今回が初めてはあの神回である一期第3話の後編です。
今回はシリアス展開がガッツリと入っています。
それでは本編へどうぞ!!
チュンチュン(・8・)
「くぁぁぁ……」
今日は何故か自然と目覚めてしまった。でも、無理もないか。
「ファーストライブ、か」
そう今日はファーストライブ当日である。別に俺がするわけでもないのに何故か不安に思った。もし、最悪の事態になったらとか。
「起きなければいいんだがな」
そう思い、俺は学校に行く支度をした。
そして、支度を終え、登校時間だから家を出た。すると、
「あら、鈴哉。おはよう」
幼馴染みで俺の想い人である絵里がいた。あっちもちょうど家から出たようだった。
「あぁ、おはよう。今日は一緒に行くか」
「えぇ、じゃあ、行きましょう♪」
と言いながら、いつものように腕を組んできた。今となってはもう慣れてしまったのでそこまで抵抗などないのだが、そこはやっぱり想い人というのもあってやっぱりドキドキしてしまって落ち着かない。
周りから見ればカップルだと思われてもおかしくないだろうが、俺と絵里にとってはこれくらいのスキンシップは昔からしていて慣れていたので、そこまで偏見などなかった。
でも傍から見たらやっぱりカップルみたいだよな。そう思うとなんか余計に落ち着かなくなってしまった。
「ん?どうしたの、そわそわしだして」
と絵里が俺の異変に気づいたのか、顔を覗き込みながら聞いた。
「い、いや、何でもないよ」
と俺は気づかれないように平静を保ちながら答えると
「嘘。鈴哉が嘘つく時って絶対目を逸らすんだもの」
「うっ」
嘘であることがバレてしまった。幼馴染みは伊達じゃないってことか。でも、素直に答えるのもなんか恥ずかしいしなぁ……よし!
「まぁ、いいか。なんかこうしてると、カップルみたいだよなって思ってたんだよ」
「………ふぇっっっっ!?//」
と俺が素直に答えると、絵里は顔が一気に真っ赤になり、素っ頓狂な声を上げた。まさか、あの絵里の口から『ふぇっ!?』が出てくるとは、もうさいかわ。惚れてまうやろぉ!あ、惚れてたわ
「わ、私が………鈴哉の、彼女………フフフフッ♡」
「だ、大丈夫かぁ、絵里ぃぃ、おーーーい。うん、完全に一人の世界に入ってらー」
どうやら絵里はしばらく帰ってこなさそうだから、絵里の手を取り、また歩き出した。でも、俺も絵里と恋人になれたら毎日幸せなんだろうなぁ。今でも充分幸せなんだけどね!
「なぁ、絵里」
「なぁに、ダーリン♪」
「は?ダーリン?」
なんか絵里の口からとんでもない言葉が発せられたぞ。そのせいか、一瞬ドキッとした。
そして、あっちも発した言葉に気づいたようで
「い、いえ何でもないわ//忘れて////」
「お、おう//」
お互い顔を真っ赤にして、うつむいてしまった。
やばい、気まず過ぎる///
「「な、なぁ(ね、ねぇ)……って、あ///」」
次は声まで重なってしまった。だー、もう気まずいんだっての!!
