反転学園~超教師級のダメ侍と超高校級のバカ達の物語~ 作:オゼル
ルパンから偽の燕の羅針盤を盗んだ不二子はある廃工場の中にバイクを止める。
不二子
「指定した場所はここね」
不二子はバイクから降りて、廃工場の中に入っていく。
スタージュン
「待っていたぞ、峰不二子」
廃工場の中には美食會のスタージュンと支部長、そしてマリア達がいた。
不二子
「時間通りね、美食會副料理長スタージュン」
スタージュン
「取引を申し込んできた君が遅れるのはいただけないがね」
不二子
「女は時間通りに来ないものよ、それじゃあ取引を始めましょうか」
スタージュン
「峰不二子、君も食えない女だな、ルパンに盗ませたコンパスを我々に譲るなど」
不二子
「貴方達がコンパスを奪おうとしてもしかしたらと思って貴方達に連絡を入れたら案の定…それに元々あれはルパンが私にプレゼントした物だもの…それで約束の3億は?」
スタージュン
「これだ」
スタージュンはそう言って三つのジュラルミンケースを木箱の上にケースを開ける、ケースの中には日本円の札束が3億円分入っていた。
不二子
「わぁ~お」
スタージュン
「それでは峰不二子、コンパスを渡したもらおうか」
不二子
「えぇ、良いわ」
不二子はそう言って、胸元からコンパスを取り出し、それをスタージュンに手渡す。
スタージュン
「…………これは何の冗談かな峰不二子」
不二子
「えっ?」
スタージュンは不二子から手渡されたコンパスを見て、何を思ったのかコンパスを地面に叩きつけコンパスは粉々に砕けた。
マリア
「なっ!?」
セドル
「スタージュン様、何を!?」
不二子
「ちょっ、ちょっと!」
その場にいた者達は、スタージュンの行動に驚き、不二子が壊れた燕の羅針盤の破片を拾おうとした時、
スタージュン
「そのコンパスは偽者だ」
不二子
「ええっ!?」
バリーガモン
「何だとっ!?」
スタージュン
「こんな物で私達を騙そうなどと、見くびられたものだな」
ボギーウッズ
「てめえ!本物のコンパスはどこだ!」
不二子
「しっ、知らないわよ」
ジェリーボーイ
「ざけんな!木っ端微塵鞭!」
第3支部支部長のジェリーボーイは無数の棘が付いた鞭を不二子に向けて振るったが、不二子は間一髪それをかわした。
不二子
「本当に知らないんだってば!」
バリーガモン
「じゃあその体に聞いてやるぜ、肉たたきヘッド!」
不二子
「きゃあ!」
セドル
「待て!」
不二子
「しつこいわよアンタ達!」
(ルパン、私に偽者を渡すなんて!絶対に許さないんだから~)
バリーガモンの繰り出される頭突きを不二子は何とかかわし、廃工場を出てバイクに跨り逃げ出した。
ユー
「逃がすな追え!」
美食會とマリア達は不二子を追おうと走りだしたが、
スタージュン
「待て」
ユー
「スタージュン様?」
スタージュン
「峰不二子は放っておけ」
ボギーウッズ
「何言ってるんですか!?スタージュン様!あの女にコンパスの在り処を聞きださねえと」
スタージュン
「いや、おそらく峰不二子は本当に知らないのかもしれん」
ユー
「確かに、スタージュン様がコンパスを偽物と見破った時、あの女も驚いていましたね」
バリーガモン
「それじゃあ、コンパスはどこに?」
スタージュン
「おそらくルパン達が持っているはずだ」
ユー
「ルパンが!」
スタージュン
「すぐにルパン達を探せ、それとトミーロッドに連絡を入れろ奴の虫ならルパン達を見つける事が出来る…それと、マリア・カデンツァヴナ・イヴお前達にも協力してもらうぞ」
マリア
「何ですって?」
スタージュン
「昨日の汚名を返上するチャンスを与えてやると言っているんだ」
マリア
「くっ!……分かったわ、行きましょう調、切歌」
マリアはそう言って、調と切歌の2人を連れて、廃工場から出て行く。
ユー
「良いのですか?スタージュン様、彼女達に任せて」
スタージュン
「何が言いたい?」
ユー
「我々は確かに悪忍とフィーネ、その二つと同盟を組んではいますが、所詮は形だけの物、彼女達が
裏切らないとゆう可能性はどこにもありません」
