読者の皆様、本当にありがとうございます。
今回の話なんですが、原作と微妙に変えています。本当に微妙に。あと、これは一応創作小説であり、オリジナル主人公というイレギュラーがいるため、飛ばしたり変えたりしている部分も多々あり、読者様によっては不愉快に感じる点もあると思います。先に言っておきます。
「これ一気に登ってるんですか!?」
「もちろん!」
スクールアイドル部に体験入部をしたルビィと花丸ちゃんは、淡島神社の階段の前に来ていた。
「でもいつも途中で休憩しちゃうんだよねー」
「えへへ....」
ここに来るまでに、屋上でダンスの練習をした。ルビィは勿論のこと、花丸ちゃんも楽しそうに踊っていて、本当に体験入部をして良かったと思う。
「でもライブで何曲も踊るには、頂上まで駆け上がるスタミナが必要だし!」
階段ダッシュ。あの伝説のμ’sも行っていたと言われている練習。
「よーし!じゃあ、μ's目指して!よーい、ど~ん!」
千歌先輩の快活な声とともにルビィと花丸ちゃんは、先輩達の後に続いて走り出した。ルビィは先輩達ほど体力が無いけど、頑張ってついていかないと!
「はぁ....はぁ....」
一段一段、転ばないように、且つ先輩達についていける速度で階段を上っていく。
「はぁ....はぁ....!」
しかし、横を見ると内浦の綺麗な海が一望できる位の高さまで登った頃、先輩達とルビィとの距離は遠くなっていた。特に曜先輩は他の二人の先輩より上にいて、これ以上ルビィがペースを遅くすると多分見えなくなってしまうだろう。
疲労で脚が上がりにくくなっているルビィは、自分にあと少しだけ頑張れ、と言い聞かせ、走る速度を上げようとした。
それと同時に、ふと横を見ると、さっきまで一緒に走っていたはずの花丸ちゃんが居なくなっていた。
「はぁ....はぁ....」
花丸ちゃんはルビィのずっと後ろを走っていた。
「花丸ちゃん……」
ルビィは花丸ちゃんを待つ為に走るのをやめた。花丸ちゃんは膝に手をつき、辛そうにしている。
「どうしたの?」
すると、ルビィが立ち止まっていることに気づいた先輩達が上から声をかけてきた。
「ちょっと息が切れちゃって。先行っててくださ〜い!」
「無理しないでね!体験入部なんだから!」
「はい!」
ルビィがそう言うと、先輩達は階段ダッシュを再開し出した為、ルビィは花丸ちゃんを励ますために下に向かった。
花丸ちゃん大丈夫かなぁ....
~~~
星空凛さん。昨日本屋で買った雑誌に載っていた、スクールアイドルグループ『μ's』の一人。
「はぁ......はぁ....やっぱり、マルには....」
綺麗なウエディングドレスを着ているその姿は、とっても輝いていた。
「花丸ちゃん!」
マルはそんな凛さんの姿を見て、ほんの少しだけ―――
「はぁ......ルビィちゃん?」
―――マルでもこんな風に輝けるかも
って思ってしまった。だからマルは、ルビィちゃんにAqoursに入って欲しいっていう考えもあって、一緒にスクールアイドル部に体験入部をした。
だけど.......マルには出来なかった。運動が苦手なマルは、皆についていけない....
「大丈夫?」
息を切らして止まってるマルの下に、ルビィちゃんが駆け寄って来た。
なんで.......
「一緒に行こう!」
なんでルビィちゃんはそんな所で立ち止まってるの?
「ダメだよ....」
「え?」
ルビィちゃんは........
「ルビィちゃんは....走らなきゃ....」
「花丸ちゃん?」
「ルビィちゃんは、もっと自分の気持ち、大切にしなきゃ」
ルビィちゃんはマルの言葉の意味が分からなかったのか、不思議そうな顔をしていた。
「自分に嘘をついて、無理に人に合わせても....辛いだけだよ!」
そう言うと、ルビィちゃんは気不味そうに顔を背けた。
「別に....合わせてるわけじゃ....」
「ルビィちゃんは、憧れだった....スクールアイドルになりたいんでしょ?」
「う、うん....」
「だったら、前に進まなきゃ!」
ルビィちゃんは困惑していた。
「さぁ!行って!」
マルはそんなルビィちゃんの背中を押す。
「えっ、でも....!」
「さぁ!」
何度でも。
「.......うんっ!」
マルの思いが伝わったのか、ルビィちゃんは凛々しい顔つきに変わり、笑顔でうなずいてから、再び階段を上り始めた。
「やっぱり......ダメだ......」
「え?」
しかし、ルビィちゃんはすぐに歩みを止め、マルの方を振り返った。
「花丸ちゃん!絶対来てね!!」
「!?」
「ゆっくりでいいから!ルビィ....花丸ちゃんとスクールアイドルになれるの、待ってるから!!」
「ルビィちゃん....」
ルビィちゃんはそう言うと、今度はマルの方を振り向くことなく階段を上り始め、やがてその後ろ姿は、マルの視界から消えた。
~~~
俺は高海先輩から連絡を受け、淡島神社の階段の前にいた。どうやらあの二人はスクールアイドル部に体験入部をしたらしい。
「それにしても、よくこんな所を走ろうと思うな......」
この神社、階段の数がマジキチなんだよなぁ。こんな所を運動が得意じゃない二人に走らせるとか鬼か?
