図書室の天使さん   作:史上最強のラーメン

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最近沼津に聖地巡礼しました。そしてヌーマーヅで「Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~」買いました!やっぱラブライブサンシャインはいいなぁ

今回の話の途中、主人公マジで頭おかしいです。





天使とアイスと母性。そして夏の始まり

 

 

 7月上旬のある平日、学校の図書室にてテスト勉強を終えた俺は今日の晩御飯を買うためコンビニに向かって自転車を走らせていると、バス停にて馴染み深い堕天使を発見した。

 

 

「おぉ、善子じゃん」

 

「ヨハネ。奇遇ね。こんな時間に会うなんて」

 

「だな。今日も練習か?」

 

「えぇ、そうよ」

 

 

 

ーーーーーーバス停に併設されている硬いベンチでウトウトしちゃうくらい疲れてるのか...

 

 

 

 狩野川花火大会でのライブが決まってからといもの、Aqoursは普段より一層練習に熱が入っているようだった。その事実に自然と頬が緩む。練習凄く頑張ってるんだなって。

 

 

「練習お疲れ様」

 

「ありがとっ」

 

 

 労いの言葉を贈ると、善子は手でピースをしてニカッと笑みを浮かべた。

 

 

「あんたも今帰り?」

 

「そうだね。コンビニ寄ってから帰ろう思ってるんだが、時間あるなら一緒に来るか?」

 

「行く!」

 

 

 先程まで眠そうにしていた善子だったが、俺のコンビニに誘うと、疲れを感じさせない元気な声でベンチから立ち上がり、俺のそばに寄ってきた。自転車を手で押し、善子と話しながら歩を進める。

 

数分後、目的地であるコンビニに到着した。

 

 

「あー、ヨハネ、練習で頑張ったせいでヘトヘトだわ〜」

 

「そうか。頑張ってるなぁ」

 

「それに頭も疲労で全然回らないし、足もガクガクしてて辛いわ〜」

 

「それはそれは...お疲れ様です」

 

「というわけで、アイス奢って?」

 

「だーめ」

 

「え〜、いいでしょ〜?」

 

「太っちゃうぞー」

 

「その分動いてるから大丈夫なの!ね?だからおねがい!」

 

「しょうがないなぁ、いいよ」

 

「さっすがリトルデーモン!太っ腹ぁ!」

 

「リトルデーモンちゃうわ」

 

 

 あー、なんか俺善子に甘くなってね?いやいや、善子に甘いんじゃない。頑張っている人に甘いんだ。頑張っている人は好きだ。だって眼が活き活きと輝いているから。

 

 俺は晩御飯を適当に選んだあと、善子と一緒にアイスコーナーへ向かう。そういえば、ちょっと前にここでルビィちゃんとパ○コを半分にして食べたなぁ。そしてその時に、いつか一緒に三島にあるケーキ屋に行こうって約束をしていたな。今思い出した。くわぁぁぁ!なんで忘れてた!めっちゃ楽しみなんだが!今度ルビィちゃんに連絡してみよう。

 

 

「おいこらぁ!ナチュラルにハ○ゲンダッツをカゴに入れるんじゃない!」

 

 

 その後、アイス諸々を購入した俺は、善子と共に店内のイートンインスペースに腰をかけ、アイスに舌鼓を打ちながら最近の出来事あった出来事で盛り上がる。

 

 

「大変だな、祭りも近くなってきたし練習もハードになってるだろ?」

 

「そうね。祭りのこともあるけど、果南さんが入ってからダンスのレッスンも凄く本格的になったわ」

 

「果南さん...あぁ、新しく入ったっていう三年の」

 

「そうよ、三年の松浦果南さん。ん〜、それにしても甘いものが脳に効く...」

 

 

 俺の横に座り、善子は幸せそうにアイスを口に運んでいる。練習後のアイスが相当美味なのか、食べるペースが早い。急に頭を押さえた。うんうん、あるあるだね。

 

 