スタージュン
「そうだな…だが、それはコンパスを奪い返せば済む事だ」
そして不二子が美食會から逃げていた頃
ルパン達は、車(フィアット・500)で山中を移動していた。
次元
「それでルパン、そのプロメテウスの火は本当にあるのか?」
ルパン
「あぁ、コンパスはちゃんと針を指してんだ、あるに決まってるさ」
ルパンは北西に針を指しているコンパスを見て自身有り気にプロメテウスの火の事を話だす。
ルパン
「プロメテウスの火ってのはよ、ギリシャ神話に出てくる神、プロメテウスが寒さに怯える人類を哀れんで同じ神のヘパイストスの作業場の炉の中の火を人類に渡したんだ」
D
「もう一つ付け加えると、プロメテウスの行為に怒ったゼウスはクラトスとビアーの2人の神に命じてプロメテウスを磔にした…まぁ、元々ゼウスは浮気をしょっちゅうして他人を巻き込むし、その妻のヘラも嫉妬深い、ろくなもんじゃないな」
次元
「ルパン、神話の話はそれくらいにして話の続きだ、本当にプロメテウスの火なんて物が存在するのか?」
ルパン
「何だよ、次元や五ェ門だってプロメテウスの火の話は知ってるだろ」
次元
「まぁな、プロメテウスの火を手にした物は人智を超えた力と英知を手に入れるって奴だろ」
ルパン
「そぉ、ユリウス・カエサル、ナポレオンやヒトラーなど所謂 独裁者はそのプロメテウスの火から出た火の粉を浴びたと言われてる……火の粉だけであそこまでの事が出来るんだ、火そのものを手にいれたらどうなると思う?」
次元
「けっ、仮にそんな物を手にいれたとしても、俺は英知なんてほしくないね」
五ェ門
「拙者もでござる、ルパンお主いつからそんな下らぬ物を欲する様になった?」
ルパン
「んっ?何言ってんだ2人とも俺はプロメテウスの火が欲しいなんて一言も言ってないぜ」
五ェ門
「はぁっ?」
次元
「なにっ!?じゃあ、何でお前プロメテウスの火を探すなんて言いやがったんだ」
ルパン
「見てみたいんだよ、誰も目にした事がない、神様が人類に送ったプレゼントを」
次元
「けっ、たくいつもこれだ」
五ェ門
「バカのする事は分からぬ」
D
「そうだな…だが、そんなバカに付き合うお前たちもバカなんじゃないのか?」
次元
「あっ?……そうだな」
ルパン
「うひひひっ……あはははははっ!」
次元・五ェ門・D
「はははははははっ!」
ルパン達はそうして、車の中で笑いあった。
次元
「ははっ……んっ?おいルパン、厄介なのが来たぞ」
ルパン
「へっ?」
次元
「後ろ見てみろ」
次元に言われ、ルパン、五ェ門、Dは後ろを振り向く、後ろから、パトカーが数台、走ってきて、先頭のパトカーには銭形が乗っていた。
ルパン
「ぎゃ!なっ、何でこんな所にとっつぁんが?」
ルパンは銭形が後ろにいる事に驚き、車の左に顔を向けて顔を隠そうとする、そして銭形が乗っているパトカーでは、
銭形
「まったく、昨日は分けの分からん奴らのせいでルパンを逃がしてしまった上に、ルパン達が潜伏していたホテルに行ったら一足早くルパン達は逃げた始末……はぁ、ルパンよぉ、お前今どこにいるんだ?」
警官A
「お気を確かに警部、大丈夫です警部ならかならずルパンを捕まえれる事が出来ると我々は信じておりますから」
銭形
「うぅ…すまん、ワシはいい部下を持った」
銭形は運転をしている警官の言葉に涙し、ルパン達が乗った車を過ぎ去るが…
銭形
「!……おい、ちょっとアクセルを緩めろ」
警官A
「はっ、はい!」
銭形に言われ警官はパトカーのアクセルを緩める。
銭形
「おかしいぞもっと緩めろ!」
銭形はさらにアクセルを緩めるよう、指示し、ルパン達の車と銭形が乗るパトカーが隣り合わせになる。
ルパン
「とっつぁん行っちゃったかな?」
次元
「バカ、ルパン右を見るな!」
ルパンはふと、銭形が行ったか確認する為、右を振り向く。
ルパン
「ありっ!?」
銭形
「……………」
そして、不運な事にルパンと銭形の目がばっちりと合ってしまった。
ルパン・銭形
「「……………」」
ルパン
「ははっ、とっつぁんお元気?」
銭形