「す、鈴哉からいいわよ//」
「い、いや、俺も大したことじゃないから、絵里からでいいよ//」
「そ、そう?//そ、それじゃあ……んんっ!」
と、絵里は空気を変えるためか咳払いをしてから、真剣な表情になった。
「今日の放課後、あの子たちのとこに行くの?」
そんなことを言ってきた。はぁ、その話題かぁ。出来れば避けたかったけど、答えない理由にもいかないしな。
「あぁ。あいつらも大事な幼馴染みだしな」
「そう」
俺が素直に肯定すると、絵里は下に俯きながらそう答えた。この様子だと相当気にしてんかな。
そう思っている矢先、絵里は顔を上げ、俺と向き合う様に、
「鈴哉は……私と、あの子達、どっちが大切なの?」
「え?」
予想外な発言に俺は一瞬、戸惑った。確かに俺は、絵里の事は好きだ。まぁ、愛していると言っても過言でもないが。だが、同時にあいつらも俺にとってはかけがえのない存在で、だから俺にとってはあいつらも大切な存在だから、答えは
「ごめん。今はどちらかははっきり決められそうにない。」
「そう……ごめんなさい、こんな事聞いて」
「いや、いいよ。でも、答えはいつかきっと出すから……それまで待っておいて欲しい」
「……えぇ!」
と、俺の見てきた中で一番いい笑顔をしながら頷いてくれた。その時俺は、その笑顔にドキッとしてしまった。
「さ、早く行きましょう!遅れてしまうわ!」
といい、俺の手を握りながらそう言った。ほんと君って人は……
「…あぁ!」
俺はそう言うと、握ってくれた絵里の手を握り返しながら、学校へ向かった。はずだったが、
「「あぁーーーー!!」」
と後ろから叫び声がしたので振り返ると、そこには穂乃果とことりとその後ろで頭を抱えていた海未がいた。また、面倒くさいことが起こりそうだなぁ。
「また、抜け駆けしようとしてる!!」
「絵里さんだけずるいですぅ!!」
と俺じゃなく絵里に向かって不満を漏らした。
だが、絵里は驚きの一つも見せずに、
「いいじゃない、貴方達だけの鈴哉じゃないんだし♪大体、私の方が一番最初に出会って付き合いも長いんだし、鈴哉のことなんて何でも知ってるのよ♪身体の隅々まで……ね♪」
「「す、隅々まで//?」」
「いや、そこまではまだしてないからな!!ちょっ絵里!お前もお前でこいつらに挑発してるんじゃないよ!仲良くしろって言ったろうが、ったく」
絵里はいつも見たいな余裕そうな顔で穂乃果とことりを挑発していた。
そして、絵里が最後に発した言葉に、顔を赤くし、俺へ視線を送っていた。そのせいか、俺の身体中に視線を感じた。いや、だから見るんじゃないよ!!恥ずかしいだろ!!
「さぁ、この子達は置いといて、行きましょう♪今日は私が一人占めしちゃうんだから♪」
「あぁ、ずるいぃ!!穂乃果だって、鈴ちゃんと一緒に行くぅ!」
「ことりも一緒に行きたいなぁ♪」
と、左に絵里、右に穂乃果とことりという形で腕を組んできた。
「えぇい!歩きづらいだろうが!!」
「はぁ……どうやら、まともなのは私しかいないようですね」
「いや、俺もまともだからな!!」
こうして俺達は教室に向かったのである。
◆
そして、午前中の授業が終わり、午後からは講堂に集まり、歓迎会をしている。のはいいのだが、
「やっぱり女子の集団の中に男1人ってどうなんだよ」
「大丈夫だよ!穂乃果達がついてるから!」
「うんうん♪」
やっぱり女子の中に混ざるのはほんと落ち着かない。だから他の子達と座るのも何だったので、席は幼馴染み3人と一緒の席となった。席順は穂乃果、俺、ことり、海未という順である。だが、また穂乃果とことりが席順に関して揉めてしまっていたので、2人の間に座ればいいだろうがと提案したら、すんなりと賛成してくれた。
やれやれ、手のかかる幼馴染みだな。まぁ、可愛いから許すけど
そんなことを考えている間に生徒会長の挨拶は終わったみたいで、またステージを見てみると、絵里と目が合ってしまい、
「♪」
とても可愛らしくウインクをしてくれた。俺はその仕草にドキッとしてしまった。最近はほんとドキッとすることが多いなぁ。
そして、絵里が目でなんか訴えて来たので確認してみると、
「(後で、覚えてて、ね♪)」
内容はなんか意味深な言葉だった。え、まさか、嫉妬?ことりと穂乃果が隣に座ってるから?え、そうなのか?