「そりゃ良かった。ちなみに松浦先輩ってどんな人?」

 

 

 小原先輩とダイヤさんとは面識があるが、松浦先輩とは一切ない。今度の狩野川花火大会に当然松浦先輩も来るだろうし、出来れば事前にどんな人物か知っておきたい。

 

 

「普通に良い人よ。性格もおおらかで流石3年生って感じ」

 

「ほぅほぅ。他には?」

 

「他?そうね...ダンスが上手くて、体力も私達の中で一番あって、あとスタイルも良いわね」

 

「それは素晴らしいな」

 

 

 スタイルが良くて性格も大人のお姉さんみたいな感じの人ね。ナルホドナルホド。実にそそりますねぇ!

 今までのAqoursにはいなかったタイプの人材だな。善子たち1年トリオはやはり2年生の先輩方と比べると幼く感じるし、その2年生の先輩方も大人のお姉さんって感じではない。高海先輩はエッッッだがお姉さん属性とは程遠いし、渡辺先輩もそこまで大人びている感じはしない。桜内先輩は一見大人びているがピアノのヤバい人だしな。

 最後に小原先輩は超エッッッだが俺の天敵だし、ダイヤさんはルビィちゃんのお姉様であり俺の将来のお義姉様(妄想するだけなら自由なんやで)になるひとだからそんな不埒な考えをするのは許されない。

 これは松浦先輩にスタイル抜群エロい大人のお姉さん枠として期待せざるを得ませんなぁ!

 

「...ふんっ、鼻の下伸びてるわよ」

 

「マジか!?」

 

 

 俺は慌てて手で鼻を抑える。危ない危ない。近くに善子しか居なくてよかった。もし他に誰かいたら、ポリスを召喚されてたかもしれん。

 

 

「そういや、浦の星ってテストいつなの?」

 

 

 テストは全高校生共通。浦の星も我が校と同じようにテスト期間が近いだろう。

 

 

「来週の月曜から。練習で疲れて全然勉強出来てないわ」

 

 

 テストの話になって途端、明らかに善子の顔が歪んだ。これはもしや...

 

 

「ヤバい感じ?」

 

 

 練習もかなりハードな様子なので、もしかするとテスト勉強が順調に進んでない可能性があるのでは、という思考に俺は至る。

 

 

「正直ヤバいわね」

 

 

 善子は目線を逸らし、気不味そうな表情を浮かべていた。

 どうやら俺の予想は的中したようだ。考えてみれば当然だ。善子は家が遠い。毎日体力の限界まで練習した後バスに揺られながら帰宅し、休憩した後に勉強する。流石にキツいだろう。善子は体力がある方ではないし、それにそもそも机に向かう時間を確保するのも大変なはずだ。このままでは赤点補習の様な下らない催しにより善子たちの練習時間が無駄に削られてしまう恐れがある。それはAqours1年生トリオのファン1号である俺的に許容できない。

 

 

よしっ!

 

 

「良かったら手伝うぜ?勉強」

 

 

 ここは、性格は残念だけど頭は良いで定評のある俺が一肌脱いじゃいますかねっ!

 

 

「いいの?」

 

「もち。俺も次のライブ絶対成功して欲しいって思ってるし、テストなんかサッサと片付けないとな。協力させてくれ」

 

 

俺は、胸の前で親指を立てながらそう申し出る。

 

「本当に助かるわ。ありがとう」

 

「良いんだよ。だから練習頑張ってな」

 

「えぇ、もちろんよ!最高のライブを見せてあげるわ!期待して待ってなさい!」

 

 

すると善子は胸を張って、得意げな顔でそう言うのだった。

 最近の善子はいつも頑張っていて、それでいて毎日楽しそうにしている。そんな姿を間近で見ているから、ちょっとだけ甘やかしたくなってしまうのだ。チョロいな俺は。

 

 

「とはいえ、空いてる時間あるの?本番前だしめっちゃ気合い入れて練習してそうだが」

 

