光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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今回は少し長いような気がします。文章書くのが変で下手なところもあると思いますが、そこは暖かい目で見てください!ドラ○もんみたく!!


15話「ゲームオーバーorコンティニュー」

水難ゾーンに飛ばされた四人は、中央広場で大きく引き離された。そのため大分距離がある。

 

「それにしても、殺されるかと思ったわ…」

 

「ああ、アレはマジでヤベェよ…オイラたち助かったんだな…えっと、雲雀だよな?アレって」

 

「うん!間違いないよ!だって雲雀ちゃんは忍兎を使うから!」

 

飛鳥はそう言うと、峰田は歓喜な顔を浮かべる。

 

「よかったああーー!!さっきの攻撃でもうアイツら死んだんじゃねーのか!?」

 

「それは流石に言い過ぎよ峰田ちゃん」

 

はしゃぐ峰田を見て、蛙吹はベロで額を鋭く突く。

 

「いっでぇぇーー!!!」

 

峰田は自分の額を抑えて涙を流している。

 

そんなやりとりの中、飛鳥は…

 

「………」

 

(初めて…はじめて、死ぬのが怖いと思った……)

 

飛鳥は死を恐れてしまった。忍びは常に死が隣り合わせでもある。死なないためにも必死に訓練し、強くなる。だが…今回はその比ではなかった。死柄木と脳無という無慈悲で歪んだ殺意が、飛鳥に死の恐怖を与えたのだった。

 

(ううん…!怖がるな私!!命懸けで戦わないと…勝てないよ!)

 

飛鳥は頭の中の雑念と恐怖を振り払う。

 

皆んなは先ほどの場所には戻らずに、遠回りする方へと向かっていく。その方が殺されるリスクは低くなるからだ…アイツらなら、必ず殺しにかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、雲雀は

 

「飛鳥ちゃんたち間に合って良かったよ〜♪」

 

雲雀は安心した様子で、水難ゾーンを見つめている。確かに、もし彼処で雲雀が来なければ確実に殺られていただろう…忍びを殺すと言ってる連中だけのことはある。

 

「よし!あの人たちも倒すことが出来たし、あとは柳生ちゃんを探せば…」

 

しかし、()()()()が本当の恐怖が始まることになる。雲雀は周囲を見渡して、土煙の方に目をやると、なんと……人影が三つあるのだ。

 

 

「えっ!?」

 

 

雲雀は驚いた様子で、その場に恐縮している。そして土煙がやがて晴れて、その光景は…

無傷の三人の敵。死柄木弔、脳無、黒霧であった。

 

 

「そ、そんな………」

 

 

雲雀は声を振り絞るのにやっとだった。ただでさえ、蛇女の悪忍の春花にさえダメージを与えたのに、忍でない連中はなんともない様子で、無傷で平然と立っている。それは、雲雀が攻撃することをいち早く知った死柄木は脳無に自分を守るように命令し、身代わりとして前に立って、雲雀の攻撃を受けたのである。にも関わらず、脳無は傷一つ付いていない。それどころか、埃のような痕跡も見えない…黒霧もとっさに脳無の後ろに隠れた為に無傷である。そのため誰一人としてやられてないのだ。そんな死柄木は、首を掻き毟る。

 

 

「はあーー……ったく、あんのガキが……ガキぃ!!なんだアイツ…!俺の邪魔をしやがって!折角さ、あのガキ四人の血に染まった死に顔を見れると思ったのにさ……あと少しってところでアイツ、俺に歯向きやがって…!」

 

 

死柄木は苛立つ様子で、雲雀を睨みつける。その死柄木の、様々な負の感情が、雲雀を更に恐縮させるのであった。

 

 

「うそ…でしょ?雲雀の攻撃が通用してないよ…?」

 

 

雲雀はとにかく怯えながら、大量の涙を零しながら、死柄木たちを見つめるのであった。黒霧は、そんな雲雀を敵視しながら、死柄木に注意深く話し出す。

 

「死柄木弔、あの少女は中々見ない…いや、見たことのない個性を持っています…幾ら子供とはいえ、充分に気を付けてくだい…!」

 

「分かってるよ!んなことは……さぁてと、んじゃあ俺たちの反撃ターンと行くか……」

 

死柄木の狂気な笑みに、軽くたじろいでしまう雲雀。雲雀はなんとか立ち向かおうと、構え、自身の心を強く持つ。

 

「ううん、負けちゃダメだ!雲雀は、いつまでも失敗ばかりする、ダメな雲雀じゃないんだ!やれば…出来るんだ!!」

 