「……るっ、ルパン貴様を逮捕する!」
ルパン
「わっ、わあぁぁ!」
銭形はルパンの車の窓にしがみ付いた。
銭形
「今度こそ逃がさんぞ!」
ルパン
「こりゃやべぇわ、おい次元急ごうぜ」
次元
「あいよ」
次元は車のハンドルを切り、パトカーから離れ、銭形はルパンの車に引っ張られるが、銭形は窓を離そうとしなかった。
銭形
「絶対逃がさんぞルパァァァン!」
ルパン
「そんな事言って危ないでしょ…ほれ」
銭形
「んっ?わあぁぁぁぁ!!」
銭形はルパンが前に指を指したので、前を見ると、一台の車がこっちに向かって走って来て、銭形は窓から手を離してしまった。
銭形
「待て、ルパン!待てぇぇぇルパァァァン!」
そして、ルパン達と銭形のカーチェイスが切って落とされた
ルパン達は、道路を颯爽と走っていき、それに銭形達が食らいついて追いかける。
D
「まったく、あの男も飽きずによくやるものだ」
ルパン
「本当だよな、とっつぁん少しは年の事も考えなよ、有給でも取って実家でのんびりすごせば?」
銭形
「余計なお世話だ!有給はお前を捕まえた暁に取る!」
ルパン
「あらそう?」
次元
「ルパン、喋ってると舌噛むぞ」
ルパン
「へっ?あらっ!」
次元はハンドルを切り、車は道路を離れ木が生い茂る坂を下って行く。
銭形
「追え!逃がすな!」
それに銭形達も続いていくが、
警官B
「うわあぁぁ!」
警官C
「ひぃぃぃぃ!」
パトカーの多くが、坂を下ったのは良いが、あるパトカーは木にぶつかり、またあるパトカーは切り株に激突し、空中で一回転して地面に激突した。
だが、銭形が乗るパトカーと2台のパトカーがルパン達を追いかける。
銭形
「逃がすな!追え!追えぇぇ!!」
ルパン
「おい次元、確か坂下った先に川にが会ったよな」
次元
「あの手で行くか」
ルパン
「よしっ!」
ルパンは長い筒を取り出すと、それを車のマフラーに差し込み、次元は川に向かって車を走らせ車は川に入りそのまま走って行き、煙はマフラーを通して筒から出て行く。
警官A
「銭形警部、ルパン達が川を進んで行きます!」
銭形
「ならこっちも突っ込め!」
警官A
「ですが…」
銭形
「かまわん行け!」
銭形は警官の制止を聞かず、パトカーで川を進んでいく。
ルパン
「とっつぁん、そのままだと沈んじまうぜ!」
銭形
「うるさい!フルスロットルだ!…んっ?うわあぁぁぁ!!」
銭形の奮闘むなしく、パトカーは川の中に沈んでいった。
ルパン
「あ~あ、言わないこっちゃない……とっつぁん安らかに眠れ、アーメン」
ルパンは銭形が沈んだ川で十字を切る。
ルパン
「そんじゃ、行こうか次元」
ザバァァァァン!!
銭形
「ルパァァァァァン!」
ルパン
「うひゃあぁぁ!!」
ルパン達が車を出そうとした時、川から水しぶきを上げ、銭形が乗るパトカーで浮上してきた。
ルパン
「次元!」
次元
「分かってる!」
次元は車を走らせ道路に車を戻し、銭形達もルパン達を追いかける。
D
「五ェ門、お前の斬鉄剣であのパトカー切れないか?」
ルパン
「そうそう!五ェ門ちゃん、お願い」
五ェ門
「断る!これ以上斬鉄剣でつまらぬ物を斬りとうない」
ルパン・D
「「あっ、そ」」
ルパン
「あっ!ストップ!こっちこっち!」
ルパンは逃げていると右に通行禁止の看板が置かれた古い橋を見つけ、次元に指示を出し、車をバックさせた状態で橋を渡っていく。
銭形
「待て止まれ!」
ルパン
「うわぁぁぁ!」
ミシミシミシミシ
それに銭形のパトカーも付いて行くが、老朽化で古くなった橋はルパン達の車がバックで渡りそれに銭形のパトカーが進むと、壊れ始めていく。
銭形
「ルパァァァン!止まれぇぇ!」
次元
「ルパン!このままだと橋が崩れて落ちるぞ!」
ルパン
「その前に橋を渡りきるんだよ!」
次元
「むちゃ言いやがるぜ、まったく」
次元は悪態を付くが、そのままバックで橋を渡りきろうとする。
銭形
「もう離さんぞルパン!」
ギィィィィィィ
銭形
「それがんばれ!あともう少し!ほら行け!ああぁぁぁぁぁ!」
ぼっちゃぁぁぁぁぁん!