「今からこれを上ると思うとなぁ....」
スクールアイドルってそんなに強靭な足腰を必要とするの?もっと別の所走ればいいのに。
「てか、二人とも大丈夫かなぁ......」
そう言えば、『あの二人の事で進展があったら教えるね!』ってことでオレンジ色の髪の人、高海先輩とラインを交換した。そんなこんなで先程、『花丸ちゃんとルビィちゃんが体験入部に来たよ!今淡島神社で練習中!』っていうメッセージが送られて来た訳だけど、あの人無防備すぎん?普通出会って数分の男に連絡先教えるか?
「俺あの人の........あの幼い顔とは正反対に大きなものを見て......なんていうか、その....下品なんですが....フフ....ぼっ―――」
と、独り言をしていると、見覚えのある人が階段を下ってきた。
「国木田さん!」
国木田さんは俺に気づいたようで、少し驚いているようだった。
「天城くん?どうしてこんな所に?」
国木田さんはそう、俺に尋ねてきた。
「高海先輩から、二人が体験入部したって聞いて。あと、ここで練習してるとも聞いたから見に来たんだ。国木田さんこそ、こんな所でなにやってるの?練習は?」
俺がそう尋ね返すと、国木田さんは笑みを浮かべて言う。
「マル、ちょっと具合が悪いから帰ろうかなって....」
「そっか。なら俺が送って行くよ?」
「え?い、いや、いいよ....」
俺がそう言うと、国木田さんは困ったような顔をしていた。
「ふーん。まあ、無理強いはしないけどさ」
すると、国木田さんは、「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくずら」と言って、俺の横を通りすぎようとした。
「最後に一つだけ」
そんな国木田さんを、俺は呼び止める。
「どうしたの?」
「ちょっと聞きたいんだけど」
不思議そうな顔をしている国木田さんに、俺は切り出す。
「国木田さん........スクールアイドルやらないの?」
「........え?」
国木田さんは、俺の言った事が想定外だったようで、
「体験入部したらしいけど、どうなの?」
「えっと....」
気不味そうに俺から目をそらした。
「マルには、こういうのは合わないかなって....」
「あはは....」と笑いながら、国木田さんはそう答える。
「なんで?俺は全然そんなことないと思ってるけど」
俺がそう言うと、何故か国木田さんは俯いてしまい、普段より小さな声で話し出した。
「マルは........運動が苦手で....地味で.......」
「........」
たまに思うけど...
「だから....向いてないんだよ....」
国木田さんはどうしてこんなに自己評価が低いんだろう?
「あのさ.......」
俺から見た国木田さんは....
「俺はね!」
優しくて、とっても素敵な子なのに。
「?」
突然大きな声を出した俺を、国木田さんは不思議そうな目で見つめてくる。
........今言うしかないかな
「国木田さんのこと........その........」
恥ずかしいけど!!
「凄く.........綺麗だと思ってるから!!」
言ってしまった....
「........え?」
国木田さんは俺の言った事がすぐに理解出来なかったのか....
「えぇ~!!」
数秒後に顔を赤く染め、大きな戸惑いの声を上げた。
「マ、マルが綺麗だなんて.......そ、そんなこと........」
国木田さんは赤く染まっている顔を両手で隠してそう言った。
彼女いない歴=年齢の童○の俺にはレベルが高すぎたよ......
「そんなことある!」
「!?」
まさか大声で肯定されるとは思っていなかったのか、国木田さんは更に困惑したようだった。
もうここまで言っちまったんだ!思ってること全部言って、満足するしかねぇ!!