(これは、またなんかされるかもなぁ……)
そう思いながら、俺は天を喘いでいた。
◆
そして、部活勧誘の時間となった。各部活動の人達は、ユニフォームやら道具など持って、外に出ていた。一方、俺らは
「よし!それじゃあライブのチラシ配りを始めよ!」
「「おぉ!!」」
放課後にあるファーストライブの広告のために、チラシ配りをしようとしてしているところである。
で、穂乃果の掛け声とともにスタートしたわけだが、
「μ's、ファーストライブです!是非、見に来て下さーい!」
「お願いしまーす!μ's、ファーストライブでーす!」
「よろしくお願いしまーす!」
なかなか、手に取ってくれないのである。まぁ、仕方ない気はするけど。
「ワイワイ、ガヤガヤ」
ちょっと周りを見渡してみると、他の部活のところには集まっているみたいで殆どの子がそちらの方に行っていた。
「うぅ……他の部活に負けてられないよ」
「うん!」
「と言っても、手に取ってもらえないしなー」
「そんな弱音を言っちゃダメだよ、鈴ちゃん!」
「そうだよ!」
「分かった分かった。俺が悪かったよ」
そう俺がネガティブになると、穂乃果とことりがそう言って詰め寄ってきた。
「よろしくお願いしまーす!」
「「「ん?」」」
と声がしたので、振り返ると海未が自ら率先してチラシ配りをしていたのである。前にもした時は、恥ずかしがって笑顔すら作ることもできなかった海未が、今では自然とした笑顔でしていた。
「海未、成長したんだな」
「そうだね。よーし!私達ももう少し頑張ろ!!」
「うん(おう)!!」
うし!あともうひと頑張りしてきますか!
◆
それから、一通りチラシ配りを終えて、俺達はライブの準備をするために講堂にきていた。すると、
「お、やってるねぇ!」
と声がしたので振り向くと、同じクラスのヒデコとフミコとミカがいた。
「あれ、3人揃ってどうしたんだ?」
俺がそう聞くと、
「ライブの準備、大変かと思ってね!手伝いに来たよ!」
「リハーサルとかしたいでしょ」
「だからこうやって手伝いに来たってわけ!私達も学校無くなるの嫌だしね!」
「3人とも………ほんと、ありがとう!」
「いいってことよ!それじゃあ、照明とか音源チェックとかやっとくから3人のところに行ってあげなよ」
「え、良いのか?」
「勿論!さっきも言ったでしょ!」
「すまん。恩に切るぜ!」
と言い残し、俺は楽屋へと向かった。
◆
そして、楽屋に着くと、
コンコン
『はーい!』
「俺だ。入ってもいいか?」
『うん、いいよ!』
俺は入る前に確認をすると、許可を得たので扉を開けてみた。
ガチャリ
そこには
「どう、鈴ちゃん!似合ってる!?」
「えへへ、どうかな?鈴くん」
ライブ衣装に着替えていたことりと穂乃果がいた。穂乃果はピンク色の衣装で、ことりは緑色の衣装を身に纏っていた。
「…………」
正直、俺はその光景に見とれてしまったのである。確かに穂乃果達は美少女であるが、それをまた磨いたような美しさになっていて、俺は声が出せなかった。
その俺が不思議に思ったのか、
「?どうしたの、鈴ちゃん?」
と、穂乃果が首をかしげながら聞いてきた。そこで俺はやっと正気を取り戻した。
「もしかして、ダメ、だった?」
とことりが不安そうな顔で聞いてきたので、俺は慌ててフォローをした。
「い、いや、そういうわけじゃないんだ!ただ、あまりにも似合いすぎてたたから、見とれてしまってたんだ。」
と俺が言うと、
「そ、そっか//えへへ//」
「もう、そんなに褒めてもなにもでないよぉ//」
と2人とも顔真っ赤にしていた。うん、自分でもさっき言ったことに関しては恥ずかしいと思ったわ。キザか、俺は!