そして、何とかルパン達の車が橋を渡り終えた途端、橋は銭形のパトカーが渡り終える前に崩れ落ち銭形が乗ったパトカーは川の中に落ちてしまった。
ルパン
「とっつぁんご苦労様、それじゃあね~」
ルパン達は川の中で悔しそうな目で自分達を睨む銭形を後にその場から去っていった。
銭形
「おのれぇぇぇ!またしてもぉぉぉ!」
警官A
「どっ、どうしますか?警部」
銭形
「んっ?お前の運転のせいだ!」
銭形は運転をしていた警官の肩を掴み、怒鳴り散らした。
ルパン達はコンパスが指す方向に進んでいき夜になった頃、ルパン達は海が見える丘に車を止めた。
次元
「ルパン、針は何処を指してる?」
ルパン
「変わらねぇ、ずっと海の方を指してやがる」
次元
「つまりプロメテウスの火は海の向こうって事か…ルパン、あんな事言っておいて何だがやっぱり今回の仕事止めにしねえか?」
ルパン
「なにっ?」
次元
「いくらそのコンパスが望む物を指すって言っても、俺達はプロメテウスの火がどんな物か分からねぇんだコンパスが指す方に進んでいっても見つけるのは困難だぞ」
五ェ門
「拙者も同感でござる」
ルパン
「そんな五ェ門まで…あっ!そうだ、Dお前の力使ってさ、プロメテウスの火がどんな形してるか調べられない?」
D
「前にも言っただろ、俺が力を使うのはいざとゆう時だけだ」
ルパン
「けっ、何だよけちんぼ!あっ、そうかひょっとして出来ないからそんな事言うんだろ?」
D
「……悪いがなルパン、俺にそんな見え透いた挑発は効かんぞ」
ルパン
「………はぁ、確かに…今回ばかりは情報が少なすぎる…無理かもしれねぇな」
ルパンは人形の糸が切れたかのようにその場にへたり込んでしまった。
D
「とりあえず飯にでもするか?」
次元
「あぁ、そういや昼から何も食ってなかったな」
ルパン
「そうだな、まずは腹ごしらえとするか」
ルパンは車の中のダンボールの中にあるカップ麺を四つ取り出し次元達に一つずつカップ麺を渡して、シングルバーナーで火を熾しその上に水が入った、ポットを置いて沸騰するのを待つ。
五ェ門
「うどんかそばはないのかルパン?」
ルパン
「あっ、そうか五ェ門はラーメンよりそっちの方が良いよな、とんぺ衛とまるくんの赤いたぬきと緑のきつねどっちが良い?」
五ェ門
「とんぺ衛のそばで頼む」
ルパン
「あいよ……ええっと、とんぺ衛、とんぺ衛……これだ、ほらよ五ェ門」
ルパンはダンボールの中を弄りとんぺ衛のそばのカップを取り出すと、それを五ェ門に投げ渡す。
ピィィィィィィ
ちょうどその時、湯が沸きルパン達はカップ麺に湯を注ぎ3分待った後、カップ麺を食べ始める。
次元
「そういやルパン、あの時俺達を襲った穣ちゃん達の正体が分かったぞ」
ルパン
「本当か?次元」
次元
「あぁ、俺と五ェ門がやりあった二人は知らないが、お前とやり合ってた奴の顔に見覚えがあってな、調べたらすぐに出てきた」
次元はそう言って、尻のポケットから二ヶ月前の新聞を取り出し、ルパンに手渡す。
ルパン
「ええっと…何々恐怖のライブ、テロリストに成り下がった米国の歌姫…こいつは」
ルパンが読んだ新聞の記事には二ヶ月前の世界最大規模の音楽祭典QUEENS of MUSICで起こった事件が書かれていた、そしてその記事の写真にはルパンとコンパスを奪い合った、マリアの写真が写っていた。
次元
「あのマリアって穣ちゃんはたった二ヶ月で米国チャートの頂点に昇りつめた新進気鋭の歌姫って呼ばれていたんだが、そのQUEENS of MUSICで武装組織フィーネを名乗って全世界に宣戦布告しやがったんだ」
ルパン
「そういやそんなことがあったな、いやぁ~俺もすっかり忘れてたぜ」
次元
「だが分からねぇのは、何でそのフィーネと美食會、悪忍が組んだかだ」
五ェ門
「普通に考えれば拙者達が盗んだ燕の羅針盤を奪うため」
次元
「悪忍は美食會やフィーネに雇われたって考えられるが、分からないのは美食會だ、連中が狙うのは入手困難な食材とかだろ何で食えもしねぇコンパスなんか」
ルパン
「忘れたのか次元、このコンパスは望む物を指すんだぞ、そうすれば欲しい食材が取り放題だ」
次元
「そうだったとしても、何でそこにフィーネの連中が絡むかだ」
ルパン
「さぁな、ただ言えるのはあいつ等がコンパスを手に入れたらろくな事にならねぇだろうな」
ルパンはラーメンを食べ終えタバコを口に銜え火を付ける。
D
「そうか…なら、後ろにいる奴らからコンパスを守らないとな」
ルパン
「あぁ…」
???