「国木田さんは確かに身長低いけど、スタイル良いし!」
「なっ!?」
「声綺麗だし!」
「な、何いって―――」
国木田さんが何か言おうとしてるが、それでも構わず俺は叫び続ける。
「笑顔が綺麗だし!スクールアイドルになったら絶対人気出る!」
「~~~っ!!」
国木田さんは更に顔を赤くする。
「俺は........」
そして俺は、自分の思いを全てぶつけるように言った。
「国木田さんに輝いて欲しい!!」
「!」
国木田さんはその言葉に思うところがあったのか、目を見開き、なにかを考えているようだった。
「マ、マルはっ........!」
「国木田さん、俺はね!」
すると、国木田さんは急に走り出した。
「え!?ちょっ!国木田さん!」
逃げるように走り出した国木田さんに聞こえるように、俺は最後に伝えたかった事を叫ぶ。
「俺も黒澤さんも、国木田さんが入るの待ってるからっ!!」
国木田さんは返事もせずに俺から離れていき、やがて姿が見えなくなった。
あぁ........やっちまった....
これ絶対次に会うとき気不味いよ....
そう思いつつ、国木田さんを説得出来なかった自分の無能を呪った。
~~~
現在ルビィは、スクールアイドル部の部室にいる。あれからルビィは、花丸ちゃんに背中を押してもらってなんとか階段を上りきることが出来た。
「よろしくお願いします!」
ルビィは正式な入部届けに記入し、千歌さんに渡す。千歌さんはとても満足そうな顔をしていた。
「よろしくね!」
千歌さんが元気な声で言う。
「はい!がんばります!」
お姉ちゃんにも許可を貰えたから、これから頑張って先輩達に追いつかないと!
「そういえば、国木田さんは?」
「........」
結局、花丸ちゃんは頂上まで上ってこなかった。
昨日花丸ちゃんは、屋上で楽しそうダンスを踊っていた。素敵な笑顔を浮かべながら。
確かに階段ダッシュでは、とても辛そうにしていた。あのスタミナではスクールアイドルとして活動していくのは厳しいと思う。
「花丸ちゃん........」
でも、厳しいからって、そんな理由で諦めるのって...........そんなの勿体なさ過ぎる!花丸ちゃんは絶対スクールアイドルが好きだから!!
だから........
「ルビィは....」
~~~
マルと一緒に図書室で過ごしてくれたその子は、とても優しくて、とても思いやりがあって......でも、気にし過ぎな子。
素晴らしい夢も、キラキラした憧れも、全部胸に閉じ込めてしまう子。
だからマルは、その胸の扉を思い切り開いてあげたいと、ずっと思っていた。
胸の中に詰まっているいっぱの光を........
世界の隅々まで照らせるようなその輝きを....この大空に、放ってあげたかった!
それが、マルの夢だった。
だから、これでマルの話はおしまい。
もう、夢は叶ったから。
マルは本の世界に戻るの。
「大丈夫、一人でも........」
『俺......国木田さんのこと........凄く綺麗だと思ってるから!!』
「ふふっ」
なんか、胸がポカポカするな........少しだけ....心地いいずら....
「ばいばい....」
『ラブライブ!五周年記念号』
マルは読んでいた雑誌を閉じようとする。
その瞬間
「花丸ちゃんっ!!」
大きな音を立てて図書室の扉が開き―――
「え?ルビィ.......ちゃん?」
ルビィちゃんがそこに立っていた。
「あのね!ルビィ!ルビィね!!」
~~~
「一件落着っと」
今日の空は雲一つない快晴。大陽の光りが海に反射して眩しい。
あれから二人は....国木田さんとルビィちゃんは、無事スクールアイドル部に入部したらしい。さっき高海先輩から連絡がきた。
「まぁ、でもこれでまた....」
一人だなぁ.......一応今は、中二とかクラスメイト(俺のケツを狙ってくる)がいるから、正確には一人じゃないんだけれども。
............ろくなやつがいねぇ
「でも、楽しみだなぁ」
あの二人が可愛い衣装を着て歌って踊ってる所なんて見たら、お父さん嬉しくて泣いちゃう!!サイリウムを片手に四本ずつ、計八本持って応援しに行くぞ!タコ八刀流とか言ってな!
「いつか差し入れでも持ってくか」
差し入れにはやっぱりポカリとカロリーメイトかねー。アクエリは認めん。あいつは敵だ。
「おっ、そういえば....」
今日はご○うさの一番くじの発売日じゃん。そうだわ、昨日の夜ネットで知って、チノちゃんを当てなきゃっていう使命感に駆られてたのに忘れていたわ。よしっ!そうと決まればうさぎ飛びで沼津まで行きますかね!あっ!今のはうさぎ飛びとごち○さを(ry
「いや、うさぎ飛びで沼津まで行くとか、もしSNSにでも上げられたら炎上間違いなしだぞ。こう、松岡○造に激励された男、的なタイトルで」
世の中熱血なだけじゃ上手くいきませんよー、SNSは熱くなると大変な事になりたすからねー、的なことを考えながら、沼津に行くためにチャリに乗ろうした、との時、背後から俺を呼ぶ声がした。
「 「 天城君!! 」 」
えっ.......どうして?今頃練習中なはずじゃ....