雲雀は大きな声で叫び、死柄木たちに立ち向かおうとする…それを聞いた死柄木は、残虐で、満面な笑みを浮かべる。

 

 

「……やれば出来るか……いいこと言うじゃないか…!!けど分かんないかなぁ……そう言う心掛けが、勇気が、命取りになるってこと……それで自分の全てが無駄になるってことをさ……

 

 

 

 

 

 

脳無、殺れ」

 

 

死柄木はそんな雲雀を馬鹿にするように、鼻で笑い、脳無に雲雀を殺すよう命令する。死柄木が命令した途端に、脳無は猛スピードで雲雀との距離を詰める。

 

「お願い…忍兎!!」

 

雲雀が叫ぶと、忍兎は直ぐに雲雀に駆けつけて、雲雀を守るように脳無に立ち向かう。

 

脳無の拳とと忍兎の拳がぶつかり合う……

 

 

「え?」

 

 

だが……忍兎は脳無の一撃を喰らっただけで、後方に吹き飛ばされた。忍兎のパワーも充分に凄いものの、そんな脳無は全てを無にすると思わせるような力で、忍兎を吹き飛ばし、無表情で雲雀の前に立っている。

 

「え…ええ!!?って…あ、あれ?」

 

雲雀は、いつの間にか自分の目の前に居る脳無のスピードに驚いたの。だが雲雀は何やら脳無を見て思ったことがあるようだ。

 

(こ、これって…?まさか!)

 

だがしかし、脳無を見て疑問と恐怖の感情に支配されて、その場から動くことが出来なくなってしまった。なにより…その脳無という存在の不気味さに、圧倒的強さに、そして…『忍学生』など比にならないと思わせてしまう、今まで自分たちがやって来たことが、否定されてしまってるかのような…雲雀はただただ立ち止まることしか出来なかった。

 

そんな…姿を見てる死柄木は自分の思ってることが上手くいったのか、えらく感心している。

 

 

「ははは!ははははははは!!!!!オイおいどうした?あのクソ兎吹っ飛んじまったぞ??お前の相棒くんはもう居なくなっちゃったなぁ………脳無」

 

 

瞬間、脳無の手が雲雀の顔を鷲掴みしようとする。だが、雲雀はまだ最後まで諦めてなかった…

 

「うわっ!?」

 

ビュオン!!!と脳無の手を間一髪避けることが出来た。さっきまでの雲雀は、完全に絶望していたが、だがそれでも目の前の死を錯覚し本能のまま、体を動かした。死にたくない…それでも、アイツらには殺されたくない。そう思ってしまう。

 

「チッ……あいつ思ったよりも早いな…オールマイト並みスピードにした筈なのに……こいつ、本当にヒーローの生徒か?」

 

さっきまで思い通りにことが運んでいたのに、雲雀の反射神経及び、一発で脳無に殺されなかったことから、また苛立つ様子を見せる死柄木。そして、死柄木も少しずつ疑問を抱いてきてる。コイツはヒーローの卵なのか?と。当然、黒霧同様…死柄木も雲雀が忍だとは気付いていない。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ………」

 

 

息が切れてきたのか、大分ペースが落ちてきてる。そう、たったの脳無の数十発の攻撃を避けただけなのにも関わらず…スタミナが限界に達していた。

 

(この人……強すぎるよ!!いや、ううん…この人のことを…はやく、はやく()()()()()()()()()……………!!)

 

雲雀の忍装束は、少しやられている…なにより雲雀が驚いたのは、脳無の拳圧である。かわしたとはいえ、衝撃波と突風、向こうから離れた壁がめり込むほどなのだ…もしこんなのが暴れたら……忍学生も絶対にただでは済まない。蛇女の悪忍は強いと思ってたが、現在、戦ってる脳無の方は最早レベルが違う。上回ったのだ。

 

 

雲雀のスピードが落ちてきたところを、ほんの僅かな一瞬の隙を、脳無は見逃さなかった。死柄木の命令には絶対に従うと言わんばかりか、命令に忠実に動き、そして…雲雀を殺せという残虐な命令が、雲雀を襲う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「秘伝忍法!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『薙ぎ払う足!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳無は吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

「え?」

 

 

突然の出来事に、雲雀と死柄木たちは呆然とその場を立ち尽くしている。

 

 

「……は?」

 

 

死柄木もワケが分からんという顔をしている。

 

何故ならそこには、巨大な烏賊が周囲をなぎ払い、脳無が吹き飛ばされて、雲雀の目の前には…

 

