「......」
「......」
今の状況を説明しよう。コラさんの悪魔の実の能力が発動している。うそ。端的に言うと、気不味い。現在、放課後の図書室で本を読んでいる。国木田さんも図書委員の仕事があるので、図書室にいた。他に人もいないため、何か話そうと思ったが、何も話題が思いつかないでいた。まさか二年の間、殆ど同年代の子と会話をしなかっただけで、ここまでコミュ障に拍車が掛かるとは思わなかった。
というよりも、元から女子と会話なんて上手く出来なかったしな。どんな話題を振ればいいのかわからん。いや、落ち着け。俺は定期テスト学年一の天才。話題くらい本気で考えればすぐ出てくるさ。
例えば...
「国木田さん!」
「は、はい!」
「えっと...ご、ご趣味はなんでしゅか?」
はい、噛みましたー。おわりでーす。コミュ障おつでーす。たとえ勉強や運動が出来てもコミュ力なきゃ世間の荒波は容赦なく襲ってきます。社会に出てボコされる覚悟の準備をしておいてください!いいですね!
そして話題もお見合いか!!って突っ込みたいくらいだ。本気で俺のコミュ力は某腐った目が特徴の主人公並みに落ちてしまったようだな...
「えっと、マルは本を読むことが好きかな。
天城君は普段本を読んだりするずら?」
「あ、あぁ。俺も結構本は読むよ。辞書とか漫画とか読むかな」
辞書って良いよね。基本的に何でも載ってるし。いい暇つぶしになる。あと、ラノベも読んでるけど言うのはやめておこう。多分引かれるだろうし。
「へぇ~!日頃から辞書を読むなんて凄いずら!マルは勉強するとき以外は辞書なんて読まないのに」
か、可愛い...じゃなくて、食いついてきたぞ。
この調子でたくさんお話して、親密度を深めて、ついには下の名前で呼び会う仲に発展する...グヘヘ...何処の恋愛漫画だよこの野郎!!
「いやいや、それが普通だよ。辞書なんて好き好んで読む方がおかしいんだから」
「マルも、普段から辞書を読んでいれば頭が良くなるのかな?」
「辞書なんか読まなくても、国木田さんは普段から文学を嗜んでるし、きっと大丈夫だよ。国語力はどの科目にも必須だからね。ところで、国木田さんは普段どんな本を読むの?」
俺のコミュ障もう治ったのか?ここまでスラスラと会話出来てるし。ご都合主義で草。いや、違うな。これは単に国木田さんが話しやすい人なだけだな。だってクラスの人気者とかと話すと確実に噛みまくる自信があるし。考えるだけで鳥肌がたつ。権力を前にした俺はチワワ並みに弱くなるだろうし。チキンスキンチキンハート!
「マルは、色々な種類の本をよむんだぁ。日本文学とか、伝記とか」
「へぇ。じゃあさ、国木田さんが読んだ本の中で、一番面白かった本ってなに?」
「一番面白かった本かぁ~。う~ん、たくさん読んだからなぁ。『星の王子さま」も面白かったし、『斜陽』も......でも
『しろばんば』も捨てがたいずら...」
「国木田さんは、本当に本が好きなんだね」
一生懸命考えてる国木田さんも可愛いなぁ~。
そう思っていると、元気なカラスの鳴き声が耳に入ってきた。ふと、外に目をやると空色は鮮やかなオレンジに変わっていた。
......ん?
「ねぇ国木田さん、悩んでいるところに悪いんだけど、この図書室の閉館時間って何時なの?」
「え?五時だけど...ってもう五時なの!?早く出ないと先生に怒られちゃうずら!!」
時間を忘れるくらいにこの美少女は俺との会話に夢中になってたのか...これはもしかして国木田さん攻略ルートが存在する!?
「じゃあマルは帰るね。またね、天城君」
「あぁ、またね」
「あっ」
「ん?どうしたの国木田さん?」
「もしよかったら明日、天城君のオススメの本を教えて貰ってもいいかな?」
「え、あ、あぁ。是非!ついでに持ってくるね!」
「やったぁ!じゃあまた明日ずら!またね!」
これなんてギャルゲーですか?買います。いや、マジで。
●●●
国木田さんと別れた俺は、1人で沼津の書店に来ていた。俺の恋愛の教科書ともいえる、あのラノベの最新刊を買いに来たのである。
「お、あった。残り一冊だったか、危なかった」
さて、目的の商品もゲットした訳だし、早く会計済ませてとっとと帰るか。あまり暗くなると中坊なので補導されかねない。
レジに向かって歩いていると、新作の本が置いてあるコーナーに気になる本を見つけた。
「ん?あの本は...」
『μ’sの軌跡』?あぁ、μ’sって確か3年か4年前に流行ったアイドルグループだったか?
正確にはスクールアイドルグループで、その名の通り学生で構成されたアイドルだったっはず。
何回か曲も聞いたことあるが、凄かったんだよな。元気がもらえるっていうか、とにかく聞いてて楽しい曲ばかりだったな。
「...買ってみようかな」
俺はその本を取ろうと手を伸ばす。そして、違う方向からほぼ同時に伸びてきたであろう、その手とほぼ同時に本を掴んだ。
「「あっ........」」
分かるぞ、これはよく恋愛漫画によくある展開だ。ここで本の譲り合い、からの美少女との出会い。か~ら~の~ラブコメの始まり。これが決められた公式だ。テストに絶対出るぞ。と、恋愛知識ZEROの男が申しております。笑止千万。
「どうぞ、僕はこの本をそこまで欲しいとは思っていなかったので。お譲りします」
完璧な対応、完璧な笑顔。これで新たなる美少女のルートが始まるは...ず.....あるぇ?
「うぅ、お姉ちゃん助けてぇ...」
そこには美少女...いや、正確には今にも泣き出しそうで、チワワのように震える美少女がいた。
「えっ、えっと...どうぞ、欲しいんだよねこの本?」
俺は出来るだけ優しい笑顔で本を渡そうとした。
いや、なんで防犯ブザーの紐をひっぱろうとぉ!?!?
「ちょ!?ストップ!ストーップ!!なんで防犯ブザーの紐を引こうとしてるんだよ!?」
「お、おおお、お姉ちゃんが怪しい男の人に話しかけられたら直ぐにこれを使えって!」
顔も名前も知らないお姉さん、なんてこと教えてるんですか!!いや、まぁ正しいとは思うけど!とはいえ見境なさすぎだろこの子!!!
「きゅ、急に笑顔で近づいてくる男の人は悪い人だってお、お姉ちゃんが言ってた
から...」
Exactly!それな!!
って納得してる場合じゃなーーーい!!
だ、駄目だ...このままだと権力を行使する青い服の人たちがやって来る...さっきも言ったけど俺、権力の前ではチワワのように弱くなるから。
こうなったら最後の作だ...
「この本、ここに置いていくね」
「えっ?」
その名も...
「脱兎!!」
逃げる!!!
これぞ我が最終奥義だ。
...はい、よくあるやつですね。本当にコイツは学年一位かと疑うレベルです。
俺は会計を速攻で済ませた後、全力ダッシュで店から出た。これからは知らない人には安易に話しかけないでおこう...
そうして俺は、逃げるように故郷内浦へ帰還したのだった。
今日はとっても刺激的だったね。明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎!ピッピカチュウ!!
マルちゃんの口調が難しい........
感想待ってます!お願いします!
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