「........国木田さん、黒澤さんどうしたの?」
想定外のことに少し取り乱していた俺だか、平静を装いながら二人の方を向いた。
「まさかっ....!今日は俺とデートでも―――」
「あのねっ!ルビィたち、Aqoursに入れたよ!」
ルビィちゃんは俺の言葉を遮り、大きな声でそういった。
「へぇ!そうなんだ!良かったね!」
俺は知らないふりをし、更にオーバーリアクションをとる。
「天城君、千歌さんたちから全部聞いたよ」
「!」
なんだ....言っちゃったのか....
「........そっか、聞いたんだ....」
「だから、お礼を言いたくて....!」
ルビィさんが俺にそう言ってくる。
「いいよ、お礼をなんて。俺はなんにもしてない。全部高海先輩達がやってくれたからさ」
「そんなこと―――」
ルビィちゃんが俺の言葉に思うところがあったのか、何か言おうとしたが、それを遮った人物がいた。
「そんなことない!!」
珍しく声を荒らげた国木田さんに、俺は目を見開いた。
「マルが......」
国木田さんは真っ直ぐな瞳で俺に訴えかけて来ると、
「マルが自分に少しだけ自信が持てるようになったのは....天城君のおかげだよ?」
「ちょっ、国木田さん!?」
更に俺の左手を握ってきた。
「天城君がいたから....マルはスクールアイドルになれたんだよ?」
俺は国木田さんに手を握られ、その衝撃と緊張で何も考えることが出来なかった。すると....
「ルビィも....」
「黒澤さんまでっ!?」
ルビィちゃんも俺の右手を握ってきた。緊張しているのか、手が少し震えている。かくいう俺の手も、緊張のせいか過去に無いほど手あせをかいていた。
「ルビィも....天城君がいてくれたから、男の人と話せるようになれたし、初めての人でも少しだけ人見知りもしなくなったんだよ」
「そうずら。普段は言わないけど、マルは感謝してるんだよ?」
「ルビィも!」
「二人とも....」
ルビィちゃん......昔は俺とろくに話すことも出来なかったのに、成長したんだなぁ。
「だから天城君........」
国木田さんとルビィちゃんは目を合わせて笑い合い、そして―――
「 「ありがとう!」 」
二人の花のような笑顔が俺に向けられた。
「国木田さん......黒澤さん.......」
―――綺麗だ。
俺が二人の笑顔に見とれていると、国木田さんは不満そうな顔をした。
「その国木田さんっていうのやめるずら」
「え?」
俺は国木田さんの言った事が理解出来なかった。
「友達なんだから........下の名前で呼んで欲しいずら」
国木田さんはそっぽを向いてそう言った。
「花丸ちゃん.......顔赤くなってるよ?」
「ずら!?ルビィちゃん!嘘ついたらダメずら!」
「ふふっ、花丸ちゃん、ルビィは嘘なんてついてないよ」
ルビィちゃんと国木田さんが何か話しているが、さっきの言葉の衝撃が強すぎて頭に入ってこない。
「あのね、天城君........ルビィも......名前で読んで欲しいなぁって....」
黒澤さんは頬を赤くしながらそう言った。
「えっ?....え?」
下の名前で呼ぶ......え?マ?
「早く呼ぶずら........未来君」
戸惑っている俺を国木田さんは急かしてきた。
「国木田さん........」
「未来君も赤くなってるよ?顔」
「うそ!?」
俺をいじって楽しいのか、国木田さんと黒澤さんはニヤニヤしていた。
これは......覚悟を決めるしか....ないのか?
「えーっと....」
俺には、二人にどんな意図があってそう呼ばせようとしたのかは分からなかった。
「その......」
なぜなら俺は....
「花丸........ルビィ........」
何も考えられないほどに....
「ふふっ!」
「えへへっ!」
二人の笑顔を愛おしく感じてしまっていたからだ
キャラ崩壊はしていないはず。
もし矛盾点、不可解な点、キャラ崩壊があれば筆者に報告ください。
みなさん、Aqoursで誰推しですか?
-
高海千歌
-
渡辺曜
-
桜内梨子
-
黒澤ルビィ
-
国木田花丸
-
津島善子
-
小原鞠莉
-
松浦果南
-
黒澤ダイヤ