「すまない、遅くなったな…雲雀」

 

「や、や…柳生ちゃん!!!!」

 

 

柳生という少女が立っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水難ゾーン

 

「な、なんだあの爆発!?」

 

「まさか敵じゃないわよね…?」

 

四人は一斉に爆発した場所に目をやる。

 

「アレって…烏賊?となると、柳生ちゃんだ!!」

 

飛鳥はホッとした様子で一息つく。雲雀だけでは殺されると心配してたのだが、柳生が来てくれたならよかったと。これで殺される危険性は低くなった訳だし、あとは自分たちがもう一度さっきの場所に戻れば、六人になってなんとか戦えるだろう…と、飛鳥はそう思ったのであった。

 

しかし緑谷は…

 

「……本当に大丈夫……なんだよね?」

 

一人だけ、心配していた。 ワンフォーオール、オールマイトの力が通用しなかった敵が、彼処に居るんだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央広場

 

 

「雲雀の気配を頼って探していた…無事かどうかは分からなかったが、間に合ってよかった…!」

 

柳生は雲雀を守ろうと、番傘を開き盾にしている。

 

 

「柳生ちゃん!!柳生ちゃん…柳生ちゃん!!!」

 

雲雀は泣いた、ただただ泣いた。怖くて…殺されそうになって…辛くて…苦しくて…でも、柳生が来てくれて嬉しくて…頼もしくて…だから雲雀は泣いているのだ。

 

 

柳生は雲雀を見つめて、「もう大丈夫だ…」と微笑みを見せたあと、死柄木たちに物凄い殺気で睨みつける。

 

 

「お前たち…オレがいない間によくも雲雀を…!!」

 

 

許せなかった。とにかく許せなかった…

 

自分が雲雀の側に居てあげられず、怖い思いをさせてしまったことを。

 

もし自分がここに居なかったら、雲雀は殺されていただろうと…

 

そして…

 

コイツらが雲雀を殺そうとしたことを…

 

雲雀に怖い思いをさせたこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガリガリ…ガリガリガリ…

 

「…………」

 

ガリガリガリガリ…ガリガリガリガリ…

 

「……………!!」

 

思い通りにならなかった。また、また!また思い通りにならなかった!死柄木は、首をひたすら掻き毟っている。

 

「なんだよ…なんだよアイツ!!?急に現れやがって………なんであんなガキに脳無が吹き飛ばされたんだよ!!意味がわからないぜ…しかもアイツなんか変なの出してなかったか?」

 

死柄木は柳生を見ながら捲したてる。その隣にいる黒霧は目を細めて柳生を見つめる。

 

「恐らくアレはイカでしょう…ふざけてるように見えますが、まさか脳無が吹き飛ばされたとは……あの雲雀という少女に続き、あの眼帯をしてる少女もまた生き物を呼び出した…先ほどの兎の存在に大きく驚愕しましたが…あのバカでかいイカも……本当に個性でこんなものがあるのでしょうか?」

 

「知らねえよ!!何でお前はそんなに冷静でいられるんだよ!!ああもう!クソ!クソガキ共の分際で、俺に歯向かいやがってぇ…!」

 

死柄木はガリガリと嫌な音を立てながら、首を掻きまくり、黒霧に大きく怒鳴る。

 

死柄木と黒霧の会話のやり取りを見ている柳生は、番傘を死柄木たちに向ける。

 

「おい、お前ら…雲雀を殺そうとしたんだ。それなりの覚悟は出来てるんだろうな?」

 

柳生は怒りを込めた声で言うと、死柄木は柳生に反応し振り向く。

 

 

「なんなんだお前……俺に歯向いやがって、タダで済むかって話しだ……気に入らないなお前。気に入らないものは全部ぶっ壊す……!!」

 

「歯向かうもなにも、雲雀は俺の大切な存在だ……大切な仲間で…俺の親友だ……だから、誰にも殺させはしない、雲雀は俺が守る!!」

 

「柳生ちゃん……」

 

柳生の優しさに、守ろうとするその後ろ姿に、雲雀は表情を緩める。だがその反面、死柄木弔は…

 

「……こんな状況なのに人助けか…流石はヒーローの巣窟雄英高校!最近の子供は教育が成ってるんだな!!