「あるわよ。オーバーワークを避けるっていう意味で、次の土曜日の練習が午前で終わるみたいだから、土曜日の午後からとかどうかしら?」

 

 

 本番前のため勉強に確保できる時間も無いと思っていたが、練習をしっかりと行いつつもしっかりと休みも入れているらしい。確かに練習の詰め込み過ぎは思わぬ怪我にもつながるし、適度に休むのは良い判断と言えるだろう。どうやら、3年生の先輩方が入ったことでリスクマネジメントがより強化されたようだ。

 

「おっけー、土曜日な。あ、花丸とルビィもヤバそうだったら声掛けといてくれ」

 

「ギランッ。承知した」

 

 

 その後、アイスを食べ終わった俺たちはコンビニを退店しそれぞれ帰路に着いた。

 

 テストもすぐそこに迫っており真面目に勉強しなければいけないとはいえ、善子やルビィちゃんたちと集まって勉強する日を俺は、今からとても楽しみに思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 時は進み今日は勉強会当日、土曜日である。俺は集合時間の時間の15分前に待ち合わせ場所に到着した。その10分後、練習終わりの花丸と善子が到着したので移動をはじめる。

 

「ルビィちゃんはどうしても外せない用事があるんだって」

 

「そっか〜。それは残念...」

 

 

 くっ、ルビィちゃんがいないとは...!近づく身体。ふと触れ合う手。育む愛。折角の機会だからルビィちゃんに手取り足取りマンツーマンで勉強を教えたかったなぁ!!それにルビィちゃんがいないとか、俺は今まで何のために真面目に勉強を頑張ってきたんだ...ピュアピュアなルビィちゃんに教えようと受験に必要の無い保健体育まで完璧に仕上げたっていうのにっ...!

「未来君、この問題なんだけどね...」ルビィちゃんに呼ばれた俺は、ルビィちゃんの隣に座る。「どれどれ?えっとね、これはこうしてこうで...」ふと、視線を横に向けると偶然ルビィちゃんと目が合った。ルビィちゃんの瞳、とっても綺麗だ......すると、異変に気がつく。なんとルビィちゃんの頬が徐々に赤みを帯びていくではないか。ルビィちゃんは恥ずかしそうに目を逸らす。なんだこれがわびぃぃぃぃぃ!!問題の説明も忘れて、俺は内心そう感じていた。心を落ち着かせるためにテーブルに置いてあるお菓子に手を伸ばすと、何かスベスベとした柔らかい物体と接触した。これは...「あっ、ご、ごめん!」「う、ううん!ルビィもごめんねっ!」なんと俺は、ルビィちゃんの小さな可愛らしい手に触ってしまったらしい。驚きと自身の手に残ったルビィちゃんの感触に胸の鼓動が止まらない。落ち着け、餅つけ俺......そして、冷静になりつつある俺の脳裏に愚かな考えが浮かぶ。ルビィちゃんも、俺と同じようにドキドキしているのだろうか?そんな僅かな淡い期待を持ちながら、俺は隣のルビィちゃんにチラリと視線を送った。あ......その瞬間、俺の心は...「うゆゅ...早く消毒しなくっちゃ」...俺の心は、ポッキリと折れてしまったのでした。

 

 

フォウ!ルビィちゃんは最高だぜ!!!

 

 

「それで、どこで勉強するの?」

 

 

 しかし、本日勉強会を行う場所は未だ決定していなかったため、結局移動することなく話し合いがはじまる。

 

「無難に松月とか?」

 

「喫茶店はあんま長居すると迷惑になっちゃうよな〜」

 

「じゃあ図書館にするずら!」

 

 

 花丸が目を輝かせながら勢いよく手を挙げてそう主張する。可愛い。可愛いが...

