◆
俺達は昼食を済ませ、教室に戻ってことりと海未と談義してたら、
「鈴ちゃん!ことりちゃん!海未ちゃん!」
と教室の扉から大声で呼ばれたので振り返ってみると、穂乃果がさっきとは打って変わって上機嫌でこっちへ駆け寄ってきた。その時、穂乃果のチャームポイントであるサイドテールが大きく揺れて、一瞬犬かと思ったのはまた別の話。
「お、どうした穂乃果?道端にパンでも落ちてたのか?」
「そうそう!それでね、拾って食べて見たんだけど、超美味しくてね、ってじゃないよ!!確かに拾ったけど!!」
拾ったんかい。てか、ノリツッコミとはレベル高ぇな。だから、穂乃果はからかいがある。
「そんなことより、入ってたんだよ!グループ名募集の箱の中に!!」
「へぇ………は?」
「だ・か・ら!募集箱の中に一つ入ってたの!!」
「マジで!?」
まさか、本当にしてくれる人がいるとは!物好きなやつだろうな。
そう考えている、ことりと海未は穂乃果のそばにいき、紙に書かれてる内容を見ていた。俺も少し離れた所で見ていた。何故かだって?だって想像してみろよ。付き合ってるわけじゃないのに、男が女の子に気軽にくっついてみろ、傍から見たら単なる変態だぞ。
「ユー…ズ?」
その紙には、アルファベットが書いてあった。確か読み方はμ's。ギリシャ神話の神で、9人の歌の神様だったな。
「多分、μ'sじゃないかと」
「あー、石鹸の!」
「違います!」
と穂乃果は渾身のボケをした。でも、確かにミューズだけどな。石鹸だけど(大事なことなので2回言った
「μ's…か。うん、いいと思う!私は好きだな!」
ことりはその単語を見ると、笑顔で肯定した。俺も好きだ、ことry(殴
「μ's…。うん、今日から私達はμ'sだ!!」
こうして、やっとグループ名が決まった。
◆
放課後になり、帰り支度をする。今日は練習がないから、早く帰るか。
「鈴ちゃん!ちょっといい?」
と横から穂乃果がそう言った。
「なんだよ……、俺早く帰りたいんだけど」
「今日、西木野さんのところに行こうと思うんだけど、一緒に行かない?」
「うん、俺の意見無視ですか。人が早く帰りたいって言ってるのになんで誘う?」
「だって、どうせ暇なんでしょ?」
「ばーか、こう見えて忙しいんだよ。ゲームしないといけないし、買い溜めてたラノベを読破しないといけないし」
「うん、暇だね。じゃあ、行こう!」
「おい、待て!だから、俺は帰りたいんだって………うおっ!思いっきり俺の腕を引っ張んな!!もげる、もげるから!!」
◆
「今日は何のようですか?」
と西木野さんは足を組みながら言った。
とりあえず俺は、強制的に音楽室へ連れていかれたわけだが、とにかく腕いてぇ……
「やっぱりもう一度お願いしたくって」
「しつこいですね」
と俺が腕をさすっていると、いつの間にか話は進んでいた。
「そうなんだよねー、いつも海未ちゃんに怒られるんだぁ」
「私、普段ああいう曲聞かないから。聞くのはクラシックとかジャズとかだし」
「なんでだ?」
そう俺が聞き返すと、
「軽いから。なんか遊んでるみたいだし」
遊んでるかは別として、軽いのは言う通りだな。
「そうなんだよねー。私もパーっと盛り上がって、歌ったり踊ったりすればいいのかなって思ってたんだ。でもね……大変なの」
そう穂乃果は優しい目で言った。すると、
「はい」
手に持っていた紙を彼女の前に差し出した。
「だから、私はやらないと!!」
「読むだけならいいでしょ?読んでみてもダメだったらすっぱり諦める!そしたらさ、西木野のピアノ、また聞かせてよ。私、西木野さんのピアノを聴いてから、作曲を頼もうって決めたんだ!!」
「!!」
穂乃果がそう言うと、彼女は目を見開いて驚いていた。
「いつも神田明神で練習してるから、暇な時に来てね」
「じゃあな」
そう言うと、俺達は音楽室を去った。
◆
そして、翌日
「やったよ!!鈴ちゃん!曲が出来たよ!!」
と穂乃果がとてもハイテンションで俺に詰め寄ってきた。
「おぉ、マジか!これでやっとまともな練習が出来るな!」
「うん!よーし、頑張るぞー!!」
ちなみに曲は、『START:DASH!』。まさに始まりの曲としてはふさわしいと思う。
曲が出来てからは、練習が前と比べて、本格的になった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は、ちょっとだけヤンデレ要素?を入れてみましたw上手く出来てたかといえば、全然ですがw