 

 

………でも、気に入らないんだよお前。と言うわけで、お前を壊してやるよ…大切なお友達ごとな………」

 

死柄木は気味の悪い笑みを浮かべると、柳生は「そうか…」と呟く。柳生は死柄木の思ってることがわかった。

 

コイツは見たいんだ、自分が怒ったところを。嫌がらせをやりたいんだ。人が嫌がることを平気でやって、上から笑って見下ろして。死柄木はそういうヤツなんだと…

無邪気な笑顔で平気で人を傷つけ、苦しめる存在。まさに敵と呼んでも過言ではない。曇りなき純粋な悪だ。

 

 

柳生はそれでも表情に出さないよう静かに怒りを燃やしている。態勢を低くし、番傘を構えて相手を睨みつける。一気に間合いを詰めて攻撃し、勝負を決めるのだろう。

 

 

 

「お前のようなクズとは二度と会いたくないな…消えろ」

 

 

柳生は死柄木に吐き捨てるように言った途端、猛スピードで死柄木に走り出し、番傘で死柄木の腹を突こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「脳無!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その名前を呼んだ瞬間…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柳生の攻撃が死柄木に当たることはなかった。

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

「なっ…」

 

 

柳生は完全に勝負を決めたと思った。いや、例え急所が外れても、仕留めれなかったとしても、死柄木にはダメージを与えれると思ってた………だが、そんな考えは目の前で否定された。

 

死柄木が大声で名前を呼んだ途端に、先ほど柳生が秘伝忍法で吹き飛ばした脳無が、無傷で目の前に立ち止まり、無表情で柳生をじっと見つめているからだ。

 

 

「バカ…………な……………こんなことが…………」

 

 

初めて見せる柳生の絶望した顔に、死柄木は歪んだ笑顔で柳生を見つめている。

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

「脳無、殺れ」

 

 

 

死柄木がそう言うと、脳無は拳を握りしめて柳生目掛けて殴り掛かる。間に合わないと判断した柳生は、番傘でガードするが…

 

 

 

ドガアアアァァァァァーーーーーーーーーーーーンン!!!

 

 

渾身。ともよべるその一撃に、柳生の番傘は壊れてしまい、一気に吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…」

 

 

 

雲雀は絶句した。目の前にいた柳生が、頼もしくて、カッコよくて、最高の友達の柳生が…吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

 

「あ………ああ………………ああああ………………!!!!」

 

 

 

 

希望が、絶望へと染まり…雲雀の周りには、頼れる友達が居なくなってしまった。そんな悲しみに覆われてる雲雀を見て、無慈悲な死柄木は大声で笑った。

 

 

「あっははは!!!!なにが守るだよ!守るとか言ってアイツ結局死んでやがるぜ!守れてねえじゃん…ざまあみろ、ザマァみろォ!!!会えないどころか会いに行けないなぁ!!だって死んじゃったんだもんなぁ!!はははははは!よくやった脳無!!」

 

 

人の不幸は蜜の味。死柄木は、柳生の死と、雲雀の絶望を見てゲラゲラと笑っている。正に最悪の状況だ。

 

 

「そんな………柳生ちゃん………柳生ちゃん!!」

 

雲雀は必死に柳生の名前を呼んだ。守ってほしいなんて言わない…助けてなんて言わない…だからせめて、せめて…生きてほしい…生きてて欲しい。お願いだから…

 

「柳生ちゃん!柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん柳生ちゃん!!!!!」

 

雲雀は大量の涙を零しながらも、何度も何度も柳生の名前を呼んだ。生きてて欲しいと、願っている。そんな雲雀を目障りだと思ったのか、死柄木は雲雀を見下す。

 

 

「おいおい悲しむなよ………そんなに泣いてたらお前のお友達の柳生ってガキは、あの世で悲しんでると思うぜ?あっ、でも…どうせお前も直ぐに会えるよ、柳生に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの世でな」

 

死柄木は、雲雀の目の前にゆっくりと辿り着き、雲雀の顔を掴むように手で、顔に触れようと…壊そうとする………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことが出来なかった。

 

 

 

ドシュッ!

 

「いっ…!?」

 

死柄木の手首に、何かが刺さったような嫌な音がした。死柄木は咄嗟に手を引っ込めて、傷で血が流れてる手首を見ると、それは…

 

「………クナイ…?」

 

「死柄木弔、大丈夫ですか!?」

 

「ってぇなぁ…!!今度は何だよ!ったく!」

 

怒り荒ぶる死柄木は、心配する黒霧の声が聞こえなかったのか、黒霧に反応はしなかった。手でクナイに触れた瞬間。クナイは一気に崩壊し、粉々となった………しかし、死柄木の手首に投げられたクナイ、アレは一体誰のものなのか…それは、

 

 

 

 

 