「!?」
ルパン達は立ち上がると、銃を取り出し、五ェ門も斬鉄剣を抜き、その銃口を森の方に向ける。
ルパン
「出てきな、フィーネの穣ちゃん達」
マリア
「いつから気づいていたの?」
ルパン
「俺達が君の話をしていた時さ、俺達に気づかれないようにするにはまだまだ修行が足りないな」
マリア
「御託はいいわルパン、コンパスを渡して偽者ではなく本物をね」
ルパン
「偽者?」
マリア
「貴方が峰不二子に渡した偽の燕の羅針盤の事よ」
ルパン
「えっ!不二子が…」
次元
「けっ、あの女コンパスを美食會なんかに売ろうとしやがったのか」
D
「?…その美食會の面々もご到着のようだぞ、次元」
次元
「なに?」
Dが左側の林に指を指すと、そこからトミーロッドと2体のGTロボが暗闇から現われた。
五ェ門
「あの者は?」
D
「美食會副料理長トミーロッド、人殺しを楽しむクズ野郎だ」
ベイ
『何だとぉぉ!?てめぇ!コソ泥が副料理長の悪口を!!』
緑色のGTロボを操縦している美食會第6支部メンバーのベイはDがトミーロッドの悪口を言った事に怒る。
トミーロッド
「へぇ、ずいぶん生意気な口を利くんだね」
D
「事実を言ったまでだ」
ベイ
『コソ泥がデカイ口叩くんじゃねぇ!』
D
「ふっ、安全な場所でGTロボを操ってる奴にそんな事を言われるとは、鼻で笑ってしまうな」
ベイ
『何だとぉぉぉぉ!?』
Dの挑発にまんまと乗っかったベイはDたちに襲い掛かる。
D
「おっと」
Dはベイの拳を簡単にかわし、ルパンはマリアに次元は調に五ェ門は切歌に向かって行く。
トミーロッド
「ベイのバカが、あんな見え透いた挑発に乗るなんてね」
セドル
『それで、俺達はどうします副料理長?』
トミーロッド
「まっ、とりあえずお前とベイのあの長髪の男を殺っとけ」
セドル
『はっ、はい』
頭部に羽飾りのついた青色のGTロボを操縦している美食會第6支部支部長セドルはベイと戦っているDに向かって走り出していった。
トミーロッド
「まっ、殺っとけって言ったけど、あのクズ2人にあの男は殺れないだろうな」
トミーロッドは岩に腰掛け、セドルとベイの2人がやられると思っているような独り言を喋り。
トミーロッド
「あの男からは、学園であったあの男と同じ匂いがするからねぇぇ」
トミーロッドはそう言って、口の中で寄生昆虫をうごめかせる。
次元VS調
『鏖鋸・シュルシャガナ』
~♪
調
「首をかしげて指からするり落ちてく愛をみたの」
次元
「おっと!」
バァン!バァン!