「んんっ!あれ?そいや、海未は?」
空気を変えるために咳払いをし、海未のことを聞くと、
「あれ、そういえば」
「海未ちゃ〜ん?まだ〜?」
「も、もう少しで着替え終わります!」
と、更衣室の中から聞こえてきた。なんだ、まだ着替え終えてなかったのか。
「早くしないと、ライブ始まっちゃうよー!」
「わ、分かっています!」
シャアー
と、更衣室のカーテンが開いたのでそちらを見てみると、海未が出てきたのだが、
「なんで下にジャージのズボン履いてんの?」
何故かジャージのズボンを履いていた。
「ど、どうでしょうか?」
と海未は何故か可愛らしく敬礼していた。全速全進!ヨー、ってそれは違う方だったわ。
「どうでしょうか?じゃないよ!!なに、この往生際の悪さは!!」
と穂乃果が海未のスカートの裾を掴んで捲し上げながら言い、海未はスカートの裾を押さえ込んでいた。おい、やめろ。お前らだけならともかく俺がいるからな。目のやり場に困るんだわ、ごちそうさまでした!!
「な、だからと言って、スカートを捲し上げいでください!鈴哉くんが見ているではないですか!」
「い、いや!見てないからな!!」
すいません、本当はガン見してました、はい。
「でも、なんでズボン履いてるの?」
とことりが再度聞くと、海未は恥ずかしいからか顔を赤くしながら鏡を見て、
「あの、その、か、鏡を見てたら急に恥ずかしくなってしまって////」
「えぇーい!まどろっこしい!やれ、穂乃果!」
「いえっさー!」
俺がそう言うと、ビシッと敬礼してズボンを脱がせた。そのせいか、海未は慌ててまたスカートの裾を押さえた。いやー、それにしてもこの光景、ほんとそそられるよなぁ。ドS精神が目覚めだしそうだわ。
「いやーー!!」
海未は顔を真っ赤にして、羞恥に悶えていた。いいねぇ。そそられよ、なんか!
「鈴君?♪」
「は、はい、何でしょうか、ことりさん?」
海未を弄んでいると、ことりが満面の笑みで俺に詰め寄ってきた。しかも、目は笑っていない。
「海未ちゃんをいじめたらぁ♪メ、だよ♪」
「は、はい」
そのあまりの恐ろしさに流石の俺も素直に従った。まさに慈愛のない女神だった。
「ほら、こうして並んで立っちゃえばどうってことないでしょ?」
「まぁ、確かに、これなら」
俺とことりのやりとりの間にどうやらあっちは解決したようだ。
『μ'sファーストライブまもなくでーす!』
とアナウンスが鳴ったので、
「ほら、出番だ。これまでお前達はよく頑張ってきた。あとは、その成果を出し尽くすのみだ!お前達の全力を見せつけてこい!」
「「「はい!!」」」
と言い残し、俺は客席まで戻った。だが、最悪の自体が目の前で起こっていた。
「おい……嘘だろ……、なんで」
目の前の光景を信じられないかのような目で見ていた。何故なら、観客が誰一人としてもいないからだ。俺はこんな現実を信じたくなかった。いや、俺の事はどうでもいい。この光景をあいつらが目の当たりにしたら……!!
そう考えている内に、幕は開き始めていた。くそっ!なんでなんだよ!