 

「ひ、雲雀から………離……れ…………ろ!!」

 

 

 

「えっ…?う、嘘……ほん……とう………なんだよ……ね?」

 

 

 

その声は…

 

 

 

「んだこの聞いたことのある声は……なんでだ……なんで、何で!!お前!」

 

 

 

 

鼻と頭から血が流れてる

 

 

 

 

 

「信じて……いいんだよね?………もう、死んじゃったかと思ったよ……!!」

 

 

「雲雀、オレは……絶対に……………死なない……!!」

 

 

「うん……うん!!」

 

 

もう無理だと思ってた、死んでしまったかと思ってしまった。もうだめだと………

 

 

 

だからこそ、雲雀は疑ってしまうほど彼女が来てくれて嬉しかった。涙が溢れるほど…それほど、本当に、生きてて、本当に。

 

 

「ありがとう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柳生ちゃん!!!!」

 

 

脳無に殺されたと思われてた、柳生の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

水難ゾーン

 

「おい…さっきのまた爆発したぞ!?大丈夫なのか…?雲雀と柳生のヤツは…!」

 

「ケロ…」

 

再び大爆発が起きた中央広場に、段々と心配してきた峰田と蛙吹。柳生がいても無事では済まないどころか、むしろ殺される確率が高いとも思われる。柳生と雲雀は忍学生だ。もし向こうがそのことに気付いたら、絶対に、迷わず殺すだろう…いや、もうバレてるのかもしれない…

それ以前に相手が忍学生であろうと雄英生徒であろうと、先生であろうとも、誰が相手でも殺すハズ。

 

「と、とにかく、僕たちも早く合流しよう!」

 

緑谷は二人に声をかけると、表情こそは不安に満ち溢れてるが、それでも頷く。ある一人の少女を除いて…

 

 

「………」

 

(まさか……まさかだとは思うけど、柳生ちゃん、死んでない………よね?殺されてない……よね?大丈夫……だよね??」

 

飛鳥は不安と恐怖で心が一杯だ。柳生と雲雀は忍びとはいえまだ一年生…それに柳生と雲雀が生きてて欲しいとは思ってはいるが…それでも疑ってしまう。殺されてるかもしれない…と。それが嫌だった。二人は飛鳥にとって仲間であり、友達でもある。飛鳥、斑鳩、葛城、柳生、雲雀の五人揃ってこその、選抜メンバーであり、皆んなで立派な善忍になると決めたのだ。

それなのに、こんな所で…二人は終わってしまうのが嫌だ。殺されて欲しくない…死んで欲しくない……

飛鳥はそんな気持ちで胸がいっぱいだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

中央広場にて。

 

 

「はあ………はあ…………はあ…………」

 

「や、柳生ちゃん………」

 

柳生の息遣いは荒く、目を細めながらも、ヨロヨロになってでも、雲雀の目の前に立ち、守っている。傷や、出血の量は酷いが…それでも雲雀を守るために柳生は再び、戦闘態勢に入る。番傘は壊れてしまってるため、持つことは出来ない。

 

 

「大丈夫か……?雲雀………オレは……オレは………」

 

「大丈夫だよ……大丈夫だから……逃げて!!」

 

「……雲雀?」

 

柳生は首を傾げるのであった。雲雀は涙を流しながらも、柳生の身体を支えるようにして、逃げるように言う。

 

「もう、そんな傷じゃ戦うことなんて出来ないよ!!雲雀のために戦ってくれるのは嬉しいよ?でも、でも…柳生ちゃんが死んだら嫌なんだもん!死んで欲しくないもん!!」

 

「………雲雀」

 

柳生は雲雀の言葉を聞いて、涙を溜めた。死んだら嫌だ、死んで欲しくない。それは柳生だけでなく雲雀も嫌なんだと。だから雲雀の気持ちを聞けて、柳生はとても嬉しいのだ。

 

 

だが、ある人物はそんな二人を忌々しく睨んでいる。

 

 

 

「ハァーー……黒霧、どういうことだ?」

 

「私にも分かりません…ただ、あの少女は渾身とも呼べるような脳無の一撃を食らったにも関わらず、それでも彼女は生きている……おかしいですね…()()のおっしゃる通りならば、脳無の一撃だけで子供は仕留めれると……」

 

「だよな!?何であのガキ生きてるんだ!?それよりさっき吹っ飛んだだろ?あの一瞬で一体どうやってあんな傷で此処まで来たんだ?!」

 