 

 

「遠いから却下よ」

 

「ずらぁ!?」

 

「それに図書館って喋りづらいしな」

 

 

 図書館は、ここから徒歩でもバスでも1時間以上かかる場所に位置している。基本的に花丸の言う事にはイエスマンな俺だが、流石に今回は花丸の意見に反対する。アンチ図書室の天使さん。

 だが、過半数で反対されたにも関わらず花丸はまだ諦めていないようだ。花丸の珍しい表情からそれが伝わってくる。

 

 

「2人とも良く考えて欲しいずら。図書館に行けば冷房も効いてるし、喫茶店に行くよりも安上がりずら」

 

 

 そうやって図書館に行く事のメリットを順に説明する花丸。でも残念。その程度では今の俺たちの心は動かないのだ。

 

「そうだけど今回は遠慮しときます」

 

「暑い〜。早く冷房の効いた部屋で涼みたいわ」

 

「うっ...が、学生といえば、図書館で勉強するものと相場で決まっているずら。それに長居もできる。今回の勉強会に打って付けだと、そう思わない?」

 

「そういう固定観念みたいなものはちょっと...」

 

「クククッ、そうよ。そのような普通な考え、破ってみせるが堕天使たるヨハネに相応しい」

 

「分かってるな、ヨハ子。固定観念って聞くと、ついつい反発したくなっちゃうよな!」

 

「ヨハネ。その通り!普通の枠に当てはまらないのがヨハネ!そしてその程度、造作も無いこと!」

 

 

 反骨精神養ってくぜYeah!レールな人生そりゃ無意味だぜYeah!磁石のような生き様でYeah!(葉っぱ系ラッパーベル並感)

 

 普通を嫌い異常を好む俺たちにとって、そういう常識みてーなのは最も忌み嫌うもの。それは悪手だぜ花丸っ!

 

 

「ず、ずらぁ...やっぱりマルだけじゃこの2人を説得するのは厳しいずら......ルビィちゃん、助けて!」

 

 

 残念ながら今回はルビィちゃんも俺たちと同意見だと思う。とはいえ、いつもルビィちゃんが良い感じに場を取り持ってくれているのは否定出来ない。その役割を花丸が担っても上手くいかないのは当然だ。俺たちには、それぞれの特性に応じた役割があり、得意不得意があるのは仕方のないこと。ボケの善子、ツッコミの花丸、チェイサーのルビィちゃん、後方彼氏面の天城未来、そして指揮者のシドニー・マンソン。これがそれぞれが最もパフォーマンスを発揮できる分野。そう、いつもの5人。俺はこの5人で過ごす時が1番楽しいんだ!今日はルビィちゃんが不在だが、俺たちの絆さえあればどんな事でも乗り越えられるって信じてる!俺たちの友情は何者にも引き裂かれることはない!いくぞ!花丸、ルビィちゃん、善子、マンソン!俺たちの戦いはこれからだ!

 

 

「じゃあどこにするずら?マルの案をボツにするなら、代わりに案を出して貰わないと筋が通らないずらよ」

 

 

 自身の提案を否定され続けた花丸は、少し拗ねたようにしてそう口にした。

 

 

「それはその通りだ。はい善子、よろしく」

 

 

「うぇ!?急に振らないでよ!てかヨハネ!」

 

 

 しかし、俺も思いつかないので真っ先に善子に振る。こういうのは最速で先手を取って受け流すのが最も良い方法なのだ。

 

「そうね......ずら丸の家は?」

 

 

善子は焦りながらも、数秒考え込んだ後そう提案した。

 

 

「マルの家も遠いから無理ずら」

 

 

 花丸の家...行ぎたいっ!というか女子の家行ってみたいっ!だが、ここで花丸の家行きたいですアピールをするのは気持ち悪がられる可能性が高杉なので辞めておこう。

 

 

「じゃあ...ファミレス!」

 

「田舎なので無いです...」

 

「マ○ク!」

 

「10キロ以上あるな。最寄りのマ○ドまで」

 

「ぐぬぬ...」

 

 

