八幡の性格が少々明るいのでこいつ誰だ?みたいなことになってるかもしれません。が、このままやらせていただきます。
これは10年前のことである。俺は親父の店によく来る薙切の爺ちゃんに連れられ、ある学園に来ていた。その時幼稚園児だった俺は周りの大きい人達に怖がり薙切の爺ちゃんの陰に隠れてた。今思えば薙切のじいちゃんの方が怖かった……顔が!
仙左衛門「八幡よ急に連れてきてすまんかったのぅ」
はちまん「だ、大丈夫です。……全然こわく……なんか……ひぐっ……」
仙左衛門「すまんな」なでなで
はちまん「お爺ちゃん……」ぐす
仙左衛門「そろそろ着くから辛抱じゃぞ」
そういうと薙切のじいちゃんは歩くスピードを緩めてくれ、俺の歩くスピードに合わせてくれた。
仙左衛門「八幡、着いたぞ。今日からここがお主の部屋じゃ」
はちまん「え?じゃ、じゃあもうお家に帰れない……の?」
俺がそういうと薙切の爺ちゃんは困った顔をするが、小さかった俺を不安がらせないようにすぐに笑顔になった。
仙左衛門「なーに、八幡が料理が上手になれば八幡の親父殿も向かいに来てくれるぞ」
そしてこの時の八幡は知らなかった、大好きだった父と母に見捨てられ、捨てられたことを……。そして、それを偶々聞きつけた薙切仙左衛門が幼き八幡を引き取ったことを……。この時の俺まだ知らない……。
仙左衛門「親父殿が迎えに来るまで、わしが八幡の父親じゃ」にこ
はちまん「お爺ちゃん怖い……」うるうる
仙左衛門「す、すまぬ!」オロオロ
薙切の爺ちゃんは、今にも泣き出しそうにしてる俺をどうあやすのか分からず困っていたら、
薊「父さん何をしてるんだい?」
そこには若き追い出されていない薙切薊がいた。
仙左衛門「おう薊か!八幡が泣き出しそうに」
薊「それが例の子か………君」
はちまん「ぐすん……なに」うるうる
薊「これを食べてみなさい」
はちまん「これは?」
薊「私が作った、お菓子だ」
はちまん「おかし?お菓子!」ぱく
俺はその一口で言葉には表せないほどの旨味を感じた。その一口は父親から食べさせてもらった食べ物が残飯に思えるほどの美味さだった。
はちまん「お、おいし……おじちゃん!」
薊「おじちゃんって……まだそんな歳じゃないよ」苦笑
はちまん「じゃーお兄ちゃん!もっと欲しい!」
俺がそういうと薙切薊は俺に目線を合わせ俺の唇に人差し指を置きこういった。
薊「だめだよ」
まだ幼かった俺はその言葉からは意地悪をされてるって思った….だがまたあの味を味わいたいと思った俺は、
はちまん「お願いだよ!なんでもするから!」
薊「そうかい……なら料理人になりなさい」
はちまん「料理……人?」
薊「あぁ、素晴らしい料理人になり私の舌を満足させなさい。そうしたらまたあのお菓子を作ってあげるよ」にこ
はちまん「うん!僕料理人になる!で、お兄ちゃんに美味しいって言われる料理人になる!」
薊「そうか、それは楽しみだな。父さん、私はえりなのところにいなければならないからアリスと一緒に料理を教えてあげてくれないか」
仙左衛門「あぁ、任せろ。……薊よ、お主がこう言うのは珍しいな」
薊「私は可能性にかけてみただけだよ」
仙左衛門「ほほぅ……よし、八幡よ。早速アリスのところへ行こう!」
はちまん「アリス?」
仙左衛門「八幡と同じ年じゃ。一緒に料理を勉強し切磋琢磨する友達じゃ」にこ
はちまん「せっさたくま?う~ん、うん!わかった。いこいこー!」
仙左衛門「それじゃいくぞ」
はちまん「あ、お兄ちゃん!」
薊「ん、なんだい」
はちまん「お菓子ありがとう!今まで食べた中で1番美味しかった」にこ
薊「っ…………あぁ、ほら行ってきなさい」
はちまん「うん!絶対美味しいって言わせられる料理人になるね!」
薊「あぁ、楽しみにしてるよ」にこ
そしてその日から薙切薊とは二度と会えなかった……。
そして幼き俺は、いかにも豪華な部屋と言わんばかりの扉の前に連れてこられていた。
仙左衛門「八幡よ、ここじゃ」
はちまん「うん!」
そして扉は開かれる…その時開かれた扉と共に運命の扉が開かれていく……。
ガチャ
??「あ、お爺様!」
入った途端白髪の少女が薙切の爺ちゃんに抱きついていた。
??「お爺様今日は何か御用でも?…………あなたは?」
白髪の子は俺に気づき不審そうな顔でこちらを見て訪ねてきた。
はちまん「僕は……比企…….」
仙左衛門「比企谷八幡、今日からこやつは家族じゃ。仲良くせぇ」
