感想、評価誤字脱字報告など待ってます!
夕飯を終え、珍しくする事も無かったため、私は自室でゆっくりと過ごしていた。後はお風呂に入り、この日のために取っておいた限定プリンを食べて寝るだけだ。楽しみで仕方ない。
「ふふふっ、それは射的のおじさんが怒っちゃうのも仕方ないと思うな〜」
隣室からルビィの声が小さく聞こえてくる。
ルビィはここ最近、この時間帯になるとよく天城さんと通話をしている。長い時は1時間以上通話し続けることもあるようだ。
はじめはルビィの勉学に支障が出るのでは、と少し心配もしたが、通話の際に勉強を教えて貰ったりもしている様で、それ故か、前回行われたの期末試験は中間の頃よりも結果が良くなっていた。なので今は何も心配はしていない。
私にも受験勉強などあり、集中を要しなければいけない時もあるが、そこまで頻繁にこちらの部屋に声が届くわけでも無いし、何よりルビィが楽しそうにしているため、迷惑には感じていなかった。
「ルビィ、楽しそうですわね...」
ルビィと天城さん、この2人の名前が出ると思い出す。あの祭の日のこと。花丸さんと天城さんが手を繋ぎなら帰ってきた後のこと。
あの後、ルビィは暫くの間、何か考え込んでいるかの様に一切口を開かず、ルビィの様子が普段と違うことに気がついた花丸さんが声を掛けるまで、私の後ろでボーッとしていた。
『ルビィ、おかしいの...花丸ちゃんと未来君が無事に戻ってきてくれて嬉しいはずなのに』
『胸が苦しくて苦しくて、堪らないの...』
私は理解している。ルビィが誰に対して、何を想っているのか。
私の可愛い妹、ルビィ。
人生で初めて抱く感情を理解した時、ルビィはどうなってしまうのだろうか。
どんな結末になろうと、ルビィの人生にとって掛け替えのない経験になる事は言うまでもない。
しかしながら、姉として、やはりルビィに幸せになって欲しいと願うばかりだった。
〜〜〜
祭り2日目、9人になったAqoursが披露した楽曲、『未熟dreamer』は今までのAqoursから進化した非常に素晴らしい出来栄えだった。
その完成度は会場を大いに賑わせただけに止まらず、スクールアイドル界隈でもかなり話題になっていた。有名なスクールアイドル専門メディアでも期待のスクールアイドルとして取り上げられていた程だ。
「善子〜、ポケモンやろうぜ〜」
今日は珍しくAqoursの練習が無いようで、放課後、俺は善子とヌーマーヅへ行き趣味に興じたのだった。
そしてその後、俺たちは休憩ついでに駅前のファミレスに寄り、ドリンクバーでオリジナルドリンクを生み出したりしつつ、ダラダラと時間を潰していた。
「ヨハネ!あれ?アンタ、ポケモン持ってたの?てかこの組合せマズっ!」
善子のコップには、なんかおどろおどろしい色をしたヤバそうなドリンクが入っていた。コイツ一体何と何をフュージョンしたらそんな色の飲み物が出来るんだよ...
てか、おどろおどろしい、なんて表現産まれて初めて使ったわ。
「この前の祭りの射的でゲットした。ちゃんと飲み干せよー、炎上するからなー。ゔぇぇ...俺のもこの世の物とは思えない味してるわ」
「アンタもやってるわねぇ」
俺も善子のことあまり言える立場では無かった。わざわざお金を払ってこんな苦行を行うとは、やはり俺はMだった?いや、その理論だと善子もMになってしまうが...うーん、えっちぃね!
「責任持って飲みます。あと、PS4とかSwitchとかも獲った」
「マジ!?凄いじゃない!」
「マジよマジ。でな、他にも乱獲しまくってたら射的のおっちゃんがこれ以上獲るのやめろっ!!ってキレてきてな」
「まぁ、商売上がったりになるし、それも仕方がないわね」
「気持ちは分かるが、こっちはちゃんと代金払ってるし。だから周りの見物人たちを利用しつつ屁理屈捏ねまくって、おっちゃんを論破して続行したら出禁喰らってな〜」
最初は愛想のいい表情で歓迎してくれていたおっちゃんだったが、最後の方は鬼の形相をしていた。
「あっはっは!アンタ最高ね!!」
「でっしょ〜?てな訳で、ポケモンバトルだ!」
「ふっ、いいわよ。このヨハネがポケモンの何たるかを手解きしてあげる。負けた数が多かった方が今日奢りね!」
「いいだろう。受けて立つ!」
この後、俺は善子に完膚なきまでにボコボコに負かされたのだった。
悔しい!こうなったらワザップってサイトに載っていた方法で色違いボルケニオンをゲットするしかない!