柳生は攻撃を食らったものの、直ぐに回避するよう避けたのだ。その為脳無の拳が僅かに顔をかすっていたのだ。それでもこのダメージ。吹っ飛んだと言っても、番傘で地面を削り、威力を少しでも殺していたため、なんとか最善を尽くすことが出来た。そして、全力で、今ある力全てを振り絞り、やって来たのだ。雲雀の思いがそれほど強いのだろう。

 

いつの間にか、柳生はクナイを構えていた。

 

「雲雀、逃げてくれ……アイツらはオレが」

 

「ダメだよ!!」

 

「!?」

 

雲雀は首を横に振る。

 

「仲間を…友達を置いて逃げられないよ!!ソレは柳生ちゃんだってそうでしょ?」

 

「確かにそうだが……でも、でもオレは!!」

 

 

雲雀を失いたくない。

 

 

 

 

だが

 

 

 

 

死柄木は…

 

 

 

 

 

消そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「脳無!」

 

 

 

 

 

その瞬間。脳無は…柳生の目の前に辿り着いた。

 

 

 

 

 

「……」

 

「クッ…!」

 

柳生は避けようとするが、重傷で無理に走ってしまった為か、なかなか体が言う事を聞かない。もうダメだ…おしまいだ……そんな時だった。

 

 

 

ドン!

 

 

 

 

 

「え?」

 

雲雀は柳生を抱きしめ、押し倒した。

 

 

 

 

ブオオオォーーーーーーーーーーンンン!!!

 

 

 

空振っただけで、大きな音を立てる脳無の拳。脳無の本気の一撃を躱した。もし雲雀が柳生を押し倒さなきゃ、今度こそ確実に死んでいた。

 

 

「ひ、雲雀……お前」

 

柳生は感謝の言葉を言おうとしたが、雲雀は柳生から脳無を見ると、柳生に話し出す。それは、雲雀が『このこと』を皆んなに言わなければならないものを。

 

 

 

 

 

 

「柳生ちゃん、この人気をつけて!可笑しいんだよ!」

 

 

 

「雲雀?……どういうことだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この人…()がない!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに!?」

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

雲雀の言葉に、その場の全員は凍りついた。脳無を除いて…

 

「ひ、雲雀……どういうことなんだ………コイツは……」

 

「よく分からないけど、でも…心がないんだ………愚術みたいなものでもないし、忍びのような独特とした気配はないけど……でも!この人から心を感じないし、まず心が存在してない!」

 

「なっ……」

 

雲雀の言うことは信じられなかったが、それでも確かに本当だろう。筋が通っている。脳無が喋ってる姿も、自分で判断し行動するようなことも、見たことがない。改めて言うが、雲雀の言ってることは本当だと言える。今戦ってるこの敵には、心がないのだから…驚くのも無理はない。

 

「じゃあ……コイツは、何なんだ?一体……コイツは…………」

 

愚術で操られてるわけでもないなら、コイツは一体何者なのか?そんな疑問が浮かび上がってきた。

 

そう思っている二人に、脳無は攻撃しようとしない。雲雀が駆けつけに来たことで…柳生か雲雀、誰を殺せばいいのか分からないのだろう。そして、死柄木が動揺してることで……

 

 

 

 

 

「おい、黒霧…どう言うことだよ!?なんでアイツ…脳無のことを知ってやがる!?お前何か話したか?」

 

「いえ、私はなにも……しかし彼女には何か特別なものを感じます」

 

「特別なもの?」

 

死柄木は首を傾げる。

 

「はい…脳無に心がないなどと見極めたり、それに先ほどの兎といい、身体能力も高い……もしかしたら、彼女こそが…我々が殺すべき敵、忍なのでは?」

 

「!!」

 

死柄木は、「そういうことか」という顔で何度も何度も…感心するかのように頷く。まるで今まで解けなかった問題を解決したような……

 

「確かに黒霧の言ってることには筋が通ってるな…道理ですばしっこくて、なかなか殺せなかったのか!」

 

「はい、恐らく…それにあの柳生とかいう少女もまた忍である可能性が高いかと…脳無の一撃を喰らってもまだ生きてるそのタフネスさもまた、忍ならば納得がいく…」

 

「なるほど…なるほど…ああ、そっか…そっかそっか!!そういう事だったんだな!よく分かったよ!」

 

死柄木は納得した様子で微笑む。

 

「あーあ、何だよ…コイツら忍だったのかよ…でも黒霧の言ってる事で納得がいったな……よし、そうと分かれば……

 

 

脳無!そのガキをやれ!」

 