 俺は津島の案を冷静に切り捨てていった。ファミレスが近くにあったらそもそもこんな議論起こってないわ。ただ、やはりファミレスが理想なのは間違いない。ドリンクバーがあるため、長時間寄生できるし。ベストはガ○ト。コンセントがある点が最高だ。次点でサ○ゼ。しかしながら、両店ともに沼津の方に行かなければ無いのが現実である。

 

 

「未来はどうなのよ!さっきから私ばっかり!」

 

「ちっ」

 

 勘付きやがったか...上手く受け流したと思ったのだが、流石エスパー疑惑のある善子。

 

「今舌打ちした?」

 

「してましぇ〜ん」

 

「絶対してたでしょ!」

 

 

 堕天使だけに地獄耳か。まぁ、敢えてギリ聞こえるレベルの音量でしたので当然ではあるが。とはいえ、流石にもう受け流すのは無理そうだ。2人の視線が俺に集中している。そんなに見つめられたら興ふーーーもとい緊張しちゃいますねぇ!

 

「それで、未来君はなにかあるずら?」

 

「う〜ん、そうだなぁ...」

 

 

 どうしよう、全然思いつかない。このままでは、せっかくの勉強会の時間が短くなってしまう。早く案を出さなければ。

 

 

「なぁマンソン、お前はなにかないの?」

 

 

 そこで俺は、俺の横に突っ立っているだけでさっきから一切言葉を発しないマンソンに意見を求める。マンソン、年長者の底力を見せてくれ。

 

 

「へ?マンソンって誰のことずら?」

 

「ア、アンタまさか...」

 

 

 俺が性懲りも無く、マンソンに意見を求めると花丸は驚いたようにそう疑問を口にし、善子は爆笑していた。花丸、流石にそれは酷いぞ。俺たちずっと一緒に青春のメロディを奏でてきた仲じゃないか。

 

 っておいおいマンソン、そんな露骨に嫌そうな顔するなよ。助け合い、だろ?さっすがマソソソ!やっぱ頼りになるな!よっ!指揮者!さぁ、お前の意見を聞かせてくれ!...ほう、学校の図書館で勉強すればいいじゃないかって?いいアイディアだが、それは無茶だぜ。浦の星の図書館もそうだし、俺が現在通っていてマンソンの母校でもある天流川高校の図書館でも他校の生徒が入るのは許可取るのが難しいんだよ。いくらこの前ランタン制作の時に頻繁に出入りしたとはいえ......あれ?てかマンソン、ランタン制作の時一回も居なかったよな?俺の勘違いか?いやでも......分かった分かった!俺も考えるから!ちょっと時間くれ!

 

 条件は、近い、冷房がある、長居できる。この3つだ。沼津駅前なら当然あるが、この内浦にはそんな場所.........あったな。そういえば。

 

 

「あー...一応ある。近くて冷房効いてて長居できる場所。本当、一応だけどね」

 

 

 この場所は少し問題がある。いくら俺たちの仲とはいえ、花丸と善子は異性だ。ここに誘った場合、最悪嫌悪感を抱かれてしまう可能性がある。それは俺が傷つくからいやだ。もしそんな事態が起こってしまったら俺は、ソッコーで内浦の広大な海へダイブし、『海に還るもの』になってしまう。なんとも自己中心的な理由であるが、俺が傷つくとかいう理由を除いても、中々にセンシティブな問題目白押しなのでこの懸念は仕方のない事なのだ。

 

 

「そんな場所があるずらか〜」

 

「流石地元民ね。で、それはどこなの?」

 

 

 ハッキリとしない主張だったが、2人にとっては寝耳に水だったのか、期待の籠った眼差しで俺の返答を待っていた。

 非常に言いにくいが、流石にこの状況では言わざるを得ない。そもそも口に出さなければよかった話なんだけどね。俺は意を決して口を開く。

 

 

「俺の家」

 

「「え?」」

 

 

 4人の友情と信頼の力で絶体絶命の危機は脱した。しかし、ビックバンのダークビックプロジェクトは今まさに動き出そうとしている。いけ!未来、善子、花丸、ルビィ、そしてマンソン!その友情が続く限りっ!!フォーエバー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で?マンソンって誰だよ。