そして、幕が全部開くと、3人は目の当たりにしてしまった。この残酷な現実を目の当たりにして、3人はどんな思いになっているのだろうか。そう考えただけでも、胸が苦しくなる。壇上の3人を見た。ことりは今にも泣きそうな顔をして、海未はこの光景を見たくないかの様に目を瞑っていた。そして、穂乃果は
「そうだ!世の中そんなに甘くない!……っ!」
そう言いながら、泣くのをこらえていた。
「どうやら……予感は的中したようね」
静寂な空気の中、声がしたので振り向くと
「絵里……」
入り口に腕を組み、こちらを冷たい視線で見つめていた絵里だった。
「予感が的中したって、どういうことだよ?」
「言葉の通りよ。いくら頑張ったって、いくら努力したからってそれが報われなきゃ意味が無いの。私の時だって、そうだった」
「じゃあ、こいつらがやってきたことが無駄だと言うのか?あんなに練習して、歌も必死に覚えて、振り付けだって一生懸命考えた!!それが無駄だったって言いたいのかよ、お前は!!」
「だって、しょうがないでしょ!!これが現実なの!!いくら練習しようが、必死に努力しようが、他の人からすれば単なる他人事なのよ」
「くそっ!!!」
俺は自分のあまりの無力さが情けなかった。すると、扉が勢いよく開き
「はぁ、はぁ!あれ、ライブは?あれぇ?」
入ってきたのは、この前、校門前で知り合った小泉さんだった。どうやら、急いで駆けつけてくれたようだ。俺はその姿に
「ふ……ハハハ!」
何故か笑ってしまった。俺のその姿に4人は怪訝とした顔で見ていた。
「あぁ、わりぃ、わりぃ。さ、これで観客は揃ったぞ!!歌えよ、お前ら!!」
「え、でも……」
「いいから、歌えよ!お前達はこれまで一生懸命頑張ってきた!その成果を今出さないでどうするんだよ!ここにいる3人で見届けてやるから!!だから、思い切って歌え、穂乃果!海未!ことり!」
「ちょ、私は見るとは!はぁ……まぁ、鈴哉の頼みなら仕方ないわね。いいわ、私も見てあげるわ」
どうやら、絵里も分かってくれたみたいだ。さすが、俺のファースト幼馴染み!
「やろう!海未ちゃん!ことりちゃん!」
「「うん(えぇ)!」」
そして、曲が流れ出した。
スタートにしてはゼロに近い状態だけど、上等じゃねぇか!これからそれを100にしていくんだからな!
俺がそう思っていると、観客はさらに増えていた。小泉さんの隣にはオレンジの髪をしたショートヘアの子、座席に隠れているけど、黒髪ツインテールをした子、扉でステージをずっと見ている赤髪の子、そして、壁に背をもたれながらこの光景を感じているかのように目を閉じている女神のような子。
そんな人たちに見守られながら今、あいつらは踊っている。
そして、ライブは終わった。
「で、これからどうするつもり?」
と俺の隣で座っていた絵里が立ち上がりそんなことを聞いた。
それに、穂乃果は
「続けます!!」
そう答えた。
「なぜ?こんな結果なのに続ける理由が分からないわ」
「やりたいからです!!」
「!!」
「誰も見向きもしてくれないかもしれない。応援なんて全然もらえないかもしれない。でも、やりたいんです!こんな気持ち初めてなんです!やってよかったって、本気で思えたんです!そして、いつかこの講堂を、いつか満員にしてませます!!!」
「!」
穂乃果はそう言い切った。この時、俺は心から確信した。こいつらならやれると。そして、手伝いとして全力でサポートし続けると。
「ふ、ハハハハ!!やっぱりお前は面白ぇよ、穂乃果!そうでなくちゃな!!」
「鈴…哉?まさか、貴方」
「おっと、絵里。勘違いすんなよ。そういう意味で言ったんじゃねぇ。俺は確信したのさ。こいつらならなんとかできるかもしれねぇとな。確かに上手くいく証拠なんてない。でも、俺はそう確信してしまったんだ!なら、俺はあいつらをこれからも全力でサポートする」
「そう…なのね」
「そして、お前にも入って欲しい」
「え?」
