ミディージィーム。
この男が来てから一週間が経った。最初会った時は、とても衝撃的であった。なぜなら、不気味な仮面を被って全身黒一色。怪しいなんてもんじゃない。...暗殺者かと思った。しかし、話してみると紳士的で薬に強い感心を持った者であるとわかった。見た目で判断してはいけない例の一つだな。...あんな格好している方がいけないと思うが。ともかく、私は彼を私のファミリアに入れることにした。しかし今の私のファミリアは、風前の灯だ。こんなファミリアに入りたがるとは、おかしな奴だ。
彼は正式に入団してから、どんどん様々な薬を作った。どれもこれも目をむくような薬であった。ポーションだって、他のファミリアよりも安く品質がいい物が売れるようになった。聞いた話によると、オラリオに来る前も薬を作っていたらしい。だからといってもこれは異常だ。Lv.1ですらこれだ。Lvが上がったらもっとすごくなるだろう。...そして、彼の作る薬は恐ろしいものだった。とても売り物にできないものばかりであった。例えば、触れたら爆発する薬だったりステータスを下げる薬だったり敵味方判断できなくなる薬だったりとたくさんだ。こんなものを売ってしまったら他のファミリアに総攻撃を受けるだろう。...彼ならなんとかしてくれそうだが。彼のステータスもそうだ。レアスキルを持っていた。娯楽に飢えている神々がこれを知ったらどうなることやら。...スキル、魔法もそうだが。実は彼、死神ではないだろうか。今思ったら薬だってそうだ。毒しか作ってないではないか。格好ですでに死神なのにやっていることも死神そのものだ。今度言っておかないといけないな。...彼に任せっきりの私がこんなことを言う資格があるのだろうか。彼のおかげで店も繁盛している。手伝えることを探すほうが先かも知れんな。彼に任せっきりでは主神としての面子がたたん。さっそく行動開始だ。
私は夕食を食べた後、おくすりづくりを開始した。さて、今日はなにをつくろうか。案がありすぎて決まらん。う~む。そう考えていると、ドアがノックされた。誰だ?ナァーザはありえんな。と、いうことはミアハか?
「開けていいかい?」
やはりミアハか。用件は一体なんだ?まさかあれがばれたか?いや、雰囲気からしてそれは違いそうだ。
「どうした?」
「手伝えることは無いかと思ってね」
なるほど。確かに神が手伝ってくれるなど百人力だ。
「それはありがとう。入ってくれ」
「お邪魔するよ」
そう言うとミアハは入ってきた。
「なにを作っていたんだい?」
「実はまだ決めてないのだ。そこを含めて手伝ってもらおうと思ってね」
「なるほど。それじゃあ...新しいポーションを作ったらどうだい?」
新しいポーションか。ポーションを飲んだら破裂するポーションでも作るか。私はその趣旨を伝えた。
「...言い方が悪かったね。回復系のポーションを作ろうか」
「なるほどそういうことか。ところでどうして頭を押さえている?」
場合によっては私のおくすりを投入しよう。
「いや、大丈夫だよ。神は病気にかからない。」
そうだったのか。実験したいな。
「それよりも早くつくろう」
「確かに。時間は有限だからな」
私たちはおくすりづくりを始めた。
そうして夜は更けていく。
「完成だ。もう朝だよ」
ミアハは苦笑いを浮かべている。
「これでもかなり早いな。やはり二人でやった方が効率がいい」
「確かにね。それにしても君は本当にすごいね」
神に褒められるとは。嬉しい限りだ。しかし、なぜだ?
「また新しいポーションを作ったじゃないか。それもこんな短時間で」
一日だよ、一日。とミアハは苦笑いしながら言った。...苦笑いが多い男神だ。爽やかスマイルだな。おくすり投入か?しかし...
「まだ、完成ではない。試さなくていけないことはたくさんある」
「それもそうだね」
そろそろナァーザが朝食を作り出す時間だ。手伝わなくてはな。
「私も手伝うよ」
そのほうがよいだろう。あいつも喜ぶ。
そうして私たちは台所へ向かった。