次元は調のアームドギアから射出される小型鋸をかわしながらマグナムで正確に撃ち落ちす。
調
「こんな暗い場所で、正確に撃ち落すなんて……」
次元
「悪いな、目は比較的良いほうなんでね」
次元はそう言ってニヒルに笑う。
調
「…………」
次元
「しかしお前みたいな子供がテロリストとはな」
調
「…………」
次元
「だんまりか…まぁ、ペチャクチャ喋られても気が散るだけだしな」
(何とか急所をはずして足だけを狙えば)
次元は調を殺さず、足を撃ち動きを止めようと考えていた。
調
「私を殺さないで倒そうと考えているの?」
次元
「!?」
次元は調に自分が考えていた事が読まれた事に驚き、動揺する。
調
「泥棒に情けなんて掛けられたくない、貴方のやろうとしている事は唯の偽善」
次元
「そこまで言われるとはな」
(鋭い勘を持ってやがるぜ、あのガキ)
次元
「確かに子供とはいえテロリスト、しかも美食會と手を組む奴に手加減は無用かもな」
調
「!……誰が好き好んであんな奴らなんかと…」
次元
「?」
次元は調の言葉と表情を見て、何かに気づく。
調
「だからそんな…世界は…伐り刻んであげましょう~」
非常Σ式 禁月輪
次元
「なっ!?」
調のアームドギアが巨大な円状の刃を形成し、調はその刃の内側に乗り次元に向かって高速で突進してきた。
次元
「おわっ!」
次元は向かってくる調の刃を何とか避け、マグナムの弾を装填し、調に向ける。
調
(来る!)
α式 百輪廻
調は刃から降りて、次元に向けて小型鋸を射出する。
次元
「おっと」
次元は調の攻撃を読み、大量の鋸をかわすと調の上にある、木の枝にマグナムを放つ、枝に弾丸が直撃し、枝は下にいる調に向かって落ちていく。
調
「!」
ドォォォン!
調は枝が自分に落ちてくるのに気づき、その場所から離れ、枝はそのまま地面に落ちた。
次元
「頭に枝を落として気絶させようとしたんだが、そんな手に引っかかるような奴じゃないか」
調
「偽善と言われても、私を殺さないのね」
次元
「悪いが俺はお前みたいな子供を殺すほど、落ちぶれちゃいないんでな」
調
「偽善者」
次元
「偽善でけっこう!」
五ェ門VS切歌
五ェ門
「でやぁぁぁぁ!」
切歌
「でぇぇぇす!」
五ェ門の斬鉄剣と切歌のアームドギアの鎌が火花を散らしぶつかり合う。
五ェ門
「刃に迷いが見える」
切歌
「!?」
五ェ門の言葉に切歌は動揺し、動きを止める。
五ェ門
「お主は自分がやっている事に迷いがあるのではないか?」
切歌
「戦場で何を馬鹿な事を言っているですか!」
五ェ門
「ここが戦場なればこそ、お主は拙者に勝つ事は出来ない」
切歌
「なっ!?」
五ェ門
「迷いがある者の刃ほど、脆いものはないぞ」
切歌
「余計なお世話です!」
五ェ門
「……たあっ!」
切歌はアームドギアを五ェ門めがけて振りかざすが、五ェ門はアームドギアの刃を斬鉄剣で切断した。
切歌
「そっ、そんな、うそ」
五ェ門
「刃がそれでは、もはや戦う事は出来まい」
切歌
「まだまだ!でぇぇす!」
切歌は、肩のプロテクターからもう一つ鎌を取り出し、折れたアームドギアを投げ捨て、五ェ門に向かって行く。
五ェ門
「迷いながらも戦うか…ならば全力で掛かってくるがよい!」
切歌
(負けるわけにはいかないんです、私が私でいられなくなる前に…)
D VSベイ&セドル
セドル
『おらっ!』
D
「おっと」
ベイ
『よそ見してんじゃねえ!』
D
「んっ?」
セドル、ベイと対峙しているDはセドルのGTロボから発射されるレーザーをすれすれの所で回避するが、後ろからベイがDに不意打ちを食らわそうとする。
D
「おっと、危ない」
だが、Dはベイの攻撃もすれすれの所で避けた。
ベイ
『またか、運の良い奴だぜ』
セドル
『…………』
(運が良い?そんなのありえねぇ、幾らなんでも俺達2人の攻撃を何度もかわし続けるなんざ、まぐれや運で片付けられねぇ、それにあいつはわざとすれすれの所で攻撃をかわしてやがる…)
D
「そろそろ、私の攻撃と行くか」
セドル
『なにっ?』
シュン!
