ホウエン地方で始まる日常 作:kazusaichinomiya
まばゆい光の中から出てきたのは無論、ボスゴドラ。しかし…
「頭の角が…直ってる…」
いや、それだけではない。全身が硬い鎧なのはもちろん、それの形状は大きく変わっていた。一枚の巨大な盾を置いたかのような美しい鎧だった。
「いっけぇーーー!」
ボスゴドラは全身でメガリザードンに突っ込んだ。
「メガシンカ!?」
『教えてないぞ!?』
ラケルとダイゴが同時に叫んだ。それと同時ににメガリザードンを地面に叩きつけた。
「リ、リザードン、戦闘不能、ボスゴドラの勝利、よって勝者、チャレンジャータツキ!」「や、やったー!」
ボスゴドラは元に戻り、すばやさ最低クラスのポケモンとは思えない程の身のこなしを見せ、タツキの元に飛んできた。ボスゴドラは締め付けるようにタツキを抱き締めた。
「ふ…ぐ…ぐるじい…」
「グォオー!」
構わず全力で抱き締めるボスゴドラ。角は綺麗に鋭く、本来あるべき形に戻っていた。喜んでるからいいかな?あ、でも流石にこの苦しい状況はつらいな。と思いつつもちょっと心地よく感じてしまう。だんだんオレのマゾヒズムが目覚めてきてる気がするな。
「そんなことがあるなんて…」
ダイゴはこのバトルを見て体が震えている。いや、バトルではない。ボスゴドラだ。
「メガシンカ、すごかったです。まさか、新人トレーナーさんなのに」
「メガシンカ?」
「ええ、ボスゴドラのあの状態、見ましたよね?あなたの信じる心がボスゴドラにも伝わって、その姿を一時的に変え、パワーアップするんですよ」
「要はドーピングみたいなm」
「リザードンと同じ、いやそれ以上の力があるかもしれません、知りたくないですか?コルn…」
「すっごいイイバトルだったよ、ほんとに。びっくりしちゃった」
「はぁ、そう」
「うんうん、あ、自己紹介がまだだったね、あたしコルニ!タツキ…だったよね?」
「うん、そうだけど」
とりあえずボスゴドラが纏わり付いている現状をどうにかしないと。窒息死もそろそろ時間の問題になってきたし。なんてそうこう考えていたら、ボスゴドラがゆっくりと離れ、愛おしそうにオレの目を見つめた。やめろ、色々な意味で目覚めちまう。
「ねぇ、一緒に旅しない?タツキの力をもっと知りたいの!」
「えぇ!?」
オレは構わないけど、ボスゴドラが盛っちゃう可のうs、いや危険性が。オレが受け入れても周りが。
「ねぇ、ボスゴドラ、タツキに恋してるんじゃないの?」
「は!?」
いきなりどうした? まぁ確かにないとは言えないのがこれまた怖いんだけどさ、『好き』っていう感情は分かるよ、でもそれが恋愛感情で、ボスゴドラの性愛であれば。どうすればいいだろう。いや、今のオレなら受け入れるかもしれない。だからなおさら怖い。ポケモンはポケモン同士が性愛対象なんじゃないの?
「そんな感じするよー?タツキが好きで好きでたまらない、って顔で抱き締めてたもん」
ちょっと、いやちょっとどころじゃない。ものすごく嬉しい、って感じている自分がいるのが怖い。何せファーストキスの相手がボスゴドラなんだからな。それに同性だし。いやでもちょっとボスゴドラに愛されてみたいかも…。
「どんな風に過ごすのか見てみたいし!ね、いいでしょ?」
「ちょ、ちょっとコルニ、一旦冷静になって、僕とのぼうk…」
「継続に決まってるでしょ。今日からは三人で冒険すんの」
今の発言どう受け止めればいいの?ねぇ?コルニとラケルにオレ?ボスゴドラはどーすんのさ?
「ボスゴドラ忘れてるよ、コルニ。でも四人も悪くないね」
「でしょー?あたし一人じゃ見つけられなかったものを、二人なら見つけられる。二人でも見つけられなかったものは、みんなで見つければいい、って思うんだ」
「あのー、そろそろジムバッジ渡してもいいかしら?」
あ、ヤベ、完全なまでに忘れてた。
「おめでとう。私がここまで本気でやったのもかなり久々よ、だから自信持って。あなたならこれから待つ未来に立ち向かっていけるはずよ」
「ありがとう…ございます」
ジムバッジ…金属の質量感といい、程よい大きさといい、素敵だ。あ、でも質量感ならボスゴドラも負けてないし、大きいから逆に抱いてもらえるよね、ってやっぱりオレボスゴドラ意識してるな。可愛いボスゴドラのためなら…
「グォオー!」
またがっしりハート掴まれました。このままボスゴドラのモノになっていいかも…ッて対等な関係ってのはどこいった?抱き締められるのが続くのもね。嬉しいけど。
「おめでとう、タツキ君、とても良かった。でもなんでボスゴドラに命令しなかったんだい?」
「すきなひとにふつうめいれいしないでしょう」
…ん?今オレなんて言った?口が勝手に動いたかな?オレは何も言ってn…
「やっぱりそういう関係になりたいのか」
うん、何も無かった…とは言えない。実際当の本人(ボスゴドラ)はさっき以上に強く抱き締めてる気がする。
「違う、ちがt…」
後の言葉が出てこない。ボスゴドラが体の負担になりすぎてうまく喋れない。困った。何としてでも誤解を解かねば。いや誤解じゃないかもしれないと一瞬でも考えてしまう俺は重症だな。
「ふ…ぐ…ぐるじい…」
「ちなみにボクは仕事があるからカナズミに戻るよ。何かあったら連絡してくれよ。それとタツキ君、頑張ってくれよ」
「ふ…ふぁい…」
「あ、ボスゴドラはちょっと来てくれないか?」
やっと解放されたんだと思った自分はもう既にいない。ボスゴドラが呼ばれたことを不安になり、早く帰ってきて欲しいと思う自分だけだ。
「じゃあ、改めてだけど〜よろしくゥ!」
え、ってことはこの四人で冒険すんのか。どうなるんだろ。しかもボスゴドラ帰ってこないし。あ、帰ってきた!て、何喜んでんだ俺。夫を待つ妻みたいな表情だったとか言われたらどーしよ?
「夫を待つ妻みたいな表情だったけど、そんな寂しかったの?」
「そそそそ、そんなことないよ!」
ボスゴドラ帰ってきたけど大丈夫だったk…
「!?」
さてボスゴドラ氏はメガシンカが使用できるようになりましたが、タツキとの関係にどういう進展があるのか。次回はボスゴドラ氏の視点で進んでいきます。話雑でスミマセン!!