【第零幕】魂の輝き
「御用改めである!!新撰組だ!!」
「くっ、まさかここが知れるとは…!!」
江戸のある料亭で密会をしていた長州藩志達だったが、突然やって来た新撰組によってそれは強制的に中断となる。聞こえる足音からしても、人数は多くは無い。
「先にお逃げ下さい。俺がここで食い止めます。」
「おぉっ、緋村!!頼んだぞ!!」
“緋村”と呼ばれた、赤い髪の小柄な男は小さく頷くと腰に下げている剣を抜く。隠し扉から逃げる仲間達を見送りながら、やってくるであろう新撰組の隊士達を待ち構えた。
「ここかっ!!…なっ…!!」
「残念だったな、新撰組…」
「ば、抜刀斎…!!」
鋭い眼差しで睨むと、新撰組の隊士達は僅かに怯む。それを、男は見逃さなかった。素早い動きに何が起きたのか分からない。気付いた時には、もうその者達の命は消えていた。
「ククッ…また会ったな、抜刀斎…」
隊士達が倒れ、少し遅れて1人の男がやってくる。新撰組三番隊組長の男だ。
「そろそろ決着をつけるのもいいかもな」
「言ってろ、幕府の犬が」
互いに剣を構える。
――キィィィン…!!
剣と剣のぶつかる音が辺りに木霊した。
そんな日々が続いたある日、それは突然起こった。異星人が、この地球に…江戸に降り立ったのだ。条件は、幕府にとってはあまりにも理不尽すぎる要求と共に、鎖国真っ只中のこの国を開国せよとのもの。当然、それを幕府は断り…大きな戦の火蓋が切って落とされた。
後に語られる、攘夷戦争の幕開けとなる。
侵略を目論む
「天人だろうが何だろうが、この国に侵略するものは…消す。」
「
「俺は相楽隊長と共に戦います!!この国を護るために!!絶対に天人なんかに負けない…!!」
「ヅラァ、晋助……。
国を巻き込み、人々を巻き込み…
そして、20年という長きに渡って続いた戦いは終結した。たった一発の砲弾によって。
圧倒的な天人の力に恐れた幕府は、理不尽な要求を呑み開国を承諾したのだ。
幕府の中枢にまで侵略してきた天人により“廃刀令”が布かれ、侍は己の魂にも等しい刀を手放さざるをえなかった。
こうして…日本から、侍は消えた…。
しかし、侍は消えても“侍の魂”が完全に消える事はなかった。
いや、消せなかった。
その強い輝きは…
「…これからは、人々を護るためにこの剣を振るおう。この刀は…今の俺に相応しいのかもしれない…」
「腐った幕府に用は無い。新撰組の恐ろしさ…身をもって知るがいい。死した局長、副長、そして同志達の仇…しっかりと取らせてもらう…」
「許さねぇ…!!赤報隊を…相楽隊長を…!!俺からすべてを奪った天人共を、絶対に許さねぇ…!!」
「護れるもんは少ねぇかもしれねぇがよ…俺は、俺のやり方で護ろうと思う…。この…木刀が届く範囲は…俺の国だ…。もう絶対に、何も失わねぇし、奪わせねぇよ…」
様々な形となって、輝き続けた。
(にじファン初掲載 2011年6月12日)