そう、何を隠そうこいつは小さい頃、バレエをしていたのだ。だから、踊りに関してはプロ並みの知識を得ている。しかも、コンクールで入賞出来るほどの力もあった。
「お前も入ってくれれば、このグループはより良いものになる。そして、俺は、ただお前に入って欲しい」
「なん……で、でも……。ごめんなさい。今はまだ、決めれそうにないの。もうちょっと、考える時間をちょうだい」
「勿論。最終的に決めるのは、絵里自身の気持ちだ。時間も掛けたっていい。だから、いつか答えを聞かせて欲しい」
「えぇ、ありがとう」
と絵里はそう言った。
「言っとくが、ここにいる奴らもだぞ!」
「「「「え!?」」」」
俺が、全体を見渡しながらそう言うと、外にいる誰かさん以外は全員驚愕していた。まぁ、当たり前か。
「俺は、ここにいる9人が揃って初めてこのグループは完全になると思っている!ですよね、東條先輩!」
「もう、なんでここでいうかな〜。まぁ、いいけどね♪そう。だからつけたん、『μ's』と」
「え、あの名前で入れてくれたのって希先輩だったんですか!?」
と東條先輩の言葉に、穂乃果が驚いたように言った。
「でも、すぐじゃなくていい。じっくり考えてみてくれ。やるかやらないかはお前ら次第だ。もし答えが出たら、俺のところに来てくれ。どんな結果でも受け入れる覚悟はある」
俺は最後にそう言った。これで、言いたい事は言えたかな。
「それじゃあ、解散ってことで!!見に来てくれてありがとな!!」
と俺のその言葉と同時にファーストライブは幕を閉じた。
(おまけ
その帰り俺は幼馴染み3人、穂乃果とことりと海未と帰っていた。絵里も一緒に帰りたかったが、先に帰ってしまったためこの4人で帰ることにした。
「ファーストライブ、お疲れ様。結果は乏しかったが、最後までお前達が踊ってくれて、俺は嬉しかったよ」
「そんなことないよ。あの時、鈴ちゃんが励ましてくれたから、私達は前を向くことが出来たんだよ。だから、こっちこそありがとう!」
穂乃果がそう言うと、他の2人も同じ意見なのか笑顔で頷いてくれた。
「そっか。よし!ならファーストライブの打ち上げとして、今週の休みにどっか行くか!」
「「ほんと!?」」
と俺がそう言うと提案すると、穂乃果とことりが嬉しそうに聞き返した。
「あぁ、だからお前達の行ってみたい場所を言ってみ?」
「じゃあ、鈴ちゃん家!」
「……はい?」
穂乃果の予想の斜め上の発言に、俺は唖然としていた。すると、ことりも
「私も鈴君のお家に行ってみたいなぁ♪」
穂乃果の発言に便乗してきた。
「え?なんで、俺ん家?他にもあるだろうがよ!ショッピングモールとか遊園地とか」
俺がそう言うと、
「だってこの前は鈴ちゃん家に遊びに行っていいかって聞いたら、OKしてくれたじゃん!」
穂乃果がさらに追い討ちをかけてきた。そーいや、そんなこと言ったっけ?……あー、確かに言った気がする!はぁ、しゃあねぇか。
「はぁ、分かったよ。でも、俺ん家何も無いからな。それだけは覚悟しとけよ!」
「何の覚悟ですか」
と海未が俺の発言に呆れていた。なにはともあれ、今週の日程は決まった。
しかも帰宅後、絵里がうちへ訪ねてきた。
どうやら、頼みがあるそうだ。
「で、頼みってなんだ?」
と聞くと、
「頼みっていうか、今週の休み、鈴哉と遊びたいなぁと思って♪」
え?
「な、なんで?」
「あら、ダメなのかしら?もしかして、先に約束してる子がいたりとか?」
「まぁ、そんなとこ。っと言っても、あの3人だけど」
「なら私も混ざっていいわよね♪異論は認めないわぁ♪」
「はぁ……分かったよ。もうどうにでもなれ」
これにて今週の休みが決まった。どうやら、苦労しそうな予感しかしなさそうだ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
今回はファーストライブの当日という話なのですが、まず文字数が超過しすぎましたね!自分でもやりすぎたと思っていますwでも、絵里とのやりとりも出来て良かったです!