見ていろ善子!覚悟の準備をしておいてくださいッ!いいですねッ!!
〜〜〜
祭りも終わり、あと数日で夏休みに突入しようとするこの頃。今日は珍しく練習がなく、皆んなも用事があるとのことでマルは1人、図書室で読書を楽しんでいた。
近頃は練習が無い日は必ずルビィちゃんか善子ちゃん、そして未来君の内の誰かと一緒にいたからこんな静かな休日は久しぶりだ。
校庭からソフトボール部の練習音が聞こえ、それが図書館の静寂と合わさることで学校の放課後特有の情緒を感じる。
いい雰囲気ずら。こういう感じ、久しぶりだなぁ...
ページをめくる。
暫く読み進めていく内に、集中が切れてしまったのか、色々と最近起こった出来事を思い出してしまう。
特に思い返すのは、Aqoursの皆んなと祭りを楽しんだ記憶。ルビィちゃんと一緒に金魚掬いをしたり、千歌さんから冷凍みかんを分けて貰ったり、善子ちゃんが何度くじ引きを引いても最下位賞しか出なかったりと、沢山美味しい物を食べて、沢山遊んだ賑やかでとても幸せな時間だったと、思い出すたびに頬が緩んでしまう。善子ちゃんは可哀想だったけど...
そして、恥ずかしいからあまり思い出したくはないが、未来君と手を繋いで色んな屋台を回った記憶。正直、迷子になってしまって不安だったあの時に未来君がマルを迎えに来てくれて、とっても心強かったずら。あと、未来君の手、大きくてちょっとゴツゴツしててやっぱり男の子なんだなぁ...って、ちょっと女の子らしい感想が浮かんでしまった自分に少しこそばゆい気持ちになる。
ページをめくる。
今マルが読んでいる本は、親友の初恋を応援する女の子が主人公のお話。主人公が親友と意中の男の子が恋仲になれる様に奔走する恋愛物語だ。
物語に登場する親友の女の子は、素直で真っ直ぐな性格をしており、とても可愛い子だけれど不器用で、ついついあの2人のことを思い出してしまう。
それ故に妙に親近感が湧き、マルは最近、この本のシリーズを1から読み返している途中だった。
以前、2人にこの本を読んでみるよう薦めた事があったが、あの2人は積極的に読書をするタイプでも無いし、他にやりたい事がある様なので断られてしまった。
ページをめくる。
最後のページを読み終え、本を閉じる。
本を読み終えた後は、何故か少し寂しい気持ちになってしまう。今日は珍しく静かな1日だったから、尚更そう感じた。
名残惜しく感じつつ、本の表紙を一瞥する。以前、ぐーぐるにこの本のタイトルを入力し、検索した事があったが、続編が出ているとの情報は確認できなかった。
「続編が待ち遠しいずら」
主人公の感情がどのように変化していくのか、先の展開を考えながら、本を鞄にしまう。そして、時計を見ると、良い時間になっていたので帰り支度を始める。図書室の扉を閉めてしっかりと施錠することを忘れない。
「今日も夕陽が綺麗ずらね」
学校を出て1人歩く海岸沿い。海を見ながらマルは想いを馳せる。
大好きな親友2人が織りなす青春の甘酸っぱい恋幕。
これからマルは、一体どちらを応援すれば良いのだろうか。
そして、心地よい潮風を感じながら先程まで読んでいた本を思い出し、マルは只々祈る。
「まぁ、なる様になれ!ずら」
徐々に沈んでいく太陽を見ながら、そんな言葉を海に投げ捨てる様に呟やくのだった。
マルが、どうかあの本の主人公の様になってしまいませんように...
続きを早く書けるよう邁進します。
みなさん、Aqoursで誰推しですか?
-
高海千歌
-
渡辺曜
-
桜内梨子
-
黒澤ルビィ
-
国木田花丸
-
津島善子
-
小原鞠莉
-
松浦果南
-
黒澤ダイヤ