死柄木は柳生に指差すと、脳無は指差してる方向の、柳生に襲い掛かる。

 

「や、柳生ちゃん!」

 

すると雲雀は柳生の目の前に立つ…だが柳生は必死に雲雀を止めようとする。

 

「よせ雲雀!お前が目の前に立つと、アイツは雲雀を……!」

 

雲雀は柳生に振り向き、満面な笑みを浮かべる。

 

「柳生ちゃん、いつもありがとね。痛い思いをしてでも雲雀のことを守ろうとしてくれて」

 

脳無は雲雀の目の前にやってきた。それでも雲雀は脳無に振り向く事なく話しを続ける。

 

「雲雀、ずっと嬉しかった。いつも柳生ちゃんの背中をみて、とてもカッコいいと思ったんだ」

 

「………」

 

「だから…だから雲雀もいつまでも守られてるだけじゃダメなんだ…今度は雲雀の番だよ…雲雀が、柳生ちゃんを守ってみせる!!」

 

(雲雀…!)

 

雲雀は脳無に臆することなく、手を広げて柳生を守ろうとする。

 

 

しかし、そんな雲雀の頑張りを、無に、変えようと、否定するように、死柄木はこういった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうかそうか、じゃあ…俺が雲雀くんを殺れば良いんだな?」

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

雲雀は死柄木の言葉を聞いて、目を丸くした。

 

 

 

「脳無、柳生ってヤツを抑えとけ。せっかく大切なお友達が勇気を振り絞って守ろうと頑張ってるんだ……俺がそれを壊そうとしないでどうするんだ?」

 

 

最悪だ。そう思わせる程に死柄木は歪んでいた。

性格も、やることも、何もかも全て…

これが悪。これがプロが相手にするヴィラン、圧倒的絶対的暴力。理不尽なる悪意。

 

 

死柄木は狂気とも呼べる満面な笑みで、雲雀に近づいてく。

 

 

 

「あ……あああ………!!!!」

 

 

こんなことじゃなかった。雲雀はただ、柳生に死んでほしくない…ただそれだけなのに、死柄木はそんな二人を引き剥がすかのように、滅茶苦茶にするかのように、何もかも塵にしてしまうかのように、壊しにかかってくる。

 

 

「ひ…ひ…雲雀ぃ!!!」

 

柳生は全力で声を振り絞り、今ある力全てを使って雲雀を守ろうと身体を動かすが……

 

 

 

ドッ!!!

 

 

 

脳無は先ほど死柄木から言われた命令に従うため、柳生の身体を両手で掴み、思いっきり地面に押し付ける。相澤の時のように…

 

 

「ガァッ… ハッ!!」

 

すると柳生の口から血が出てきた、そして脳無は体を抑えてた柳生の頭を鷲掴みにし、今度は身体を持ち上げると死柄木の方へと向ける。

 

「よし、良いぞ脳無…そのままにしとけ」

 

死柄木は脳無にそう言うと、脳無はピタリと動きを止める。柳生は掠れた目で、雲雀を見つめている。

 

 

「待ってくれ……雲雀だけは………雲雀だけは…………!!」

 

 

柳生は僅かな声でそう言うが、死柄木と雲雀には声が届いていない。そのため二人は柳生に反応していない。

 

雲雀は死柄木を見ている。戦いたいが…雲雀は恐怖と、今起きてる残虐な状況で、体が動かない。

 

 

「そんな…そんな……!!もうやめて!柳生ちゃんには…もう手を出さないで!!お願いだから…もう」

 

 

「そう言ってやめるとでも思うか?俺たちはヴィランぜ?殺してなにが悪いんだ…??」

 

 

死柄木はこれでもかと言わんばかりなのか、怯える雲雀をニヤリと見下し、そして、とうとう手が、崩壊する絶望の手が…悪意溢れる死柄木の死の手が……少しずつ、少しずつ…雲雀の顔に近づいてきてる。

 

それを見ている柳生も涙を流した。大量の涙を…

 

 

 

「やめてくれ…」

 

 

柳生は微かな声で叫んだ。

 

 

「お願いだから…」

 

 

ふと柳生の脳裏にある人物が、そして言葉が浮かび上がってきた。

 

 

「頼む……頼む………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『柳生ちゃん!』

 

 

『柳生ちゃん、どうしたの?』

 

 

『ねえ、貴方も雨が好き?一緒に行こ!』

 

 

『柳生ちゃん…ありがとう!』

 

 

『柳生ちゃんとは、お友達だよ!!』

 

 

 

 

 

「やめろ………」

 