セドル
『なっ!?』
Dは目にも止まらぬ速さでセドルのGTロボの後ろに回り、左手でセドルのGTロボの中心部を突き破った。
セドル
『……馬鹿な』
D
「私を殺したければ、次は生身で挑んでくるんだな」
Dは左手から血を垂らし、後ろにいるベイのGTロボに視線を向ける。
D
「次はお前だ、単細胞」
ベイ
『誰が単細胞だ!……へっ、何だお前、怪我してんじゃねえか、手負いで俺に勝てると思ってんのか?』
D
「そうだな…お前ぐらいなら片手で十分だ、後ろにいる男は別かもしれんが」
ベイ
『くっそぉぉぉ!何度も何度も馬鹿にしやがって!お前のその顔の皮全部削ぎ落としてやるぜ!ピーラーショット!』
Dは後ろで戦いを見ているトミーロッドを指すと、ベイはさらに怒り狂い、Dに向けてGTロボの体毛を高速で飛ばす。
だが、
D
「毛なんか飛ばしてくるんじゃない」
ベイ
『なっ!?』
Dは右手を振り上げると、ベイのGTロボから発射された体毛を右手で振り払ってしまった。
ベイ
『ばっ、馬鹿な…ありえねぇ、アラミド繊維で出来た…しかも、高速で飛ばした体毛だぞ!』
D
「驚いたな、毛を飛ばしたぐらいで私を倒せると思っていたのか?」
ベイ
『しっ、死ねぇ!化け物ぉぉぉ!』
ベイは狂ったようにレーザーをDに向けて連射する。
D
「化け物みたいなロボを操縦してる奴に化け物呼ばわりされるとは…」
Dはレーザーを華麗にかわしながら、ベイのGTロボに近づいていき、
ベイ
『ひっ!』
D
「安全な場所でしか啖呵を切れない奴が、さっさと消えろ!」
ベイ
『がっ!』
Dは右手を握り締め、ベイのGTロボの頭部を拳で殴り潰した。
D
「お前は一生三下止まりだ、クソ野郎」
トミーロッド
「はっはははは!やるじゃん、お前」
D
「貴様なんぞに褒められてもうれしくはないな、トミーロッド」
トミーロッド
「また面白い勝負が出来そうだ…んまぁぁぁぁぁ!」
トミーロッドは口から無数の寄生昆虫を生み、Dに襲わせる。
D
「はあっ!」
シュン!
だが、Dは寄生昆虫の大群を手刀の風圧で全て切り裂いた。
トミーロッド
「やるぅ…」
トミーロッドは寄生昆虫を簡単に倒したDを見て、トリコやラギの様な強者と戦えることに喜びを感じていた。
ルパンVSマリア
マリア
「たあぁぁぁ!」
ルパン
「あらよっと」
マリアはアームドギアの槍をルパンに向けて振りかざす、それをルパンはコミカルな動きでかわしていく、それが何度も繰り返されていた。
マリア
「さっきから避けてばかり…戦う気があるの?」
ルパン
「いやぁ~君みたいなかわい子ちゃんとやりあうのはどうも気が引けてさ」
マリア
「なっ!?ふざけるな!」
ルパン
「………」
ルパンの言葉に動揺したマリアはアームドギアをルパンに向けて突き刺そうとする、ルパンは避けるかと思ったが、さきほどとは違い、ルパンはそこから一歩も動こうとしなかった。
マリア
「!」
マリアはルパンに槍が突き刺さる一歩手前でアームドギアを止めた。
マリア
「なぜ避けようとしなかったの?」
ルパン
「簡単だ、君は俺を殺さない」
マリア
「何ですって?」
ルパン
「自分で気が付かない内に攻撃にブレーキをかけてるんだ、だから俺も君の攻撃をかわせた」
マリア
「…………」
ルパン
「君みたいな優しい子が、なんでテロリストなんかやってるんだ?しかも美食會や悪忍なんかと手を組んで」
マリア
「…………」
ルパン
「目的は何だ?コンパスを使って何を探そうとしている?」
マリア
「そんなの…泥棒の貴方には関係ない」
マリアは震える手でルパンにアームドギアを向ける。
その頃 トミーロッドと対峙しているDは、
トミーロッド
「ひゃあっ!」
D
「はっ!」
トミーロッド
「おおっと」
トミーロッドの攻撃を右手で押さえながら右足を蹴り上げるが、トミーロッドは背中の羽を広げ上空に飛び上がり、Dの攻撃を避けた。
トミーロッド
「昨日の今日でこんな奴と戦えるなんてねラッキーかも…んっ?」
楽しそうに笑みを浮かべるトミーロッドの目に崖の上で対峙する、ルパンとマリアが映った。
トミーロッド
「さっさとあんな泥棒殺しちゃえば良いのに何やってんだか……あっ、そうだ」
トミーロッドは何か思いついたのか、口を広げた。
トミーロッド
「かあぁぁぁぁぁぁぁ」
そしてトミーロッドは口から巨大なダンゴムシの昆虫を産み落とした。
シャアアアアア!