 

 

 

〜〜〜

 

「「おじゃましま〜す」」

 

「どうぞどうぞ〜。それにしても、本当に俺の家でよかったの?」

 

 拒否されるものと思ったが、結局あの後、花丸善子俺の3人で行ったテスト前勉強会開催地議会は、俺の家という意見で満場一致で決した。

 本当に良かった。もし、「未来君のお家?変な事されそうだから絶対に嫌ずら〜」「そ、そんな事しないよ!大丈夫!」「例えそうだとしても、気持ち悪いから嫌ずら〜」とか言われたら、ラ○ナーみたいに銃を口の中に突っ込んで自害してしまうところだった。名誉マーレ人のアイツも未遂で終わっているが、アイツあんなにやらかしたのに腑抜けかよ。この薄氷の巨人が。逃げ足一等賞野郎が。マルセルごっこ野郎が。お前は死ぬな!もっと生きて苦しめ!

 

 

「他に選択肢もなかったし、全然いいわよ。ね、ずら丸?」

 

「ずら」

 

「え?それなんて返事?」

 

「ずら丸のそれは今更じゃない」

 

 

【悲報】花丸、遂に「ずら」だけで会話を完結する。

 

 花丸...いくら煩悩を捨て俗世との関わりを断って出家することを美徳とする?寺の娘、通称テラ娘とはいえ、その方向性のキャラで人気出すのは難しいと有識者の俺的には思いますよねぇ。でも安心しろ。俺はどんな花丸でも全力で愛すから。いくら花丸が「ずら」だけで会話し過ぎて他の言葉の喋り方を忘れてしまったとしても、その時は俺が絶対に高名な言語学者になって新たな言語、「ずらんぐりっぢ」を開発して世界中に広げることで花丸のその喋り方を一般的なものにするから。新世界で共に生きよう。ついでに新世界の神にもなろう。

 

ずら?ずらずら↑ずら〜↓ずらぁ!ず↑ら←ず☆ら♪ずず↓ら↑

 

 

くっそ喋りずらぁ!!!

 

 

「飲み物とか持ってくるから、どうぞごゆるりとお寛ぎくださいねー」

 

「ありがとう」

 

「サンガツ!」

 

 

 2人を大きな机があるリビングに案内し座らせた後、勉強会の準備に取り掛かる。

 

 まず俺は自室に向かう。俺の部屋には大量の聖典(同人誌やヱロ本)が保存されているため、今回は使わない。いや使えない。そしてお手洗いとかで迷い込んだ時対策に一応部屋の扉に、『触るな危険』と『立ち入り禁止』と『駐停車禁止』のステッカー、加えて『封印』のお札を貼り、最後に扉の前に特級呪物『獄門疆』を置いておく。この禍々しさがあれば流石に迷い込んでも入ろうとは思わないだろう。デ○ジ、開けちゃダメだ。

 

 そしてリビングに戻ってきた俺は冷蔵庫を物色する。

 お茶とコーラとポカリでいいか。そして、キッチン下の収納庫にある来客用の立派なお茶菓子とスナック菓子を取り出す。これ、マミーかパピーが買ってきたやつだけど、2人とももう1週間以上帰ってきてないし、それにこの僻地に両親の客が来ることとか殆どないし出しちゃっていいよな。食べてあげた方がお菓子のためだし、お菓子も、シテ...コロシテ...って言っている気がするしね!