 

 

 

 

 

 

死柄木の死の手があと僅かな距離で、雲雀の顔に触れてしまう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『柳生ちゃん、大好きだよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(『望』のように、もう大切なものは失いたくないんだ!!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お姉ちゃん!立派な忍びになってね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

思いっきり叫んだ…だが、叫んでも何も変わらない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう終わりだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人とも…ゲームオーバーだ……!!」

 

 

 

 

死柄木は叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たああああーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

「!?!?!」

 

 

「えっ!?」

 

 

「あっ…」

 

 

 

勢いよく叫んでいる、聞き覚えのあるその声は…

 

 

 

「柳生ちゃんと雲雀ちゃんは…殺させない!!」

 

 

 

 

「「飛鳥(ちゃん)!!」」

 

 

飛鳥の姿であった。

 

 

死柄木が振り向くと、もうすぐそこに飛鳥が、二つの刀で振りかざそうとする。飛鳥の刀が、死柄木を襲う…それでも、刀は死柄木に当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズオン!

 

 

飛鳥の目の前に現れたのは…

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…!」

 

 

 

「させませんよ?」

 

 

ワープゲートの黒霧だった。

 

「死柄木弔と脳無が二人の相手をしてるのに、私がただ棒立ちしてるとでも思いますか?貴方達が来るのも分かってましたよ。といっても…あの『三人より』も早く駆けつけたのは貴方ですがね」

 

 

「あっ…!あああ!」

 

 

『三人よりも』…それはつまり、緑谷、蛙吹、峰田の三人を置き去りにしてしまったのだ。飛鳥は柳生と雲雀のことを心配してここまで駆けつけに来たのだが……飛鳥は「しまった」という顔をすると、黒霧は微笑みながら、黒い霧を膨張していく。

 

「死柄木は今、ゲーム中です。邪魔はしないで欲しい…さて、貴方はいずれ殺すとして、他の場所へ飛ばしますか」

 

黒霧は黒い霧を飛鳥に襲わせる。飛鳥を飛ばそうとし、脳無と死柄木は二人を殺そうとする。絶体絶命だ…

 

 

 

 

 

 

「あ、飛鳥さん…!」

 

「ケロ!これは不味いわ…!峰田ちゃんも早く!」

 

「クソォ…!まて!はぁ……はぁ……くっ、そぉ!!」

 

緑谷、蛙吹、峰田の三人は、飛鳥達を助けようと走ってはいるが…もう間に合わない。

 

(くそ…!くそくそ!!こんな時に、僕は何も出来ないのか……!!こんな状況なのに……誰も、救えないのか…!!)

 

緑谷は心の中でそう言い聞かせる。しかし、どんなに心の中で叫んでも、敵も時間も待ってはくれない…

 

凶悪で、残虐で、無慈悲な三人の敵(ヴィラン)は、飛鳥達を殺そうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バアアアァーーーーーーーーン!!!!

 

 

 

 

 

 

そんな暗闇のなか…

 

 

 

 

 

たった一つの、希望とも呼べる

 

 

 

 

 

光が…

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫!!!!」

 

 

 

 

 

 

差し込んで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が来た!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉を開け、希望…光とも言えるその姿は…その人は…平和の象徴オールマイトであった。

 

「お、お、オールマイトぉ!!!!」

 

「ケロ…!」

 

峰田は涙目になって歓喜の声でオールマイトの名前を呼ぶ。

 

「オール…マイト!!」

 

緑谷は、何処か不安そうな顔で、怒りに満ち溢れてるオールマイトを見つめる。

 

蛙吹は表情こそは変わりないが、ホッと安心する。

 

「あ、あの人は…!」

 

「っ…!!」

 

飛鳥はオールマイトに希望な眼差しを向け、黒霧は目を細めてオールマイトが来たことに驚く。

 

「救けが…きたのか……?」

 

「………」

 

柳生はもう声が出ないのか、弱々しい声でオールマイトを見つめてる。脳無はオールマイトに振り向くことなく、ただ止まってるだけだ。

 

「ああ…ああああ!!やった…やった!!やったよ…!!!」

 

雲雀はさっきの絶望の顔から、希望の顔へと一変した。そして、そんな雲雀を殺そうとした、死柄木は…殺意ある目で、ニヤリとしながら睨みつける。

 

 

 

 

 

「あ、コンティニューだ…」




死柄木の性格が尋常じゃなくなりましたねwwはい、ここでヒーロー&忍びの反撃が始まりますね!どうなるのやら…次回もお楽しみに!!

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