ジャイアンゴロムシ 昆虫獣類 捕獲レベル 60
トミーロッド
「特別に僕が手を貸してやるよ」
ルパン
「何だ!何だ!?」
マリア
「あれは!」
次元
「何だ、あのバカでけぇダンゴムシは!?」
調
「あの虫…美食會のアイツが」
五ェ門
「なんと禍々しい」
切歌
「あいつ、一体何のつもりです?」
次元達も遠目でトミーロッドを産んだジャイアンゴロムシに気づく。
D
「そのダンゴムシのお化けで俺を倒すつもりか?」
トミーロッド
「んっ?いいや、お前は俺の獲物だからな…こいつは」
パチン
トミーロッドはそう言って、指を鳴らすと、ジャイアンゴロムシは体を丸くしてルパンとマリアがいる崖に向かって猛スピードで転がって行った。
D
「いかん!」
トミーロッド
「おおっと、行かせないよ」
D
「!貴様…」
Dはジャイアンゴロムシに向かおうと走り出すが、その前にトミーロッドが立ちはだかる。
ルパン
「ちょっと!あのダンゴムシの化け物こっちに向かって来たぞ!」
マリア
「トミーロッド…まさか私ごと…」
(あのスピードじゃ攻撃も間に合わない…それに逃げる事も……ここで私は死ぬの……セレナ!)
がっ!
マリア
「えっ?」
誰かに肩を掴まれマリアは後ろを振り向くと、ルパンがマリアの両肩を掴んでいた。
ルパン
「ちょっと痛いかもしれねえが、我慢してくれよ」
マリア
「貴方、何を?」
ルパン
「おらっ!」
マリア
「きゃっ!」
ルパンはマリアを抱きしめ、崖の下の海に向かって走り出し、そのまま崖を飛び降りた。
ドガアアアンン!
そして、ジャイアンゴロムシも海の中に落ち、巨大な爆音と聞き間違う程の水しぶきが上がった。
D
「貴様……本物のクズだな」
トミーロッド
「はっ、褒め言葉として受け取っておくよ」
D
「悪いがこれ以上、貴様と戦ってはいられん」
トミーロッド
「はっ?」
D
「さらばだ!」
カアッ!
トミーロッド
「がっ!」
Dはポケットから閃光弾を取り出し、それを地面に叩きつけた、そして辺りに強い光が放たれトミーロッドを強い光で目を閉じてしまった。その隙にDはその場から去っていった。
トミーロッド
「……ちっ、逃がしたか」
目を開けたトミーロッドはDがいない事に気づき、舌打ちを打つ。
切歌
「あれは一体何の真似です!」
トミーロッド
「んっ?」
そこに、切歌と調の2人が現われトミーロッドを睨みつける。
トミーロッド
「何の真似って、何が?」
調
「とぼけないで!貴方はマリアがいる事を知っていたのに虫に攻撃の指示をだした」
トミーロッド
「ああっ、あれはあの子が簡単に避けると思ってやったんだけど、無理だったみたいだね、残念」
切歌
「お前!」
トミーロッド
「そんな事より、早く探してあげたら?運が避ければ海に浮かんでるかもよ」
切歌
「このっ!」
調
「切ちゃん!」
トミーロッドに殴りかかろうとした切歌を調が止める。
切歌
「調、何で止めるです?」
調
「こんな奴を相手にしてもしょうがないよ、それよりマリアを」
切歌
「……分かったです」
切歌と調の2人はそのままマリアが落ちた海に向かって走り出す。
トミーロッド
「あいつを逃がしたのは痛かったけど、まぁご馳走は最後まで取っておいた方がうまいからね…ふふふふっ、はははははははっ!」
夜の空にトミーロッドの不気味な笑いが響き渡る。