 

 

「よいしょっと。じゃあ早速勉強始めますか」

 

「え〜、ちょっと休憩してからにしましょうよ〜」

 

 

 俺の言葉に善子はテーブルに突っ伏して意を唱える。その様子はまるで駄々っ子だ。

 

 

「いやテスト2日前。全然対策出来てない。赤点取ったら補習。勉強しなきゃヤバい。OK?」

 

「うっ、そ、それは確かにそうだけど...ほら、集中を維持するためにも休憩は大事でしょ?」

 

「まだ1分も勉強してないじゃん。50分勉強して10分休憩。このサイクルでいくぞ」

 

 

 俺は善子たちにスクールアイドルとして成功して欲しいと願い、そのために目前に迫った障壁であるテストを最小限の力で乗り越えてほしいと思っているため、今回協力を申し出たのだ。故に、一切の反論も許すつもりはない。

 ほっほっほっ、善子よ(仙人並感)、ワシに口で勝てるとは思わぬ事じゃ。ワシは暇な時に毎度論破王ひ○ゆきの動画を見て論破の方法を勉強をしているからのう。

 

「まぁまぁ。暑い中歩いてきたんだから、善子ちゃんの言うことも一理あるずら」

 

 

しかし、なんとここで花丸からの助太刀が入る。

 

「そうだそうだ!ずら丸の言う通りよ!」

 

 

 思わぬ援軍を得た善子は息を吹き返し、威勢よくそう言う。

 ぐぬぬ、花丸は真面目に勉強する側だと思っていたのに...まさか特級呪物が引き寄せてしまった呪霊に取り憑かれたずら?

 

 

「それにやる気の維持も大事だよ。やる気の有無で知識の吸収率も段違いずら」

 

「もっと言ってやりなさい!」

 

 

 おいこら善子。花丸の後ろに隠れてズルいぞ。もっと正々堂々と言ってこい、堕天使の名折れだぞ。

 とはいえ、花丸の言う事は正しい。やる気がなければ知識が脳にすんなりと入ってこないというのは事実である。そして、善子と花丸は練習を終えた後だったことを失念していた。

 

「...確かにそうだね。うん、花丸の言う通りだ」

 

「グッジョブずら丸!」

 

 

 それに、せっかく休日にこうやって集まれたのに勉強ばっかじゃつまらないよな。

 

 

「ふふっ、じゃあ30分休憩して、その後しっかり勉強しようね」

 

 

 花丸は手を合わせて、和やかな笑顔を見せながらまるで子供をあやす母親のようにそう言った。

 

 

「「はーい!」」

 

 

花丸の母性がヤバい。尊さと可愛らしさと大人っぽさとエロティズムが混ざり合った男心を確殺してくる魔性の魅力を感じる。やはり俺と善子は所詮ガキだった。この母性の前ではガキにならざるを得ない。そして花丸はママだった。花丸ママァ...

 

 

「じゃあゲームでもするか?」

 

「いいわねそれ!なにがあるの?」

 

「スマ○ラ、モン○ンなどなど、色々ありますぜぇ〜」

 

「あ、ス○ブラはマルも聞いたことがあるずら」

 

「なら○マブラで決定だな」

 

 

 俺は自室からゲーム機を持ってきてテレビに接続し、そして善子と共にゲーム初心者の花丸に基本的な操作の仕方を伝授する。

 

 

「簡単に、そしてアッサリと潰してやるよ、善子」

 

「ヨハネ。クククッ、遺言はそれで終いか?リトルデーモン。ヨハネとジョーカーのコンビは完全無敵。返り討ちにしてやるわっ!」

 

「マルはこの丸くて可愛いピンク色のキャラクターにするずら〜」

 

「ピンクの悪魔か」

 

「悪魔?悪魔ってなんずら?」

 

 

各々使用するキャラクターを選択し、遂に準備は全て完了する。

 

 

 

「おっしゃいくぞ善子ぉぉぉぉぉ!!!」

 

「だからヨハネって言ってるでしょぉぉぉぉぉ!!!」

 

「カービィちゃんがっ!マルのカービィちゃんが飛んでいっちゃったずらぁぁぁ!」

 

 

 

 結局、スマブラが予想以上に盛り上がってしまい、俺たちは1時間も休憩してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 






続きも1週間から2週間くらいで投稿します。多分。


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みなさん、Aqoursで誰推しですか?

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