アリス「ふーん。あ、私薙切アリス!よろしくね」にこ
はちまん「よろしく……ね」
アリス「八幡は幾つなの?」
はちまん「5歳だよ!」
アリス「私も5歳よ!」
はちまん「同い年だね」
アリス「そうね!」
そう他愛なく話をしてる2人を見ていた薙切の爺ちゃんは、2人の雰囲気をみてほのぼのしていた。
アリス「八幡!ここの中を案内してあげるからついてきて」
はちまん「うん!」
そして厨房や中にある休憩室など、2人は走り回り楽しんでいた……そして、
アリス「ざっとこれぐらいかしら!」
はちまん「すごいすごいよ!アリスちゃん!僕そんなの覚えきれないよ」キラキラ
アリス「えっへん!もっと褒めてくれてもいいですよ!」
はちまん「ほんとすごいや!……でもこれどうやって使うの?」
アリス「っ!……えっと……これは…………」
はちまん「もしかして……わかるのって名前だけなの?使い方……わからないの?」
アリス「うるさいうるさい!わからなくて何が悪いんですか!」ぷんぷん
はちまん「えぇー」
アリス「ふーんだ!いつか使えるようになって立派な料理人になるんですからね!」
はちまん「料理……人……」
アリス「あら?八幡はならないのですか?」
はちまん「なりたい!……なりたいけど、どうやっていいかわからない……」
アリス「なら大丈夫だよ!ここは料理をお勉強する場所だから!一緒にお料理できるようになろ!」
はちまん「っ!!うん!」
そして俺とアリスの料理の特訓は始まった。途中色々なことがあった。アリスの従姉妹のえりなって子に料理を振る舞った時、散々バカにされたことや、アリスが海外へ行ってしまったり、在学中の生徒に可愛がられたりと1日1日が濃い日々を過ごしていった……。年を重ねるごとに料理の知識が増えていき、中等部に上がる頃には他の生徒よりずば抜けて高くなった。友人も一応できた。
アリスがなぜか連れて帰ってきた黒木馬リョウ。こいつは現場を知ってるやつだ……。こいつは普段おとなしいがバンダナをつけると煩くなる……一応料理仲間だ。あと汐見ゼミの葉山だ。もともと汐見さんにはここに来た時からお世話になっていた。この人もアリスと同じで外国で葉山を連れて帰ってきたらしい。……同い年と聞かされ驚いた。葉山は汐見ゼミへ行くといつも迎え入れてくれるやつで、いつもスパイスのことを教えてくれた。俺は日々を充実していた。
俺はここでの生活は好きだ。
やはり俺はここに来て良かったと思う……。
アリス「なーに黄昏てんの!八幡くん!」
リョウ「キモいぞ八幡」
八幡「罵声を浴びせんじゃねぇ……。ちと昔のこと思い出しててな」
アリス「あの時の八幡くんは可愛いかったわよね!今はなんかこう……キリッて感じになったわ!」
八幡「なんだよそれ……」
アリス「そんなことより!昔を思い出してみて昔より綺麗になったとか可愛くなったとかないの?」ウィンク
八幡「んまぁ、あざと可愛くはなったな」
アリス「ただ可愛いって言えばいいんです!ほんと素直じゃないよね!」
リョウ「お嬢がそれを言うんですか…」
アリス「リョウくんは黙ってなさい!」
リョウ「はーい」
アリス「じゃー八幡くん言ってみなさい!」
八幡「え?やだよ」
アリス「ささ!恥ずかしがらずに!」
八幡「はぁ……んまぁ……か、可愛くなったんじゃないですか」
アリス「ふふん。さ、最初からそう言えばいいんです!」フンス
リョウ「お嬢耳真っ赤ですよ」
アリス「きぃぃ!リョウくんなんでそんなこというの!」顔真っ赤
リョウ「事実ですから」
アリス「もぅおこったわ!もうリョウくんが謝んないなら口聞いてあげまry」
八幡「夫婦喧嘩はよそでやってくれ」
アリス「なっ!リョウくんと私が夫婦なわけないじゃない!もうバカ!知らない!」プンスカ
そう言うとアリスは出て行ってしまった。
リョウ「八幡……お嬢をもっと見てやれよ」
八幡「?ん?」
リョウ「はぁ……」
八幡「なんなんだよ……」
こういうことは日常茶飯事である。だが来年から高校生だ。なので、疎遠になってしまうかもしれない。だから今あるこの繋がりを大事にしていきたいと俺は思う……。
もう一度言う。
やはり俺はここに来て良かったと思う。
誤字脱字があったりここはこうした方がいいんじゃない?とかここは違うだろ〜っていうのがありましたらどんどんコメントしてください。ここで直したpixivでも反映させるので…ではでは